何もしてないのに怖がられる それは女神の力かも?

人生:スピリチュアルブログ
写真AC
母親になって後悔してる

母親になって後悔してるを読んでいた時、こんなくだりが出てきました。

多くの文化において、誕生と死は密接に関連していると信じられており、女性の生殖能力がこの両方の状況に結びつけられている。

例えば、ナオミ・ウルフによると、ベナンのバリバ族のことわざでは、妊婦が「死にゆく人」と表現されている。また、ある民話によると、昔は妊娠中の女性のために墓が掘られ、無事出産を終えても、40日間あけたままにしてから、女性を入れずに封印されたという。

母親になって後悔してる p149

ここを読んで思ったのが
「アマゾンのヤノマミ族もそうだな」と。
女性の出産の隣に死があるという意味で、共通していると感じました。

ヤノマミ(Amazon)

ヤノマミ族は、産んだ母親にその子を育てるかどうかの選択権があります。
母親の判断で「今は育てられない」と思ったら、子どもを天に還していいのです。

育てられないと思ったら、母親はその場で生まれたばかりの嬰児を殺します。しかしそのことは咎められません。生殺与奪の権は、母親にあるのです。ここでも、命を生み出すものこそが、死と密接につながっているわけです。

「誕生と死は密接に関連している」というのは、西洋占星術でもそうですね。蠍座や冥王星、8ハウスは生殖と死という真逆のものと結びついています。

日本神話でも、命を生み出す母であるイザナミは死をもたらす冥府の神でもあります。

また、母親になって後悔してるには、こんなくだりもあります。

一方は他方なしでは活動しない。
しかし、私たちはいっしょには動かない。

一方が世界に入ると、他方が地下に潜る。
一方が生命を運ぶとき、一方は死ぬ。

お母さん、私があなたに望んでいたのは、次のことである。

私に命を与えても、あなたはまだ生きていることなのだ。

母親になって後悔してる p150

この言葉に、私はシュメール神話のグレートマザー・イナンナを思い出しました。

イナンナの冥界下りは天空の神が地上に降りて二元性を獲得する、三次元地球世界に根づくプロセスとも見れます。
完璧な天空の神が地球に根づくには、二元性を獲得しなければならない。そして二元性を獲得した暁には、「半分」しかいられない。もう半分を失う、全体性を失うのです。

ですから、上の引用にある「一方が世界に入ると、他方が地下に潜る。一方が生命を運ぶとき、一方は死ぬ」とは、イナンナの身代わりとして一年の半分を地上で、半分を冥界で過ごすことになったドゥムジとゲシュティンアンナ姉弟のようだな、と。

実はこういう現象は、算命学でも言われます。
一方が輝くと、一方は地味になる。
一方が評価されると、一方は評価されなくなる。

良い悪いではなく、それが陰陽の二元性の世界です。
(それが嫌な場合は、陰と陽を揃えて統合し二元性を超越すれば良いわけです)

私は、自分のことを怖がる人を理解できませんでした。
私なんてちっとも怖くないのに、と。

しかし、今は「そうだよね、怖いよね」と思います。
なぜなら私は女性だから。
女性の奥深い恐ろしさを理解しているから。

ユング心理学の本を読んでいると、元型という概念が出てきます。人類の深層意識の中に眠る最も強力なパターン、とでも言えばいいでしょうか。

[ユング心理学の元型(archetype):永遠の少年(プエル・エテルヌス, puer eternus)]
ユング心理学の元型(archetype):永遠の少年(プエル・エテルヌス,puereternus)ユング心理学では、人類全体に共通する無意識の領域として『普遍的無意識・集合無意識(collectiveunconsciousness)』を定義するが、その普遍的無意識の象徴的内容及び情動的なイメージが元型(archetyp...

その元型の一つに、「グレートマザー(太母)」があります。
まさにこのグレートマザーは「誕生と死は密接に関連している」ことを示す元型です。慈愛の母として子どもを優しく育て、それと同時に死の女神として命を奪う恐ろしさも持ち合わせています。

すべての女性に(そして男性の女性面に)この両面性は潜んでいると私は思います。
だからこそ、女は怖いのです。理解しがたいカオスがあって、怖いのです。まったく理解しがたいところに巨大な力があるのですから、未知であるがゆえに余計怖くなるでしょう。

「これはグレートマザーの力が入っているな」と思った例はこちら。

怖いです。
叱責する妻を前にして、夫はほぼほぼ無になっています。

私も「ああ、こういう責め方しちゃうことあった」と反省することしきりです。辛い奥さんの気持ちもわかるし、こういう詰められ方すると何も反応できなくなる(むしろ反応しようがない)旦那さん側の気持ちもわかる。

グレートマザーのエネルギーとつながると、本当に怖いんです。
上の動画の女性も、怖いでしょう。迫力満点でしょう。
それは既に個人の力を越えているから。潜在意識的な大きな力とつながっているから。

このことを頭に留めておくと、「わけのわからないことで抑えつけてこようとする相手」や「何を言っても否定して来る人」や「何を言っても馬耳東風な人」に対して傷つかずにすむかもしれません。

「そうか、この人は自分をおそれているのだな」と正しく理解すれば、相手に対して正論かつ理論で「いやですからこれは――」と説明してしまう愚を避けることができます。

相手は怖がっているのだから、事情を説明してもどうしようもありません。自分を大きく見せようとして横柄にふるまっていたとしてすら、心は震えあがっています。「そこまでして否定する?」「なぜ理解しようとしない?」という状態は、実は防衛反応かもしれないのです。

自分は怖い。
相手を怯えさせるようなことをしていなくてすら怖い。
なぜなら、それはあなたの後ろに太母の大いなる力が透けて見えるからかもしれません。

女は怖い。
(特に母は怖い)

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