「40歳で女はどうしても子どもが産みたくて仕方がなくなる」説を検証

人生:スピリチュアルブログ
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子だくさんの国、イスラエル。
一生のうちに女性が産む子供の数は平均3人。
そんなイスラエルでの研究をまとめた母親になって後悔してるという本が、昨年話題になりました。

母親になって後悔してる

この本をめくると、「はじめに」というページに書かれたこんな文字が飛び込んできます。

あなたはきっと後悔する!
あなたは!
きっと!
子どもがいないことを後悔する!

「母になることを望まない人生」を選択している著者のドーナトさん。
その彼女に浴びせられたのが上の言葉でした。

40歳で女は「どうしても子どもが産みたくて仕方がなくなる」?

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運命の予言めいたこの言葉は、親になるのを嫌がる人のほぼ全員、とりわけ女性に何度も投げかけられる言葉であり、私の頭の中にずっと響き渡っている。

そんな人はきっと後悔する。
女性は母にならなかったことを後悔する、と。

母親になって後悔してる p11

わかります。
私も何度も年上の人や友人たちから言われてきました。
「子どもを作らないと後悔するよ」と。

そしてこうも言われました。
「40過ぎて子どもがいなかったら、本当につらい人生になるよ」と。
「40手前で女はどうしても子どもが欲しくなる時期が来る。その時には男の人はあなたのことをおばさんとして、もう相手にしないんだからね」

正しく常識的な生き方を守り続けると、節目ごとに「正しい感情」を押しつけられていると感じることが多くなる。たとえば、時間の流れがお母さんになりたいという気持ちを目覚めさせるというもの。

以前はそのような気持ちがなくても、時間とともに自然とそうなるのだ。

さらに、女性は生きていれば適切な時期にお母さんになりたくて仕方なくなると考えられている――結婚後や同棲開始の数年後、または女性の妊娠の「タイムリミット」によってである。

ドイツのジャーナリストで作家のサラ・ディールは、映画「恋人たちの予感」の一場面に不満があると述べた。
女子会で「カチカチと刻まれる」タイムリミットと、父親向きの男性を見つけなければと話し合っている場面だ。

「登場する女性たち全員が、子どもを産むのにはタイムリミットがあるという不安にさいなまれている。女は母になりたい。だから不安は当然? 現在私は30代半ばだが、まだ母になりたいという女として当然あるべきとされる気持ちはわき起こってこない。私の体も精神も今がその時だと告げていない。告げているのは世間だけだ」

母親になって後悔してる p46~47

40手前になると女はどうしても子どもが欲しくなる説。
これはたぶん、性欲の亢進による説なのでしょう。
女性は閉経前に女性ホルモンが減ることで男性ホルモンが優位になります。

I-特-34図 男性・女性ホルモンの推移 | 内閣府男女共同参画局

この変化によって、性行為がしたくて仕方がなくなる女性が出て来るそうです。(※現象には個人差があります。私個人はそういう感覚は経験しませんでした)
つまり、身体の欲求につきうごかされる。それが「子どもが欲しくて仕方がなくなる」という現象の一部なのかもしれません。

ソフィア 1~4歳の2人の子どもの母

〔……〕私は、「子どもを望まない女性たち」というオンラインフォーラムの投稿を読んで癒しを感じながら、自分の気持ちと向き合っています。

私はすごく怖いんです。
何が怖いのか?
子どもを望んだ時、それは理性的な経験ではなく、感情的で子宮主導の経験でした。それが再び起こるのではないかと心配しています。

子宮が目覚めて、突然もうひとり産むのがいいと考えるようになるのが怖いのです。

理性的になれないとわかっているので、怖いです。

母親になって後悔してる p157
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「40手前になったら子どもが欲しくて仕方がなくなる」
「子どもを産まなかったことを後悔する」
「子どもがいないとさびしい老後になる」

このように、たくさんの人から投げかけられてきた言葉。
特に、年上の人生経験豊かな方々から、投げかけられてきた言葉。
これは、真実なのでしょうか?

子どもが欲しくない女たちの不毛な集まりでおこったこと

私は今月ワークショップの前日に、前夜祭と銘打ってお食事会をしました。
隙あらばノミュニケーション!
(そして飲んでいたのは、ルイボスティ。笑)

北海道で温泉宿を運営する鶴雅さんのビュッフェ。
北海道食材による美味しいお食事。お寿司はネタを選べば職人さんがその場で握ってくれます。ピザは注文後に熱々のものをテーブルに届けてくれます。

ああ、本当に美味しかった。

そんな食事の場に集まったのは、30~50代の女性たち。
全員子無し。そんな「子どものいない惨めな女たち」の集まる場は、愚痴と不満と後悔だらけ――

ということはなく。

すごく楽しかったです。
共感と笑いに満ちて、あっという間に3時間以上が経過してしまいました。
楽しい時間は過ぎるのも早い!

そして、アラフォー以上の女性が口をそろえていうのが
「40手前で子どもがどうしても欲しくなる説、自分個人としてはあてはまらなかった」です。

女性の婦人科系の特徴って、本当に個人差が大きいですよね。
生理痛もPMSもある人とない人では非常に大きな差があります。ちなみに私は生理痛は温めれば治る系でPMSもほとんど感じられませんでした。そして現在は更年期ですが、ホットフラッシュになったことは今のところ一度もありません。

そして、集まった女性は一様に「子どもが欲しくて仕方がなくなって後悔したことは(今のところは)ない」と言うのです。そういう人だからこそ子どものいない人生を選択しているのだ、という言い方もできます。

私、思うんです。
「大人のいうことって、けっこうあてにならないなあ」と。
今思うと、私が子どものころに親から言われたアドバイスは、かなり的外れでした。自分のことは、親よりも自分のほうが理解している―――すごく当たり前のことですよね。

確かに、300年前だったら変化の少ない世の中だったので、大人のいう「予言」は的中率が高かったのでしょう。しかし、今は変化の激しい世の中なので、親世代の価値観すら古びたものになっている可能性があります。要アップデート。

とりあえず、私の周り(子どものいない人ばかりです)で「やっぱり子どもを作ればよかったと後悔している」人はいません。
70代の先輩女性経営者の方も、後悔してません。

やはり、大切なのは「子どもを作るか作らないか」ではなく、「自分の選択にコミットできるか、自分の人生を愛せるかどうか」なのでしょう。
自分の選択、尊重したいですね。

大切なのは、リスキリングならぬ「リフレンディング」

さて、今の世を中年以降楽しく生きていくのに大切なのはリスキリングならぬ「リフレンディング」なのではないか、と思います。それこそ、子どもがいるかいないか関係なく。

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リフレンディング、refriending。
つまり、「友達の作りなおし」。

周りは結婚して子どものいる人ばかりで
心を分かち合える友達がいないんです

やっぱり年を取ると
新しい友達はできないし
でも学生時代の友達とは疎遠になって

こんなことをおっしゃる方がいらっしゃいますが、私は思います。
「子どものいない人と仲良くなればいいじゃないですか」と。
パンがないならケーキを食べればいいのよ。笑

生涯未婚率(50歳で一度も結婚していない人)は男4人に1人、女5人に1人です。特に東京では、「3人に1人の男」と「4人に1人の女」は生涯未婚です。
いくらでも子どものいない人なんています。多数派ではないですけれども、探せばいます。

「社会人になると、友だちが作れない」とか、「学生時代の友が一生の友」とか、確かに30年前にならば正しかった価値観かもしれません。
しかし、もうアップデートが必要な時に来ているのではないでしょうか。

上の前夜祭では、ほとんどが初対面同士の人ばかりでした。それなのに、とても盛り上がって楽しく過ごせました。子どもがいない人同士だと、通じ合えるところがあるのですね。

私が今仲良くしている人も、ほとんどが30代以降知り合った子どものいない人です。年上の人もいれば年下の人もいます。10年以上のお付き合いの人もいます。

昔の友達に今の自分に合わせた価値観になってくれというのは、少々無理があるしお互いを幸せにしないのではないかな、と思います。価値観が合わなくなってきた学生時代の友達とは、淋しいけれども自然と疎遠になって、今の自分に合った友達を新たに作ればよいと思うのです。

だから、中年以降大事なのがリフレンディング。
友達の作りなおし。

極端なことを言うなら
「老人ホームに入っても、そこで新しい友達を作れる自分になる」。
この社交スキル(人間力)があれば、どこにいっても幸せでいられます♥

レッツ、リフレンディング!
新しいお友達、作りましょー♪

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