本当に「子どもがいる人=幸せな人」なのか?
子だくさんの国、イスラエル。
一生のうちに女性が産む子供の数は平均3人。
そんなイスラエルでの研究をまとめた母親になって後悔してるという本が、昨年話題になりました。

この本が話題になってNHKのクローズアップ現代でも取り上げられるくらい、日本でも「親になることが辛い」と思っている方は多いようです。
母親の「子育て否定感」が急増、「子育てのせいで我慢ばかり」6割超。
こちらの記事では、年々子育てに不安を抱える人が増えているデータが示されています。


こういった声がタブー視されず、表に出てくることは実に好ましいことだと思います。なぜなら、まさしく私自身の母が「子育てのせいで我慢ばかり」と日々不満を抱えて生きていた女性だったからです。
小さな頃から私は、「おかあさん、結婚しないで子ども産まなかったら、本当に幸せになれたのにな」と思っていました。
「妻/夫になりたくない人」
「母/父になりたくない人」
そういう人はそうならなくていい社会になったら、良いのにな、と。
子どもを作ることで本当に幸せになれる人だけ、子どもを作って幸せになれる社会。
子どもを作りたくない人は、子どもを作らないで幸せになれる社会。
そういう社会が、いいなと。
「子無し人生は幸福度高し」ミシガン州大学の研究
さて、イギリスの大手新聞「ザ・ガーディアン」に興味深い記事が掲載されていました。
「子どもを作らなかった人って実際後悔しているの? そうとも限らない件」

But do people actually regret not having children? New research suggests they don’t. Last summer researchers from Michigan State University found that one in five adults in the state, or about 1.7 million people, didn’t want to have children. (Abbreviated) Turns out they’re all pretty happy with their decisions. “[W]e found no evidence that older child-free adults experience any more life regret than older parents,” Jennifer Watling Neal, the co-author of the study, said in a statement. “In fact, older parents were slightly more likely to want to change something about their life.”
子無しの人は実際に人生後悔しているのか?
そうでもないらしいと新しい研究は示唆している。昨年夏ミシガン州大学の研究者は州在住の成人のうち5人に1人(170万人)は子どもを欲しいと思っていないことに気づいた。(中略)その選択に対して、非常に満足していることも明らかになった。
「子どもがいれば幸せで子供を作らないまま老いた人は後悔しているという思い込みには根拠がないことに、我々は気づきました」共同研究の一員であるジェニファー・ワトリング・ニールはこう述べた。「事実、子どものいる人のほうが、この人生を変えたいと思う傾向がわずかにだが高かったのです」
Do people actually regret not having children? Possibly not | Arwa Mahdawi | The Guardian
他研究では、イギリスの子どものいる人の8%が親になったことを今は後悔しているそうです。アラサー世代が一番親にならなければよかったと感じていて、55歳以上の世代が一番後悔している人の割合が少なかったそう。
2016年の研究で、ドイツでは19%の母親と20%の父親が「もう一度過去に戻れるなら、子どもを作らない人生を生きたい」と回答したそうです。
フェイスブックのグループ「親になったこと、後悔してる」には、59000人も登録者がいるそう。
記事では「すべての人にとって子どもをつくる選択が最適解ではない」と締めています。
実は、昨年の日本の研究でも「子どもが増えれば増えるほど不満も増える女性の姿」が浮き彫りにされています。

子どもがいなければ、夫が「とっつあん坊や」だったとしても「そうね、そうね、はいはい」と適当に話を合わせておけばいいので、衝突も少なくて楽です。
いみじくも、ココ・シャネルの言葉通りに。

男は子どものようなものだとわかっているなら、あなたはあらゆる真理を理解しているといえる。
しかし、子どもが生まれたらそういうわけにはいきません。
子どもがいなかったときには相手に合わせられていたことでも、子どものためを思うと「NO」を言わねばならないことは出てきます。
そこで言われるのです。
「なんか、子どもできてから変わったね」と。
いつでも自分が一番でないと不機嫌になるタイプのパートナーと結婚した場合、子どもが一人できると生活満足度が下がるのは当然です。
そして、子どもが二人生まれると、家庭のペースが子ども中心に回らざるを得なくなります。一人ならまだ「大人のペース」で生活できていたけれども、二人になるともう無理。子どもワールドに引っ張られます。三人になったらシンプルに動物園です。
ですから、子どもの数が増えれば増えるほど女性の生活満足度が減っていくというこの研究結果には、納得がいきます。

子どもがいないほうが満たされた生活ができる。
これはデータが証明する真実なのです。
そんな親の姿を見てきているから、Z世代(18歳~25歳)の5割弱は「子どもが欲しくない」と思っているのでしょう。

子どもが欲しい人は子どもができて、子どもが欲しくない人は作らなくてもいい。
Z世代の若者たちには、そのような人生を生きてほしいものですね。
大切なのは子どもの有無ではなく「ポジティブ幸福体質」

さて、ここまでデータや文献を挙げてきました。
それを今からぶち壊しにするようなことを書きます。
正直なところ
子どもを作ったほうがいいのかどうかは個人によります。
そうでしょう。
だって、99%の人が「子どもがいて幸せって」言ってても「私はそうじゃない」と思うなら、あなたは子どものいない人生が幸せな人です。
「個人的な問題」とは、そういうものです。
だって、あなたは地球上でたった一人のあなたなのだもの。
あなたの幸せはデータではなくあなたの内側にあるのだもの。
ですから、データで何%がどうとか、実はあまりあてにはなりません。
多数派になったら安心できる、幸せになれる、というものでもありません。
私が最近思うのが
「子ども作らなくても幸せな人は子どもいても幸せになれるし、子どもいても不幸な人は子どもいなくても不幸だろうな」ということ。
例えば、こんな書き込みをSNSで見かけました。
高校が同じだった友達が出産して、お祝いを届けた。すっかり母親っぽくなってて私と全然違うなってショックだった。うらやましい。可愛いママになってた。同い年でこんなに違うなんて。
私は、思いました。
「いや、あなた出産してママになったとしても情緒不安定でネガティブ思考だし、何やっても不満たらたらで幸せにはなれないよ」と。
出産後の大変な時期に「かわいいママ」に見える状態になれるよう身なりに気を遣っている(意識して手をかけないとそうはなりません)お友だちは、自分を大切にする力がある人です。こういう人は子どもを産まなくても愛されるし大切にされるし幸せに生きられます。
一方で物事をネガティブに捉えて人をうらやんで自己否定しているこの女性は、結婚しても出産してもなんだかんだ理由をつけては満たされないでしょう。夫や子供の欠点をあげつらい、愚痴を言い続けることでしょう。もちろん子どもを作らない人生を選択しても、上のようなネガティブワードを言い続けるでしょう。
つまり、大事なのは子どもをつくるかどうかではなく
自分の選択にコミットできるかどうか
ではないでしょうか。
ポジティブな人は子ども作っても作らなくてもポジティブで楽しい人生を送れるし、ネガティブな人は子ども作っても作らなくてもネガティブで不満の多い人生を送ることになるのだと。
幸せは、ポジティブマインドと共に。
ものすごく当たり前のことですね。
子どもを作るか作らないかは、大きな選択です。
どちらの選択をしたとしても、その選択を自分の中で肯定できる人はハッピーに生きられるし、肯定できない人は不幸に生きることになるでしょう。
もちろん、10代のころからコミットできる人はごくごく少数派です。アラサーくらいまでは惑うのがむしろ自然といえます。
しかし、40歳を過ぎた頃には現実を受け入れること。どういう選択をしたにしろ、結果を受け入れる。その肚づもりが大切なのではないでしょうか。
子どもを作るにしろ、作らないにしろ、自分の人生の選択を肯定する。
そうできる人は、幸せになれます。
子どもがいても、いなくても。
自分の選択、肯定してくださいね。
2023/05/20 おうし座の新月の日に。