「宇宙は与えてくれる」そうわかれば不安は消える

人生:スピリチュアルブログ
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立命館大学 先端総合学術研究科 小川さやか 教授
文化人類学が専門で、アフリカ研究者です。

文化人類学の知見はビジネスの世界、マーケティングの中で生かされています。グーグルやマイクロソフト、IBMやインテルでも文化人類学者は活躍しているとのこと。確かにグローバル社会の今、ローカライズには文化人類学の知見が必須ですよね。

小川先生の個人的共感ポイントは「フィールドワーク好き」です。
異質な他者への興味関心の高さ。人に興味を持てる人って、本当に魅力的ですよね! 

私も大学では地理学専攻だったので、ゼミでフィールドワークをやりました。農村地帯を歩いて、畑に出てるおばあちゃんに「これ何ですか~」って話聞いて。いつのまにか「上がっていきなさい!ご飯食べて行きなさい!」って話になって、おやつにメロンご馳走になったあげく晩ご飯まで食べて帰る、みたいな。笑

人見知りしてたら、こういう素敵な世界にふれることはできません。
人見知りしないって、ラッキーが舞い込むハッピー気質!
人見知りしない自分に感謝!です。笑

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だから、「フィールドワークが好き」「人が好き」な性分が伝わってくる小川さんには自然と好感を持ってしまいますね。
笑顔を見るだけで心がほっこり温かくなる人。

そんな小川教授の著書、チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学は、香港で生き馬の目を抜くアングラビジネスの世界を生きているアフリカ系の人々の様子が綴られています。

その中で、「これは、まさに『宇宙は与えてくれる』という話だなあ」と思ったエピソードがあります。
これがまた、スピリチュアル。

チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学

博士課程の院生としてタンザニアで調査していたころ、私は友人の露店商人たちや居住区の隣人たちに毎日のように「助けてくれ」「少し融通してくれ」と金品をねだられることにうんざりしていた。

当時の私は、調査費を稼ぐためにアルバイトをしていたし、実家の両親に調査費の不足を前借りするのも心苦しかった。

タンザニアと日本の間に構造的な経済格差があることは承知しているし、彼らの困難に共感しないわけでもない。私の調査に協力してくれる人々の恩にできる限り報いたいとも思う。それでも気軽に支援を求められると、日本人だからといって「水道の蛇口をひねるようにお金を手にしているわけではない」といった不満がふつふつと湧いてくる

私は、後で調査費が足りなくならないように、封筒に月々の生活費を小分けにし、さらに病気などの緊急事態用、文献購入費、通信費、長距離移動の交通費、インフォーマントへの謝金、空港で購入する土産代などと複数の封筒を作り、細かく管理していた。

友人たちに援助することが続くと、各月の封筒から数枚ずつ紙幣を減らしながら、この調子で私は本当に予定した調査期間を終えられるのだろうかと不安に苛まれた。

ある日、私はお金について悩むことが心底嫌になり、気持ちがぶつんと切れてしまった。そして、私に日々たかり続ける仲間たちを集めて、ジーンズのポケットを引っ張り出して見せ、スーツケースを開いて、宣言した。

「私が持ってきたお金はこれで全部よ。嘘だと思うなら、いくらでも荷物を調べて。今からこのお金をみんなに分配するから、それぞれが抱えている直近の問題を解決したら、もう二度と私にお金をねだらないでほしい。それから私は、これから5ヶ月間は何が何でも日本に帰国できない。その間の私の面倒はあなたたちが見ると約束してよね」

集まった仲間たちは私の提案に賛同し、私の2人の調査助手が、(私がこっそりブラジャーの間に隠し持っていた。100米ドルを除く)すべてのお金を全員に分配した。

私はそれから約5か月間、彼らにねだる側に回って暮らした。誰にもお金を無心されず――親しくない人に無心されても仲間たちが「彼女はもうすっからかんだ」と説明してくれた――、多くの仲間たちにおごられ、助けられ、贈与される日々は幸せであり、振りかかる問題をお金を使わずに解決すべく頭を使う日々がスリリングでもあった。

隣人のシティ・バスのコンダクターたちは、私を「メンバー」と呼んで毎日、無料でバスに乗せてくれた。私が「調査のために〇〇に行きたい」と言えば、彼らはその都度、私が行きたい街に向かうトラックの運転手を探してきて「この子を乗せて行ってくれ」と頼んでくれた。古着の露天商たちは「どうせ古着だから」と私に商品を貸してくれたので、私は数多くの露店をクローゼットのように使っていた。

幸いに私の仲間達の大半は商人だったので、食べ物からサンダルまで様々な売れ残りの商品をもらうことができた。そのうちのいくつかは転売して金銭に変えたり、他の誰かに欲しいものと交換してもらったりした。

儲かった日には仲間たちと酒を飲み、儲からなかった日は水をたくさん飲んだり、歯が欠けそうな硬さの焼きとうもろこしを食べて空腹をごまかした。治療費のかかる近代病院ではなく、親切な近所の伝統医に見てもらうようにした。行商を手伝って稼いだ金もその場で仲間たちに分配した。

実際困ったことなんてほとんどなかった。

当時、私は確かに現在を生きていた。
最初に分け与えた人たちが私の生活の糧であり、命綱であり、私は仲間たちの気まぐれな親切と知恵を頼りにすることで、封筒のお金を計算しながら、先々のことを思い悩む日々を捨てることができた。

チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学 p228~230

ね。
宇宙は与えてくれる。
宇宙は生かしてくれる。

このスピリチュアルな大原則を、体現していらっしゃいますね。

今の混迷の時代に、この「宇宙は私を守ってくれる、使命を果たせるように導いてくれる。必要な分だけ生かしてくれる」という感覚、非常に非常に重要だと思います。

逆に「不安だ、自分はどうせダメなんだ。上手くいかないに決まってる」こんなマインドセットを持っていたら――人生は暗転します。悪いことばかりが起きるようになります。悲しいですね……。

このVRアトラクション、象徴的です。
まさに「思考が現実をつくる」好例。

VRゴーグルをつけると、自分は地上200mの上で薄い板一枚の上に乗っていると感じます(画像左側)。不安で仕方なくて「落ちたらおしまいだ!」と心臓が早鐘のように打ちます。

しかし、現実(画像右側)はまったく安全。
実は安定した床の上に立っていて、落ちたところで怪我もしません。

なのに、「自分は今200mの高所にいて、落ちたら一巻の終わりなんだ」と思い込んでいると――足はガクガクフラフラ。普通にしていたらなんて事のないミッションすら、ものすごいエネルギーを注いで一生懸命やらないといけなくなります。疲れます。

本当なら、鼻歌歌ってクリアできちゃうようなイージーモードなのに……。
VRゴーグルを外して、現実を見ればいいだけなのに。

「ちゃんと宇宙は私を愛してくれて、最善へと導いてくれる」
「宇宙は私を(必要な分だけ)生かしてくれる」
この安心感があれば、VRゴーグルを外した状態になることができます。

この深い安心感を得るためにどうしたらいいか。
それは、上の小川さんの体験がヒントになります。
小川さんは追いつめられて全財産を放り投げます。もう好きにしてと手放したのです。

そう。
手放し。
エゴや執着や欲望を手放すと、宇宙は作動します。ミラクルを起こします。

このミラクル体験があることによって、私たちは「宇宙って、本当に私たちのことを助けてくれるんだ」って実感が持てるのではないでしょうか。

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私も、この仕事をはじめてから、多くの手放しの機会を頂きました。それは常識的ではないし理不尽だしポリティカルコレクトネス的には全く正しくない経験の連続でした。

「理不尽だ。なぜ自分がこんな目に遭わねばならないのだ」

しかし、そこで怒りを手放すと、本当に宇宙は「一番必要なもの」を与えてくれたのです。自分の小さな思考では考えつかなかったような「そう!そうだった、これだ!これこそが人生で必要なものだった!」という感動を、波のようにもたらしてくれました。

宇宙の意志は、大きなものです。
私のような小さな人間がいくら頭で考えても無駄なほどに。
だから、不安になる時間も無駄です。「一番いいように」してくださるのだから、委ねる。その信頼があれば、イラつきは鎮まり安らかに生きていくことができます。

「私は、最善へと導かれています」
このアファメーションがもたらすものは偉大です。
エゴを手放すと、愛がやってくるのです。

宇宙は、生かしてくれます。
必要な分だけ生きてお役目が終わったら、また自分も宇宙の一部へと還っていく……。
そこには無限の安らぎがあります。

信頼して任せることを学ぶべきだ。

困難な状況に陥った人は、幸運やシンクロを期待するよりも自力でなんとかしようとする傾向がある。体だけは立派に成熟した元赤ん坊は「俺が、俺が!」と頑固に主張する。

そうなると、宇宙はその人の手を放し、自分の力だけで乗り越える機会を与えてくれる。

「しかたありません、愛しい人。それでは自分の足で歩いてごらんなさい」

不信感を解消しておこう。
ほんの些細な問題とぶつかったときに、「宇宙は私を気遣ってくれることになっている」と自分に言おう。

だからといって、何もせずに手をこまねいていてよいというわけでは決してない。すべてはひとりでにうまく運ぶに決まっている、という考え方に自分を慣らそうと言っているのだ。

「あなたが上手くいくと思っているなら、そうしておきましょう」と、鏡である宇宙はあなたのイメージをきちんと反映させてくれるだろう。

些細なことから最も重要な問題に至るまで、宇宙があなたに気遣うことを許してあげるという習慣を身につけよう

ほら、あなたが傘を持たずに外出したら、雨が降りだしそうな雲行きになってきた。でも、家に引き返す必要はない。自分にこういうのだ。「私は宇宙と一緒に散歩中!」

宇宙に対してはこう言おう。
「あなたは私のことを気遣ってくれるんだよね?」
すると、宇宙はもちろんこう返事する。
「仰せの通り、愛しい人」。

遠慮しないで、宇宙を当てにしてよいのだ。

雨は降らないだろう。
もし降ってきても、世界は遅くならないうちに雨よけを差し出してくれるはずだ。

だが、うまい具合に事が運ばなくても、もし宇宙が自分を気遣ってくれると信じ切れていなかったなら、上手くいかなかったじゃないかなどと言って腹を立ててはいけない。

自分が鏡の前に立っていて、あなたの現実への見方が、それ以上でもそれ以下でもなく、寸分たがわずに鏡に反映されることを忘れてはならない。
ひどくがっかりしてはならないし、ましてや疑念と戦うのはもってのほかで、そうしたところで何も良いことはない。

間違いや失敗の入り込む余地を残しておこう。
大事なのは、基本的な方向性を維持することにある。

要するに、もし宇宙が気遣ってくれることをあなた自身が許すなら、色んなことで宇宙を頼りにしてよいということだ。

人はすべての問題を一人で処理することはできない。
そうした問題は宇宙に任せようではないか。

宇宙はあなたと比べたら計り知れない力を持っている。
たとえばあなたが自分の意志であらゆる危険を避けることはできないだろう。なぜなら世界にはあなたの思う通りにならない他者がたくさんいるからだ。

自分の安全を守ろうとエネルギーを注ぐのではなく、宇宙は常に最善へと導いてくれるという思念の形成にエネルギーを注ごう。すると、宇宙は本当にその通りに働いてくれるだろう。

あなたが一番不安を感じる要素によっては、特別なアファメーションを用いるといい。例えば、こんなふうに。

「宇宙は私のために一番良いものを選んでくれる」
「もし流れに乗って進んだら、世界はもっと私に優しくなる」
「私は自分で自分の世界を作る」
「宇宙は私を守ってくれる」
「宇宙は私を問題から救ってくれる」
「私がらくちんで余裕のある暮らしを送れるよう、宇宙は導いてくれる」
「私が注文を出し、宇宙は叶えてくれる」
「どうやったらいいか自分ではわからないが、宇宙はわかっている」
「私の願いは現実になり、全てが順調に行く」

新しく自分用のアファメーションを考え出してもいいし、何個使ってもいい。繰り返すが、大切なのは忍耐し、機会あるごとにアファメーションのフレーズをたえず確認することである。

我慢しなければならないのは、習慣化されるまでのこと。はじめのうちだけだ。一回習慣化されれば、その後は順調にいくだろう。

この簡単な技法には、あなたが思いもしなかったような非常に強力な力が潜んでいる。
世界に対する自分の態度をコントロールすることによって、あなたは現実をコントロールする。

宇宙という鏡は、あなたが自然と開運に導かれていくような現実を実現化させてくれるだろう。時間の経過とともに、あなたは大変居心地のよい世界を形成していくことになる。

嬉しい出来事が滝のように次々に起こるだろうから、心の準備をしておこう。私は少しも大げさな言い方をしていないつもりだ。

トランサーフィン鏡の「超」法則 リンゴが空へと落下する――奇跡の願望実現法 (超★スピ)  p186~188 太字強調は記事作成者による
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