リーダーのみなさん。
こんな部下がいたら、どう思いますかl。

自分は褒められると伸びるタイプです!
うーん。……地雷?
地雷臭がしませんか。
もちろん本当に褒めて伸びる人もいます。が、そうではない場合もありませんか。
なぜ上のような若者が地雷なのか。
性格が悪いから? 自分に甘いから?
そうではありません。
陰陽の法則で、悪い方向に行ってしまいがちだからです。
例えば、私自身褒められると伸びないタイプです。
私はすごく褒められると「なんだ、できてるんだ、じゃあいいじゃない」とサボります。怠けます。隙さえあれば楽をしようとします。
かといって、叱られてばっかりでもやる気はなくなります。
つまり、「ほめすぎもよくない。全否定もよくない」。
中庸が大切。何事も節度を持って、ということですね。
ほめすぎると相手をダメにする。
これは陰陽理論では当たり前のことといえます。
陰が極まると陽になり、陽が極まると陰になるからです。

「ほめれば伸びるタイプです!」
そう周りに積極アピールするような人は、ほめられる機会が当然多くなります。
そうすると「ほめられすぎ」になります。結果、腐ります。怠惰になります。
少なくとも、私の場合は「すぐ上手くいくこと」に対してすぐ興味を失います。すぐ褒められるようなことに対しては、すぐやる気を失ってしまいます。
だからソシャゲはすぐ飽きます。
だって、最近のソシャゲってチュートリアルの時点ですごくほめてくれるでしょう。「よくできましたね、すごい!」
だからこそ上の人(私のガイド)はこの仕事を始めてからすぐには軌道に乗せなかったのでしょう。半年間全くお客が来なくて貯金を食いつぶしたこともあります。
これがはじめから上手く言っていたら、私はすぐ調子に乗って「ほら私、できるじゃ~ん。もう飽きた~やめる~」と放り投げていたことでしょう。2005年から実に18年間、私がこの仕事一本で食べていけているのは、「すぐ上手くいかなかったこと(ほめられなかったこと)」が大きいと、自分では思っております。
「すぐには上手くいかないけれども、コツコツ積み重ね続けたこと」は、強いのです。
継続は力なり。

ほめすぎはよくない。
「どちらか」に行き過ぎると、必ず揺り戻しが来るということ。
陰に偏ると陽に揺り戻しが来、陽に偏ると陰に揺り戻しが来ます。
イスラエル空軍で「カーネマン・スコア」と呼ばれる兵士用適性テストを作り出した心理学者のダニエル・カーネマン。ユングやフロイトが提唱した深層心理学の流れからは距離を置き、「直観は間違う」と論じました。
そんなダニエル・カーネマンは、この「ほめられると下手になる」理由を以下のように述べています。
かくて行動経済学は生まれり(Amazon) ダニエルはその頃、イスラエル空軍で戦闘機パイロットの訓練を手伝っていた。彼はジェット機の飛行訓練では「褒めるよりけなした方が技術向上に効果がある」と、教官たちが思い込んでいることに気づいた。彼らは特にうまく飛べたパイロットを褒めると、何が起きるかを見れば、その意味がわかると言った。褒められたパイロットは次の訓練ではいつも下手になる。一方、けなされたパイロットはうまくなる、と。
ダニエルはしばらく訓練の様子を見ていた。そして実際は何が起きているのか、彼らに説明した。
上手く飛んで褒められたパイロットは実はうまくいかずにけなされたパイロットと同じで、ただ平均に戻っただけなのだ、と。つまり、教官が何も言わなくても下手だったパイロットはうまく(逆にうまかったパイロットは下手に)なっていた可能性が高いということだ。
しかし、脳が作り出す錯覚に教官や他の多くの人がだまされ、喜びよりも苦痛を与える言葉の方が効果的だと思い込んでいたのだ。
統計学は退屈な数字の羅列ではない。そこには人間の深い真実をのぞくためのアイディアが含まれている。「我々は他人が何かをうまくやった時に報酬を与え、うまくいかなかった時に罰を与える傾向がある。だが、平均への回帰があるために、統計学的には他者を褒めても報われず、罰を与えるとうまくいく。それが人間の生活の一部になっている」。ダニエルはのちにそう書いている
かくて行動経済学は生まれり p139 太字強調は記事作成者による
下手な人(結果叱られる人)は上手くなり、上手い人(結果ほめられる)は下手になる。
これ、トランサーフィンでいうところの平衡力です。
平衡力とは、以下のような力のこと。
例として、二つの状況を比べてみよう。
自宅の床の上に立っているあなたと、崖っぷちに立っているあなたがいる。
前者の場合、あなたを不安にさせるものは何もない。後者の場合の状況は非常に大きな意味を持っている。もしあなたが少しでも不用意な動きをした途端、取り返しのつかない事態が起きてしまうからである。エネルギーの面から言えば、前者の場合も、後者の場合も、あなたがただ立っているという事実は、同じ意味を持っている。しかし崖っぷちに立っているあなたは、自分の恐怖感によって緊張を増大させ、エネルギー場における過剰な不安を作りだしている。
こうした過剰な不安を解消する方向に向かう平衡力が生じる。
あなたはその作用を現実のものとして知覚することさえできる。説明のつかない力が、ポジティブかネガティブな方に引っ張る。なぜなら、あなたの過剰な恐怖感を解消するため、平衡力は、あなたを崖から引き離すか、足を滑らせて落下させるか、どちらかなのである。そうやってあなたは平衡力の作用を実感する。
過剰なエネルギーの解消に向かう平衡力の作用は、多くの問題をもたらす。平衡力が厄介なのは、こうなってほしいと願うことの正反対のことを起こすからだ。
トランサーフィン鏡の「超」法則 リンゴが空へと落下する――奇跡の願望実現法 (超★スピ) p340~341 太字強調は記事作成者による

でも、家の中にいるのと
かけっぷちにいるんじゃ
全く違うのは事実では?
こう思われたかもしれません。
しかし、こう考えてみてください。
平常心で取り組めば余裕でこなせることなのに、過剰に不安を抱いて「どうしようどうしよう。どうせ上手くいかないに決まっている」と思っていたら上手くいかない。そういう経験は多くの人にあるのではないでしょうか。
例えば、「床の上に置かれた幅15センチの板。その板の1m先に置いてあるぬいぐるみを取って元の場所に戻ってくる」。
このタスク、平常心ならなんてことない作業です。
しかし、VRで高所200mの背景画像を見せながら同じことをさせると、以下の動画のようなことになります。

左がVRで見ている視界。右が現実です。
VRゴーグルを外せば、全く怖くない状態のはず。
でも、VRゴーグルをつけた体験者は、本気で恐怖を感じています。
このVR装置、はじめは仕掛けが違ったそうです。
板から落ちてしまった場合、本当に200mから落下する映像をVRで見せる仕組みだったとのこと。
しかし、それをやると、失神者が続出したそう。
だからけして板から落ちないようにスタッフが後ろから支えながら(落ちそうになったら落ちないようにホールドする)仕組みに変わったそうです。
でも、現実は全く問題ないんですよ。
なのに脳は勘違いするのです。
「自分の能力では上手くいかないかもしれない」と。

ここで、古代インド哲学の考えを思い出してください。
「現実は幻だ」と。
実は私たちが「現実」と認識しているものが、このVRゴーグルで見せられているような虚構だとしたら?
だって、シリコンバレー銀行だって「まずい」って噂されたら取り付け騒ぎが起きてあっという間につぶれてしまったんですよ?
これはシリコンバレー銀行だけに起こる現象ではなく、日本の銀行だって起こり得ることです。私たちが銀行の全預金を引き揚げてタンス預金にしようとしたら、すべての銀行はつぶれます。
つまり、銀行は信用創造で本来は存在しえない虚構のお金を「創りだしている」わけです。
これは銀行(貨幣)システムだけの話だけではありません。
ありとあらゆるところで起こっていることです。
私たちはまさに資本主義社会という幻を生きています。
無駄な恐怖心(不安)を抱くことをやめたら、あなたの人生でどれだけの物事がもっとうまくいくと思いますか?
ばかばかしいVRゴーグルを外したら、世界はどんなふうに映ると思いますか?
ある方に、こんな話を聞きました。

いじめられないようにしよう
いじめられないようにしようって
がんばったら、いじめの標的にされました……
これは、自分で積極的にフラグを立てに行っていますね。
宇宙に大声で「押すなよ!絶対押すなよ!」なダチョウ倶楽部やってますね。
そんな身体はってネタふらなくていいのに…‥‥。
これも過剰な恐れ(不安)が最悪の結果をもたらした一例です。
平常心でいたならば、上の方はいじめに遭わなかったことでしょう。
平衡力が働くような状態、すなわち中庸から離れた状態は「わけのわからない力」を生み出してあなたを理不尽な結果に陥れます。
だから、「褒められると伸びるタイプです!」と主張する部下の言葉をうのみにして一生懸命褒めてはいけないのです。
何事も、節度を持って。
中庸、すなわち平常心が大切です。