
今まで着ていた服が似合わない40代
「なんか服が似合わない」
年齢を重ねると、そう感じる人は多いようです。
30代は20代の頃に着ていた服もそれほど違和感なく着続けられます。
しかし、40代になると違和感が出てくるのです。
私の場合は「”普通”にしてるとだらしなく見える」という形で違和感が出てきました。とにかく、カジュアルな服が似合わない。カジュアルな服を30代の頃のように着ると「部屋着」感が出てしまう。
いくら流行っているからと言って、スウェットなんて着た日には、事故確定。フーディーなんて着た日には「生活に疲れた人」。実に似合わないのです。

↑こういうのが似合わない。
20代まではこういう系統でも問題なかったのに。
適当に選んだ服が似合わない。
実は、これ、私には大きな衝撃でした。
なぜなら、私は、ちょっと傲慢で申し訳ないのですけれども、割と洋服が似合う体型だったからです。
<スペック>
・身長168センチ
・体重 54キロ
大学生のころから、中年の今に至るまで体重もほぼ変わらず。太りもせずやせもせず。30代までは割と、何を着てもそれなりに着られていました。
服が似合わないことに大きくショックを受けたもう一つの原因は、私がギャルだったことです。ギャルマインド的に「自分的にありえない」と思うことは、かなりショックな事態なのです。
ちなみに、20代の愛読書はeggでした。GET WILD AND BE SEXY♥

ギャルって基本、ディスられるんですよ。
大人からも同年代の男性からも、とにかくディスられる。
「普通の格好してればかわいいのに、もったいない」って言われる。
ちなみに父親はギャル服着出した途端、隣を歩いてくれなくなりました。
近寄っていったら「あっちいけ!」と追い払われました。
そこを「うっせーよ!ウチらが着たいもん着てるんだしコレが一番カワイイに決まってんじゃん?アンタたちのほうがセンスない!ギャル服こそが最高っしょ♥」と気合で返すのが、どこまでも陽キャでポジティブなギャルマインド!
メンタル弱い人間はギャルなんかできねえんだよ!
逆風に負けないのがギャル!!
だからギャルはカッコイイ!!!
「ウチらこれでイイ!なぜなら自分でカワイイって思ってるから!自分で自分カワイイって思えるのが一番!」
これがギャルマインド。
私の人生における基本哲学。
愛すべき誇るべきベース。
つまり、人から服が「似合わない」「ヘン」と言われても平気。
自分で「うわー最高!私、イイ!」って思えれば行けちゃうのがギャル。
誰でも心の中にギャルを飼えば自己肯定感爆上がり。
メンタル強度爆上がり☆
いつでもギャルこそが最高の生き方っしょ♥
そんなん宇宙生まれたときから決まってっから!

――なんですが。
思えなくなったんです。
普通にそこらへんのものを適当に着た時の自分が、「イイ」って思えなくなったんです。
他者の視線が気にならない無敵のギャルマインドを持っていても、自分で良いと思えなかったらダメ。他人の目は気にならないけれども自分の目は気になる。他者からいくら評価されても自分が良いと思えないなら、意味はありません。
「え、私、マヂ、ダサくね?」
瀕死のギャルマインド。
汚い言葉でヒギンズ教授をののしるイライザも、「今のままの自分ではいけない」ということをわかっていました。
私も、イライザのように粗野から洗練へとスタイルを変えねばならない。
でも、何をどうしたらいいの?

(写真の頃の私は、洋服とは「ユニクロのワゴンで買うもの」でした。500円で買えるものだけ着る。世の中の服屋とはユニクロとしまむらのこと。大体ユニクロとしまむらしかない。ユニクロとしまむらがあれば地球はOK。そうでしょ?)
イメージコンサルを受けて「自分を知る」
「何を着ていいのかわからない」
「今の自分が着たいものがわからない」
「何を着れば似合うのかわからない」
悩んだ私は、イメージコンサルを受けました。
パーソナルカラー・骨格診断・顔タイプ診断ですね。
そこでわかったのが、私は「キレイ目が似合う」ということ。カジュアルは苦手。
こういう診断を受けると「こういうのが似合うんだからこれ以外着ちゃダメ」と視野狭窄に陥りがちになります。でも、あくまでも一番大切なのは「自分がどんな装いをしたいか」です。
今の自分は、何を着たいのか。
何をするときにどんな装いをしたいのか。
そこが、一番大切なんです。

そこで「じゃあ今一番着たいと思ってる服は何だ?」「私はどんなスタイルがしたいのか?」「どこに着ていく服に困っているんだ?」と考えてみました。
すると、私が一番困っているのはカジュアルスタイルであることがわかりました。
キレイ目な服装、オンタイムの服装、きちんと系の服装はそれなりにしっくりくる。イメコン受けてアドバイスもらえれば自力で修正できる。自分の得意分野だから。
でも、カジュアル。
カジュアルが難しい。
いわゆる「大人のキレイ目カジュアル」が。「上品カジュアル」が。
一番困るのが「散歩しつつカフェに入って本を読むとき」の服。
これが、一番、どうしたらいいかわからない!

私のお散歩コースには素敵なカフェがあります。友達とおしゃべりする用ではない、一人でぷらっと入って、1~2時間本を読める雰囲気の良い静かで落ち着いたカフェのストックがいくつもあります。
友達とおしゃべりする用のカフェは観光客が多いこともあって、私が似合う「キレイ目」な格好をしても浮きません。都心に出る時の格好でOKなんです。
でも、「一人でぷらっとお散歩して本を読む用のカフェ」ではそうはいかない。
こういったカフェは、落ち着いた空気感をまとう上質な大人の空間を提供してくれます。観光客はほぼほぼいなくて、地元の人が多いです。
みなさんリラックススタイルで、生活の延長線上でぷらっとカフェに来た感じ。そこにキリィーッ!とオフィスにも行けそうなキレイ目スタイルでいくと、浮きます。「なんか一人で頑張っちゃってる人」感が出てしまいます。

森の中にある静かなカフェ。
コーヒーを飲みながら視線を本からふっと外に移す。
すると、庭に植えられたバラと森から遊びに来たリスが目に飛びこんでくる――。
そんなカフェにふさわしい服装には、やはり「抜け感」「こなれ感」が必要です。
「トレンド追いかけて一生懸命おしゃれしてまーす!」なんて格好は、場違いです。
自分がカジュアルを着ると「部屋着」になる。
でも、このカフェにいる人たちは、違う。
どこにでもあるようなふつうのシャツ+デニム、ニット+スカートを着てる。足元だって普通のスニーカーだったりする。なのに、どうして「だらしない感じ」がしないんだろう?
お年を召した方のほうが多いのに、むしろ清潔感があっておしゃれ。
なぜこんなに素敵なんだろう?
ベーシックな服なのに、肩ひじはらないカジュアルなのに、素敵。
どうやったら、私はこの人たちみたいになれるのだろう?
友達とショッピングしたら目から鱗が3枚落ちた

あなたは服を買う時に、試着ってしますか。
私は、試着、しません。
試着って習慣が、ありません。
いやだって、ユニクロのワゴンに入ってるものって、ビニールでパッケージされてるから、試着しないでそのままレジに持っていくでしょう。
わたしはそうやって30代を過ごしていたのです……。
だって、服って、適当に買ったって着れるじゃん。
MかL買っとけば、着れるじゃん。
なんとかなるんだって!
…………ああ、画面の前であなたが呆れている顔が見えるようです。お恥ずかしい。
本当に、リアルに、私はそういう考えでした。
カジュアルウェアを着たら即部屋着くさくなるのは当然ですね……。
でも、オシャレな人って、こんな話をするんですよ。

今ジャケット探してるんだけど
良いの見つからなくて
10着くらい試着したんだけど、ピンとこないの

異次元です。
意味が分かりません。
服を買うために試着して何軒もお店を回るとか、意味が分かりません。
ジャケットならユニクロにあるからそれ買えばいいじゃん。
私の思考は、そこなんです!
だから、カジュアルが、だらしない部屋着になるんです!!!
もちろん、ユニクロが悪いわけではないです。プチプラだろうがハイブランドだろうが、「ちゃんと自分に合うかどうかを見極めて買っている」これが大切なわけです。
あのカフェにいる人たちは、それをしているわけです。たぶん。
ベーシックな何の変哲もない服を着ているのに洗練されているのは、そこなんです。
ちゃんと、自分の体と相談して服を着ているのです。
なんてこった。
試着。
試着しなきゃいけないのか。
でも、試着ってしづらくない?


試着したら買わなきゃ気まずくない?
試着しても買わないで他の店回るとかできなくない?
私はこの疑問を友達にぶつけてみました。

えっ……?
買うか買わないか決めるために試着するんでしょう?
着て「違った」って思ったら買わないよ?

ど、どうやって
試着して買わないですませるの!?
ちょっと実演して!!!
こうして友達と服屋に行き「試着するだけで買わない」例を実地で見せてもらいました。
これが、やばかった。
コミュ強神、えぐかった。

すいません
この服、試着してもいいですか

もちろんです!
試着室こちらになります

着るだけなんですけど
いいですか?

(エッ!そんなこと言っちゃうの!?)

ぜひぜひ!
試着するだけでも
してみてください♪

(エッ!店員さん超笑顔!)
試着

ワァ~
これかわいいですね!

そうなんですよ
こんなニットと合わせても素敵です

この色がまた素敵ですね
ありそうでなさそうな感じ

しかもセールかかってるので
お得です

本当だ!
うわっ、安~い!

(かっ、買わないのにこんなにいろいろ会話していいの!?話せば話すほど買わなきゃって空気になっちゃわないの?)
試着後

すっごいよかったです~!
全部素敵~

お似合いでした~!

(ほら、ほらほら!買わないといけない空気でしょこれ!)

このカットソーは検討したいですね

はい、ぜひぜひ!

試着させていただき
ありがとうございました!
試着できてうれしかったです!

こちらこそご試着ありがとうございました
またお待ちしております!

(エーッ!!!買わないのに、全然、気まずくない!!!)
すごかった。
友のコミュ力、やばかった。
買わなくても店員さんも自分も超笑顔。Win-Win。

私は試着してもその場では買わないよ
試着して「絶対これ!」って思った場合は即決することもあるけれど…

試着して、家に帰って、一日考えるの
クローゼットを眺めてその服が
「ウチに来てもらうのがふさわしいのかどうか」真剣に考える
それでもまだ欲しいって思ったら買う
思わなかったら買わない
妥協はしないのが大事

はぇ~!
すごい!
この後、私も友達を真似して「試着して買わない」練習をさせてもらいました。
今春に欲しいと思っているベージュのストレートパンツを、いろんなお店で5本ほど試着して、買わないで帰ってきました。
5本試着して、思ったんです。
「本数試着すると微細な差がわかるんだ」と。
「これは合ってる、これはあんまり合ってない」という差が見えるのです。
服に感度の低い私は「形綺麗ですよー」って言われたら「あ、ハイ綺麗ですねー」で終わっちゃいます。それで「まあこれでいいか」と試着した1本目を買って終わる。
でも、感度の高い人は、何着も試着して比べてみる。
だからこそ、違いが分かる。
自分が求めるのに「より近いもの」は何かを見極められる。
その差が、あの「ふつうの物を着ているだけなのに洗練されたスタイル」なのだ。
そう気づいて、目から鱗がボロボロ落ちました。
私、友達とショッピングって、ほぼほぼしてきませんでした。
だから「友達がどんな服の買い方をしているか」なんて知らなかったんです。「服の買い方」なんて人から教わるものでもないし……。
でも、洋服に対して感度の高い人は「服の買い方」が違うんですね。
見る目が違うんです。
はぁ~恐れ入りました。
試着練習後、カフェで友達に「総括」してもらいました。

今のNozomiさんが求めているものは
「上質」だと思う

上質!

うん。だからGallardagalanteやTOMORROWLAND、Theoryあたりがテイスト的に合ってると思うよ。
逆にアローズやnano・universeは素敵だけれども、よりトレンド色が強くてカジュアルになるから、求めているテイストからはずれちゃうのかな、と思う

なるほど
勉強になる~!
またアドバイスしてね!

友達とショッピングするのって
面白いし楽しいね!
ちなみに、私が今回試着して一番気分が爆上がりしたのはANAYIのツイードジャケット。

ミックスツィードノーカラー ジャケット
これを試着させてもらって。

こんな感じで白パンツと合わせて店員さんにコーディネートしてもらって。
気分爆上がりでした。
すっごく素敵でした!
こういうの、好き!
(ご近所カフェ用コーデとはちょっとずれるんですが……純粋に「好き」を味わったということですね)
一人だと勇気が出ないけど、友達が一緒に行ってくれたからできました。
ありがたい。粗野なイライザに上質を教えてくれる、マイ・ヒギンズ教授です。
持つべきものは、コミュ強な友達ですね。
コミュ力しか勝たん!
コミュニケーション能力の高い人って素敵だな、って改めて思った一日でした♥
私も試着して気持ちよく断れる人になりたいです。
がんばります!