「体の声を聴く」
スピリチュアルなことに興味のある人なら、一度は耳にしたことのあるフレーズではないでしょうか。

体の声を聴くって
いわれても……
そんなのわからないです
こういった反応を頂くことも多いです。
自分の肉体感覚から切り離されてしまっているがゆえに、体の声が聞こえない。つまり、内なる声も聞こえない。
私が最近「運動大事!」「頭でっかちはよくない!」「頭に上った気を肚に降ろそう、そうすればグラウンディングして現実化する」ということをしつこくしつこくお伝えしているのも、このような理由によります。
「身体感覚」鈍ってませんか?(頭でっかちになってませんか?)
スピリチュアルなことに興味を持った人は身体感覚が鈍くなってしまう。そんな傾向を私は感じています。精神(目に見えないもの)を重視するあまり、肉体(目に見えるもの)をおろそかにしてしまうのです。
結果的にスピリチュアルからも遠ざかってしまう。
つまり、「内なる声(体の声)」が聞こえなくなってしまう。

運動ちゃんとしてますよ
毎日歩いてます
でも心は晴れません……
こういう方もいらっしゃいます。
このような方は、体への感覚が鈍りきったまま無理に体を動かしているのです。
「1日1万歩」「腹筋50回」とかノルマを決めて、やりたくもないのにやる。
そんな状態では、「運動することで、体も心もスッキリ!」という爽快感を味わうのは難しいことでしょう。
体の声を聴いて、「今、体がしてほしいこと」に応える。
日常生活の些細な瞬間に「あっ、今泳ぎたいかも」みたいな、そんな感覚、何気なく駅を歩いていたらフィットネスクラブの広告を見て「走るのっていいかも」なんてふっと思う。料理の合間、冷蔵庫の前でなんとなくクルッとターンしてステップを踏んでみる。不思議と笑顔になる。
そういうちいさなちいさなシグナルを積み重ねていくことで、「体の声をくみ上げるアンテナ」が育っていきます。
たとえば、筋肉の硬くなった部分がほぐれ、骨組みが動かせるようになってくると、深部にあるインナーマッスルも動く。体の使えるパーツが増えてきて、いろんな動きができてきますよね?
そうやって自分の身体と向き合っていくと、いままで自分の外側に求めていた答えが内側にあることが実感でき、自分の生き方にも自然と向き合えるようになってくる感覚があります。
自分がなぜこの仕事に取り組んでいるのかと問いかけると、自分の中から答えがでてくるというか……。
自分と向き合うことで出した答えって、納得がいくというか、まさに腑に落ちてくると思うんです。
「筋肉」よりも「骨」を使え! p98~99
肉体は感情を記憶します。
中医学では肝(木)は怒りをため、心(火)は喜びをため、脾(土)は憂鬱をため(考えすぎ)、肺(金)は悲しみをため、腎(水)は不安をためるといいます。
時に、それは病になることすらあります。
ヨガから学んだ「肉体にたまったマイナスエネルギーの解放」
心と体は明確につながっていることを知る。そのきっかけ。
体の声を鮮やかに認識する、自分の肉体にたまっているマイナスエネルギーを解放する。
そんな体験を私にくれたのは、ヨガでした。
私はアシュタンガ・ヨガという(上の動画参照)ヨガをやっていました。普通のヨガのようにポーズをとってとどまるのではなく、ダンスのようにくるくるとポーズを変えます。実際、アシュタンガをやる人はダンス経験者が多い印象があります。
汗だくになって動いて、最後はシャバーサナというポーズをとります。(動画57:38頃~)
シャバ―サナは「死体のポーズ」という意味で、平たく言うと仰向けに寝っ転がる姿勢です。
アシュタンガヨガは「次に何のポーズをするか」がきちんと決まっています。その流れの中で動いていると、体の内側からちらちらと「何か」が動めいているのが感じられることがあります。それは、違和感だったり冷たさや熱さだったり、ふっとしたひらめきだったりします。
動いているうちは、そんなに「上がって」は来ないのです。
動く――アーサナ(ポーズ)を次々ととっていくのは、自分の身体の感覚の深部にもぐっていくようなプロセスです。それは潜っていく過程であって「到達」ではありません。
上の松村先生(スポーツトレーナー)の言葉を借りるなら「筋肉の硬くなった部分がほぐれ、骨組みが動かせるようになってくると、深部にあるインナーマッスルも動く。体の使えるパーツが増えてきて、いろんな動きができてきます」という状態です。
そして、シャバーサナに入ると、肉体の内なるエネルギーは一斉に表に出てきます。
そう、「動かなくなった時にこそ、動く」のです。ただ静であればよいのではなく、動くプロセスを通るからこそ、内側に秘められていたものが解き放たれるのです。
シャバ―サナに入ると、ヨガスタジオの先生は照明を落としてくれます。
その静寂の中で、私は号泣してしまうことが度々ありました。
身体の内側から上がってくるエネルギーの熱さで、胸がいっぱいになってしまうのです。
その中で、体との深い深い対話も行われました。
インナーチャイルドのトラウマ、胎児だったころの恐怖感なども、浮き上がってきました。それは肩であったり腰であったり、胃であったり、様々な部位に隠された「感情のしこり」でありました。
肉体は明確に記憶している。
そして、凝り固まってしまったエネルギーを解き放つと、癒しが訪れる。
これが私がヨガから学んだことです。
プラーナヤーマでダイエット ヨガで食欲落ちまくり!
アシュタンガヨガは、元々女性には解禁されていないヨガでした。
運動量が多く激しい動きをするので、アシュタンガのプラクティスを重ねていく女性は生理が止まってしまうケースもあるといいます。
実際に、私が通っているヨガスタジオでも「生理の時はお休みしてください」と言われていました。
アシュタンガをはじめて、身体感覚のアンテナが鋭くなりました。そこで私が感じたのは「本当に食べたいときにものを食べているわけではない」ということ。
お腹に「今、ごはん食べたい?」って聞いたら「いや別に」と返ってくる。
でも、頭では「甘いものが食べたい、おやつがほしい」とシグナルが出る。
頭とお腹の声がバラバラなわけですね。
私は、食欲で食べるのではなくてストレス発散で食べているケースがあるのだということに、気づきました。本当に肉体的欲求で食べているわけではないのだと。特に、甘いものを食べると頭が緩みますので、交感神経が優位になりすぎることを砂糖で緩めていたんだな、と気づきました。

歳を取ったら
ついた脂肪が落ちないわよ~
あなたも30超えたらそうなるわよ~
こんな風に言われたことはありませんか。
私は20代のころ、年上の方々からそう聞かされてきました。
でも、私は30すぎても40すぎても、大学生の時と同じ体重です。
もちろん老化してたるんできていますから、まったく同じ体型ではありません。
しかし、数字だけでいうなら、20歳の時と同じ体重です。太りも痩せもしません。
代謝は落ちています。確実に若い頃より老いています。
しかし、体重は変わらない。
なぜなら、代謝が落ちると同時に食欲も落ちているから。
代謝が落ちたら、カロリーの摂取量も減らしていいですよね。そもそも体が消費しないんですから。
そうなると自動的にお腹が空かない。食べる量も減る。
結果、中年になっても太らない。
シンプルです。
私は今、一汁一菜「ごはん+みそしる+納豆」で大体一食です。そして一日二食。
77歳のタモリさんも、今は一日一食半らしいですね。
そう、年取ったら食べなくていいんですよ。
年取っても食べるから太るんですよ。
至極シンプルなことですよ。
この「体が必要な分だけ食べる(体が必要としている分だけ食欲がわく)」という感覚をつかめたのも、ヨガをはじめてからの気づき――「食べたくないのに食べてる時がある。ストレス発散で食べてることがある」が大きいです。
ちゃんと「お腹の声」を聞いて食べる。頭の声で「食べたい」は何か別の理由(ストレス等)だから、食べることより別の方法で解決したほうがいい。
そうすれば、体に必要な分のカロリーだけ摂れるようになるのではないでしょうか。
女性がアシュタンガをやると生理が止まってしまうことがあると言われますが、それはめちゃめちゃ痩せるから結果的に生理が止まってしまう場合がある、ということかもしれません。
私は、アシュタンガやって、やばいレベルで痩せました。
なぜなら、おなかが、空かないからです。「プラーナからエネルギーを取り入れるって、こういうことなんだ!」って思いました。
アシュタンガのウジャイー呼吸は勝利の呼吸法と呼ばれます。個人的には「アガる」呼吸法です。一般的なプラーナヤーマは「下げる(落ち着ける)」呼吸法だと私は感じています。
それでエネルギーがアガって、本当に、お腹が空かないんです。
食べなくても平気。元気。
単純にアシュタンガが運動量の多いヨガだから瘦せたとは思いません。私はプール行ったら1時間くらいぶっ続けで泳ぎ続けますし、散歩行ったら15kmくらい歩きますし、アシュタンガやったからって運動量爆上がりという状態ではそもそもないんですね。
それに、普通の運動って動いた後にお腹がすきます。
でも、アシュタンガは動いた後にお腹が空かないんです。
むしろ動いた後に、満たされてる感がある。
アシュタンガは、水泳やウォーキングやマラソンとは明らかに一線を画す「何か」がありました。ヨガの神秘、秘術を感じる何かがありました。
アシュタンガのプラクティスを毎日続ける中で、どんどん食べなくなって、どんどん痩せました。お腹はぺたーん+腰の骨が浮き出るレベルで痩せてしまいました。
ここまできて、問題が出てきたのです。
脂肪がないから、寒い。
体の芯から、寒い。
冬、つらい!!!(in北海道)
ちょっとこれはやばいな。
さすがにそう思い、食事を積極的にとるようにして体重を戻しました。アシュタンガのプラクティスもガンガンやらないように調整しました。生理は1か月くらい遅れましたが、それ以降は問題なく乱れませんでした。
まだ私は「ここ」にいる必要があるので、もうちょっと地上的であらねば「向こう」に還っちゃうな、とも思いました。アシュタンガは私にとっては刺激的すぎるメソッドだったのです。私にはちょっと「アガ」りすぎるので、日常的にこなすにはもっと地上的なメソッドのほうが安全だと思いました。それこそジム通いとかね。
ただ、やはりすごいヨガであると思います。
スピリチュアルな神秘、「食べなくても平気」「プラーナで生きていける」という体験をしてみたいかたは、一度アシュタンガ・ヨガを試してみてはいかがでしょうか。
肉体とのホットラインも築けるかもしれません。
上の引用をくりかえすと「自分の身体と向き合っていくと、いままで自分の外側に求めていた答えが内側にあることが実感でき、自分の生き方にも自然と向き合えるようになってくる」ということですね。
そう、いつでも答えは自分の内に「すでに」ある。
運動は、肉体(内なる自分)との会話のきっかけ。
体の声を聴くためにも、体を動かしてみてくださいね。