みなさーん!
今日も体育会系してますかー!
身体、ちゃんと動かしてますかーっ!!
私は体育会系脳筋なあなたが大好きです♥
今日も筋肉!!!

頭でっかちになっちゃうと、グラウンディングできなくてフワフワスピスピになってしまいます。そんな状態になると、「空気が読めないコミュ障宇宙人系」になっちゃいかねません。それでは地球人から迫害されてしまいます!
ですから、スピリチュアルなことに興味のある方こそ、意識して肉体感覚にコミットする必要がある。私はそう考えております。
なので、体育会系!!
運動はマストですっ!!
身体の声を聞くために、身体を動かしてエネルギーを巡らせましょう♪
身体を動かすと、頭に偏っていたエネルギーを下(大地)に降ろすことができます。
やっぱり運動って素晴らしいな!
肉体と語らうことって素晴らしいな!
そんなことを、甲野善紀先生の古武術に学ぶ身体操法を手にとって、改めて思いました。
人生のバランスをとるための「身体感覚」
この本には、甲野先生が巨人の桑田真澄選手(現・投手チーフコーチ)と現役時代に交流した様子が書かれています。もちろん甲野先生も素晴らしいのですけれども、桑田選手の姿勢がまたすごくて。
好奇心と探求心と柔軟性。
どんな職業であってもベテランになると摩耗する瑞々しさ。
でも、桑田選手は30代半ばになってもルーキーのようなキラキラした瞳を持っていたことが、甲野先生の筆致からうかがえます。
桑田投手の全盛期は20代半ばであったと言われます。
その頃の投球フォームは、上の動画の通り体全体をばねのように大きくしならせて投げる、というものでした。
投手って過酷です。プロ野球よりも高校野球(甲子園)を見てると顕著ですよね。甲子園大会のルールでは「1週間に500球まで」という制限がついているほどです。プロ野球でも1回先発すると調子が良ければ100球投げることも珍しくありません。
他のポジションに比べて消耗が段違いに大きいです。
だって、内野や外野だったら、自分のところに球が飛んでこなければ動かなくてもいいわけですよ。でも、ピッチャーとキャッチャーは必ず打席のたびに動くことになります。
桑田選手もダイナミックな投球フォームで投げれば投げるほどに身体を消耗していったのでしょう。そもそもが恵まれた体格の持ち主ではありません。アラサーになるころには、右ひじを故障し調子を落としてしまいます。
「このままでは投げられなくなる。引退やむなしか」
そう思われた33歳、2001年のオフシーズン。
原辰徳監督から「来年も一緒にやろう」と声を掛けられ、桑田選手は現役続行を決意します。
でも、このままでは投げられない。
何かを変えなければ、自分はもうだめだ。
でも、どうしたらいい、何を変えたらいい。
暗中模索した結果、桑田選手は古武術と、甲野善紀と出会うのです。
古武術――元々武術、剣術とはぶっちゃけ「手っ取り早く殺すにはどうしたらいいか(殺されないにはどうしたらいいか)」というメソッドです。実用第一。美しさとかフォームとかどうでもいい。とにかく相手を倒して自分が生き残ることが大切です。
だから、極限まで無駄をそぎ落とす。
無駄な動きなんてしてたら、殺されますから。
桑田選手に実際に牽制球の投げ方を見せてもらいました。私は野球には全く素人ですが、武術の立場からその動きを見ると、無駄な動きがどうしても目につくのです。一流のプロ野球の選手といっても、武術的に見れば、重心の処理の仕方ひとつとっても手続きがかかりすぎるのです。
武術はとにかく動きを、できるだけ省略したい。 分数の計算にたとえれば、訳せるものは約してすっきりした形にしてから計算したい。何故ならその方が計算が速いからです。(中略)
私はもちろん、野球そのものを桑田選手とやるわけではありません。ただ、ピッチャーといっても三割近くを打ち、打撃も悪くないと言われる桑田選手と竹刀で打ちあったりはします。桑田選手が思いっきり竹刀を振ってくるのに対し、私の方は見たところ、ほとんどバックスイングなしで当てるだけ。それで私より17キロほども体重が重い桑田選手の体制が崩れる。また、私の片手を両手で抱きつくように、しっかり持ってもらって下へ崩すといったデモンストレーションをやると、「どうしてこんなことが起こるのか」と驚きます。こうした驚きによって、桑田選手は次第に武術に深く関心を持つようになったのだと思います。
古武術に学ぶ身体操法 (岩波現代文庫) p13~16
「どうしてこんなことが起こるのか」とは、下の動画のようなことですね。
桑田選手は甲野先生から古武術の動きを学び、それを自分の投球フォームに応用します。
自分のフォームの「無駄」をそぎ落としました。
そんな古武術を取り入れた2002年の投球が下の動画です。
私、野球は全くの素人で全然わからないです。けれども、それでもフォームの違いがわかります。若いころの投げ方が「ぐわぁ~ん!」だったら、34歳の投げ方は「シュッ」です。「シュッ」。シンプル。ミニマル。最小限。
若いころに比べたら、確かに迫力はありません。華やかさは減じました。
しかし、最小限の動きで最大限の効果を引き出す”運動効率”は上がっているように見えます。省エネモード(この省エネな身体の使い方って、プロのアスリートじゃなくても年齢を重ねた人間全員に必要な技です)。
この2002年の日本シリーズで、桑田選手は完投勝利を挙げ、おまけに本塁打まで打ちました。シーズン全体では、全盛期と言われた20代半ばをしのぐ防御率2.22を記録。見事な活躍をしました。
桑田選手が武術を通して新たな身体操法を身につけ、それによって成果を上げることができた理由の一つには、今話したように彼がこのままではダメだという危機感を持ち、そこからなんとか抜け出そうと模索していたことがあります。
そのような状態になって焦って自滅する人と発想を根本から切り替えて、新しいことにチャレンジする人とがあると思うのですが、桑田投手は後者の方だったのですね。
それからもう一つ、桑田選手には子供のような好奇心があり、興味の赴くままそれを追い、 深い世界を求めて行きたいという純粋な思いがあったということです。
一般に指導者の立場にあったり、ベテランと呼ばれるようになると、 自由な発想を持ちにくくなります。自分がやってきたこと、自分のやり方に非常にこだわり、別の考え方ややり方に対しては、端から見向きもしない人が非常に多いものです。彼自身、この新しい投法については、「プロ野球界に相談する人は誰もいなかった。だからこれは先生と二人で作ったようなものです」と週刊誌のインタビューで答えていました。
古武術に学ぶ身体操法 (岩波現代文庫) p7~8
桑田選手はこの2002年シーズンを最後に怪我に泣き、思った成績を残せずに2007年に現役を引退します。
しかし、この武術を通しての「不思議体験」は、桑田選手に大きな気付きを残したのではないでしょうか。スポーツ選手としてだけではなく、一人の人間として。
だから桑田選手は現役引退後、早稲田大学の大学院でスポーツ科学を学びます。
巨人のエースとして活躍した桑田真澄は肩や肘に負担がかからないと語っている。
『桑田真澄 ピッチャーズバイブル』では、「一番負担がかかる球はカーブとスライダー」と語っている。これには桑田なりの考え方がある。桑田によると、スローイングは人間の体の作り上、腕は必ずシュートを投げる方向に動く。だからシュートは体に負担がかからないが、スライダーやカーブは腕を逆にひねるため、負担がかかるそうだ。本書では、「解剖学と運動心理学を勉強すれば当り前の話なんですよ」とシュート=肩肘に負担がかかるという考えを一蹴している。
桑田真澄が語る野球の”常識”「シュートは肘に負担がかからない」 – エキサイトニュース
この言葉は、大学院でのスポーツ科学の学びと古武術の学びがあってこその発言と、私は感じます。
なぜなら、2002年の復活を遂げたフォームで、桑田は「ねじらない」「うねらない」「ためない」という古武術の省エネスタイルを取り入れていたからです。
「そう、でも自分はスポーツ選手じゃないから、そういうの関係ないわ」と思われましたか?
これ、そんな表面的な話ではないですよ。
多くの人に関係する「人生」の話ですよ。
なぜ清原が薬におぼれ、桑田はそうならなかったのか。
PL学園の大スター2人の道は、まるで光と影のように真っ二つに割れてしまいました。
しかし、実は清原のほうが、「よくある話」なのではないでしょうか。
アメリカンフットボールリーグ(NFL)の選手は引退後78%は破産するというデータもあります。(CBS MONEY WATCH 1 in 6 NFL players go bankrupt 2015/08/13)
プロ野球に限らず、華やかな世界にいる人は実は破滅と隣り合わせにあります。
そこをうまくバランスをとっていかねば、簡単に奈落に落ちてしまう。
なぜ桑田投手はそのバランスを上手く取れているのでしょう。
女性性を開く~性別関係なく今の時代に必要なこと
その答えは「桑田選手には子供のような好奇心があり、興味の赴くままそれを追い、 深い世界を求めて行きたいという純粋な思いがあった」という甲野先生の言葉にあるのではないでしょうか。
普通の頭でっかちの人は、古武術について懐疑的になるでしょう。「なんか得体のしれない変なもの」と。しかし、それを実際に体感して「自分の固定観念を超えたところに何かあるのだ」と直感的につかめる人は、「新しい自分」に出会うチャンスを得ます。
私、桑田さんのバランス感覚ってすごいな~と思うんです。
例えば、息子MATTさんに対する態度。
あの~。
この息子。
あなたが、MATTの親だったとしたら、息子のこと、どう思います?
私だったら、率直に戸惑います。「どうしちゃったの」って思います。なんか変な育て方したのかしらって自分を責めることもあるかもしれません。正直、受け入れるのに時間がかかると思います。
でも、桑田さんは、↑これ。
なんか、ふつうに、話してる。
すごくないですか。だって、「あの」巨人軍カルチャーのど真ん中にいた人が、ですよ。
「巨人の星」の星一徹みたいに「貴様それでも男かーっ!!」って怒鳴りつけても殴りつけてもおかしくはないでしょう。巨人カルチャーって、そういうことです。
最近でも巨人の坂本勇人選手が、女性と中絶トラブルを起こした件が文春で報じられましたよね。そして、それってもみ消されてますよね。テレビでは一切報道しません。
そして、トラブル報道に対する「先輩」の言葉がこれです。
「女が悪いです!」
「(女に妊娠させたら)堕ろしたいっすよ、野球選手!」
「何人子ども作ってるのって人います。MAX15人聞いたことあります」
これを見て、あなたは怒りますか?
私は「巨人ってそういうとこでしょ」って思います。
巨人に限らず、プロ野球もプロサッカーも、そういうとこでしょ、って思います。
だから、桑田さんがMATTに対して「普通に関係を築いている」というのが、私には余計驚きで。「なんたよお前!気持ち悪い!ホモか、オカマか!」とか言ってもおかしくないですよ。この「巨人」カルチャー的には。そういうところだと思うので。
ですが、桑田さんはむやみやたらに長時間の「シゴキ」をしたり、年上や指導者には絶対服従を要求したりといった理不尽な行為を否定しています。体罰を「スポーツとして最も恥ずかしき卑怯な行為です」と断言する人であります。
現役時代も、受動喫煙が嫌で移動のバスを喫煙OKとNGのバスに分煙するべきと主張して、成し遂げた人でもあります。
今のお若い方は「そんなの当たり前では」と思われるかもしれませんが、今から3~40年前の昭和の時代って驚くほど喫煙に対してゆるい文化がありました。私も小学生のころ、祖父に「タバコ吸ってみろ」って言われたことありました……。それが、別に普通だったんです。あるあるだったんです。
喫煙者のほうがむしろマジョリティで、「分煙してほしい」なんて言ったら「なんだあいつ」って、空気の読めない人扱いだった感じ。そういった主張をするのは、ものすごく勇気のいることだったんですよ。桑田さんがどれだけ信念の人かわかりますね。
新しいものに対して柔軟に対応する力。
これは女性性の力です。
桑田さんは、力強い男性性(主張を曲げない強さ)と柔軟な女性性をバランスよく持ち合わせている方といえるのではないでしょうか。
ちらっとだけ命式を出しますが、桑田さんは若年期に一番エネルギーが来てて、中年~晩年はサラ~ッと流れていく人です。自由自在に愛を振りまいていく人ですね。そして賢く愛を振りまきます。(ちゃんと見返りも計算しているということです)
ですから、これからの桑田さんは「愛されキャラ」になっていくのではないかと思います。いや、今もすでに「MATTの優しいお父さん」で愛されキャラですね。
いろいろな経験をして結局突き詰めるところ肉体感覚から学ぶ、経験から学ぶという配置ですので、コーチとしてご活躍されるのではないでしょうか。
ただ、「監督」にはちょっと弱いかな、と思います。サポートスタッフが「剛」で締めてくれるタイプなら監督も務めあげられるでしょう。トップとしては少し優しすぎるきらいがあるので、優れた「理念」を現実的に落とし込んでくれる右腕がいてくれると安心ですね。