生き残る企業が行う「ブランド戦略」

ビジネス:スピリチュアルブログ
写真AC

企業の寿命は30年。
こんな説が唱えられています。
ちなみに、2021年に倒産した企業の平均寿命は23.8年だったそうです(東京商工リサーチ調べ)。

東京大学の清水剛准教授によると、戦後の大企業の寿命ですら60年程度だそうです。創業から20年目くらいまでに新卒で入社できたら「定年まで勤めあげる」って、昭和のファンタジーを達成できる計算になりますね。

アメリカの代表的な株価指数であるS&P企業も大体似たようなもの、いやむしろ日本よりも企業寿命は短いかもしれません。

この指標からいうと、2022年は企業寿命18年くらい?
リンデンバウムは今年で17年目なので、来年あたりにつぶれる計算になります!わあ、困った!!

冗談はさておきこの数字、リアルだと思いませんか。
だって50代以上の方、考えてみてください。自分が新卒時に就職した企業がまだ残ってますか? 同年代の友達や親戚の就職した企業、まだ残ってますか?

私は自分の経験からも「本当にリアルだわ」と身に沁みます。

起業するときって、結構盛り上がっちゃって起業のための勉強したりして「起業仲間」ってできるでしょう。「みんなで成功しようぜ!!」的テンション超ポジティブ!の、部活みたいな楽しい仲間たち。

2000年代半ばに綺羅星の如く輝いていた仲間たち――。
今、私の周りには、一人も残ってません。
10年後の生存率1割は、経験から言ってもその通り。

占い・スピリチュアル業界は参入障壁が飲食業よりも低いくらいの「フリーパス」状態です。だって、あなたも「占い師」「スピリチュアリスト」を名乗れば今日からそうですからね。国家資格とかありません。

ですから、毎年綺羅星の如く「プロ占い師」「プロ・スピリチュアリスト」が生まれ、そして3年後には大体いなくなっています。副業であっても続けることは難しい業界だったりします。継続は力なり、非継続は無力なり……。

「企業寿命は30年」とは短いと思われるかもしれません。特に「雇われる側」の方にとっては「短いよ、そんなんじゃ安心して働けないよ!」と思われるかもしれませんね。

しかし、私はむしろ30年続く(いや、20年続く)企業は大変優良で素晴らしいと考えます。(よって「フラット35で住宅ローンを組むこと≓狂気」な世の中になるわけです)

世の中が大きく変動していくときには、企業や自分個人も変革を要求されます。でも、羅針盤なしに航海を進めるのは危険極まりありません。

そんなときにロールモデルとなってくれるのが「老舗」。企業寿命など笑い飛ばすかのように世紀をまたいで存続しつづける企業。
そんな企業の特徴は何なのでしょうか?

リンデンバウムを来年でつぶさないために、ぜひとも知っておきたいところです!

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界は、グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾンの「四騎士」が世界を変え、そして支配している(少なくとも2010年代半ばでは)ことを書いた本です。

この強大なるグローバル企業。いつまでも繁栄し続けるような感じがしますよね。100年後も、200年後もあるような企業に見えます。

しかし、少なくとも50代以上の方々は知っているでしょう。
山一証券があったことを、日本長期信用銀行(ワリチョー!)や北海道拓殖銀行があったことを、そして、在りし日にはどれだけその存在が華やかだったかを。

40代以上なら、グーグルではなくヤフーやエキサイト、インフォシークで検索していた記憶があるでしょうし、アラサーならば前略プロフがどれだけ生活の中心にあったか覚えているでしょう。あと、Ustream……。

今は昔。
諸行無常です。
巨大グローバル企業であるGAFAだって例外ではありません。

そんなGAFAの中でも一番長く生きのびる企業は、どこだと思いますか?
グーグル?
アマゾン?
それとも、フェイスブック?

著者のギャロウェイはアップルだといいます。

アップルは最高の遺伝子を持ち、22世紀まで存続する可能性が四騎士の中で一番高いと私は思う。頭に留めておいてほしい。四騎士の中で、少なくともいまの時点で、創業者と創業当時の経営陣がいなくなったあとでも好調を維持しているのはアップルだけなのだ。

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 p141

なぜアップルは生き残り続けられるのか?
それは、アップルはもはやテクノロジー企業ではなく高級ブランドだからだ、と。

高級ブランドは生き残る その理由

テクノロジー企業は短期間で大企業になれるが、長きにわたって存続することはまれだ。
しかしシャネルはテスコシステムズより古いし、グッチはグーグルが消滅へ向かうのを見ることになるだろう。

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 p141

テクノロジー企業よりも、華やかな高級ブランドメゾンのほうが存続する。
その理由をギャロウェイはこう説明します。

私は25年にわたって高級ブランドにアドバイスをしているが、ポルシェからプラダまで、そのすべてに共通する5つの性質があると断言できる。
それはアイコン的な創業者、職人気質、垂直統合、世界展開、高価格である。

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 p127

「アイコン的な創業者、垂直統合(メーカー直営店)、世界展開、高価格」
私は、これら理由にすぐ納得いきました。

しかし、「職人気質」。
これはすごく意外でした。

なぜなら、私の世界(占い・スピリチュアル業界)で失敗する人は、もれなく「職人気質でコミュニケーション能力の低い人」だったからです。

  1. 職人気質ゆえに非常に質の高い占い鑑定やスピリチュアルセッションができる
  2. にもかかわらず、マーケティングや接客スキルに興味がないので、集客力が弱い
  3. 結果、お客がつかず廃業

そんな才能ある素敵な(そして、成功できない)人を、たくさん見てきました……。涙

(占い、スピリチュアル系の仕事で食べて行きたい方は、とにかくコミュニケーション能力を磨いて接客を勉強してください。成功する人≓コミュ力のある人です。あなたの鑑定やセッションで人を救うためには、コミュ力が必要なんです!お願いします!コミュ力を磨いてください!!)

ゆえに、私は「職人気質の人は成功できない」というネガティブイメージを持っていました。
しかし、確かにシャネルもヴィトンもエルメスも、創業者は職人気質の塊です。妥協を許さず周囲と対立することも厭いません。

「職人気質」だけでは成功できません。
しかし「職人気質+α」ならば、それは得がたい「ブランド力の源」となるというわけですね。

つまり、ウォズニアックにはジョブズがいて、ザッカーバーグにはサンドバーグがいて、卑弥呼には弟(実務面を補佐)がいた。職人をサポートする優れたビジネスパーソンや体制があれば、その企業の寿命は延びる――つまり「社会から必要とされる企業になれる」ということですね!

創業1811年、杵屋本店。
200年以上のれんを守り続ける和菓子の老舗です。
「星合いの空」こちらの作品(商品ではなく、作品と呼びたくなる感じです)は、ベテラン職人さんの創造性がいかんなく発揮されています。

杵屋本店さんは従業員130名ほどの中規模経営。
大企業ではなくてもブランド力があって職人さんを大切にできる企業は生き残っていくというお手本ですね。

少し古い2017年のデータになりますが、創業100年以上の長寿企業2万8972社の約9割は従業員50人未満の中小企業だそうです(帝国データバンク調べ)。

大企業じゃなければ生き残れないわけではない。
そういえば、成毛眞さん(日本マイクロソフト・元社長)もこうおっしゃっていました。

動画 23:08~
ぼくね、小さい会社生き残ると思ってるんですよ

生き残る企業はコツコツと誠実に職人を大切にしてものづくりをしていく――
うーん、これって日本が本来最も得意とする企業経営の形じゃないのかしらん?

もう一度、ギャロウェイのいう「高級ブランドに共通する5つの要素」をおさらいしてみましょう。

  1. アイコン的な創業者
  2. 職人気質
  3. 垂直統合(メーカー直営店)
  4. 世界展開
  5. 高価格

日本風に読み解くなら、「名物社長がいて職人を大切にしてフランチャイズはやらずに堅実経営をし、世界に技術をアピールして価格を値切らない」。
これって、結構大きなヒントになるのでは?

(ちなみに算命学的視点でみるなら、これって調舒星(火・陰)の完全燃焼によって禄存星(土・陽)が生み出される現象ですね)

ぜいたくの反対は貧困だと思っている人がいますが、それは違います。
ぜいたくの反対は下品なのです
   ――ココ・シャネル

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