
一人の人と深く付き合えないで
広く浅くの付き合いになってしまう……

一緒の部署にいるうちは仲良いんだけど
異動や転勤があると、没交渉になってしまいがち……
こんなお悩みをお持ちの方。
朗報です。
あなたは、「これからの時代に強い人」だと言えるからです!
ガッチリした「つながり」よりも弱いつながりが幸運を運ぶ理由
私は最近、テレ東経済ニュースアカデミーが楽しすぎて、暇さえあれば見ています。その動画の中で、早稲田大学ビジネススクール教授の入山さんが、こんなことをおっしゃっていました。
動画7:00頃~
これからの時代圧倒的に変化が激しいので、そういう時に重要なのはイノベーションなわけです。イノベーションに重要なのは「知の探索」、幅広い知見や情報をいっぱい見てそれを組み合わせることですよ、というのは何度か申し上げた通りです。
それに向いているのはこういう(濃密な絆のある)タイプのネットワークではなくて、弱い結びつき――つまり幅広く遠くの情報が、遠くの人とつながって自分のところに効率的に流れてくるネットワークなんです。
確かに!
「みんなが仲良くて誰もが顔見知り」なコミュニティって、メチャクチャ居心地良いです。絆も強くて、「自分の居場所はここだ」って安心感があります。
だけど、そういうコミュニティにどっぷりいると、インスピレーションはわいてこない。なぜなら、「自分が普段接することのないような遠くの情報」が流れてこないんですよ。
わかりやすく図にすると、こんな感じ。

SNSで「○○アカウント」なんて作って「#○○好きさんとつながりたい」なんてコミュニティを作ると、本当に「その情報」しかTLに流れてこなくなりますよね。自分にとっていらない情報を片っ端からミュートしていくと、余計に「その情報」しか入ってこなくなります。
「好きを大事に!」する人は、こういう人間関係を築きます。
自分の好きなものを好きな人とだけ、話の合う人とだけ付き合うからです。
そういう世界は、楽しいです。
だって興味のある分野なんだから当たり前ですよね!
でも、そういうコミュニティにどっぷりいすぎると、辛くなってくるんです……。
なぜなら、行き止まり感、閉塞感が出てくるから。
「この人たちと一緒にいても、私、何ら新しい自分になれ出会えないかも……」と、気づいてしまうんです。一緒にいると話が合って楽しいのに。辛い。
一方で、「自分しかつながってない(AさんとBさんと私は知り合いだけど、AさんとBさん同士はつながりがない)」的な浅い付き合いだと、そうはなりません。
友達同士は知り合いにならない(趣味が合わない、話が合わない)ような人ばかりなので、いろんな情報が雑多に自分に入ってくることになります。

こうすると、いろんな分野にアンテナが立って、自然と「これとこれを合わせてみたらどうだろう!」なんて独創的なアイデアもわいてきやすくなるんですね!

「好きを大事にしない」って、「自分の内なるイノベーション(自己変容)」を起こしてステップアップするには、ある程度大切なことなのではないでしょうか。(10代の内は経験も少ないですから「好きを大事に」がむしろ大切だとも思います。)
純粋に、自分の引き出しを増やして自分の内面を豊かにしていくためにも「自分はこれが好きだからこれしか興味ない!」とシャットダウンしてしまう行為はもったいないですよね。
それに、引き出しの多い人は自動的に「ギャップ萌え」が発生します。
様々な分野に興味関心があると、「えっ、そんなこと趣味だったの!?」って意外性もおのずからと生じてきます。人として深みが備わって、魅力的になりますね!
広く浅く付き合うと、「引き出しの多い人」になれる
私、岡田斗司夫さんのお話が大好きなんですけれども、それも「引き出しの多さ」ゆえです。岡田斗司夫さん「なんでそんなに(遠い)情報まで知ってるの!?」って話題の多さが魅力です。
岡田斗司夫というと「オタキング」。ここで「いや、オタクの人の話、興味ないし……」という方は、ガンダム講座とかジブリ解説の動画を見てもつまらないですよね。
しかし、「マクドナルド創業を成功させたイノベーション的発想」なんていうと、ビジネスパーソンのあなたなら「それは知りたい」と興味を惹かれるのではないでしょうか。「なぜ今のマクドナルドには、マクドナルドさんがいないのか?」問題です。
岡田さんは、そんなところもエグくカバーしてるんです!
オタクネタも行ける。ビジネスネタもたまには語ってくれる。歴史ネタも読書ネタも映画ネタも行ける。この引き出しの多さ!すごいですよね!
実際、私、今まで読んだ岡田さんの本の中で一番好きなのが結婚ってどうよ!?。そう、また「別ジャンル」が出てきましたよ~!

この本、2000年前後に結婚適齢期と(勝手に)呼ばれた女性、かなりの割合で刺さります!
あの時代の空気感!「30歳までに結婚しなきゃ女は負け犬」と言われたあの時代の空気感が、メチャクチャ濃密に再現されてるんです!
もう出てくる女性出てくる女性「わあ、友達の○○みたい!」って人ばかり。共感しかない!
あの頃の時代って、まだバブルの残り香があったので「才能ある男性に見初められて結婚することで幸せになれる私」幻想を割と本気で多くの女の子たちが信じてたと思うんですよ。
いや、才能がある男どころか「ふつうに恋してふつうに結婚したら幸せになれる私」幻想もあった。「ふつうの男」で良かったわけです。「ふつうに結婚」できれば。
90年代後半の代表的な歌姫、華原朋美さん。私、もう大好きで!
私のまわりの友達も、みーんな朋ちゃんファンでした!!
そんな朋ちゃんの魅力って、もちろん歌声の美しさやキュートなビジュアルもありましたが、なんといっても「小室哲哉に溺愛される女」ってシンデレラストーリーが格別な輝きを添えていたのではないでしょうか。
小室さんと目が遭った瞬間に微笑む朋ちゃんを見ると、少女たちは「私もあんな風に幸せになれるかも」という夢を見られたのです。私もMOONLIGHTみたいな恋したーい!と。
安室ちゃんの結婚→出産も盛り上がりました。
私の地元のヤンキー友達たちは、安室ちゃんを見て安心したのかわかりませんが、ポコポコ妊娠してはデキ婚してました。
あの、「”ふつうに”してたら私も”ふつうに”結婚する」幻想のあったミレニアム。
だって「1000年に一度の夜明けの瞬間に 愛すべき誰かと KISS していられるように」ですよ!!!
2000年の1月1日……。
私何やってたっけ、って思いだしたら地元の友達の車で、男女6人くらいでデカイ神社にいって渋滞に巻き込まれて駐車場3時間待ちからの入場規制で、明け方になってようやく初詣してましたね……。キスしてられませんでした!彼氏いませんでした!!
いや、夢ありすぎますよね……夢見すぎですよね……。
そんな「フワッとした女子の空気感」をこの結婚ってどうよ!?はメチャメチャ的確に描写してまして。「そう!これだった!」と私は舌を巻いたのです。
そして、そんなフワフワ非現実的な結婚に夢をみる女子たちに、岡田さんは「君たちは結婚したいようには見えないけどなあ」というのです。もちろん女子たちは「そんなことないです早く結婚したい!」と反論します。
しかし、「”結婚式”がしたいのであって”結婚生活”がしたいわけではない」状態を岡田さんは鋭く見抜いてるんですよ。
ここが、本当に素晴らしいなあと。
そう、本来の結婚生活って軽快な小室サウンドではなくて「秋桜」なんです。
本来の結婚生活は「晩春」なんです。
「結婚生活」の本質は、そこなんです。
本の中で、岡田さんは悩める女子たちに的確なアドバイスを繰り広げます。
「どういうパートナーシップで幸せになれるタイプか」を分析する4象限分類も、これも素晴らしい!ホントその通り!!

この座標が年齢を重ねるごとにどのように移動していくのか?
どのタイプがどのタイプに変わりやすいのか?
どこにタイプを移せば幸せになれるのか?
みたいな考察がすごく鋭くて、もうとにかく面白かった!
詳しい解説は結婚ってどうよ!?に書いてありますので、気になる方は是非お読みください。Kindle Unlimited会員の方は無料で読めますよ。
ちなみに、私はもちろん「友達カップル型」です。ツトム×実果子推しです!!

こんな感じで、岡田さんって持ってる情報に「遠さ」があるんです。
ガンダムをディープに語っていたかと思ったら、女性心理についても分析したりする。まったく別ジャンルが同時に成立する。
一面的理解ではなくて、多面的に物事を見ているのです。
だって、ガンダム34話でミライさんの表情についてこれだけ語れる男の人、います? 脱帽ですよ。「男の友情ごっこ」にムカついてるミライさんの気持ち、わかるー!(そして男女雇用機会均等法施行以前の日本でこんな描写を細かくしてる冨野さんもすごい―!!!)
ね、「薄いつながり」を大切にできる人って、素敵でしょう。
狭く深くの濃密な人間付き合いをしてる人より、いろんな視点を人生に取り込めるんです!
ですから、社交のできる方、「自分は人と深く付き合ってない」なんて思わず、そういう付き合いのできる自分って素敵だなと思ってくださいね!
だって、今の変化の大きい時代では、そういう生き方こそが道を拓いてくれるのだから。