秀吉の中国大返しに学ぶ「占い結果の使い方」

占い

豊臣秀吉の残した逸話の一つに「中国大返し」があります。

本能寺で織田信長が死んだこと、それが明智光秀の策略であることを知った豊臣秀吉が、「えっ、マ? 光秀ぬ゛っ゛こ゛ろ゛す゛!!!!!」とブチ切れて岡山から京都まで大軍率いてチョッパヤで戻ってきた超人技。それが中国大返しです。

(上は超絶に雑な説明なので、あんまり本気にしないでちゃんと知りたい人は調べてください)

そんな秀吉が中国大返しをしたときに、占い的に面白エピソードがあるのです!
これを見て私、思いました。
「そうそう!占いって、こうやって使うもの!」と。

秀吉は兵を一日休ませただけで、九日に出陣する予定でいた。
すると、加持祈禱など、呪術的なことを司っていた軍配者が秀吉に向かい、
「明日の出陣は取りやめたほうが良い」
と進言してきた。

「明日は二度と帰ることのできない悪日にあたる」というのである。(中略)

このとき、ふつうならば、「悪日」という言葉を聞いて、出陣を一日延ばすところである。
それまでの戦い方を見ていると軍師のこうした進言は重みがあり、それに従うところだった。

ところが、秀吉は、
「二度と帰ることができないというのはむしろ吉日だ。主君信長殿のために討ち死にする覚悟はできている。二度と再び生きて姫路城に帰ってこようとは考えていない。(中略)明日は二度と帰らぬ日というならば吉日である」
といって、全軍に明日の出陣を伝えさせている。

黒田官兵衛 智謀の戦国軍師 p103~104

そして秀吉は京都にもどって明智光秀の三日天下を終わらせたのです。

いや~しびれますね!
占い師の言葉をただ鵜呑みにするのではなく、本質をつく。
これこそ「正しい占いの使い方」です!

「二度とここに戻れない?それはいい! 信長様の仇を取れないというならば、討ち死に上等! もし光秀を討ち取ったあかつきには、ここじゃない他のところに城を作る! そうすれば別に二度とここに戻らなくてもよいのだから、別に戻れなくとも構わぬ!!!」

秀吉はそういう覚悟で、光秀の元へと軍を進めたわけです。こんな将の心意気を聞いたら、兵の士気だって爆上がりですね!

占いの結果が「吉」と見るか「凶」と見るか。これは、実は占い師の仕事ではありません。本質的に「それが吉か凶か」は、本人が決めることなのですね。

例えば、こんな占断が出たとしましょう。

占い師
占い師

う~ん
あなたは男性との縁が薄くて
結婚できなさそうですね

これを「どう受け取るか」なんです。
占い師側の価値観ではなく、占われる側の価値観がどうかで「吉か凶か」が決まります。

ここで、こう感じたら――

わあ!よかったです!
私、結婚したくないので!

この占断は「吉」です。
逆にこう感じたら――

ええーっ!
結婚できないなんて
そんな人生悲惨じゃないですか!

この占断は「凶」となります。

占い師
占い師

あなたはこのビジネスで失敗しますね

こう言われて、それをどう受け取るか。

えっ
それじゃ自分はもうお先真っ暗じゃないか!
他に何をすればいいんだ!

こう思うなら占いの結果は「凶」だし

やっぱりな
自分でもダメだと思ってた!
手遅れにならないうちに今の事業は畳んで、新しいことを始めよう!

こう思うなら占いの結果は「吉」ですね。

秀吉が「二度と戻れない日」を「凶」ではなく「吉」と受け取ったように、受け取り手によって占いの結果なんて吉にも凶にも、いくらでも転ぶわけですね。

だからこそ、占いには解釈が大切になります。
算命学の高尾義政先生は、「良いか悪いかは時代の価値観が決めること」とおっしゃいます。全くその通りです。

ですから、古代の占い書に「これは凶だ!」と書かれていても、実はそれは現代の価値観に照らしあわせたら吉だったりすることもあるのです!

例えば、戦国時代には芸術家気質で繊細な男性は「凶」でした。武家に生まれたなら、恥ずかしい存在とすら扱われ見下されたことでしょう。

実際、秀吉の軍師であった黒田官兵衛も思春期の頃には、武芸の稽古をさぼっては歌道に夢中になっていました。今風にいうなら、スポーツよりバンド活動に夢中になってる感じですね。

それを「今は戦国の世なので、もっぱら兵書を習って、弓馬を業とすべき時であるのに、風雅の道は時代に合わない」と17歳の頃にきっぱり歌をやめたそうです。

でも、今の時代にスポーツよりも歌やダンスに夢中になっている男子が「ダメな存在」とラベリングされるでしょうか?
そうはならないですよね。今なら、「それはそれであり」で終わりでしょう。

今から50年ほど前、同性愛は「精神がおかしいからなるもの」と扱われていました。すなわち同性愛者であることは「凶」です。
でも、今なら別に凶じゃないですよね。吉とも限りませんけど、少なくとも本人が「同性愛者であることがハッピーか不幸かは自分で決める」という価値観です。

占いにおいて、解釈がとても大切なのは、こういったことなのです。だからただ本を読んで「土星□火星は不幸になる」とか「傷官は悪星だ」とか、そんな過去の解釈をうのみにしていては、「真実」が見えてきません。

過去の解釈が間違いではありません。過去には、正しかったんです。でも、今正しいとは限りません。

だから秀吉のように「占断結果の本質」をつかんで「今の自分にとってどうなのか」を読み解くことが大切になります。

一般的に「鬼門は凶」って言いますけれども、「なぜ凶なのか」ってことを知ってないと、何でもかんでもダメだと勘違いしてしまいます。

なぜ鬼門が凶なのかというと、北東のエネルギーは「革新」のエネルギーだからです。新しいエネルギーを持ちこみ、変化を持ち込む。つまり、今安定している状態の人には環境を壊されてしまう「悪いエネルギー」になるのですね。

しかしながら、現状を打破したい、変えていきたい!という人には鬼門のエネルギーは却ってプラスになるものです。「変わりたい!」って思ってる人はどんどん鬼門、利用したらいいんです。

ですから占い師的には、「その人の状態や環境や価値観がどのようなものであるか」を理解して、その上で結果が吉なのか凶なのかを読み解く必要があります。(だから、やはり一程度の時間をとったセッションをする必要があると思います。10分で相手の価値観を理解するのは難しいです……)

さあ、そんな感じでぐだぐだと長~い講釈を無駄に垂れてきましたが、結局私が何を言いたいかというと、
「天中殺にやっちゃいけこと、やっちゃいました~☆てへぺろ~!(死語)」

凶って言われてるけど、そうじゃないときだってあるでしょう、という話でございます。それをやってみた、と。

いやいや、これも、本質的に見たらOKなことだと私は思うんですよ。
でも、占い本に普通に「やっちゃダメ!」って書かれてることでもあります。
それを!あえて!やってみた!!!

タブーを犯したNozomiの明日は吉・凶どっちだ!?
近日中に記事公開予定。
お楽しみに~!

タイトルとURLをコピーしました