高次の存在と波長を合わせる時に注意すべきこと

精神世界:スピリチュアルブログ
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私は今日、約100年前にフロイトが書いた論文を読んでおりました。

100年前の論文を日本語訳で、しかも1000円ちょっとの文庫本でリーズナブルに読めるって、本当にありがたい話ですね。光文社古典新訳文庫さん、ありがとうございます。

こういう論文って、心理学部の学生さんだったら教科書とか副読本で買って読んだりしているのかしら。私、心理学はサッパリ専門外なのでわかりませんが、もしそうならこういった文庫はありがたい存在ですね。普通は専門書って軽く5000円くらいしますからね……。

この本の中でフロイト先生は「精神分析は科学的手段であってオカルトではありません」ということを一生懸命繰り返しています。

「そりゃ、そんなに不思議現象を否定していたら、弟子・ユングは離れていきますよね~」って私的にはちょっと納得しちゃいました。笑
ユング心理学、スピスピすぎて神秘主義の香りがすごいので、目に見えない世界が好きな方はすっごく面白く学べますよ。

ちなみに、フロイト・ユング・アドラーの深層心理学御三家の中で、一番「実用的」なのはアドラーだと思います。実生活で役立つ心理学を知りたい人はアドラーを学んでみると面白いかも。

さて、そんなふうに「オカルト現象なんかない、テレパシーなんて起こらない、予言なんて嘘だ~」と言説をくりひろげるフロイト先生が、こんなことを論文内で書いています。ある女性が占い師に受けた予言の話です。

その占い師は、二七歳ではあるがはるかに若く見える女性の手相を調べて(その時に彼女は結婚リングは外していた)、彼女はやがて結婚し、三二歳で二人の子どもをもうけるだろうと予言したのである。

この女性は四三歳の頃に、重い病気にかかってわたしの分析を受けに来たのであるが、子どもはいなかった。
パリのホテルのホールで彼女の手相をみてこの予言を与えた「先生」が知るはずのなかった彼女の秘密が明らかになった時に、わたしにはその予言で語られた二つの数字の意味が明らかになった。(中略)

彼女の母親は三二歳で二人の子どもの母親となっていた。
この予言は一見すると事情を知らない人からもたらされたものであるが、その伝える意味を理解するためには精神分析が必要であった。それではじめて、誤解の余地のない明白な事情のすべてを説明できる推定がえられたのである。(中略)

この予言を求めた際に彼女はその願望を、気を散らすような砂の上の手形で占った占い師に、直接的な転移によって伝えていたと考えられるのである。

フロイト、夢について語る p282~283

ここを読んで、「これってリンデンバウムのセッションでも起こりうることだな」と感じたんです。

この現象をスピリチュアルエネルギー的に解釈するなら、女性が自分の母親のエネルギーと同一化するがあまり、占い師側には「女性自身ではなくて母親のエネルギーが見えてしまった」という可能性があります。

セッションを行う際、エネルギーの波長を合わせるのは大切な作業です。

高次の存在の波長を”そのまま”おろすと「宇宙はすべて愛です」とか「いやそんなこといわれても」みたいなフワッとしたことを言われてしまいます。

私はセッションをはじめた15年以上前には「マスター」と「ガイド」と2~3のソースからチャネルしてメッセージを伝えていました。マスターが一番波動の高い存在です。しかし、マスター的な階層から来るメッセージはあまりにも漠然としていて「だから何なんですか」的なものが多かったんです。ゆえに、その階層にチャネルすることは実用的ではないと判断し、やめてしまいました。

「今ここ」にいる人間存在である自分は、あなたには想像もできないかもしれないけれどもこういうことで悩んでいてこういうことが知りたいんだよ、と具体的に(分離して)切り刻まないと、あまりにも全体性に満ちている・・・・・・・・・・・・・・高次の存在とのズレがひどすぎて話が通じません。だって、あの人たちの価値観からいうと「別に死なんて肉体から離れるだけでしょ、存在としてのあなたはちっとも変りはしないんだから、死なんか気にしなくったっていいじゃない」みたいなことを平気でいうわけですよ。

それは、確かに、真理です。
でも、ちょっと個人的な私として、人間的思考としてはその価値観に付いていけないです。視点がデカすぎて。宇宙!

だからお互いのエネルギーをすり合わせる。
その作業のために、私はスピリチュアルカウンセリングにおけるはじめの質問を「具体的でそこまで重要ではないこと」にすることをお勧めしています。

逆にいうと、使命とか一番聞きたいこととか、重要なことは後回しにしたほうが良いのです。なぜなら、時間を経過させてエネルギーの波長がかなり合う状態になった後で質問したほうが、納得のいく答えをもらいやすいから。

すごく理解しがたいことであることを承知で書きますが、高次の視点からしたら、あなたは私で私はあなたなんです。あなたはマザー・テレサであってヒトラーであってガンジーであって金正日でもあるのです。

上の人物の転生であるという意味ではないですよ。いや、厳密に言えばそうとも言えるのですが……。とにかく、高次から見たら分離していない世界が見えるので、全員一緒なんです。みんな同じなんです。縄文時代も江戸時代も令和の今も「今ここ」という意味で同じなんです。過去も未来もなくて、今。

みんなつながってるんです。
善も悪も同じで、聖も邪も同じなんです。
老子道徳経みたいな世界が見えてるんです。

だから、トランス状態のようになると、自分と他者の輪郭がぼやけてしまう。古代の伝統的なアミニズム宗教で幻覚作用のある薬物を使って神事を行うのは、一時的に肉体から解放されて高次の視点を獲得するためだとも言えます。性行為時のエクスタシーで「身体がすべてなくなったみたいな感覚になる」というのとも、近いです。性と死のエネルギーは近いのです。

上のフロイトの例では女性は母親との輪郭がぼやけてしまったわけです。でもそれって「物質的三次元」的には健全な状態ではないから、精神を病んでしまった。母子癒着した母娘関係は不健全な精神状態を作りだすという視点で見れば、現代の私たちにもわかりやすいのではないでしょうか。

「高次の状態」というのが波動が高くてとにかくよろしい、みたいな風に精神世界では思いがちですけれども、そうとも言い難いんです。だって、実際目に見えない世界のものが見えてるのが統合失調症の人なわけで、そんな状態はまずいでしょう。社会不適合になってしまいます。

あまりスピリチュアルにのめりこみすぎると、統合失調症っぽくなっちゃうこともあります。「今ここ」で現実世界で生きて、この世界ですべきことをなすには、適切なグラウンディング、あえて波動を落として物質性を保つことも時には必要です。統合失調症になっちゃったらちょっと困ります!

目に見えないものや耳に聞こえないものが「見えて聞こえる」場合は、ちゃんと、それが他者に一般的に認識できるものかそうではないものかの区別をつけねばならないんですね。

そして、「あ、これみんなには見えて(聞こえて)ないんだな~」って認識したら、自分も見えて(聞こえて)ないようにふるまう。その感覚を無視できない場合はその場を離れて一人になって「どうしたの?何を伝えたいの?」と一人で自問自答する。「今は時間が取れないからあとで」と鎮めることも有効です。

例えば、私は一時期視覚でダイレクトに色々と見えていました。視覚で見えるって状態は自分には辛いことでした。だって、いきなり光がワッと見えて「ええっ!?」って一人で驚いて、でも周りは見えてないから「え?どうしたの?」って変な顔されちゃう。「な、なんでもないよ!」ってごまかすんだけど、でもメッチャ光ってるんですけど!って心は動揺してしまって。

それが嫌で嫌で。
だから「こんなふうに直接見せてこないで!!直で見せてくるって言うならもう絶対見ないし無視するしあんたたちの相手なんかしないから!!!」ってブチ切れたんですよね。

すると、脳内テレパシーで直に訴えてくる形に変更してもらえました。
お陰様で、最近は直接視覚でヴィジョンを見ることは3年に1回くらいで済んでいます。平和です。私は「見えない」ほうが、生きやすい!

自分に知覚できているものが他者に知覚できるかできないかの区別がつかない人が統合失調症です。「見えないものが見える」人は、ここの区別を付ける訓練が必須だと思います。

つまり、人ごみを見た時に「誰が人間で誰が霊(幻覚)か」を明確に区別して知覚しておく、みたいなことです。「他の人は、”全ての人”が見えてるわけじゃないだろうな。あの女性は見えてないだろうから、話に出しちゃダメだな」という。

「他人の目を気にしてしまうのをやめたい」って人いますけど、こういう場合には積極的に気にしたほうが、いいですよ!

マイペースに自分の感覚を優先して「あ、光が見えた~☆」「神様の声が聞こえる♪」「あそこの空に男の子が浮かんでるね~!」なんて言ってたら、精神病院に入れられちゃいますよ!!!

セッションでは一時的にそこの物質性をゆるめて、高次とつながってメッセージをもらったりヒーリングをしたりします。ですから、特にヒーリング後にしっかりグラウンディングをして「ここの世界に戻ってくる(ちゃんと肉体にエネルギーを収める)」ことが非常に重要です。

物質と精神のバランスをとることが大切だということですね。
これからセッションを受ける方は、ぜひこの点を気にかけてみてください!

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