図書館から本を借りるとき、「狙い目な時期」があります。
それは、年末年始や蔵書整理のために図書館を閉める時です。そういう期間は、普段よりも長めに本を借りることができます。
札幌市の中央図書館が蔵書一斉点検のために3月1日まで休館になりました。この機会を利用すれば、普段2週間のところを1カ月くらい本を借りることができます。じっくり読みたい本を借りるチャンスです。
なので、私は今回こちらの5冊を借りました。
- 自分を支える心の技法 名越康文
- 武道から武術へ―失われた「術」を求めて 甲野 善紀
- 獄窓記 山本譲司
- 往復書簡 限界から始まる 上野 千鶴子/鈴木 涼美
- 日本神話の思想―スサノヲ論 (歴史と日本人 (8)) 河合 隼雄
相変わらず、脈絡のないセレクトですね。
なのに!なぜか、つながっているんです。
読むべき時に、読むべき本が手元に来る。
そんなシンクロニシティを、あなたも体験したことがあるのではないでしょうか。
読書が苦手な体癖5型の読書法
はじめに読んだのが、名越康文先生の 自分を支える心の技法。
こちらの本は、体癖の解説を読みたくて手に取りました。
私は↑上の動画でいうところの、”奇数系”です。
考える前に体が動く体育会系。
マニュアル読まない脳筋。やればなんとかなる!
典型的5型人間ですね。
いつでも即断・即決・即実行。
今の時代は常にスピード勝負っしょ!
そして、この名越先生の 自分を支える心の技法 には「5型は読書が苦手である」と書かれております。
そうなんです!
じっとしてるの苦手だから、本読むのも苦手。常に泳いでいないと死んじゃうサメやマグロタイプ。その通り!
ここで、リンデンバウムのブログをお読みになられている方は↓こう思われたかもしれません。

え?
本、読んでるじゃないですか……
そうなんです。
ブログ記事で、時折、読んだ本の紹介しております。
でも、本を読むこと自体は苦手です。
あんまり読む気しません。
家でゴロゴロしてたら、まず本に手は伸びません。
同じく、実は映画やドラマを観るのも苦手です。
だからアマゾンプライムもネットフリックスも契約してません。家で映画やドラマを観るって習慣があまりないんです。
私が映画を観まくってる時というのは、実は「恋人にはまりすぎて、ちょっとまずいなあ、これは恋愛依存気味だなあと思って意識を散らしている時」だったりします。(私は、バイオリズムの波が低めになると6型方向にも振れます)
真っ暗な映画館に入れば、3時間くらい強制的にその世界に連れていかれるでしょう。その間は恋人のことを考えなくて済むわけです。しかも気分転換になる。他者との話のネタにもなる。
そういう用途ゆえに、私は恋愛映画をほぼほぼ観ません。だって、恋愛映画を観たら恋人のこと思い出しちゃうでしょう。会いたくなるでしょう。逆効果ですよ。だから一番いいのは軍事モノ。色気の欠片もないミリタリー映画が最高!!
「映画を観る以外することがない状況」をつくれば(つまり映画館に行けば)、映画も楽しめます。同じく、本も「読書しかすることがない状況」を意識してつくれば読めるようになります。
例えば、本をもって散歩に出かけます。
夏場だったら公園のベンチに腰掛けて読んでもいいし、カフェに入って読んでもいい。購入した本をお風呂に持ち込んで読むこともします。2時間くらい半身浴ついでに読書するわけです。
すべて、「本を読む以外やることがない状況」です。もちろんスマホは持ち歩きません。というか、スマホ持ってません。
そこまでして、なぜ本を読むのか。
それは、私が自分の視野の狭さを自覚しているからです。
さきほど、体癖5型で行動型で即断即決即実行と書きました。
だから、思い立ったらビュンビュン動きます。悪くいうと、忍耐力がなくて短気です。
そういう人間が「好きが大事!好きなことしか興味ない!」なんてやったら、どうなるでしょう?
狭量で、独善的な人間になってしまう可能性があると思いませんか?
ゆえに、私は常に「自分の人生とはそこまで直接的には関係のない分野の本」を読むことを心がけています。そのような目的があるので、占い・スピリチュアルや精神世界本は1割も読まなかったりします。
「ノミュニケーションこそが神!私とノミュニケーションしてくださる方に感謝しかない!!」というのも、実は同じ理由です。ここでノミュニケーションするのも、本の場合と同じく「まったくスピ系ではない」人が大多数を占めます。
そうやって、全く自分とは興味関心(生き方)が被らないような人と話をすることで、私は「こんな考えもあるんだ」「こういう生き方もあるんだ」「そんな選択もアリか」と学ばせてもらうのです。
視野を広げてくれる。
それがノミュニケーションの価値。
読書と同じくらい尊い価値です。
ノミュニケーションすることで、あなたは私に”世界(小宇宙)”を見せてくださいます。――それは、尊い魂の学びなのです……!
ノミュニケーションしてくださる方に、大感謝!
ノミュニケーションは、最高の成長戦略!!
陽キャでノミュニケーション一択っしょ♪
読むべき時に読むべき本が来るシンクロニシティ
読もうと思った本。
そんな5冊が目の前に並んでいたら、あなたはどんな順番で読みますか?
なんて聞くと、心理テストみたいですね。笑
でも、迷いませんか?
「何から読んだらいいのかなぁ?」と。
今回私は、この5冊のうちで一番軽く読めそうな新書(自分を支える心の技法)をはじめに手に取りました。
そして読みすすめると、自動的に次に読む本が決まりました。
なんと、名越先生の本の中に、(一緒に借りていた)甲野善紀先生の話が登場したんですよ!
「えーっ!?なんでー!?心理学と古武術、まったく違う分野なのに、なぜここでつながるの!?」
思わぬシンクロニシティに私は驚くばかり。
こんなことが起こると、ミヒャエル・エンデの言葉が思い出されます。
人生の問題に直面していて、ぴったりのときに、ちょうどぴったりの本を手に入れ、ぴったりのページを開き、まさにぴったりの答えを得たとすれば、それは偶然だと思いますか?
エンデのメモ箱 愛読者への四十四の問い
いや、偶然だとは思えません。必然、導かれてやってきているのだとしか思えません。
名越先生の本は体癖解説目当てで、甲野先生の本は居合やってる方からすすめられて手に取りました。どちらもたくさんある「読みたい本リスト」の中から、たまたまピックアップして「今」やってきたのです。
他に今、安岡正篤先生の易の本も読みたいし、岡田斗司夫さんの本も読みたいし、「闇の脳科学 『完全な人間』をつくる」とか「恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白」とか「閨閥 マスコミを支配しようとした男」とか「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」とか「石の物語: 中国の石伝説と『紅楼夢』『水滸伝』『西遊記』を読む」とか、チョンキンマンションも読みたいし、色々色々と読みたい本はあります。
なのに、今、この5冊なんです。
ちなみに、名越先生の本のなかで甲野先生の「センサーモード」についてふれられていたんですね。
このセンサーモードとは、グルジェフでいうところの「自己想起」です。
武術は、力に力でぶつかることではない。それは効率が悪い。
そうではなく、相手の力で崩させる。それは合気道も同じ。こちらが支点を消して気配を消せば、相手は情報をほしがる。
相手は力を抜き、センサーモードにならざるをえない。
その受け身のセンサーモードのときに、相手側から脈絡のない動き(=情報)がドッと入ってくると、全く抵抗できないし対応できない。それは、相手の確固たる信念にこちらも確固たる信念でぶつかっても埒が明かないのと同じ。
むしろ、こちらは自在に変転して、相手を映す。それは、相手にうまく情報をあたえ、自分で考えさせ、<買った方が得だ>と自分自身で納得して結論を出させるのが、上手なセールスマン、というのと同じ。
甲野善紀「古武術からの発想
調べてみたら、甲野善紀さんも「体癖論」の野口晴哉さんとつながってるんですね!
お恥ずかしながら、知らなかったです。
そして、シンクロに導かれて読んでいったら、「私の欲しい答え」がありました。まさに、エンデの「ぴったりのときに、ちょうどぴったりの本を手に入れ、ぴったりのページを開き、まさにぴったりの答えを得た」のです。
私は、時折最近「腕を組んだ状態で目が覚める」ことがありました。
これは、胸の緊張を取っている、みぞおちを緩ませている動作です。
「腕組みをする」というポーズは誰もがよくする仕草ですが、胸の緊張を取る一つのやり方です。「手を合わせる」という動作も胸の緊張をゆるめます。
ビジュアル版 日々の整体 p80
これは一般的には「悪い姿勢」です。猫背で巻き肩になりやすい姿勢です。整体に行ったら猫背や巻き肩は「治さねばならぬ悪い姿勢」扱いされることもあります。
身体的に見て、ハートを守る動作、つまり内向性を増す動作でもあります。ピンと胸を張ると、外向性を増す動作になります。
ここで、明治になるかならないか以前の日本人の写真や浮世絵を見てみてください。


昔の日本人って、そんなに姿勢がよくないのです。ピンと肩が後ろに行って胸を張ってる人って、あまり見当たりません。割と前かがみで首が前に突き出てて、くにゃっとしてる人のほうが多い印象があります。
ちなみに、水木しげる先生のマンガでも、清々しいほどに全員が猫背です。
そして、この甲野先生の本でも、剣術の視点からこの前かがみな姿勢について書かれています。
剣術で大切とされる姿勢は、もはや江戸期の日本人の基本姿勢であってはならず、欧州の文明によって洗脳された堂々とした姿勢、つまり、胸を張り、膝を伸ばしたドイツあたりの物まねの姿勢を是とする以外の選択肢は許されなかったということです。
それまで当然とされていた胸を落とし、背を働かせるような日本人の基本姿勢はみずぼらしい古い時代のものであって、新生大日本帝国の国民は西欧人に見られても恥ずかしくない、胸を張った堂々たる姿勢でなければならないということになったのではないかと思います。
そういう姿勢で刀を持ってみると、どうしても左右の手の間を離して持たないと上腕部が胸につかえてしまうのです。左右の手を寄せて刀の柄を握り、自在に使えるようにするには、胸を落として背を働かせるような、まあ猫背とまでは言いませんが、およそ西洋的にはあまり褒められない姿勢、つまり伝統的な日本人の姿勢にならざるを得ないのです。
武道から武術へ―失われた「術」を求めて p47~48 太字強調は記事作成者による
考えてみれば、田植えも稲刈りも針仕事も、西洋式の胸を張ってピンとした姿勢じゃあやりにくくて仕方がないですよねえ。
この本も日本の古武術についてですが、スサノヲ論も借りているように、私は最近日本人特有の深層心理に興味を抱いています。そういったものを追求するには、内にこもる必要性が出てきます。
もちろん外国文化や外国神話との比較をすることでより日本的なものが鮮やかに浮き出てくることもあります。そういったときには外へ目を向けることも有益ですが、基本的には自分の内、身近なものに目を向ける必要があります。
そういう時だから、寝てる時も内に向くように体が動いている。
そう考えるとちょっと面白いです。
そして、その流れを考えると甲野さんの本の次は、河合隼雄さんのスサノヲ論に行くことになるのかしらん。そして、上野千鶴子さん×鈴木涼美さんのフェミニスト本にも、なんと河合隼雄さんのことがちらりと書かれているんですよ!
全ては本当につながっているのだなあ~と思います。
本も導きですね。
目も見はるほどのシンクロニシティには、日々驚かされてばかりです。
さて、あなたの元にはどんな本がやってきますか?