こちらは「経営者限定リクエスト企画」のアンサー記事となります。
こちらの企画、受付はもう終了しております。たくさんのリクエストありがとうございました。
長野県U様からのリクエストです。
Nozomi先生、いつもためになる記事をありがとうございます。
経営者限定リクエスト、ありがたく募集させていただきます。
上手くいく時と上手くいかない時の差って何でしょう?
同じようにやっていても、業績の上がる時と上がらない時があります。同じように努力しているのに、成果の出る時と出ない時があります。
科学実験では同じ条件下で同じプロセスで同じ実験をすれば同じ結果が出ます。しかし、ビジネスの現場ではそうはいきません。
なぜこのような差が出ると思われますか?
やはりスピリチュアルな目に見えないものが影響しているのでしょうか?
鋭い質問ですね~!
そうなんですよ、その通りです!
上手くいかないときは先祖の祟りがあって上手くいかないんです!
……あっ、待ってください。
ブラウザ閉じないでください!
うそです!先祖の祟りじゃないです!!
いえ、U様はあんまり先祖の祟りとか信じてるタイプではないよな、と思いまして……。これも正確にいうなら、「先祖が祟る」という現象を信じていらっしゃる人ならありうることです。宇宙は思念を現実化しますから。
でも、そうじゃない人にはそういうことは起こりません。ですから、U様には先祖の祟りは起こりません。信仰がないと儀式によるイニシエーションが起こらないのと同じです。
じゃあ何が原因なのか。
同じことをやっているのに上手くいかないのは、なぜなのか。
これは、「Tシャツを着て過ごすこと」をイメージしていただけると分かりやすいかと思います。

暑い夏にTシャツを着て過ごす。
全く問題ないですね。
快適ですね。
しかし、季節が変わってもそのままでいたら、どうでしょう。

やばいですね。
凍えますね。
別に、服装自体は大きく変えているわけではありません。
やってることは同じです。
しかし、夏には快適だったことが冬には不快になります。ハワイではOKだったことが、シベリアではNGになります。
ちゃんと同じ努力をしていても、結果が出る時と出ない時がある。
これも同じことです。
いつでも同じアプローチが正解になるわけではありません。
「じゃあ、いつ何をすれば最適解なのか」
これを教えてくれるのは、やはり古代の知恵、易経でしょう。
易経は一年十二月の巡りに合わせて時の盛衰、陰陽の移り変わりを当てはめた「十二消長卦」があります。
春になって盛んに芽吹き、夏に盛りを迎え、秋に収穫の時を迎え、そして冬に枯れて次のサイクルへの準備をする。そんな変化がどんな企業にも巡ってきます。大きいレベルでも、小さなレベルでも起こっています。
成果が出るのが、夏→秋の時です。
成果が出にくいのが、冬→春の時です。
しかしややこしいのが、成果が出ている時にはすでに勢いの衰えの兆しが表れていて、成果が出にくい時には勢いが増していく兆しが現れているということ。
ここを敏感に感じ取れないと、勢いが衰えて同じようにやってるのに成果が出なくなったときに「あれっ!おかしい!どうしてだ!今までは上手くいっていたのに!!」と焦る羽目になります。
立春ってありますよね。
今年は2月4日です。
でも、「2月のはじめに春って言われても……」って思いません?
易経の考え方では、冬至の時点で既に「陽」を感じています。冬至が陰の最盛期じゃないんです。冬至の一つ前の月が陰の最盛期。
これは算命学にも引き継がれていて、算命学で最も陰が旺じるのは亥月(11月)です。
冬至は「一陽来復」といいます。陽が一番短い日を、「もうこれ以上暗くはならない。あとは明るくなっていくだけ。ようやく光が見えてきたね」と取るのです。ポジティブ~!
つまり、易経はこういうのです。
「上手くいってる時にこそ、衰退が潜んでいる。気を引き締めなさい。上手くいっていない時にこそ、成功の種まきをしている。粘り強くやりなさい」と。
上手くいっている時に喜びすぎず、上手くいっていない時に落ちこみ過ぎない。
陰と陽、どちらが表に出て裏に潜んでいるかがクルクル入れ替わっているだけにすぎない。どちらも同じコインの表と裏。
これを理解して、まるで禅僧のようにたんたんと道を歩みなさいよ、と説くのです。色即是空、空即是色。朝には紅顔ありて夕べには白骨となる、ですね。
上手くいってる時は、正直あんまり易経とか時の巡りとか思い浮かばないかもしれません。(思い浮かぶ人は、すごい。かなり精神鍛錬のできている人ですね!)
竹村亞希子先生の 経営に生かす易経 では、「努力しても成果の出にくい時期」を易経ではどう乗り切っていけばよいのかを解説してくれます。
◆【風地観】
一人の人物の勢いが衰え、企業の勢いが衰え、時代の勢いが衰えてくるようになると、ほとんどの人に観る力ができてくるといいます。つまり事態は誰の目からも悪い方向に向かっていることがわかる状態にあります。
実は、観る力は、静かな時間を設けないと育ちません。(中略)
勢いが衰えてくると、人は初めて反省したり客観的に振り返ったりして、しっかりと観ることができるようになります。◆【山地剥】
(前略)このように混乱した状態では、無理に事を進めれば社会全体に害を招くことになります。このような時は立ち止まって、時勢の変わるのを待つことが肝要であると教えています。
◆【坤為地】
(前略)陰の時代はエネルギーが切れて、物事が滞る時代です。何をやっても思い通りにいかない陰の時代の生き方としては、牝馬の持つ陰の力を徹底的に活用しなさいと教えています。
◆【地来復】
(前略)「復」とは、回復、復帰、やり直し、再出発という「時」を表しています。しかしその一陽は地中の奥深くで、かすかに陽気が芽生えた兆しの段階です。(中略)実際には回復したとは感じられません。
冬至に春の兆しを感じることができず、さらに小寒、大寒があって冬本番が訪れます。ようやく春の訪れを実感できるのは立春の頃です。
陰から陽に切り替わったその時点では変化を感じることはできません。したがって普段の暮らしのなかで一陽来復の兆しを感じることはほとんど不可能に近いのです。
冬至を境に確実に日が伸びていくように、まだ弱い陽を育てていく。焦ることなく、じっくりと行動することの大切さを教えています。
この陽は地の奥底で震えて必ず伸びていきます。やがて勢いを吹き返して強く育ちます。
経営に生かす易経 p239~243
話ずれますけど、竹村先生も亞希子ならAwichだ!!と思ってしまいました。笑
ラッパー・Awich(エイウィッチ)の由来って
亜=Asia
希=wish
子=child
なんです。
かっこいいですよね~、Awich。ボッシーな女。
最近中毒で聴いてます。笑
話を戻しまして。
「陰から陽に切り替わったその時点では変化を感じることはできません」
これ、本当にその通りだな!と思います。
私は普段から上の人(ガイド、指導霊)とよく話をするのですが、それが「何言ってんの?」ってことが多くて。

このことを記事に書きなよ

え?
なんで?
そんなのちょっとカラーじゃなくない?

いや、いずれ流れとして必要になってくるから

ええ~
というかんじで、「ちょっと自分からするとわけのわからない振り」をされるんです。「こう動いといて」って注文が来るけど、その理由が全然わからないってことも多いです。
将棋で目隠しされたまま「5二銀成」「8二金」「4六竜」って指示されて、わけのわからないまま指してる感じです。どうなってるの!?わからない!!!
そして、その理由が見えてくるのって3カ月~半年後くらいだったりするんですよね。そこで「だからああしろっていうことだったのか!なるほど!」ってようやく理解できる。
兆しの時点じゃわからないんです。
でも、高次の存在的には兆しの時点で動いているんですね。
肉体に閉じ込められた状態の人間にはわからないことが多すぎます。五感でキャッチできる情報って、ほんの一部!
だからこそ、直感による「兆し」のささやきを聞き逃さないようにしたいものですね。
薪をくべて火をおこす時期って、「これでいいのかな」って不安になります。すぐには火がつかないし、一生懸命やっても順調にどんどん!とは燃え上がりません。逆に、焚き付けのようにすぐに燃え上がるものはすぐに消えちゃいます。
じっくりととろとろ燃え続けてくれる炭や薪に火をともすには、一定の時間と働きかけが必要です。それでこそ、安定して燃えてくれる焚き木になります。それは焦って急激な変化を求めたら、手に入らないものです。

私も和裁をやるのですが、着物を仕立てる時って実はなかなか気分が乗らないことが多いです。反物を買っておいてあるのに、なかなか着物の形に仕立てる気にならない。
だけど、エイと思い切って、乗らない気分で反物を積もって、断って、襟下をくける頃になると――もう楽しくて楽しくて仕方がなくなってくる。「お針って、こんなに楽しいんだ!」と食事も忘れて没頭しちゃうくらい、楽しくなる。
「乗らないから、やーめた」じゃなくて、「乗らないけど、やってみる」。
これも、いまいち成果が出ない時には試してみてもいい方法なのかもしれません。
薪に火をつけるのに手間をかけるように、時間が必要なプロセスもあります。易経を眺めていると、とみに、そう感じるのです。
あと、自分自身にエネルギーがない、組織自体の勢いが衰えているなという時には、合気道の動きが参考になります。
動画10:10頃~説明を見てみてください。
拳をつきだされた時に、真正面からぶつかると相手の力にやられる。
でも、それをパッと横に払うと、相手の力をよけることができる。
敵意をもって相手に向かうと、自分が消耗するばかりで相手に支配されてしまう。
肩の力を抜いて、力は肚(丹田)に込め、相手のエネルギーを自分のエネルギーとして使う。トランサーフィン風にいうなら「内的意図をあきらめて外的意図を使う」状態ですね。
そういう動き方をしたら、結果に出にくい時も無駄に消耗することなく、相手が頑張ってくれることで自分に結果的にプラスになる――そんな展開を迎えることができます。