東京都在住のU様(IT系企業経営)からリクエストを頂きました!
ありがとうございます!
Nozomi先生、こんにちは。先日のセッションではお世話になりました。今回経営者限定で記事リクエストに応えていただけるということで、ありがたく送らせていただきます。
今月10日にユーフォーテーブル(鬼滅の刃のアニメ制作会社)の経営者に、脱税の有罪判決が出ました。
収益に波が大きい事業で利益を次年度に繰り上げてできるだけ平均化しまいたいという気持ちは他業種ながらに理解はできます。もちろんいけないことですが。
私がこの問題で感じたのは成長企業の難しさです。私自身も従業員が80人を超えた頃から社内の規律の維持に難しさを感じるようになりました。今回のユーフォーテーブルでもバイトが倉庫のグッズを無断で持ち出すような不祥事があったそうですね。お恥ずかしい話ですが弊社でもバイトによる不正が起こったことがあります。
自分の徳のなさが悪いのだと言われれば返す言葉もございません。しかし、ユーフォーテーブルの件を見ていても急激に成長する企業にこういった問題はつきものなのではないでしょうか。
ベンチャーで立ち上げた企業を大きくし、従業員を抱えるようになって起こる規律の乱れはどのように正していけばいいのでしょうか。そんなアドバイスを頂ける記事が読みたいです。

U様のおっしゃっているのは↑こちらのユーフォーテーブルの有罪判決の件ですね。
そして、脱税云々ではなくて、一気に大きくなってしまった企業の規律の問題が悩ましいと。
わかります。これって、ビジネスだけではなくコミュニティにおける普遍的な問題ですよね。ユーフォーテーブルの件を見て、そこに気づかれるU様の視点の鋭さに、まず驚きました。すごいですね!
しかも、こういうことってなかなか相談できないんですよね。
だって、事業が急激に成長するだなんて、めったにない経験ですもの。経営なんて、10社起業して10年後に残ってるのは1社って世界ですよ。
そんな世界で生き残るどころかメチャクチャ成長してしまう!
まぁ~普通に見たら、そんなことで悩むやつは嫌味ですよね。笑
しかし、U様のように上手く波をつかむ人は、そのような成長を遂げるのも当たり前のことでして。
企業に限らず、小さなコミュニティは和気あいあいと「楽しんで!」でやっていけます。モチベーションの高い人しか残らないから、リーダーとも阿吽の呼吸で動いてくれます。「周りの人はみんな素晴らしい人ばかり!感謝!」って本気で言えちゃいます。
しかし、従業員が10人、多くとも30人超えたあたりからそんな蜜月は終わりを告げることに。モチベーションの低い社員が目につくようになり、自分の頭で考えることなく指示待ちをする人間が足を引っ張るようになります。
それが悪いというわけではなく、むしろ普通なんですよね。そういうものなんです。少数精鋭は少数だから成り立つわけで、「多数精鋭」とは言わないわけで。
本当に、これ、辛いところなんですけれども、経営者も大集団を率いるには意識改革が必要なんですよね。サークル気分でワイワイできた起業当初のままで、ずっとやっていくわけにはいきません。淋しいことですが。
そういう時に、リーダー論、歴史をひもとくならば国家論が役に立ちます。
先人がどんなふうに集団をまとめてきたか、国家を運営してきたか、から学ぶのです。
そしてここからが難しくなります。これらのリーダー論は「帝王学」と呼ばれるものです。
なので、一般大衆との価値観とはずれます。
経営者が孤独だといわれるのも、この理由からです。リーダーには普通の人とは違った哲学が必要です。(それがナンバーツーの腹心であったとしても)部下と同じ視線でいてはリーダーは務まりません。
帝王学は時には冷酷であり、常識外れだと思うことでしょう。学校で習ってきた道徳と真逆のことを求められたりすらします。
真のリーダーになるためには、思考の転換が必要なのです。
算命学的にいうと、この思考の転換に役立つのが天剋地冲が巡ってくる時です。天剋地冲は今まで築いてきたものを壊しますから「改革のチャンス」としてもってこいなんですね。
西洋占星術的にいうなら、トランシット(経過)の土星が絡むときがチャンスです。T冥王星でもいいのですが、冥王星だとちょっと強すぎてメンタルか身体をやられる恐れがあるので、やはり土星くらいが良いかな、と思います。土星がやってきている時が価値観アップデートのチャンスです。土星は冷酷なまでに現実にコミットさせてくれますので。創業なら天王星も使えますが、守成は土星です。
U様は、全ての社員を幸せにしたいと思っていらっしゃるでしょう。それは素晴らしい志です。もちろんその心はそのまま持っていただいて結構なのですが、自分が誠実に向き合っても、それに応えない相手がいるということも「まあ、そうだよな」と良い意味であきらめてください。
スピリチュアルな言い方をするなら、ディセンションしたい人はいるのです。そういう人に「こうやったらアセンション出来るよ!」と一生懸命関わるだなんて、実は相手にとっては余計なお世話だったりします。
自分に応えてくれる部下に誠実に向き合ってください。ビジネスという狭い区分だけではなく、魂の成長のために、相手のために何をしたらいいか考えてあげてください。
一方、あまりやる気のない人には「給料分働いてくれて本当にありがたい!感謝!!」と思って期待しないでください。そういう働きアリが一定数いてくれるから、有能な社員が輝くという面もあるのです。
いわゆる2:6:2の「パレートの法則」ですね。
トップが至らないから至らない社員やバイトが出てくるのだ、と自分を責めないでくださいね。なかなか扱いに難しい人が出てくるのは、大きな企業では普遍的なことです。
そういう人がいる前提でシステムを組む、失敗してもカバーできる組織作りこそが大切です。「できない社員をできるように変えよう!」は、闇を見ます……。少しは変わってくれるかもしれないけど、ほとんどは変わってくれません。徒労です。
そういう人はそういう人で集団に必要なのです。
集団とはそうやって成り立っているのです。
心理学用語でいうところの「シャドウ」を示してくれる役割だと思ってください。
U様におすすめしたいのは、帝王学の本を読まれることですね。なぜここで「経営者の先輩に会って学べ」と言わないかというと、うーん、まあ、U様みたいに順調に伸びてる若手をつぶそうとする先輩もいないではないからです。苦笑
信頼できる先輩がいらっしゃるなら、その人をメンターにして教えを乞うても良いと思います。しかし、そういう人が周りに見つからない場合は、本や歴史から学ぶと良いと思いますよ。少なくともそっちの方が安全です。
U様は鋭くてらっしゃるから、座学で学んでも十分現実面で実践できると思うんですよね。だから本で学ばれることをおすすめいたします。
冬至の日に、陰の気をもってお答えできたでしょうか。少しでも参考になればうれしいです。経営者ならではの貴重な視点を頂き、ありがとうございました!
経営者限定リクエストは26日までです!