私は今、座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」を読んでいます。
ちょっと話ずれますけれど、算命学(東洋の占術)を勉強してて良かった~って、こういう本を読むと思います。中国の古典で説明されたとき「あっ、これはそういうことか!」ってパッと理解できるところが出てきたのです。
中国の古典はベースに五行陰陽論があるので、通ずるところがあります。
例えば、この本でも「上に立つ人は、知りたがり屋でも、話したがり屋でもいけない(p106)」、このくだりを読んで、なるほど!と。
なぜなら、「知りたがり屋」は北・印星(習得本能)で「話したがり屋」は南・漏星(伝達本能)です。リーダーは中央・財星(引力本能)なので、北でも南でもなく中央に居なければならない。
すなわち、「リーダーが学者やクリエイター気質ではいけない」。この法則は五行陰陽論を使っても説明できるのです!
(例えば、この印星+漏星の組み合わせを持つのがイチロー。でもイチローってリーダーというより求道者ですよね。そして財星ばっかりなのが河合隼雄さん。心理療法家なのに文化庁長官もやっておられました。河合さんは面倒見の良いリーダー格、人徳の人です)
徳川家康も愛読した「貞観政要」
さて、この本は 「貞観政要」 についてわかりやすく噛み砕いて現代風に説明した本です。その貞観政要とは、そもそも何なのでしょう?
貞観政要は中国・唐代の名君、太宗によるリーダー論です。組織を上手く運営していくのに、リーダーはどんな心がけをすべきかが書かれています。日本でも、徳川家康をはじめとした数々のリーダーに重用されてきた歴史があります。
私が貞観政要を知ったのは、311の後、とある歴史関係の本を読んでいた時です。
その本に貞観政要が引用されていたんですね。こんな感じで。
「災害が起きるのは、私に徳が欠けているからだ。私の徳が修まらないのは私の責任なのだから、天は私だけを責めるべきである。国民に何の罪があるというのだ」
エッ!そんな考え方あるんだ!
って衝撃でした。現代日本を生きる私には、「災害が起きたら政治家や天皇が悪い」という発想は全くなかったからです。
算命学を学んだ今では、「そうだよね~昔の中国の人ってそういう考え方するよね~」って、それほど驚きません。でも、当時の自分にはセンセーショナルな思考でした。そして、「民によりそう、なんて慈悲深き皇帝なのだ」と感動もしました。
そして今回、その衝撃の書「貞観政要」の解説書を読みまして。
私、思ったんですね。
当サロン(リンデンバウム)にいらっしゃるリーダーって、なんて素晴らしいんだろう!って。
優れた人物ほど「叱られたがり」

リンデンバウムはストロングスタイルのスピリチュアルサロンです。
ビッシバッシ厳しいメッセージをお伝えします。ですから、メンタルの弱い方はご遠慮いただいております。強メンタルの方ご用達サロンとなっております!
私、日ごろからメンタルの強い方を尊敬しております。
ですから、厳しい高次からの叱責も真正面から受け止め、魂の成長の道を歩まれるリンデンバウムのお客様方は、本当に素晴らしいな~!って思っています。
人間って弱い生き物です。
だから、どうしても甘えたくなるし、楽な方に流れたくなります。
実際、私自身にもそのようなところがあります。
そんな時も自分を律し、厳しい叱咤激励を求める。そんな人って、本当に素晴らしいですよね。さすがはリーダーの器だなって、私は常々敬慕しておるのですよ。ひっそりこっそり。笑
そんなことを思っていたら、この本まで同じことが書いてあるではないですか!!
リーダーは、自分にとって都合の悪いことをいってくれる部下をそばに置くべきである。
部下の諫言(苦言)を受け入れる努力を常に怠らないようにしないと、裸の王様になり、自分の本当の姿は見えなくなってしまう。(p66)リーダーは、情実や好き嫌いで話を聞く相手を選んではいけません。茶坊主やゴマすり上手な職員の話ばかり聞いたところで、上司に都合のいい話しか聞くことはできないでしょう。
座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」
リーダーには、相性の悪い人、嫌いな人、厳しいことをいう人の意見にこそ耳を傾け、それを正面から受け止める姿勢が求められているのです。(p113)
いや、本当に、その通りです!
優れたリーダーほど、叱られたがる。
それは自分のお客様を見ていて、経験として知っていたことです!
自分の実体験が中国の古典に裏打ちされるなんて……これは胸が熱くなります。
そうなんです。
リンデンバウムのお客様、特に60代以上の経営者のお客様には、こんな言葉を頂くことが多いのです。

セッションではたくさん叱っていただきありがとうございました!
この歳になると、なかなか周りから叱ってもらえないんです。
だからNozomiさんは甘いことは言わずハッキリ言ってくれるので、本当にありがたかったです!
ああ、うれしいですね。
身に余る言葉、私にはもったいないです。
そうなんです。
真理・真実ってきついんです。
どれだけオブラートにくるんで優しい言葉で伝えても「本当のこと」というのはぐっさり心に刺さります。つらいです。
そんな言葉を、真正面から受け止められる、この度量!
これこそが、人の上に立つ器ですね。
こんな素敵な魂が今この地上にいるんだなって、率直に勇気づけられます。
やはり、メンタルの強い人――リンデンバウムのお客様は素晴らしいです。ご縁を頂きありがとうございます。あなたの生き方を、私に見せてくださってありがとうございます!
そんな風にいうと、決まってそういったお客様はこう謙遜するのです。
「いえいえ、私は未熟だからこそ、先生にちゃんと叱ってもらわねばならないのです」と。
名君と呼ばれた太宗でさえ、気が緩み、倹約の気持ちを失ってしまうのですから、凡百の人間であれば、なおのことです。
太宗には、魏徴をはじめ、自分を諫めてくれる臣下がいました。だから、正しい道に戻ることができたのです。天下が治まるか乱れるかは、君主ひとりにかかっています。
それは組織も、チームも同じです。組織はトップ(リーダー)の器以上のことはできません。だからこそ、トップの責任は誰よりも重いのです。みなさんのまわりに、魏徴はいますか?
座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」 p259
うーん!
私は、あなたの、 魏徴になりたい!!
心をもってお諫め申し上げます!!!
「叱られること」の必要性を実感していらっしゃる方は、まるで別世界に生きる人のようです。低次元ではなく、高次元への階段を歩んでおられることが、私の目には明確に見えます。
僕は、『貞観政要』(上・下 新釈漢文大系 原田種成・著 明治書院)をいつも自分の目の届くところに置いています。
そして、『貞観政要』が目に入るたび、「わがままをいっていないか」「部下の意見に耳を傾けているか」「思いつきの発言はしていないか」と自分の行いを振り返って、反省しています。(中略)
僕は今でも、毎日、太宗に叱られています。
座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」 p 264
別に、叱られなくったって生きていけます。
耳に心地よい言葉だけを追ってホッコリ生きていくことだって可能です。特にSNSはブロックやミュートを駆使してパーソナライズすれば、見たいものだけを見られます。
なのに、叱られることを求め、自分を律する。
そんな太宗のような生き方を選ぶ人が、この現代社会にもいるということに、私の心は熱く震えるのです。
あなたのような「叱られたがり」の人に出会えてよかった。
あなたのような自分を厳しく鍛える人の生きざまを見られてよかった。
感動を、ありがとう。心からそう思います。