「ビッグボス」新庄剛志と陰のリーダー(火天大有)

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プロ野球2022年シーズンの日本ハムファイターズ監督に、新庄剛志さんが就任します。

いやぁ~、私の住む北海道は新庄祭りです。
私実は、サッカー沼の住人なので、本来野球はとんと疎くてございます。でも、毎日道スポ(北海道新聞スポーツ)の1面が「新庄」! 「新庄」! 「新庄」!  「いやぁ~これは本当に盛り上がっているなぁ~」と実感します。

私が飲みにいくバーには、コンサドーレやファイターズの選手が時々います。小野選手を見た時は!メチャクチャテンション上がりました!!2001年の駒場運動公園の檻(アウェー席)以来の生・小野伸二ーッ!!

いや、見かけてもヒッソリ心の中でうへへと気持ち悪く喜ぶだけですよ。声はかけませんよ。だって、プライベートの時間を邪魔するのは無粋でしょう。

だから、新庄監督ももしかしたら見かけられるのかもな~と思ってます。お恥ずかしながら、ミーハーなおばはんです。

さて、監督経験は0からのスタートの新庄さん。現役時代とたがわぬ華やかさで話題をふりまいています。

うん……。あふれる南・調舒星み。調舒星の美学をあますところなく発揮しておられますね。

しかし、まあ、なんていうか、ニュースを見ていますと新庄監督の方向性は斬新というかなんというか。「だ、大丈夫かな……」って、正直なところ思います。

なぜなら、天才肌で自由な感性をきらめかせる新庄さんにとって「伝統あるプロスポーツの監督職」ってキッツイだろうな~と思うからです。

明らかに、監督向きじゃないと思うんですよね。ボスじゃなくて遊軍として自由に「思いついた時に思いついたことができる環境」があったほうが新庄さんって輝ける人なんじゃないかなと。

でも、そんな新庄さんが監督(ビッグボス)として花開く可能性があるとしたら、私は「火天大有型」一択だろうと思います。

火天大有とは易経の卦の一つです。

6本の棒線が並んでおりますが、一本だけ真ん中が切れていますよね。
切れているのが陰で、切れていない真っ直ぐな線が陽です。
この火天大有という卦は「リーダーだけが陰」という形をしています。

つまり、周りの部下はメチャ優秀なんだけど、リーダーは、まあ、ちょっと見劣りするというかそこまでではないかな~みたいな形なんですね。

じゃあこの火天大有という卦は
縁起の悪い凶の卦ってこと?

と思われるかもしれません。
実は私もそう思いました。

しかし、意外や意外、この「リーダーだけがあんまりパッとしない組織」を易経では激推ししています。盛んに繁栄して長く勢力を保つ組織とは、火天大有のような形をしているというのです。

「柔尊位を得」とは、尊位とは五番目のこうのことでリーダーシップをとるべき君主、会社ならば社長の位ですが、柔弱で才能のない陰がその座に在るということです。君主を中心にそのまわりを才能と活気に満ちた人たちが取り囲んでいるかたちになります。

卦象を一見するとまわりの陽の勢力が強く、頼りない陰の君主をしのいでいるように見えませんか?
しかし、じつは易経では陰と陽は数が少ない爻が力を持つという決まりごとがあります。

「柔よく剛を制する」といいますが、柔弱な一陰が剛健な五陽を束ね、すべてのバランスをとっているのです。そして陰と陽は相補の関係にありますから、よく交わり応じ合い新しいものごとを生み出します。

超訳 易経 陰―坤為地ほか p232

正直、新庄監督は「監督として能力を発揮しよう」と頑張るよりも、実務は周りのスタッフに任せてしまって自分は広告塔として華やかな話題を振りまく役目を負ったほうが良いのではないかと思います。

ファイターズのフロントが監督としては未知数の新庄剛志を抜擢したのも、もちろん元・所属選手ということもあるでしょうが、「知名度による集客UP」とソロバンをはじいた一面もあると思うのです。

プロスポーツはエンタテインメントです。娯楽です。
八百長ではないけれども、プロレス的に興業として試合を演出して(盛り上げて)いくことも大切な側面となります。

そういう意味で新庄剛志という人間はパーフェクトです。
何より華があって、人目を引きます。独特の感性から紡がれる言葉はキラキラと輝いています。

普段野球に興味がなくても「新庄がいるならスタジアムに行ってみようか」と思う人だって、少なからず出るでしょう。プロスポーツの優れたアスリートばかりの世界であっても、そういう人材は少ないです。

ただ、実務となると、正直、向いてないんじゃないかな~って思うの……。ごめんなさいね、ファンの方。新庄が無能って意味ではなくて、適材適所という意味合いで言っています。

新庄剛志という人間を球団の中で生かすなら、それこそヴィジュアルのコーディネート担当にすると良いと思います。例えば、新しいユニフォームのデザインを考える時に「新庄剛志プロデュース」にしたらレプリカユニやタオルマフラーなどの売上UPにつながるのではないでしょうか。

あと、どうやったら人目を引くかを自然体でわかっている(すごい才能です)人ですから、広告・広報チームにアドバイザーとして参加するのもとても良いと思います。あっと驚くアイデア、凡人では考えつかないような案を提示してくれるでしょう。それを「SINJOプロデュース」と冠してプレスで出せば話題になるのではないでしょうか。

新庄さんの才能って、そういうところで輝くと思うんですよね。監督業ではなくて……。

だから、監督業も実務は周りに任せちゃって自分はファンの獲得や球団の認知度の上昇に気を配ったらよいのではないかと。

ただ、ファイターズの系譜を見てると「新庄剛志」というセレクトは正しくもあるなと感じるのです。流れを見ると、そうなるというか適していると。

00年代からの監督の流れを見ると、こうなんですよ。

ヒルマン(2003 – 2007)

梨田昌孝(2008 – 2011)

栗山英樹(2012 – 2021)

新庄剛志 (2022~)

これって、こう見えません?

ヒルマン(陽)

梨田昌孝(陰)

栗山英樹(陽)

新庄剛志 (陰)

「梨田が陰だと!指揮を執った全てのシーズンで勝ち越してるんだぞ!」とファイターズファンの方は気分を害したかもしれません。私もいぶし銀的なプレイヤーや監督って大好きなので、わかります。でも、もっとミーハーに「わかりやすさ」で考えてほしいのです。

野球ファンではない私にとって印象が強いのはヒルマン監督と栗山監督です。この二人の監督は野球ファンではない私ですら認知しているくらい「実績を出している人」という印象があります。

陽が吉で陰が凶なわけではありません。
そうではなくて、陽は「力が目に見える時」で陰は「力が目に見えない時」です。

そして、継続していく組織において陰と陽のバイオリズムは交互に繰り返します。陽ばかり、陰ばかりとはなりません。陽がずーっと続いたなら、今度は陰がずーっと続くようになります。

大監督・ 栗山英樹の後に来る監督って、相当キツイと思うんですよ。だって比べられるでしょう。「お前も第二の大谷翔平を輩出せよ」って言われちゃうでしょ。

いや、きついですよ~それ。
私がその立場だったらオファー断りますね。

サッカーの監督でもあるあるですよ。すごく優秀で結果を出したあとの監督が「……」ってなるのは。でも、それは陰と陽が繰り返していることを思うと当たり前のバイオリズムです。高調もあれば低調もある。それでこそ自然です。

でも、新庄剛志なら英雄・ 栗山英樹の後でもいいんですよ。
なぜなら別格だから。
「監督・新庄剛志」じゃなくて「ONLY ONE ビッグボス・新庄剛志」だから。

新庄が結果出さなかったとしても、そんなにみんな怒らないと思うんですよ。いや、一部の過激なファンは怒るかもしれないけど、「まあ新庄だもんな」でOKだと思うんです。いてくれるだけでOK。だって新庄だから。

ファイターズのファンの方は結果にこだわらずに2022年シーズンを「新庄剛志劇場」として思う存分楽しまれてはいかがでしょうか。
プロ野球の楽しみ方の既成概念をひっくり返してくれると思いますよ。だって新庄だから。

そして、「結果の見えない」陰のフェーズも大切な時期です。
なぜなら、組織は陰の(目に見えて結果が出にくい時期)にこそ実力を養うことができるからです。

易経で火天大有の卦が絶賛されるのは、「リーダーが陰がゆえに周りの人間の才能が目に見える形で伸びる(つまり陽になる)から」なんです。

新庄が結果を残すとしたら、周りのコーチやスタッフや選手が「この人のために頑張らなければ」とちょっと危機感をもって頑張る時です。

優れたリーダーがいるときはどうしても人間頼って甘えてしまいます。「○○さんの言うとおりにしていれば間違いない」で、自分の頭で考えなくなってしまいます。

しかし、ちょっと何言ってんだかわかんない人がリーダーだと「ダメだコイツ何とかしないと」で一生懸命頑張るようになります。結果、人が育つ。そう、陰の時期は結果は出にくいかもしれないけれども人を育てることができるのです。

粘土をこねて陶器をつくる。
陶器の中の空っぽの部分に物を容れる使い道がある。

戸や窓をくりぬいてその奥に部屋を作る。
その何もない空間こそが部屋として使い道がある。

だから結論をいえばこうだ。
すべて形ある有用なものが役に立つのは、形無き虚しいものがそれを支える役割を果たしているからだ。

老子 (ちくま学芸文庫) 

とりあえず2022年の春の薫りCLASSIC(北海道限定ビール)のCMは新庄剛志にするといいと思うよ。勢いのあるうちに。

ではでは、おいらは自分のホームグラウンドのサッカー畑に帰るであります~。門外漢が色々言っちゃってすいません。「野球をわかってない人間のたわごと」と聞き流していただければ幸いです。

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