最近、ユング派の手法で神話を使いながら自分の夢分析をやることにはまってます。おかげさまで、私の今の一番のエンタテインメントは睡眠です。夢を見ることが一番楽しい。
目が覚めたら朝一番で枕元に置いたノートに夢日記をつけ、その夢の分析をするのが本当に面白い。
自分というのは、まさに無限の宇宙(無意識)とつながっている存在であって、自分の中にこそ真の鍵があるということが感じられる。
これほどエキサイティングな体験はないでしょう!
夢、最高!!
みんな、ぐうぐう寝よう!!!(何の誘い……)

自分の夢を分析するために、日本のユング派心理学の第一人者である故・河合隼雄先生の本を何冊か読んでいます。上の本、母性社会日本の病理では浦島太郎伝説を通じての精神分析について論じている箇所があるんですね。
浦島太郎。
助けたカメに連れられて~♪
竜宮城に来ってみ~れば~♪
みなさまご存知の通り、浦島太郎は竜宮城で天国みたいな暮らしをして、元の浜辺に戻ってきます。そして、玉手箱を開けて老人になってしまうのです。
ここで、 河合先生はこうおっしゃいます。
一度他界へ行ったものが現世に帰ってきて、変わらぬ生活を送ることは非常に困難なことである。
われわれ心理療法家にとって、「他界」とは無意識界を意味し、患者とともにその無意識界にはいっていきながら、外界とのつながりを失わないようにすることは重要なことであり、この困難さを克服しないと浦島と同様の失敗を犯すことになる。
母性社会日本の病理 p319
これ。
これ、スピリチュアルでも全く一緒。
「外界とのつながりを失わないようにすることは重要」!
私はね、このブログでしつこくしつこく「グラウンディング~グラウンディング~!グラウンディングこそが大切なのです~!!」と呪文のようにブツブツブツブツと繰り返し唱えております。
なぜなら、スピリチュアルなことが好きな人は地に足のつかないフワフワ状態に陥りやすいからです。
スピリチュアルが悪いわけではありません。
しかし、あまりにも「他界」にのめりこみすぎると「現世」に戻ってこられなくなる。つまり社会適応があやしくなります。
だから、私はあえてこういうのです。

私っ、霊能力を開発して早く5次元世界にアセンションしたいんです!

なるほど。
ところで今、ちゃんと稼いでますか?

えっ!?
あ、あの……無職、ですけど……

なら、まず経済的に自立しましょう
5次元にアセンションすることはその後に考えましょう
社会適応が怪しい状態でスピリチュアル世界にズブズブはまっちゃうと、まずいんです。安定性を欠いてしまう。なぜなら、河合先生の言うところの「外界とのつながりを失わないようにすることは重要なことであり、この困難さを克服しないと浦島と同様の失敗を犯すことにな」るから。
私だって、スピリチュアルな世界の素晴らしさは良くわかっております。霊性の光を今の世界に持ちこむ重要性も痛感しております。
でも、それも三次元の現実社会というベースがあってこそ。
そこをないがしろにしてスピリチュアルに走っても、ただの現実逃避になってしまいます。
メイ:クラシックなスピリチュアリズムでたどり着く答えって、硬派なものが多いんですよ。「悩みや苦しみは魂の成長のために自分で選んできた課題で、もがきながら四つに取り組むことで魂は磨かれる、その過程こそ神様からの贈り物だ」とか。なんだか古代先住民族の長が厳かに語るような感じで、素直に飲み込みにくい。結局世界は苦しみに満ちているのが初期設定なのは変わらないし。
ハナ:もとからスピリチュアルが大好きだった私も、その飲み込みにくさは、すごく同感。なんだろう、わかりやすく言うと「もっと承認欲求を満たしてくれるスピリチュアルはね~か~?」と
女神を自称するスピリチュアル教祖様に傾倒し、そして失望した一部始終 – wezzy|ウェジー
「クラシックなスピリチュアリズムでたどり着く答えって、硬派なものが多い」
その通り!
そうなんですよ!!
だから安易に全肯定で「あなたはありのままでいいんですよ~♥瞑想やワークさえしていれば全ては上手くいきますよ~♥嫌なことからは全部逃げましょうね~♥無理しない無理しない♥♥」なんて言ってられないのですーッ!!!
私は責任をもって「外界とのつながりを失わないように」気を配らなければなりません。「社会に適応してますか?コミュニケーション能力を磨いて人間関係を円滑にしていますか?」と問わねばなりません。
「ありのままのあなたで、コミュニケーション能力が低くたって、内向的で人見知りだっていいんだよ♪」では、単なる無責任です。
社会不適合であることはよくないと、きちんと誠実にお伝えしなければなりません。

自分も上の人(ガイド)と話ができるようになりました!
上の人との会話を送ります!!
なんて、長文メールを送ってくる方も、ごくまれにですけれども、いらっしゃるんですよ……。
「今何をやってらっしゃるんですか?」って聞いたら、不登校からの大学中退→無職で引きこもり。
「なるほど。だからこんなに社会性のないことができるのか」と半ば呆れてしまいました。
その人がチャネルしているメッセージが本物か偽物か、そういう話ではないんですよ。そうではなく、初対面の人にいきなり自分とガイド(守護霊)の通信記録を長文で送りつけるという「距離感の取り方がバグっている状態」が問題なんです。
こんな距離感の詰め方してたら、現実社会で上手く人間関係が築けません。
私がここで全肯定よしよしして「あなたは素晴らしいチャネラーですね!」なんて受け入れたら、この人はコミュニケーション能力が低いままで社会不適合者から抜け出せません。
だから、私は上の彼に「そんな会話を送りつけられても迷惑です」と返しました。スピリチュアル的に間違った情報だから迷惑なのではなく、「人との距離感の取り方」がバグってる(コミュニケーション能力が低い)から迷惑ということです。

まずは、ここの世界に適応せねばならないのです。もちろん、それは河合先生のいう通り困難な道のりです。実際に私だって「三次元社会って下らないな~バカバカしいな~」って思うようなこと、たくさんありますよ。でも、まずは一旦のみこんでシステムを理解して使えるようにならないと始まらないのです。
だから、グラウンディング。
地に足をつけて、現実に適応すること。
その足掛かりがあってはじめて、あなたの素晴らしくスピリチュアルな愛はこの世界で花開くことができます。
神秘世界を探求したい気持ちは、痛いほどわかります。
しかし、冷静になってください。精神のバランスを欠いてしまうと、せっかくの愛が周りの人には狂気に見えてしまいます。最悪、統合失調症扱いされちゃうかも。
ゆえに、メンタルが弱い状態でスピリチュアルにはまり込むのは危険です。明確に好ましくありません。ですからリンデンバウムでは精神科に通院中の方や精神科薬を服用中の方はNGです。
精神的に不安定な方は、このブログすらも読まないでほしいです。
悪影響になりかねません。
メンタルを鍛えてから読んでください♪
逆説的な話になりますが、二元性を統合するにはまず二元性に分離せねばならないのです。性的に分化し、男か女であることに一度はコミットしなければなりません。幼い子どものままで未熟な精神で生きていては浦島太郎になります。
どうぞ、まずは地に足をつけて社会に適応し、大人として成熟してください。
そこではじめて、尊い神秘の道を歩み始めることができます。