愛の反対が無関心なら、憎しみは愛の何?
「愛の反対は無関心」といいます。
では、愛と憎しみは正反対のものではないということになります。憎しみこそが愛の素であり、愛の素が憎しみであるとも言えるのです。
実際にそうでしょう。
熱狂的なファンがアンチに変わったりするでしょう。
「かわいさあまって憎さ百倍」の言葉の通り、愛が憎しみに変わることもあるのです。(ここでの愛とは、まさに仏教でいうところの「愛欲」であります)
憎しみとは愛のもうひとつの側面にほかならず
— OSHO bot (@osho_bot_jp) August 14, 2021
怒りとは慈悲のもうひとつ別な側面にほかならない
タントラは言う
「あのね、それ両方もらうよ
両方とも受け容れるよ–」
すると突然
この受容を通してひとつの超越がある
そこにはふたつのものがあるわけじゃないからだ
Oshoのこの言葉でも、愛と憎しみは別個のものではないと示しています。愛と憎しみは、同じもの。コインの表と裏に過ぎないと。憎むことを知らない人はまた、愛することも知らないのだと。
愛されし者となることは、相手の深層のコンプレックスを、知ることであり知られることでもあるのですから、もっとも傷つくことが起こります。親しい者がもっとも深い傷を開く以上、「恐ろしい運命」という避けられない瞬間がやってくるために、恋人は敵となるのです。
傷つくこと、傷つけることによって分離が起こり、二元性の世界においては情熱すら生み出します。ここでの分離した相手は敵となり、そしてその敵とは愛される者でもあります。
心理学的に見ると、大きく精神が成長する時に私たちはコンプレックスを刺激するような相手を親友として選ぶことがよくあります。敵対してくれる人は、もっとも気づきをくれるわけです。
神話にみる女性のイニシエーション (ユング心理学選書) p177
ああ、ああ。
そうなんですよ。
敵こそが最も近しい人で、最も近しい人ほど最強の敵になりやすいんです。
このことを教えてくれるのが、西洋占星術の第7ハウスであります。
ホロスコープの第7ハウスでは、パートナーを見ます。そして、敵を見るのも同じ第7ハウス。つまり、パートナー=敵という状況は、けして珍しい現象ではないのです。
パートナーは、非常に解像度の高い鏡です。
自分のシャドウ、抑圧していて見たくない面を容赦なく突きつけてくるのが生活を共にするパートナーだったりします。
勢い、未熟な私たちはパートナーにイラっと来てしまうのです。
「なぜそんなことをするんだ、自分はしない」
そんなふうに相手のせいにして、自分の奥深くに眠る感覚を否認しつづけるために。
第7ハウスの出し方
ホロスコープを出したことがない方は、ホロスコープ無料作成サイトで生年月日を入力して作ってみてください!
例として、メトロポリタン占星学研究館でホロスコープを作った場合、7ハウスをどう見ればいいのかを以下に書きますね。

生年月日、出生地(都道府県)、出生時間を入力すると、↑上の画像のような図形が出てきます。
この状態で、画像下部分にある「このホロスコープの詳細」をタップ/クリックしてください。

円の中心部分に1~12の数字がふってありますね。この数字が7のところのピースが7ハウスとなります。例のホロスコープですと、7ハウスに入っている惑星はありませんね。
「何がどこに入っているかわからない」という方は、画面をスクロールして [ 天体の位置 ] を見てください。各惑星のサインと度数の右に「○ハウス」と書かれています。
各惑星の意味は↓の記事などを参考にしてみてください。

自分のホロスコープでは
7ハウスにはなんの天体も無いようです……
結婚と縁が無いってこと?
天体がハウスに入っていない方は、そのハウスは「人並み」ということです。生涯を通じて重点的に学ぶテーマではないということですね。
天体がハウスに入っていない方は [ ハウスのカスプ ] までスクロールして第7ハウスのカスプが何座になっているかを見てみてください。
上の例ですと、第7ハウスのカスプは射手座になります。第7ハウスの性質が射手座(支配星:木星)的な色合いを帯びるということです。天体が入っているともっとビビッドな特徴が出ますが、天体がなくてカスプのみで見る場合は「そういう感じの場の空気(環境)がある」という見方をします。
かわいい恋人が「だんなデスノート」勢に変わる時
愛が憎しみに変わるとき。
これを最近感じたのが、東京卍リベンジャーズを読んでいた時です。
あの。はじめに断っておきますが、私、リベンジャーズ好きですよ。
最新刊(2021/09現在23巻)まで読んでますよ。
これってすごいことなんです!
なぜなら、私、「登場人物の多い物語」って鬼門なんですよ!!
登場人物がたくさんでてくると「えっ、えっ、誰」って判別つかなくなって混乱しちゃうんですよ!!鳥頭。
このせいで鋼の錬金術師も進撃の巨人もゴールデンカムイも、大体10巻+2~3巻くらいでつまっちゃって続き読んでないんですよ! もう誰が誰だかわからんくなっとるのですわ。鳥頭。
実は同じ作者の「新宿スワン」も同じ理由で10巻くらいまでしか読んでません。新宿スワン、メチャクチャ面白いって思ってるよ!思ってるけど、誰が誰だかわからん!!!鳥頭。
その、私が!
23巻まで読んでるだなんて!!
奇跡のマンガですよ、リベンジャーズ!!!
そのくらい、リベンジャーズ好きですし、泣きまくりましたし、熱いマンガだと思ってます。
アクセサリー見てて「このピアス、イザナっぽい!欲しい~♥」とか思っちゃうくらい好きです。
しかし、あるシーンで「あ、ああ……」とも思っちゃって。
実に第7ハウス的事象で。
そのシーンとは、感動のシーン。
多分、読者の半分くらいは涙なしには読めないシーン。
兄が、妹と妹の彼氏(ケンチン)との将来を語るシーンです。
ケンチンは家を建てるんだ
オレが遊びに行くとケンチンはオマエのことをほったらかしにして
酒飲みながらもう何度も話した昔話で盛り上がる
夜中まで居座ってさ
そのうち三ツ谷とかタケミっちとか呼んじゃってもうドンチャン騒ぎでさ
赤ちゃんが起きちゃって…オマエにオレは…ブチ切れられるんだ
…………。
泣けますね。
地獄って意味で。
これ、何がホラーって、「いい話」として描かれてるんですよ。「オレが考えた最高の未来!」って風に描かれているんですよ……。
夫の友達(自分の兄含む)が家に入り浸って、夜中まで騒いで、ようやく寝かしつけた赤ん坊が起きて泣き出す。ガチギレしても、夫(と友達)は笑って見ているばかり。「まーた始まった」ってことは、これがありふれた光景、日常茶飯なわけで……。
え。
地獄かな?
これ、地獄だよね??
つか、エマちゃん(妹)、もう確実にだんなデスノートに書きこんでるよね?
「結婚するまであんなに好きだったのが嘘みたいです。家事や子育てに協力もしないで友達と夜遅くまでうちで飲んだくれてる夫なんていりません。早く死んでほしいです」って書いてるよね?知ってるよ?
これの何が闇かってさ、夫は「これくらいのことは許してもらえる」って思ってるってとこなんだよね。甘えてるんだよ、妻に。妻を放って育児も家事もしないで自分は友達とドンチャン騒ぎして、子どもが起きて妻が怒っても、「アハハハハー」って笑って許されると思ってるんだよ。
闇だろ。
無理だろ。
こんな夫は燃えるゴミの日に出してしまえ。俺が許す。
(以下、ネタバレになるので文字を小さくしてます)
そんな未来が来なくて本当に良かったね!
ケンチンと結婚しなくて、本当に良かったね!!
オバチャンは君に祝杯上げとくよ!ヒャッホー!!!
でね、これが典型的な「愛するものが敵になる瞬間」、第7ハウス的事象だな~って思ったんです。
この妹、エマちゃんね、本当にケンチンのこと好きだったんですよ。本当に心底惚れてたんですよ。
だからこそ、結婚した後にこんな仕打ちをされたら、まさに「かわいさ余って憎さ百倍」ファンがアンチに変わり、愛が憎しみに変わりますよ。第7ハウスですよ。
ただね、こういうことが起こるのも、自分のシャドウを映しだしてくれているってことなんです。学びのために起こってることなんです。
敵に思える人こそ、自分の最も大切なものを映し出してくれている相手なのです。
その相手が、一度は愛した人であったら苦しみは倍増します。簡単に相手を切ることができません。すぐに逃れられないからこそ、最も奥深いシャドウと向き合うことができるのです。
第7ハウスは、時に過酷とも言えるくらいの試練を与えてきます。
しかし、それは二元性を超越するための最も効果的なチャレンジとも言えるのです。
第7ハウスがあまり強調されてない人でも、太陽星座と地球星座(ヘリオセントリックチャート)を意識するなら、この対立が理解できると思います。
そのくらい180度、オポジションの関係は二元性を体験し超越するために無くてはならない素材、プロセスといえます。