父親の影響と母親の影響~徳の人と才の人

四柱推命/算命学
写真AC

一緒におしゃべり(メルマガ限定メニュー)する方から「算命学を勉強しようか検討中なんですが、Nozomiさんがどうやって学ばれているか伺えたら嬉しいです」というリクエストを頂きました。

これを機会に今までまとめたノートを見返したり算命学の本を再読しております。その中に高尾義政先生の「悠久の軍略」を手に取りました。面白いんですよ〜この本も!
その中に、こんなことがかいてあったんですね。

人間はどの人にも父と母がいますが、徳は男親からもらい、才は女親からもらうものです。みなさんがたも青少年期から成人にかけたの親とのかかわりを思い出してください。

父親の影響を多く受けたものは徳性が強く、母親の影響を多く受けた人は才性が強く現れます。

才人に才で立ち向かったら戦いになるだけです。
徳人に徳で向かっていったら、いつまでたっても戦いは終わらないでしょう。それこそ男と女、陰と陽の関係で、徳人には才で、才人には徳で対処するところに争いは消えていくのであります。それこそが軍略なのであり、争うことは軍略の最終手段であり、下格の策であります。

もっとも自然の成り行きで、徳人は才人を好み、才人は徳人にひかれるのが常であります。

悠久の軍略 p63〜64

う〜ん、なるほど。
わかる。わかるぞ。
そう唸ってしまいました。

頑張る人が得る小さな成功 頑張らない人が得る大きな成功にも書いたのですが、私自身はどちらかというと才気ばしった方向に傾きがちな人間です。言ってしまえば、徳が足りません。すみません。

私の育った環境はサラリーマン+専業主婦という典型的な昭和家庭です。このような形態の家庭ですと、どうしても父と子の時間は少なく、母と子の時間が豊潤になります。つまり、母子密着が生まれやすい状態になりがちなんですよね。

そして私も例にもれず一卵性母娘的な癒着した共依存的な関係を築いていました。特に受験勉強を通して。うーん、地獄感、すごい。

父親の影はもう極薄で、いてもいなくても変わらないというか、あまり敬われていないというか、実に便利なATM状態でした。うーん、悲惨。

ゆえに、私は母親からの影響を多大に受けている、高尾先生の言葉でいうと「父親の影響を多く受けたものは徳性が強く、母親の影響を多く受けた人は才性が強く現れ」るわけなので、才性が強く現れているのは納得なのです。

一方で、父親の影響が強い人は徳性が強い。これもわかります。

例えば、私の叔母は男だらけのきょうだいの中で一人だけ女、かつ末っ子です。そして「一家の姫」状態で、父親(私からすると祖父)から目に入れても痛くないほどベロベロに可愛がられて育ちました。

叔母は、本当に、姫です。
「え〜、できなぁ〜い。兄ちゃん、おねが〜い♥」と可愛い声でクニャッと言えば、男は秒で動きます。

叔母は若くありませんし既婚ですし母親でもありますが、50になろうが60になろうが姫です。多分80歳になったって皆をかしずかせるお姫様です。せかぁ〜いでぇ〜 いち〜ばん お〜ひ〜め〜さ〜ま♪

才気は正直、あんまり感じられない、きつい言い方をするとあまり頭の良さを感じることはないのですが、徳性という観点でみると実に優れています。「あの人のためになにかしてあげたい」「あの人の力になりたい」「守ってあげたい」と人に思わせる天才です。

そしてこの姫の娘がシンプルに願えば、宇宙は与えてくれるに書いた従妹です。「だって、大学から付き合ってる彼氏とは結婚するものでしょう。私は彼と結婚して家庭に入って子どもを産むから、働く必要ないの~」とのたまい、実際に就職せずに結婚した人です。

ああっ、徳性!!
徳性、眩しい!!!
目が、目がー!!!(見ろ、才性人間がゴミのようだ!!!)

やっぱり、この従妹もパパ大好き系の人でした。また叔父も女子とコミュニケーションが上手く取れるタイプのかっこいい人でしたしね。

叔父と叔母はバスケが縁で出会ったそうです。
体育会系カップル、素敵ですね♥
(まあうちの両親もテニスが縁で知り合った体育会系カップルではありますが……)

ともかく、父親との関係が密接だと徳性が育つわけですね。

ここで思うのが、自分の世代を含めて今の日本って「才気上位」になってるんじゃないかなあということです。
数字で示せることこそが力があり、理論でエビデンスを示すことこそに説得力がある。そんな世相を感じるのですがいかがでしょうか。

「この人って徳がすごいなあ」って思う人、少なくないですか。
逆に「この才能はすごいな」って思う人って、結構いるでしょう。
徳性の高い人が生きにくい世の中なのかなあと思うんです。

毀誉褒貶ありますけど、森喜朗さんだって実はかなり徳タイプですよ。あの人は、人間的な魅力で人を動かせる人ですから。でも高尾先生が「徳人とは、総体的にみると、どこかぬけているものを持っている」と書いている通り、脇が甘い。なので、失言したり不倫したりして首を取られてしまうという。

徳性タイプの人は、ふくよかな人が多いです。大黒天とか惠比須タイプです。

おなかぽんぽんのメタボ体型。これこそが豊かさを生む、福を生む体型だと古来より考えられてきました。宮尾登美子の「」では、痩せぎすの女子を若い男性が骨っぽい(魅力に欠ける)とからかう描写が出てきます。なので、ほんの100年位までは日本でも痩せっぽちが美しいという価値観はなかったようです。

これは日本だけの話ではないですよ。
西洋の絵画だって昔の女性はでっぷりとした体型でした。

このルノワールの裸婦だって、でっぷりとしたおしりと絶賛セルライト増殖中的な太ももをしてるでしょう。背肉も付きまくりです。今のモデル基準では完璧に太り過ぎ判定を受けるでしょう。しかし、当時としては美しい女性はこのように肉感的な女性であったのです。

この「肥満体型は醜い」という価値観と、徳性人間の受難はリンクしているように見えますがいかがでしょうか。

才気ばしった人間が多いなと思うのは、父親の影が薄くて母子癒着気味の日本家庭によるのかもしれない。高尾先生の「父親の影響を多く受けたものは徳性が強く、母親の影響を多く受けた人は才性が強く現れます」という言葉を見て思うのです。

典型的だなと思うのが、SNSや掲示板でのレスバトル。
「そんなことでつっかからなくても……」と思うようなことで攻撃的なリプを飛ばし、言葉によるバトルがはじまります。

大抵の場合、理詰めです。他者から見て理論的ではなかったとしても、本人的には理論構築しているつもりだったりします。水掛け論になってもひたすら持論を展開するのでなかなか終わりません。

あと、twitterで「いやここの論旨はそういうこと言ってるんじゃないよ」という重箱の隅をつつくような指摘や、150文字の1ツイートだけ見て「これは違う」とか文脈を読み違えてのクソリプなども良く見かける光景です。

「才人に才で立ち向かったら戦いになる」の通り、こういったSNSでは「理詰め」でとにかく理論構築したほうが勝ちみたいな風潮があるので、レスバトルもクソリプからの争いなどもよくヒートアップします。

「徳人には才で、才人には徳で対処するところに争いは消えていく」ので、徳で対処すればこのような不毛なレスバトルは鎮火できます。しかし、SNSには才人タイプが多いのか、才に才(理論に理論)でぶつかって燃え上がってしまうのです。

やはり、今の世の中は才人タイプの(=母親からの影響が強い)人が多いのではないでしょうか。
今日の教育システム自体が才人を育てるほうに向いているのかもしれませんね。

恋愛工学の教祖様である藤沢数希さんはこういいます。

中学受験こそ日本の競争力の源泉であり、日本のエリート教育の心臓部だからである。

僕は大学生のとき、難関中学受験のための教育機関で講師をしていた。
そこで日本の中学受験というシステムが世界的に見ていかに優れたものであり、そこを勝ち抜いていく子供たちがいかに優れた能力を有しているかということをまざまざと見てきた。
そう、中学受験には人生の全てがあるのだ。
喜び、悲しみ、孤独、友情、努力、才能、そして、家族の愛。

(中略)

成績が振るわなくて、下のクラスに落ちてしまった子供たちは、家に帰れば両親、特に母親に厳しく叱責される。
中にはぶたれる生徒もいた。
中学受験とは、ある一面では母親同士の代理戦争なのだ。

中学受験こそ日本のエリート教育の本流、東大なんてクソ : 金融日記

恋愛工学にはまるタイプの男性って、すごく真面目な人が多いと言われています。真面目だからこそ女にモテなくて恋愛工学にはまるというわけです。そして、恋愛工学は真面目にコツコツテクニックを磨けば報われる(レベルアップしている感がある)ように組まれているので、受験勉強を一生懸命してきたタイプの男性と親和性があるわけですね。

そして、母親との癒着共依存。
私もそうですが、これも受験勉強を一生懸命頑張ってきた人にあるあるですね。そういう母親の影響の強い才人(モテない)が恋愛工学にはまる……と考えるのは私のうがちすぎでしょうか。

ちなみに、算命学でモテというか好色な星としては鳳閣星が挙げられます。四柱推命でいうところの食神です。鳳閣星は自然体で中庸な徳の星。余裕があるのでモテるというわけですね。徳の星がモテとなると、やはり母親からの影響の強い才人は非モテになりやすいということでしょうか。

最近は父親の育児休暇取得を促進していたり、今日も朝日新聞の母子手帳は父親不参加みたいでさびしい的な記事が話題になっていたりします。

母子手帳は「親子手帳」じゃだめ? 父親たちの問題提起:朝日新聞デジタル
俺って、育児に関係ないと思われているのかな……。 3歳の長男を育てるさいたま市議の三神尊志(たかし)さん(40)は、役所で妻と妊娠届を出して母子手帳をもらった時、「母子」の言葉が気になった。産院では…

そうなると、母子癒着が緩和されて徳性を育む(父親の影響力が大きくなる)子どもが増えてくるということでしょうかね。あと20年後くらいには、ゆったりした徳人が増えているのかもしれません。

さて、あなたは父親と母親の影響、どちらを強く受けてきましたか?
自分が才人と徳人、どちらのタイプだと思いますか?

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