脳の量子的潜在力を開発するワーク~高次の空間

ハトホルからのメッセージ
Tom Kenyon » The Upper Rooms

これはトム・ケニオンの記事The Upper Roomsの日本語訳です。

約3ポンド(1.3kg)の重さがあり、およそ1000億という脅威的な神経細胞の数がつまっている。これらの小さな情報処理装置は複雑で驚くべきネットワークとつながっており、神経細胞との結合箇所は宇宙にある星々の数を越えると推測されています。ええ、お察しの通り、私は人類の脳について述べております。

こんな複雑さをもってして、脳は知覚、すなわち精神的で感情的なる経験と世界観を作りだします。ここで私が「作りだされる」と言ったことに注目してください。私たちのほとんどは、世界を直接そのままに体験していると考えています。しかし、そうとは言えません。脳はどう感じるかどう考えるか、どんな感情を抱くかどう記憶するかということすべてを世界をどう解釈するかという神経の判断基準を通して合成しています。私たちは世界を自分自身から分離した別のものとして経験しますが、実際のところ、この世界での経験というのは、脳による創作にすぎないのです。

この世界でする経験は、あなただけのものです。他の誰かがあなたが感じるのと全く同じように「この世界」を経験するのはありえないのです。あなたの経験は、子宮のなかでどのように脳が発達したか、幼少期にどのように形作られたかということに左右されているのです。

あなたが子宮にいた時、肝細胞は脳の様々な部位に広がっていきます。どの部位に定着したかで、どんなタイプの神経細胞になるかが決まります。不動産に関する古い格言も似たようなことを言っています。資産価値を決めるのはずばり、一に立地、二に立地、三に立地、と。

例えば、ご存知の通り、脳の後ろのほう(後頭部と呼ばれるエリア)にある神経細胞は視覚と関連しています。ここは、目を終着点とした超神経高速道路となっています。目からの神経刺激は後頭部でひっくり返って、イメージを専門に扱う右脳へと放り投げられます。脳のこの部位なしでは、目に問題が無かったとしても見ることができないでしょう。

この文章を読むときにも、意識することなく目からの神経のネットワークや後頭部は非常に活発に動いているのです。

同時に脳の別の部位、ウェルニッケ野(左側頭葉の近くに位置)と呼ばれる部位は、言葉を理解して何を意味するかを引き出せるようにします。

神経科学は鮮やかに脳の特定の部位や神経学的分野や自分自身と世界の経験に反応する神経網を解説していきます。

神経科学がより詳しい研究を進める人類の脳の一つの部位について、ざっくりと見てみましょう。興味深いことに、何千年前の賢人はそれが何を示すか知らないのにこの脳の部位について知っていたようです。意識の状態を大いに拡大させる秘密の場所だと信じられていました。

脳のこの部位は、生理学者から第三脳室と呼ばれるところです。脳室とは脳の中ある空洞で、スイスのチーズのような空洞を思い浮かべていただければよいでしょう。そしてこの脳室の空洞は脊柱かららせんを描いて上がってくるあるタイプの重要な流動体を受信するのです。これは脳脊髄液と呼ばれ、脳機能とパフォーマンスへ大きな影響を及ぼします。古代インドのヨギとヨギーニ(ヨガの修行者)も、この第三脳室の存在を認知していましたが、第三脳室ではなく梵天の洞窟(The Cave of Brahma)と称しました。

注:上の図において第三脳室は、脳のほぼ中央に位置します。脳下垂体は第三脳室の左下にあり、松果体は第三脳室の右上の位置にあります。

梵天はヒンドゥーの創造の神で、古代のヨガの経典によれば、オームという音――万物に反応する根本的な原初の波動を発することで宇宙を創ったとのことです。ギリシア神話とはまた違いますが、ヒンドゥー版創世記は旧約聖書版のものと幾分似た響きを帯びています。(例:神は「光あれ」と言った」)

これもヨガの哲学からすると、世界かマーヤー(二元性がもたらす幻想)という経験を自ら作り出す梵天の洞窟(第三脳室)の中で起こったことだといいます。

ヨガ的視点からすると、自分の谷の中にあるシャクティ(精妙なエネルギー)のダンスが自分自身と世界の知覚方法に影響を与えるといいます。そして、ヨガの多くの技法はシャクティの流れに影響を与えます。それによって、内的及び潜在的に知覚する外側世界の現実を変容していけるからです。

いくつかの伝統は秘儀の間であると梵天の洞窟を表現します。表現は違えど、視点は似ています。第三脳室の中には精妙なエネルギーの創造的なダンスがあり、自分自身や言葉の感じ方を再創造することができます。

第三脳室の中には心理学的に大変重要な構造が二つあります。脳下垂体と松果体です。脳下垂体は全内分泌系の主要な調節者です。健康に関わる決定的な神経機関といえます。

松果体は機能的にもうちょっとぼんやりとしています。心理学的には、松果体はメラトニンを作りだし、24時間周期の回復的な睡眠には科学的に決定的な役割を果たします。しかし、ある研究者たちは松果体は他の機能もあると考えます。

松果体は、結晶体に包まれた身体の中でたった一つの腺です。この結晶は、カルシウムカーボナイトから作られています。敬愛すべき17世紀の物理学者、アイザック・ニュートン卿は松果体は魂の居場所であると熱烈に信じていたそうです。まあ、もちろん現代の神経学者はその考えを否定しているのですが。

ここ最近、ブルース・リプトンという名の輝かしい細胞生物学者が、より高い振動エネルギーをキャッチして尋常ならぬ情報を脳にもたらす、一種のアンテナのような働きをするカーボナイトの結晶を提示しました。

松果体とより高い振動エネルギーをキャッチする異常な能力についてリプトンは、古代インドの聖人の観点と似たような結論に達しました。高次のエネルギーの受容器としての脳という考えは、まさに多くの聖なるヨガ行者から伝えられていたのです。それはインドだけではなく東南アジアやチベット(タントラの形や内なるエネルギーの探求によって)や中国(特に道教)、世界中の土着のシャーマンの伝統にも共通するものが見られます。

ここ数十年の間に、これらの聖なる伝統の価値観や技法は比較研究されてきました。それら伝統の受け継がれた地域はまちまちなのに、確かな共通点も見られるのです。

共通点の一つに、意識を拡大し健全で満ち足りた感覚を広げることで宇宙の精妙なエネルギーとつながることができるという考えがあります。

高次の空間 -The Upper Rooms-

高次の空間というのは、第三脳室(梵天の洞窟)から生成されるものを含む高次の脳機能を言い表した暗喩です。比喩的な表現ではあっても、この言葉は人類の脳と精神系統にあるたくさんの「部屋」があることを示す意味で大変的確です。つまり、特殊能力についてです。

脳の特殊能力の一つには、個人の領域を越えたエネルギーや情報につながるらしいことがあります。経験上、この種の精妙なエネルギーと超越的な情報は時空間や状況の限界に縛られず、広大なる情報とつながって通常の時空感覚を超越します。

2019年にこの情報をシェアするためにワークショップを開きました。より高次の可能性につながることは、この新しい千年紀へ深く潜っていく時に重要であると感じたからです。このワークショップを高次の部屋と名付けました。

ワークショップの録音セットについての詳しい情報は、 www.tomenyon.comのストアに行くかここをクリックしてください。

脳下垂体と松果体という自身の秘儀の間である量子的潜在力を活性化させる、このワークショップから一つのエクササイズの基本形をここではシェアしたいと思います。

黄金の八面体 -The Golden Octahedron-

八面体は5つのプラトン立体の内の一つです。ピタゴラスとプラトンの哲学学校では、これらの5つの幾何学形は神秘的なものであるとされました。学生たちは意識の多次元につながる方法に気づくために、これらの幾何学形を使ってその意味をじっくり考えるよう促されました。

この活性化訓練では、秘儀の間(第三脳室)に輝ける黄金の八面体をイメージしてください。意図の力で、八面体に回転を起こさせてください。回転の方向はあなたが自然だなと感じるほうでよいです。どちらがよいか選べないという方は、八面体を時計回りにクルクル回してください。時計回りとは、上から八面体を見下ろしての方向です。このときに、脳下垂体と松果体の中にある秘儀の間を通して、まばゆい黄金の光が放射されます…。

この部位に加え、脳の全神経回路網を通じて細胞質内のアクチン骨格と微小管の複雑なネットワークを活性化させることによって、脳全体に黄金の光をいきわたらせてください。聞きなれない専門用語に戸惑われたかもしれません。より多くの研究者が脳の微小流路――アクチン骨格と微小管――は神経レベルよりももっと脳の能力を開花させることができるかもしれないと考えています。量子レベルと呼ばれる脳機能の領域に達せると。

私の意見としては、人類の脳の量子的潜在力を活性化させると、スピリチュアルで超越的な体験ができると思います。

注:脳のアルファ波やシータ派を活性化させる心理音響的な音声を聴くことで黄金の八面体のワークをより深いものにしていけるでしょう。

ウェブサイト(www tomkenyon.com)のListeningコーナーで私が作った心理音響音声をダウンロードして聴くことができます。Listeningコーナーに行ったらスクロールしてSpatial Cognizance: A Hathor Sound Meditationを見つけてください。この音声ファイルは無料で利用できます。音声瞑想の効果を最大限に引き出すためには、ヘッドフォンかイヤホンで聴くのがおすすめです

(訳注:Spatial Cognizanceのくわしいダウンロード方法については、さあ、現実世界を変えていこう。の訳者注に書いてあります)

チベタンボウルの響きで、音の刺激が第三脳室の中で回転する八面体に優しくしみこんでいくイメージが広がります。

ウェブサイトのArticlesコーナーにいってThe Upper Roomsを見るとワークショップで使ったプリントを見ることができます。これらの文章は出家せずにスピリチュアルな道を歩む人に役に立つでしょう。科学的理論やアクチン骨格と微小管についての情報もあります。

深い直感からくる力を得ることで梵天の洞窟を発見した古代の聖人たちは、実際に脳の量子レベルに偶然に気づいたのではないかと私は推測します。

私はまた、脳の量子的潜在力を相互に作用させて熟練することは、スピリチュアルな進化に不可欠であるとも考えています。それは急速につながりを深め複雑化しつつある世界を生き抜くための鍵になるかもしれないとも思っています。まさに、脳の量子的潜在力を利用する才能は、新たな方法で世界を認識することを助け、世界の問題に新しい解決法を作りだしていくかもしれないのです。

「いかなる問題も、作りだした時と同じレベルの意識で解決することはできません」
――アルバート・アインシュタイン

©2020 Tom Kenyon All Rights Reserved

訳者注

黄金の八面体

トムは「全てのメッセージを含み、どんな改変も無く、売買することなく、著作権表示をしてくれる限り、あなたが望むならどんな形式でもこのメッセージの複製および配布を許可します」と表明しています。
よって、この翻訳もそれに準じます。

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