自分がしっかりしなくても、周りが有能なら良いのだ~二代目の心得

ビジネス:スピリチュアルブログ
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私、経営の世界に入って知ったことがたくさんあります。
その一つが「後継者問題」です。

後継者問題に悩む経営者の、なんと多いこと!
商工会議所のセミナーなどでも後継者育成のための講座が開かれたり、後継者問題の相談口などが設けられていて、深刻さを物語ります。

有名どころでいくと、大塚家具のお家騒動がありますね。カリスマ経営者であった大塚勝久さんの跡を、娘の久美子さんが継がれました。ですが、迷走気味で久美子社長は2020/12/01に退任とのニュースが流れています。

大塚家具「お家騒動」和解ならず 娘の要請、父が断る:朝日新聞デジタル
 大塚家具創業者の大塚勝久氏が、娘で大塚家具社長の久美子氏から要請された家具団体の名誉会長就任を断ったことが14日分かった。久美子氏は4月に業界団体を設立。経営権を巡って対立した「お家騒動」以来4年ぶ…
大塚家具、久美子社長が辞任 根強かった「求心力ない」の声 - ライブドアニュース
2019年12月の資本提携に関する会見で、ヤマダホールディングスの山田会長(右)は、久美子社長にチャンスを与えたが、久美子社長は応えることができなかった(撮影:尾形文繁)事実上の更迭の知らせだった。大塚家具

あと、ユニクロの柳井正会長兼社長の件も記憶に残っている方が多いのでは。柳井さんは2002年に後継者を立てられていったん引退したのです。ですが、3年後にその方を解任し現役復帰されました。

あの柳井社長だって悩んでる 後継者づくりの「3つのポイント」(大関暁夫)
あけましておめでとうございます。2018年もよろしくお願いいたします。年初にあたり、カジュアル衣料の「ユニクロ」を運営するファーストリテーリングの柳井正会長兼社長が、事業承継の難しさについて興味深いお話を語っておられましたので、少しご紹介しておきたく思います。事業を伸ばす才能と後継者を育てる才能は別物だ!ご承知のように...
ファーストリテイリングの柳井正氏「後継者は女性が向く」
ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(70)は、自身の後継者に女性を起用する可能性があることを明らかにした。柳井氏は3日の都内でのインタビューで、「忍耐強さ…

名プレーヤー名監督にあらず。役員や管理職として有能な人が必ずしも経営者として適しているとは限らないんですよね。ここが難しいところです。

そして、その人の個性も大事。
一口にリーダーといっても、様々なタイプのリーダー像があります。

三国志だってあれだけ魅力的なのは、様々なタイプの人物が出てくるからでしょう。「これこそが有能なリーダーである」という絶対的な定型はないわけです。

西洋占星術でいうならば、火星のサインとハウスやアスペクトで、その人の仕事のやり方を見ます。組織のリーダーとして有能かどうかは10室の状態も見ますね。火星が守護星となる牡羊座がどのハウスのカスプに当たるかも見ます。そこが「仕事としてやるなら自分として得意分野のテリトリー」になるので。

フリーランスや個人事業主の場合は2室のほうが重要になってきます。ちなみに、私は2室火星です。個人で事業やるの、向いてるー!!笑

2代目経営者は無能!?~2代目は辛いよ

後継者問題に悩むのは創業者だけではありません。継いだ方もまた悩まれます。
大抵は有能な創業者の後窯として「○○さんの子なのだから、優秀だろう」というプレッシャーにさらされます。期待値が高いのでデキて当たり前。ミスしたらガッカリ。厳しいですねー……。

しかもね、陰陽理論で見るなら陽は陰を生むのだから、バリバリ創業者的なワンマンタイプが親だとしたら、子どもはオットリ系になるんですよ。ソフトで優しめの人、つまり陰の人が育つのが順当なんです。

バリバリ系の人の配偶者って、オットリ系の人が相性として合います。陽には陰が合うということです。そういうオットリ系の人が優しく子育てしたとしたら、優しい子が育ちますよね。悪い言い方するならゆとり系で「競争は苦手」というタイプが育ちます。

そうなると、バリバリガンガン組織を引っ張っていくようなリーダーになるのは、どだい難しいんです。先代のような組織運営をすると上手くいかないんですよ。先の柳井正社長も「後に続く人は、自分のやり方では失敗するからやるな」って言ってるくらいです。

「僕と同じやり方では失敗する」柳井正氏の後継者|出世ナビ|NIKKEI STYLE
世間の注目が集まるファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏の後継者問題。柳井氏は、「後に続く人は、自分のやり方では失敗するからやるな」と強調、創業者のマネでは新たな成長はないという。今、世界の小売業界は、米アマゾン・ドット・コムの脅威な…

でも、「偉大な先代」の姿を見ているから、自分もそうならねばとついつい思ってしまう。それで上手くいかずにつぶれていく――

リンデンバウムのお客様にも2代目や3代目経営者の方がいらっしゃいますけれども、やはり「先代の名に恥じぬ偉大な働きをせねばならない」というプレッシャーがすごいようです。お酒に溺れてしまったり、家庭が上手くいかなくなる人もいます。

カジノで何億というお金を溶かし、三代続いた会社をつぶした井川意高さん。井川さんもギャンブル依存になってしまったのは経営者になってからでした。後継者の重圧は、大変なものなのです。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 (幻冬舎文庫)

井川さんについては、血縁なんて、そんなに大したものではありませんにて書いています。

ロールモデルがあると私たちは学びやすいです。
一から作りあげるより、真似をしたほうが近道だからです。

ですが、「本来の自分の姿」を無視して自分ではない何かに同一化しようとすると、どこかで壊れてしまいます。いくら松下幸之助のような昭和の創業者が尊敬できる人であっても、そのスタイルが令和の今の通用するとは限りません。時代背景があまりにも違いすぎますしね。

2代目には2代目のスタイルがある。創業者を真似しても、どこかで行き詰ります。
ここで参考にしていただきたいのが、易経の「火天大有かてんたいゆう」の卦です。

火天大有

パッと形を見て目に行くのが、上から二番目(下から五番目)の棒が真ん中で切れてますよね。これは陰を表します。切れ目のない棒は陽です。

そして、この陰の棒の位置は社長を表します。
ちなみに一番下が平社員で、一番上が会長や隠居した先代です。

自分は陰だけど、周りは全部陽なんです。
つまり、周りは才気闊達だけれども、まあ、自分はちょっとノンビリって感じなんですね。

この卦が易経では大吉の卦なんです。
そして、「強い組織とはどういうものか」を教えてくれる卦なんですね!

大有は柔(じゅう)尊位を得、大中にして上下これに応ずるを、大有と曰う。(火天大有)
 
火天大有(かてんたいゆう)の卦(か)は、大いに保つ時、組織を保つ能力を説いている。
 
「柔尊位を得」とは、尊位にあるリーダーに力がなく、自分以外は能力のある人達を抱えているという状態をいう。
 
「大中にして上下これに応ずる」とは、ろうそくの芯に火が灯るような様をいう。
 
ろうそくの火を思い描いてほしい。
芯の部分は暗く、芯自体は光を発しないが、ひとたび火がつけば、芯を中心にまわりが明るく燃え上がる。   
 
組織でいえば、ろうそくの芯がリーダーの役目である。
つまり、組織を保つために、リーダーは技や力を他と競う必要はない。
力のないリーダーであるからこそ、多くの人の能力を発揮させることができる。
それが「大中」。
これは大いに中庸を心得る者をいう。
 
易経は火天大有の説くリーダーを賞賛する。
本来、能力があってもそれを覆い隠し、立場を弁え、自らの中に陰を生み出して、後継を育てるからである。

易経一日一言 竹村亞希子

この逆、リーダーはスゴイ有能だけど周りが凡人なのが「水地比すいちひ」の卦です。

水地比

これももちろん悪い卦ではありません。むしろ吉とされます。
しかし、組織を見るときにはリーダーが倒れてしまうと一気に崩れる形になります。リーダーは有能(一本だけ陽)ですが、そのリーダーの指示がないとみんな(後の全部は陰)動けないからです。

想像してください。
自分を引っ張っていってくれて、常に的確な指示を出してくれて、迷いなく導いてくれる。
こんなリーダーがいたら、つい頼ってしまいますよね?

自分で考えなくてもリーダーが考えたほうが正しい方法がわかるんだから、何か言われるまで待っていればいいやって思っちゃいません?
私なら怠け者ですから、そうやってだらけちゃいますね~。

「人を育てる」と考えた時には、才気ばったカリスマリーダーよりも「自分は大した能力もないんだけど、周りができる人ばかりなんで上手くいく。ありがたいですねえ」と人徳で率いていく陰の人のほうが優れているんですね。

混迷する内外情勢にあって、不透明な陰の時代をどのように生き延びるかは、企業リーダーの時にかなった正しい判断と決断が求められます。そのためには時の兆しを観る力がなければなりません。

火天大有(かてんたいゆう)の卦には、リーダーが自ら陰の力を発揮することで多くの人の能力を発揮させることができると書かれています。
つまり陰の時代を生きるリーダーには、陰の力をもって人を育て、その能力を啓(ひら)き、存分に創造性を発揮できるような土壌づくりが急務であるといいます。

マネジメント能力を養う/ベストセラー商品とロングセラー商品の比較考察/リーダーの役割~帝王学の書~5月8日~11日の4日分の易経一日一言 | 【亞】の玉手箱2

陰の時代にあっては、偉大なカリスマ性のあるリーダーが活躍するというより、組織やチームを構成するメンバーの個性や能力を最大限に引き出すことのできる徳のあるリーダーが求められています。

そこで「火天大有」の卦には、「柔尊位を得」と書かれていますが、尊い位にあるリーダーが陰の力を発揮して周囲の能力ある人たちを抱えているというリーダーの姿を示しています。
ちょうど、リーダーはロウソクの芯のようなものであり、ロウソクの火が周囲を明るくするときには芯部分は暗く光を発せずに周囲を明るく照らします。

人を見る目/大人に学び、基本の型を身に付ける/矛盾論の実践~帝王学の書~7月23日の易経一日一言 | 【亞】の玉手箱2

私が見る限りでは、二代目三代目で上手く行っているのは、こういった「一見のんびり屋さんタイプで、自分が前に出るよりも人を立てる人」という印象があります。そして、一代目はわかりやすいワンマンオラオラタイプが多い。

才覚で人を引っ張るタイプと、人徳で人を引きつけるタイプ。
どちらにも合っている時があり、合わない時があります。
一つ確実に言えるのが、偉大な人のやり方が自分にも合っているとは限らないということです。

自分のスタイルに、かつ今の時代にあったやり方を見つけていきたいものですね。

第六章に火天大有の解説があります!
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