六十干支のひとつ、丙午。
「ひのえうま」または「へいご」と読みます。
文豪、坂口安吾の本名は坂口炳五といいます。これも、1906年(明治39年)の丙午年に生まれたことによるものです。夏目漱石の虞美人草では、男を惑わす悪女が丙午の生まれという設定にされています。
藤尾は丙午である。藤尾は己れのためにする愛を解する。人のためにする愛の、存在し得るやと考えた事もない。詩趣はある。道義はない。
夏目漱石 虞美人草
「丙午の女は男を食い殺す」だなんて言われて、1966年(昭和41年)の丙午の年には出生数が激減するほどの、評判の悪さを誇る丙午。
そんな私も日干支・丙午の大変に評判の悪い女でございます。笑
でも、何故そこまで丙午が叩かれるのでありましょう?
丙午って、そんなにダメなのでしょうか?
そもそも丙午って干支は、どんな状態を表しているのでしょうか?
丙午の男 声優・伊東健人
この動画(声優養成所あるある)を見ていて、「うわー!」と思いました。
声優・伊東健人、マジ丙午み溢れすぎー!!!
伊東さんの言動を聞いていて、私は爆笑してしまいました。「これぞ丙午! そう、これが丙午なんだよーっ!!」と。
私は日干支・丙午の人間なんですが、伊東健人さんも同じ日干支が丙午の方なんですね。私と律音なので、大変親近感を覚えるわけです。
伊東健人さんの命式は以下のとおり。
丙 | 壬 | 戊 | ||
寅 | 午 | 戌 | 辰 | 戌 |
卯 | 己 | 丁 | 癸 | 亥 |
鳳閣 | 天南 | |
調舒 | 石門 | 牽牛 |
天将 | 車騎 | 天庫 |
上の動画で「超丙午!!!」と感じた伊東さんの言動を抜き出してみます。
4:10〜 (声優養成所の同じクラスで男女が付き合っても)いいんですよ。いいんだけど悪い影響、雰囲気を周りに及ぼさないで欲しい。(中略)良い意味でドライにやってくれ
そう! 色事に巻き込まれるとかマジ勘弁!!!
惚れたはれたは個人の自由でやってていいけど、周りに迷惑かけないで欲しいって、共感しかない。恋愛脳の人とか、正直キツイっす……💦
常に恋愛のことばかり考えている人に対して「恋愛脳」という言葉が使われることがあります。
恋愛脳は常に恋愛のことしか頭にないので、仕事や友人関係にトラブルを生んでしまう可能性があります。
あなたの「恋愛脳度」はどれくらい? 恋愛脳診断&特徴をチェック!
行き過ぎた恋愛脳は、人として成長できるチャンスを奪われることも。
恋愛脳とは?恋愛脳の意味から恋愛脳の人の特徴までご紹介!-ミラープレス
恋愛以外にも、楽しいことはたくさんあるもの。
それが仕事だったり、趣味だったり、友達との遊びだったり、人それぞれ楽しみ方というのがあるでしょう。
それぞれのことを楽しみ、充実した人生を送りたいものですよね。
しかし、行き過ぎた恋愛脳を持っていると、恋愛以外には興味がありません。
毎日の生活の中で、趣味で刺激を受けたり、友達との遊びで新たな発見ができたり、様々な経験や刺激を通して人は成長をしていきます。
それが恋愛だけしか頭になかったら、成長できるせっかくのチャンスを見逃してしまうことにもなりかねません。
成長できるチャンスを、みすみす見逃すのは危険なのです。

丙午って「ドライにやってくれ」と、情に流されないのです。
というか、丙午が開運するにはウェットじゃダメなんです。ドライじゃないと。
詳しくはイケジイさんの記事に書いてあります。
最近、タレントさんや芸人さん、所謂「テレビの向こう側の人」だと思っていた方々と仕事をする事が明らかに増えた。これからもっとこの流れは加速するのかな。逆にテレビの人達からは「声優さんと仕事する事が増えたな」と思われているんだろうか。なんにせよ正しく時代に乗り遅れないようにしなきゃ。
— 伊東健人 (@21s_ken) August 17, 2020
伊東健人さんは声優として大変成功されている方の一人です。押しも押されもせぬ、今をときめく人気声優であります。
日干支・丙午の伊東さんが成功を収められたのも、このドライさゆえといえましょう。成功する丙午の人に、甘さはないのです。
5:55〜
伊東:半端にやめたやつほどすぐTwitterとか5ちゃんねるにすぐ養成所の闇とか書くやつ
白井:それ! それ!
小田柿:すごい言うじゃんw
伊東:なに、善人面通そうとしてるんですかぁ 今日はそうはいかない
このざっくりズバッと言い切る、しかもマイルドに丸く収めようとする相手の退路まで断つ!! 手加減など抜き、黙らすその口。これぞ丙午っすよ!!!
6:25〜
白井(声優養成所についてネガティブな立場で語る)そういうスタンスの動画が多いから、僕は夢を与えたいんですよ
伊東:そう、そんなね、失敗した人間の言い分は聞かなくていい
言い切っちゃったー!!!
超人気声優・伊東健人にこう言われたら、もう黙るしかないですね。笑
この言葉のキレの良さも、丙午の魅力であります。
しかもね、伊東さんね、見た目とか雰囲気とか声も柔らかくてソフトなんですよ。だけど、中身は超キレッキレ。
これこそが丙午。
丙午って一見おとなしそうなんです。だけど、中身はメチャクチャにエッジが効いていて、芯は実は非常に熱い。
これは丙午に限らず天将星(帝旺)の特徴でもあります。
最強の身強星なんていうと、見た目からしてオラオラ強そうに見えると思うでしょう? でもね、天将星を持ってる人って一見オットリゆったりしてるんです。のんびりした人にすら見える。だけど、芯はめちゃくちゃ強い、それが天将星です。
少し考えてみてください。
トップに立つ人間って、小さなことにこだわらずドン!と構えるものでしょう。天将星は帝ですから。わかりやすくオラオラなんてしてないんです。
ヤクザの親分だってドンと構えて言葉遣いは丁寧で品のある人が多いんです。わかりやすくオラオラしてるのは下っ端のチンピラでありますよ。
大物は悠然と構えるもの。
ですから、天将星は一見のんびりしてるふうにすら見えるのです。
そういう意味で、伊東健人さんの柔らかい雰囲気は「天将星ってこういう感じ」というわかりやすい典型的イメージを提供してくれます。
丙午の女は夫をダメにするなんて、ただの迷信! 東洋哲学の大家・安岡正篤先生の言葉をしかと聞け!!
東洋哲学の大家である、故・安岡正篤。
そんな保守的な明治男が丙午について語ったら、どうなるでしょう? 人間講話シリーズの一冊である「干支の活学」からご紹介します。
暦学・干支学が日本に伝来して、だんだん民間に普及し、大衆化するにつれて――一般の民衆には時代だの国家だのというような難しいことはわからん、どうしても物事は通俗に解釈されるようになる――身近な家を中心に考えるようになってきた。
家の代表勢力は父、夫である。
その反対勢力は女房、女である。そこで丙午生まれの女房をもらうと、亭主は突き上げられて、どうかすると真っ暗闇になってしまう、というようなとんでもない誤解をして、さらにそれに尾ひれがついて、丙午に生まれた女は亭主に逆らう、あげくの果てに亭主が食い殺されるということになって、この科学の時代になおかつ丙午生まれを嫌う、というとんでもない迷信が横行するのであります。
干支の活学 人間学講話 p56〜57 太字強調は記事作成者による
どうですか。東洋思想の大家がこうおっしゃっているのです。丙午の女が男をダメにするだなんて言うのは、迷信オブ迷信と言えましょう。
ただ、丙午の女性が「古風な家庭」にそぐわないという面はたしかにあります。
丙午の女が専業主婦になんぞなろうものならば、本人も周りも地獄を見ることになります。
(43)丙午
<性格>
非常に強い運勢の持ち主です。
(中略)
若い時代に親や兄弟、仕事、金銭、家庭等に縁が薄く、みじめな日々を歩んだことのある人は、三十代の半ばから運がぐんぐん開け、以後決して落ちることがありません。(後略)<将来>
算命学Ⅱ p238~239
(前略)仕事に悦びと生きがいを感じるように生まれていますから、この女性が結婚し専業主婦におさまってしまった場合は、不満が鬱積してしまうのです。
丙午が最大に花開くには、マミちゃん↓みたいなメンタルが大事っ♪
↑こういう人、私大好きです♪
「死にたーい」なんてメソメソグジグジしてるような丙午は魅力ないぜっ!!! 強メンタルで行こうっ!!! それが誇り高き美しき丙午本来の姿!!!
丙午(天将星)を持つような人間は、男でも女でも社会でパワフルに花開いていくことこそが自然な姿であって、家庭に入って「家族の絆でホッコリ♪」なんて言い出すと、良さが生きません。それこそ、ギスギスした欲求不満の家庭を作り上げてしまいかねません。

子どものいない丙午、それは成功が約束された人間♪
子どもがいないことで、強運が花開く!!

「午」はどういうことを表すかというと、上の午は古代文字では冖と書き、これは地表を表しておる。十の一は陽気で、|は陰気が下から突き上げてまさに地表に出ようとする象形文字であります。
だから、「午は忤なり」でそむく、さからう、という意味になるわけです。
干支の活学 人間学講話 p55
さきほどの伊東健人さんの言動をみてもわかるように、丙午は反骨精神旺盛です。ロックです。午という支はそういう質を持つと安岡先生はおっしゃっております。
だから、午の人は逆らったり背いたりするような状況で活き活きするのです。
なぜ馬をこの午にあてはめたかと申しますと、これもなかなか考えたものでありまして、ご承知のように馬というものは実によく相手を知っておる。騎手がよいときわめておとなしい馬も、一度人間を馬鹿にしたり、反感を持ったりすると、たちまち蹴ったり、振り落としたりして、いっこう言うことを聞かない。
そういうところから馬を当てはめたのでありましょうが、日本もこれらの荒馬を乗り損ねたら本当にたいへんです。
干支の活学 人間学講話 p63
ちなみに、安岡先生は丙午の次の干支、丁未を日干支に生まれている方です。ですから、丙午の人には準律音となります。
自分の持っているものを律音は別視点から鏡のように見せてくれますから、東洋哲学に触れてこなかった(専門にしてこなかった)丙午の人には安岡先生の本は学びを深める機会を提供してくれることでしょう。おすすめです。
(律音は同じジャンル同士だと反発しがちなので、東洋哲学に触れてこなかった丙午の人こそ、安岡先生の書にふれることがおすすめなのであります。もともと東洋哲学を専門に学んできた人は、逆に合わないかもしれません。律音ゆえに)
ザ・丙午の女? 婚活殺人犯、筧千佐子
この馬という生き物の性質から考えると、午の人は「尊敬できる存在」が人生の指針として大変重要になってくると、私には思われます。
人間はできるだけ早いうちに、できるだけ若い間に、自分の心に理想の情熱を喚起するような人物をもたない、理想像をもたない、私淑する人物をもたないのと、持つのとでは大きな違いです。
なるべく若い時期にこの理想精神の洗礼を受け、心の情熱を燃やしたことには、たとえ途中いかなる悲運に際会しても、いかなる困難に出会っても、かならず偉大な救いの力となる。
若いときにそういう経験を持たなかった者は、いつまでたっても日陰の草のようなもので、本当の意味において自己を延ばすということができない。
ことに不遇の時に、失意の時に、失敗の時にこの功徳が大きいものです。
青年の大成 青年は是の如く
尊敬できず見下してしまうような人しか周りにいないと、馬は正しく働けない、社会の役に立つことも難しいでしょう。大変優秀で頭脳明晰である馬も「良い騎手」に巡り会うことがなければ、ただの傲慢な暴れ馬で終わってしまいかねません。


↑こういう「自分の頭で考えない人」ばかり周りにいると、丙午は磨かれないんですね。目的意識がなくてフワッとしてる人と、妥協して付きあってても、丙午にはプラスにはならないのです。
逆に、スッパリハッキリ指摘してくれるような人は丙午を磨いてくれる有り難い人です。良薬は口に苦し。耳に痛いことを言ってくれる人がいたら、そういう人こそ真の友だと思ってください。
上の動画をみてください。
馬って、美しい生き物だと思いませんか。
この美しさ、気高さ、能力の高さを活かすには、「尊敬できる人、目指すべき師」がいると良いのです。逆に、尊敬できない人に妥協して付いていくようなことがあったら、午は腐ってしまって輝けないことでしょう。

私がしみじみそれを想うのが、同時に強い運勢を誇る丙午の危うさを感じるのが、婚活連続殺人を犯した筧千佐子被告の存在です。
筧千佐子も、丙午の女なのです。多分、筧千佐子こそ漱石が想像する「典型的な丙午の女」でありましょう。
藤尾は丙午である。藤尾は己れのためにする愛を解する。人のためにする愛の、存在し得るやと考えた事もない。詩趣はある。道義はない。
夏目漱石 虞美人草
丙 | 己 | 丙 | ||
寅 | 午 | 亥 | 戌 | 午 |
卯 | 丁 | 壬 | 戊 | 未 |
貫索 | 天庫 | |
石門 | 車騎 | 鳳閣 |
天将 | 調舒 | 天馳 |
丙午は優秀です。頭がキレます。そして大きなエネルギーを持っています。
だから、専業主婦になどなると、人生が狂ってしまいます。農家の嫁なんか、最悪です。
そう、筧千佐子ははじめの結婚で農家の嫁になってしまったんです。1969年、大運も年運も害(酉戌の害)が回ってきている時に。
当時の女性としてはエリート街道だった都銀の職をやめて、田舎の農家の男と結婚してしまったんです。丙午の女としては、最悪の選択です。でも、害というのは「精神と肉体がバラバラになる状態」なので、「合わない相手になぜか惹かれてしまう」というのは良くあることとも言えるわけで…。
このはじめての結婚が、彼女の人生を狂わせてしまったように思えます。
丙午の女は、家庭の主婦などやってはいけない。都会でバリバリ働いて華やかに活躍してこそ星を燃焼させることができます。
そして、全告白 後妻業の女: 「近畿連続青酸死事件」筧千佐子が語ったこと を読んでて思ったのが、筧千佐子の周りには、尊敬できる人がいなかったこと。
丙午は聡明です。頭がキレます。
だからこそ、「普通の人」に囲まれてしまうと、どうしても周りを見下してしまいます。そうなると傲慢になって、磨かれません。
丙午の鼻っ柱の強さをポキンと折ってしまうような、優れた人との出会いが必要なのです。そのような挫折があってこそ、傲慢さを恥じ、自らを磨いていく謙虚な気持ちを持つことができます。
筧千佐子のはじめの夫は「優しくていい人だけど、それだけの人」に見えます。「普通の結婚」で幸せになれる人なら、とってもいい結婚相手です。
ですが、丙午を磨くには少々物足りないと言わざるを得ません。
筧千佐子も、結婚せず子どもも産まず都銀でキャリアウーマンの道を歩み続けたならば、きっと成功への道が用意されていたことでしょう。だって、もともと優秀な女性なのですから。(嫌な言い方をするなら、頭の悪い人は何十年にも渡って何人も人を殺し続けることなんかできません)
結婚さえしなければ、育て上げた子どもから見捨てられることも、婚活殺人なんてみじめな罪を犯すこともなかったでしょう。残念です。

丙午の女が子どもを産んで一生懸命に育てても、幸せにはなれません。ガツガツと激しい潮流の中で磨かれていく人なのです。だから、田舎の農家に嫁ぐのは、自分を生かせない、合わない姿なのです…。
丙午だからこそ、強大なエネルギーを自覚し、それを生かしていくことが大切だと考えます。世間でいうところの「女の幸せ」なんて、丙午の女の幸せではないのです。
Topしか似合わん運命。
身内にも容赦なくR.I.P.
それが丙午。
保守的になんか生きたら、良さが生きない!
だって、「午は忤なり」でそむく、さからうのが本質なんだもの!
丙午は、ロックに生きてこそ!!
丙午、カッコ良く生きようぜ!!!
ガールクラッシュでナンボっしょ!