東洋と西洋、どの占いを学べばいいのか

占い

占いっておもしろ~い!
もうちょっと深く知ってみたい!
自分でも占えるようになってみたい!

こう思った時に、一番気軽にできるのはト占ぼくせんです。東洋では易や亀甲占い、西洋ではタロットやオラクルカードなどがありますね。

易もコイン3枚あればできるんですよ!

3枚のコインで占う方法 | 易経ネット

占いたい質問がはっきりと「YES」「NO」で答えられる場合、ペンジュラムでダウンジングをして解決してもいいですね。

占星術(ホロスコープ、紫微斗数)も干支占い(四柱推命や算命学など)も、「ちょっと知ってみたい」程度なら、ネット上でたくさん記事はありますし、図書館にも大抵入門書が置いてあります。

問題は「もう少し深堀りしたい」「ちゃんと本格的に勉強したい」「できれば将来はプロになりたい」こんな風に思ったときです。

占い業界って当たり前ですけれども、それぞれの流派によって全然学び方が違ったりします。もちろん、その「派」の中では規律があったりしますが、全体として見るなら、おのおのが正しいと考える方法をそれぞれとっています。つまり、個性があります。

なので、深く勉強したい方は向き不向きがそこそこハッキリ出るのかな~、と。
以下の内容は、全くもって個人的な印象のみで語りますので、絶対真理ではありません。それをご承知おきくださいね。

あなたはどの占いを学ぶのに向いてる?

東洋干支占い西洋占星術
費用結構かかるリーズナブル
学校組織的個人的
サポートシッカリ個人任せ

↑これ、ものすっごい雑なんですけど、わかりやすくするために敢えて簡略化しました。

非常に大雑把にいうと、「東洋の占いは学校組織がしっかりしててサポート(卒業後の研究組織等)もきちんとしているところがある。西洋の占いは教わる場合は個人のレッスンになるケースが多く、サポートの質もまちまち」です。

もちろん違うところもあります。どちらも玉石混淆だと言われたらその通りです。でも、あえてわかりやすくするため、雑に分類しております。

お金のかからない西洋占星術

金銭面だけで見るなら、深堀して学んでいく場合、西洋占星術のほうが圧倒的に金がかからん印象です。

チャートだって有料アプリを使わずとも、無料アプリで占断に必要な情報を十分に得ることができます。無料でもStargazerレベルの変態ソフト(褒め言葉ですよ)が使えます。

本も安い!! 3000~5000円出せば立派な占術研究の本が手に入るし、今は電子書籍もありますから海外の著名な占術家の原著が2000円で手に入ったりします。

ただ、組織立って占術研究したり、意見交換したりする場は少なめというか、あんまりガチガチ組織になっていないというか、「ゆるっ」としています。

ゆえに、お尻を叩かれないと勉強できない人、つまり自学が苦手な人は向いていないと言えます。

ものすごい個人的な印象で偏っておりますが、西洋占星術を深堀していって占い師にまでなっちゃう人ってソロ活大好きタイプが多いんですよね。なので、あまり群れない。つながっても、ゆるーくだけ。

「師匠!!」「弟子よ!!」みたいな激熱展開はあんまり期待できません。
なので、独学大好きでしがらみのある人間関係が嫌いでお金をかけるのが嫌いな人は西洋占星術向きだと思います。

深堀りするのにオススメな第1冊目は完全マスター西洋占星術です。

手軽にはじめられるタロットやカード占い。でも奥は深い

タロットとかカード系の占いも入門書が多く、気軽かつリーズナブルに学ぶことができます。

そして、日本でタロットなどのカード占いをやる気楽さというのもかなり大きなメリットとしてあります。

本場の西洋でタロットは「ロマ(ジプシー)のやる怪しげなもの」と、結構キツイ目で見られる危険性もあります。保守的な人と仲良くなったときに「君は中産階級なのになぜそんな魔女みたいな邪悪な趣味を持っているんだ」とかズケズケ言われてビックリしたりします。(仲良くならなければそこまで踏み込まれないので「あの人は悪魔的だ」と遠巻きに軽蔑されるだけです)

「ねえ」と伯母は車まで送っていった私に言った。
「あんたのお母さんはカード占いなんかしてはいけないの。神さまの罰が当たるよ」
「どうして?」
「どうしてって、悪魔と取引しているから」
その不気味な言葉をいまでも覚えているのは、じつに奇妙な響きがあったからだ。
「きっと神さまに地獄へ落とされるわ」伯母は、明日は雨だろうというように軽く言った。

「神との友情」P16~17 ニール・ドナルド・ウォルシュ

敬虔なクリスチャンにとって、「カードからお告げをもらう」というのは立派な異端行為なんですね。お告げもらいたいなら、カードなんてめくらないで教会に行くべきなんです。

日本でタロット(カード占い)をやるって、本当に気楽~♪
文化や歴史の重みがないって、息苦しくなくていいですよね☆

タロットや数秘術をやる人に是非とも手に取ってほしい、私としては必読本だと思っているのが、プラトンのティマイオスです。数字のロゴス(俗にいうならエネルギー、パワーの法則)の基本を知っておくのはとてもとても大切なことであるし、深い占断にもつながります。

小アルカナのリーディングって大アルカナよりも難しいと感じられませんか。絵柄がシンプルな分、インスピレーションも降りてきにくかったりしがちですよね。

でも、数字のロゴスと四大元素、つまりワンド(火)カップ(水)ソード(風)コイン(地)をつかんでいれば、深い読み方ができるようになります。その掘り下げ勉強にうってつけなのが、このティマイオスなのです。

もちろん西洋占星術をやる方にもおすすめです。四大元素(実は五大)にはじまり、なぜトライン(3分割)が調和でスクエア(4分割)が葛藤なのか、その理論をティマイオスに見ることができます。

実は↑このティマイオス、アドラー心理学の大ベストセラー「嫌われる勇気」の岸見一郎先生による新訳でありますー!!

サポートがしっかりしてて組織で学べる東洋占い

比べて、東洋の占いは組織がしっかりしているところが多いなー!という印象です。個人でも名のある占い師さんがスクールを開いて弟子を何人も育てていたりします。

歴史のある組織では占い学校のカリキュラム終了後の研究組織もしっかりしていて、プロになった後でも勉強し研鑽していけるように組まれています。

ただ、高いです。
西洋占星術に慣れたオイラからするとビックリしちゃうくらい高いです。
本一冊で1万円2万円は当たり前です。ヒョエー!!

もちろんスクールのお値段も相応。何万円単位、何十万円単位で諭吉さん(そして2024年からは渋沢さん)が羽ばたいていかれます。

しかし、独学が苦手で「○○日までにこの課題を提出」とか追い立てられないと勉強できない!というタイプの方には、このシステムは却ってありがたいものと言えましょう。

もしくは「お金出したんだから元とらなきゃ!しっかり勉強しなきゃ!」とエンジンのかかるタイプの方も、こういった学校で学ばれる利点はあると言えましょう。

西洋も東洋も占いスクールは玉石混淆で「高い値段だから即クオリティが高い」とは言えませんので、しっかりと見極めることが大切かと思います。

通ってみたいと思ったスクールの一般向けの本を1冊買ってみるのも良いでしょう。大きなスクールは、2000円くらいの一般書店で買えるような廉価な占い本を大抵出しています。それで自分にその流派の占術が合うか合わないかがなんとなく理解できるでしょう。

東洋の占いの場合、一般向けの本は書店で買えるようになっていたりしますが、専門的な本は一般流通してないケースをまま見ます。ISBNのバーコードとかついてない、まるで自費出版本のような形態でひっそりと売られているのです。

こういう本に手を出そうと思うと、結構バクチです。ブログや一般書籍で大体の雰囲気はつかめるものの、一般流通しないからと言ってスパークしちゃうお方も、たまに、ごくたまに、みかけるからです。

商業誌では読者を気遣ってキャッチーなストーリーを描いても、同人誌では性癖丸出しでマニアック方面走っちゃう作家がいるのと同じですね。

とある東洋占術の自家本を買ったら、占術論自体は興味深く面白くて大変良かったのですが、半分ぐらいは他流派について「だからあそこはダメだ」「こんな占技を肯定している○○流は信じられない」って悪口かかないと自論を述べられない感じになっておりました。

正直、読むのが辛かったです。
お値段も結構したので、ダブルで辛かったです……。

その点、高尾算命学|高尾学館の講座用テキストは素晴らしいです。これも1冊税込みだと約2万円でお高いんですけれども、「算命学 Ⅰ」だけでも3年勉強できるような密度の濃さです。(ちなみに講座を受ける人は生徒割引が受けられます)

書き口はとても平易なんです。わかりやすいんですよ。だけど、かみくだいて文章を味わって奥にあるものを理解しようと思ったら、1回読んだだけじゃとてもではないけれども理解が追いつきません。

私は何冊も四柱推命や算命学の本を読んで「なんでこんなに薄っぺらいんだよ!東洋の宇宙論を五行陰陽説を通して見せてくれよ!!」とフラストレーションがたまっておりました。

五行論については「五行大義」にいきついて納得できました。

でも干支占術という点で納得いく宇宙論を展開している本にはなかなか出会えず、高尾義政先生の「算命学」に出会って「ようやく求めるものに出会えた!」と思いました。

高尾先生はとてもわかりやすい言葉で、東洋の哲学を元に宇宙を語ってくださいます。そう、これなんですよ!これが知りたかったんですよ!!

東洋にだって西洋と同じくらい深遠なる宇宙観があるだろうし、それはちゃんと占いの中にだって落とし込まれているはずだ、という疑問に、わかりやすく答えてくれる!
くーっ!嬉しいねえ!!!

なので、この本は1冊2万円しても安いくらいです。10回は読んで味わおうと考えております。
1冊で3年勉強したら全8冊で24年間も勉強できるじゃないですか。そんで1年7000円貯めれば、次の1冊が買えるわけですよ。

算命学は物事に良い悪いという判断は絶対にしません。
物事の価値というのは時代(時間)と社会(空間)が決めるものであると考えているからです。

例えばここで人殺しを考えてみましょう。
人殺しと聞けば誰でも悪いことだと考えますが、それは実際は固定的な、それも平和な世の中の道徳的な観念なのです。
一度世の中が動乱の中に入ってしまえば、人殺しということは英雄的な行為になってしまうことがあるのです。戦場の殺人者は軍神とさえされるのです。
平和な時代で行って良かった事が、動乱の時代では悪いこととして考えられるものもあるのです。

物事すべての価値というものは時代と社会が決めるのです。

ここに動乱的な星(やがて星の一つ一つをやっていきます)を持って生まれた人がいたとします。
するとその人がもし社会が混乱している時代に生まれたとしたら、それこそ独断場の英雄となるでしょう。
しかし、もし平和な時代に生まれたとしたら、単なる変わり者扱いで終わってしまうだけです。

時代と社会が人の価値を決めるということがお分かりでしょう。
前項の最初に述べた固定観念を取り除いてほしいという所以は、こういうところにもあるのです。

誰でも平和というものを望まない人はいないでしょう。
しかし一日に昼と夜があるように、晴れの日と雨の日があるがあるように、平和がくれば必ずいつか動乱の時がやってくるのです。

これは避けられないことです。だからこそ、自分自身の本質を見据えていくということが、動乱の世でも自分を失わずに渡っていけるということにつながっていくのです。

算命学Ⅰ 算命学の世界 P93~94

ね、素晴らしいでしょう。
ちゃんと哲学があるでしょう。
「当たればいい!」みたいな薄っぺらい占術書とは一線を画しているでしょう!

例えば、ここに不幸を嘆く人がいたとしても何をもって不幸と感じているかなのです。

原因があって結果があるのはすべての事象の常ですが、算命学はその原因となる星エネルギーに改良を施せば、その人間も不幸を感じなくなると言っているのです。

改良というもの、それが実は環境と本質を合わせるということにつながっていくわけです。

算命学の目的はあくまでも改良で、当てることではないのです。「当然そうなる」、だから「どうしたら良いか」を考えているのです。

病気を治すには人間の肉体構造をすべて知っていなければならないように、運命を改良していくのも人間に宿っているエネルギーの構造というものを理解しなければならないのです。

そして、それが陰陽五行、つまり天・地の法則なのです。

算命学Ⅰ 陽占の世界 P284

こんなかんじで、高尾先生の文章には非常に薫り高い徳を感じるのです。読んでいてこちらの心まで浄化されて謙虚な気持ちになれます。ありがとうございます。

ちなみに、原典算命学大系という67万円もするセット本があるんですけれども、今は絶版になっておるのですね。これ在庫無くて良かった~って思います。あったら勢いで買っちゃいそうで怖いもん。「これは一生モノだ!」とか言って。

そして買っても後悔しないんだろうな。
あー在庫無くて良かったー!!
まんじゅうこわい。

ちなみに、高尾学館の一般向書籍「最新 天中殺占い入門」はKindle Unlimitedで読めますので、Kindle Unlimitedに登録している方は、気楽に読んでみてはいかがでしょう。

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