
Tスクエア、懐かしいねー!
でもなんでいきなりF1の話?
いや、そうだよねー。アイルトン・セナの衝撃的な死からもう四半世紀も経つのよね。
第一、メッチャお兄さんだと思ってたセナが死んだ年齢よりも、私10歳以上年上になっちゃってるわよ!ヒエー!!だいたいさ、ミハエル・シューマッハの息子が今F2でドライバーやってるってんだからもう、自分も年取るわけだべねー!!
私さー、この曲聴きながら朝2キロくらい走ってから学校行ってたのよー!(やっぱり昔から脳筋な体育会系ッス、ウス!)
――なんて話してたら、すっかりスピリチュアルブログから脱線してしまうので、ちゃんと占いの話をします。するぞ!(気合)
え、サイバー・フォーミュラの話?やめてよもう!占いの話に入れないでしょッ!!!(バチギレ)
ちなみに私は普通に(?)何のひねりもなくハヤト推しです。
Tスクエアって、何?
TスクエアはF1のテーマ曲で有名なバンドの名前…ではなく、西洋占星術のホロスコープチャートにおける複合アスペクトのことです!
自分のホロスコープがどんな図形を描いているのか見てみたい方は、メトロポリタン占星学研究館などのホロスコープ作成サイトで作ってみてください。

Tスクエアという配置は、オポジション(180度)とスクエア(90度)が合わさった直角二等辺三角形の形になります。

基本的にはTスクエアは古典的な解釈だと「不幸」「凶」「不運」とか言われがちな配置です。ですが、私はこのTスクエアこそが「爆発的なエネルギーの源泉」だと思っています。自分のホロスコープの中のTスクエアを見るに、そう感じるのです。
ちなみに、さっきふれたF1レーサーのミハエル・シューマッハも2つのTスクエア持ちです。ライツ(太陽と月)のオーブ広めにとるなら、3つのTスクエアに活動宮のグランドクロスもできます。
最多優勝91回、チャンピオン獲得7度などの輝かしい功績を残した彼の凶悪なるドライビングを知ってる人は「あー…」と納得がいくのではないでしょうか。
性格悪すぎるレース運びで評判のシューマッハに対して、大変きれいなレース展開を行うことに定評のあったミカ・ハッキネン。ハッキネンのチャートは勿論Tスクエアなんてありません。土星-海王星-冥王星のYODに「ああ、絶対的に品行方正であらねばならなかったのだな…」とその優等生ぶりを感じます。

「大天使ミカエル」の名を冠した二人の男。ミハエルはドイツ語でミカはフィンランド語でミカエルのことです。ちなみに英語だったらマイケルになります。
でも、生き方は正反対なのです。正統派にミカエルの剣を使うハッキネンと、目的のためにならば手段を選ばないダーク・ヒーロー的なシューマッハ。うーん、エモい。
Tスクエアのエネルギーを生かす
確かに、Tスクエアは扱いが難しいかもしれません。
なぜなら、オポジションは緊張をもたらすし、スクエアは葛藤をもたらすからです。
Tスクエアが不幸とか不運とか言われがちなのも、わかるんです。だって、確かに面倒くせぇもん!
Tスクエア持ちの人が素直にストレートにそのまま自分の感情をぶちまけたらまず「面倒くさい人」判定受けるのは必至です。
なぜなら、このTスクエアという配置がある人は、基本的にオールウェイズ内面がモヤモヤ祭り開催中だから。ズンドコズンドコズンドコズンドコ!!!イェア!!!(それはむしろモヤモヤしてないやつ)
だから、Tスクエア持ちの人はまず「面倒くさい自分」を素直に認め、それを受け入れねばなりません。自己受容やね~。
そして、自分の内面で「折り合いをつけるのがなかなか難しい矛盾」を両立させてあげるにはどうしたらいいか考えるのです。
例えば、積極的に動きたい自分と失敗を恐れて行動したくない自分がいたとします(ここがオポジション)。で、その二つの気持ちに「いやー動かないと無理じゃね?でも動いたところでうまくなんか行かないだろうしね~。やっぱさ、どうせ何やったって、どっちに行ったってダメなんだよ」と無責任に煽る自分がいます(ここがスクエア)。
内面がこんな状態になったら、もうモダモダモダモダモダモダモダモダして、動けませんよね。そして時間ばかりが経っていく――時間が経ってもモヤモヤしてばかりで現実を一つも変えられない、成長できない自分に嫌気がさしてしまいます……。ううっ、つらいぜTスクエア!!
例えば、私のネイタルチャートにあるTスクエアはこんな感じです。

理想と現実で対立する月と天王星に対し、「つか、お前らどっちもダメじゃね。ハイ失格」と破壊する土星。つ、つらー!!
こんなエネルギーを真に受けてしまうと、もう何もできません。「何やったってどーせダメだろ」ってはじめっから諦めモードに入ってしまいます…。
だけど、それぞれの惑星に悪気はありません。そして、それぞれの惑星のエネルギーはそれぞれ自分の気持ちを表現したいと強く願っています。
月は現実的な生活を大切にしたいし、天王星は新たな可能性を開くために利益度外視で深く物事を追求したいと思っているし、土星は「何をやったって万物は流転してすべては塵に還るのだ無駄無駄無駄無駄ァ」と思っています。ううっ、つらいぜTスクエア!!
すべて、私です。まぎれもなく私が感じているエネルギーです。矛盾はあったとしても、全部を本当にそう思っているのです。全部を「使いこなす」ことこそが大切です。惑星の表現を許してあげる必要があります。
だけど、そのままだとTスクエアの惑星のどこかが「自分はこう!」と動くと「何言ってんだお前」というツッコミが入ってしまいます。惑星のエネルギーが発達しておらず未熟な場合、そのツッコミ一つで萎えてしまいます……。
だから、はじめはその「セルフツッコミ」をスルーすることです。ここで「そう思っちゃいけない!」と抑えつけてはいけません。抑圧するとあとからしっぺ返しが来ます。なので、あくまでも「聞こえてはいるけれど聞き流す」のです。
例えば私の場合、月が動きたくてうずうずしてる時は「よし、超リアリストにコミットしてやんぜ!ビジネス情報でも漁るかっ!」と月が満足する方向にエネルギーを向けます。
そうするとすかさず天王星は「ビジネス?何言ってるんだこんな時に。もっと地球規模の視野を持って行動すべきだ」とツッコんできて、土星は「ハハッ、どうせビジネスだろうが地球規模だろうが、そんなことやったって意味ないんだよ」とどちらも全否定してきます。
そこを月だけの味方をするのではなく、月には「よしよし、じゃあ日経でも見るかい」と現実的に動いて、天王星には「じゃああとからインスピレーションを得るために瞑想しようね」と返し、土星には「うんうん、あなたの言ってることも真理だよね」と返します。
とりあえずその場面は現実的には月のエネルギーにコミットするのです。
だけど、天王星と土星のエネルギーもそこでつながってはいますから、無視はしない。でも、軸足は月に置いておいて、月の衝動を優先するのです。
そして、次には天王星を満たし、土星を満たすようにする。つまり、3つの惑星のエネルギーをはじめはバラバラに一つ一つ尊重するようにするのです。一つにコミットしている時は、あとの二つは宥めてちょっと待っててもらうのです。
この状態は、スッキリせずモヤモヤを抱えたまま何かをすることになります。不安なまま自信を持てないまま動くことになります。ですが、それでよいのです。「嫌だよねー心配だよねーわかってるよーでもやるから!」って感じです。
それに慣れてくると、惑星自体に自信がついてきますからセルフツッコミが入っても平気になってきます。「そうよねー天王星はそう考えるわよね、うんうん。でもとりあえずお腹減ってるからご飯食べさせてもらうわよ」とか「土星は月よりも見ている視野が広いからそうなるのねー」と「自分とは違う性質を持つ惑星」を認められるようになってくるのです。
そうしていくと、「全く違う噛み合わないエネルギーなのに、なぜか両方が同時に存在できる」という不思議な魅力がそなわってきます。黒ギャルと陰キャが性格合わないのになぜか一緒にいてそれが噛みあってるみたいな、不思議な空間が出来上がります。
つまり、他の人にはなかなか真似できないような「あなただけの個性」が開花するのです。これはビジネスやるときメチャメチャ有利です。何をやっても「自分色」が出るのですから。
Tスクエアであなたにしかできない世界を作る!
Tスクエアを使いこなせる人は「普通だったらありえないのに、この人はなぜかそれができてしまう」という不思議な魅力が備わります。

「凪のお暇」に出てくるゴンさんはパリピとも仲良しで陰キャオタクとも仲良しです。
私も実は昔からそうです。どっちのコミュニティにも「自分」がいるのです。確かにそれは矛盾してるんだけど、どっちも自分なのです。
スピリチュアルな仕事してるのにミリヲタとかもそうでしょう。意味わかんないでしょう。だけど、それが私なんです。和裁やってヒップホップ聴いてるのが私なんです。「一要素」におさまらないのがTスクエアだからです。
Tスクエアというのはオポジションとスクエアの複合形です。
大抵の場合、4つのうちの3エレメンツがそろいます。実に3/4、75%をカバーするのです。
1つの要素だけだと、当たり前ですけどスゲー使いやすいです。弦には弦が間違いなく合うようなものです。絶対安全牌。
1つのエレメントだけで構成されるグランドトラインは弦楽四重奏みたいなもんです。
でも、安パイすぎてつまらなくもある。
それを色んなジャンルで混ぜて難易度高くチャレンジするのがTスクエア。このCeltic Woman のMVのイメージ。
総合芸術、伝統的ケルト文化と、現代のエッセンスを混ぜて……ああ、難しい!
でも、そうすると唯一無二のものができるのです。自分にしかできない、生きた証。まさに、T-square, you raise me up: To more than I can be.
でも、Tスクエアの使い方があんまりこなれてないと「春の祭典」みたいになる。
尖りすぎてて「お、おう……せやな……」って引かれるやつ。
却ってそれが熱狂的なファンを呼ぶ場合もありますが。
3つのバランスの調整は大切です。

出生時間不明のためハウスはなし
上の画像は声優・木村昴さんのホロスコープチャートです。見事なTスクエア祭りです。
彼はドラえもんの2代目ジャイアンをしている人です。
そして同時にラッパーであり、劇団の座長でもあります。声楽家の両親の元で育ちヴァイオリンもやっていました。ドイツ生まれ日本育ちなので複数の言語を操ります。
引き出し多すぎ案件、これも実にTスクエアらしい!
木村さんのホロスコープについてはヒップホップと蟹座にも書いています。
要素がばらけると、まとめるのが大変です。ですが、間違いなく広がりはあります。独自性もあります。
だから、Tスクエアを使いこなすにはまずは構成する一つ一つの星にフォーカスして、個々の性質を肯定し伸ばすこと。次に、反目しあう星のツッコミを受け流しつつ尊重できる余裕を持つこと。
そして、3つの星の中に他に比べて使いやすい星があったとしても、その1つにコミットしすぎないこと。Tスクエアを持っている人が構成要素の星1つにコミットするということは、他の2つを抑圧するということになるからです。

これがグランドトラインとは大きく違う点です。グラトラは1つにコミットしても、あとの2つが自動的についてきてくれます。連動してくれます。
しかしTスクエアではそうはいかないので、1つの星にエネルギーを重点的にかけている時には、他の2つに「あなたたちを無視しているわけではないからね」と目を配ってあげる必要があるのです。
ここで、各惑星をある程度自分の中に取り込み(意識化し)使いこなせていればいいのですが、他者に投影してしまっていると話がややこしくなります。自分でコントロールできないので、Tスクエアの破壊的な面が出やすくなってしまいます。
なので、自分のホロスコープチャートにTスクエアがある人は星を他人に預けてしまわない(投影しない)ことが本当に、本当に大切になります!
環境が変わっても似たパターンを繰り返す、それが不快な場合は特に、「この人はもしかしたら自分のシャドウを示しているのでは」「この状況は私が目をそらしたがっている無意識の領域を示しているのでは」と意識してください。そうすることで他者に星を預けることをやめて、自分で使いこなす一歩を踏み出すことができます。
インラケチ。人は、自分の鏡なのです。
Tスクエアがある人は、内面の矛盾をそのままにしておく必要があります。天使であり悪魔である自分を許すのです。けして天使になろうとしたり悪魔になろうとしてはいけません。わかりやすくどちらか一方に同一化しようとすると、揺り戻しが来るだけです。
そんなことしたら、選ばなかった要素が抑圧されて、結局は爆発してしまう。そんなことしたら、大抵現実では他人から失望されたり、仕事や人間関係を破壊する羽目になります。ま、だからTスクエアは不幸とか不運って言われるわけでな~。
扱いは難しいです。
「黙ってても上手くいく」配置では、確かにないです。
ちゃんと気を配って使いこなす必要があります。
だけど、挑むだけの価値はあります。
どうぞ、内なるTスクエアを操り、他の人にはまねできないスケールのでかい人生をお楽しみください。