私は月と木星が牡牛座にあります。

月と木星が牡牛座?
牡牛座は4月~5月生まれの人のことでしょう?
と思われた方は 星占いが当たらない理由 をお読みくださいね~。
執着して味わいつくす! それでこそ牡牛座でしょっ!
私は木星が牡牛座なんですけれども、もう40代半ばになりまして「火星のテーマを消化して木星のテーマに入りつつあるな~」と感じております。
火星域(アラフォー)の時は慣れない獅子座を扱うので大変でした。ふうふう言ってました。
だから、牡牛座の木星は「扱いやすいだろう」とたかをくくっていました。私は月(0~7歳)も牡牛座なので、牡牛座初体験ではありませんし。
でも、実際に牡牛座のプールに入ってみると、やっぱり、ちょっと、勝手が違う。戸惑ってしまう。スイスイは泳げない。
なぜかというと、牡牛座はスピリチュアル界隈で言われることと正反対のことをせねばならぬからです。つまり「執着こそが大事!欲望を感じましょう!」。
鈍重で頑固で視野が狭い。それでこそ牡牛座!
ここで基本に立ち返って、牡牛座とはそもそもどういう星座(サイン)なのかを見直してみましょう。
2の数字と1の数字は、天と地の違いがあります。
地、固定サインということは身体性そのものを表しています。浮遊霊のような牡羊座の火は、この身体性という地の中に吸収されることで、やっと安心を見つけだしますが、同時に火の力は身体性が持つ潜在力を思いきり活性化させることになります。
身体性が持つ資質とは、五感に関係しています。
完全マスター西洋占星術 (The series of perfect master) P50
五感はいずれもうまく活用すると、快感に結びつきます。この快感を求めて、牡牛座の人はどんどん自身の感覚の反応を確かめながら、力を強めていきます。
牡羊座の時点では物質世界に慣れなさすぎて「どうしたらいいかわかんねえけど、とにかくやる!!」状態だったのが、牡牛座になって感知できる肉体におさまることができます。これは何もないところではバラバラに散らかるしかなかった茶が、茶筒の中に入るとその内側では限りなく自由にさらさらと流れることができるのと似ています。

肉体という制限を得てはじめて、五感で快楽を追求できるようになったのです。
だからこそ、牡牛座は徹底的にこの五感を味わうことがテーマになります。とにかく美味いモンを食う!いいセックスをする!寝たいだけ寝る! 酒池肉林なみの享楽主義が、牡牛座には必要です。

ね、スピリチュアルと対立するでしょーっ!
スピはさ「執着はいけません、手放しなさい」とかいうじゃん!宗教も「汝むさぼることなかれ」じゃん!
でも、牡牛座のテーマを味わう以上、執着は避けて通れないのです。
とことん欲望に正直になって、味わい尽くさねば、牡牛座は納得がいきません。だって、春分点からこの世界に入ってきて、肉体を味わうだなんてはじめての体験なのだもの。
牡牛座は鈍重で頑固で視野が狭いといいますが、この性質も「自分の肉体で五感をとことん味わう」というテーマに取り組んでいるがゆえの結果にすぎません。とにかく、徹底的に味わわないとダメなんです。中途半端に投げ出したら、魂は「物質世界とは一体何なのか」を理解できないのです。
そして、快楽を追求するということは同時に苦痛を味わうことにもなります。
牡牛座は所有に関係するサインですが、所有するとは所有されることでもあります。
人よりも有利な何かを手に入れることで、人は逆に縛られていきます。地、固定の牡牛座は自由を求めているわけではなく、むしろ目に見える事象の中に、自分を縛りつけ同化させようと努力します。地のサインは、気を散らす性質を持つ風や火とは対立して、固定サインならなおさら変化を好まないので、結果的に一つのことを続けるための強い持久力を持つことになります。
完全マスター西洋占星術 (The series of perfect master) P51 ※赤文字強調は記事作成者による
はじめは楽しかったことも、やりすぎると必ず苦痛にさいなまれる状態に陥っていきます。
快楽の象徴ともいえるセックスですら、のめりこみすぎると精神をむしばみます。「死ぬまでSEX!死ぬほどSEX!」は確実なる人生の破滅への片道切符です。

これ、ツシマはハルというよりも過去の自分と対峙してますよね
エモい
執着、怖いですねー!
欲望、怖いですねー!
貪欲、怖いですねー!
でも、牡牛座はその獣道を行かねばなりません。牛だけに。ンモー!
「手に入れていないもの」に執着するのは難しいこと。手に入れて、愛して親しんでこそ、「これは自分のもの」執着は生まれます。だから牡牛座は、手に入れるのです。味わうために。
牡牛座は「ほしいものを手に入れる」という才能に恵まれています。そして「所有するとは所有されること」、手に入れれば手に入れるほど、人生は苦しくがんじがらめになっていきます。

ちょっ、待ってよ
じゃあ牡牛座って苦しむために生きてるの?
かんべんしてよ!!
いえいえ、快楽を味わうためにも生きているんですよ。
ただ、その快楽にはもれなく苦痛がセットになっているってだけで。

そんなのやだー!
私はスピリチュアルにハッピーに生きるのぉー!
そんな牡牛座さんには、OSHOの言葉が役に立つでしょう。
強欲を見守りなさい
— OSHO bot (@osho_bot_jp) February 24, 2020
怒りを見守りなさい
性欲を見守りなさい
所有欲を
嫉妬を–
ひとつだけ覚えておかれねばならないこと
同化されてしまわない
ただ見守るだけでいい
「見守るってどうやって」と疑問な方は、仏教の伝統的な瞑想法、ウィパッサナー瞑想をお試しください。詳しいやり方は ウ・ジョーティカ「自由への旅」がわかりやすいです。

快楽も苦痛も味わうけれども、どちらも味わったうえで超越すれば、それは素晴らしいスピリチュアルな体験になります。
牡牛座の「手に入れる力」を悲しく思う必要もなくなります。
アイネクライネでは、恋に落ちた少女が幸せでうれしいと感じていると同時に悲しみを感じています。「出会いは別れの始まりであること」を賢く理解しています。この「両方がある」という視点こそが大切です。
どちらも十分味わうのです。
十分に味わうために、執着するのです。
そうすると、物質世界のシクミが理解できます。愚かなことをしでかす人々の気持ちが理解できるようになります。罪を犯した人に石を投げるのは間違いであることに気づきます。だって、その罪人は自分の分身なのだから。

牡牛座をもう一つ上の段階へと進ませる「思考感覚」
![星と人間[新装版]精神科学と天体](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41BjeM8491L.jpg)
シュタイナーは牡牛座に「思考感覚」をあてはめています。【参考】シュタイナーによる12星座の12感覚への分類
五感を味わい尽くすには五感の言語化が必要です。「今自分は、こう感じているのだ」と言葉で整理(定義)せねば、この物質世界にはっきり刻み込むことはできません。だから、牡牛座は味わい尽くすと同時にその感覚をつきつめる、思考することが求められます。
思考しないでただ感じて流しているだけだと、いつまでも両極の輪廻から逃れられません。「うれしい!」のあとに「かなしい!」がきて、幸せになりたいと思いつつ幸せになったら「でもいつかは不幸になるんでしょ、どうせ。自分なんて結局は幸せになれないんだ」と面倒くさくこじらせるばかりです。
思考してください。そして、思考するには上のOSHOの言葉のように感覚と同化しないことです。怒る自分を、執着する自分を、貪る自分を、嫉妬する自分を、ただ見守る。眺めるのです。
それでこそ思考が可能になります。
その状態になれば、もう執着せずとも味わうことができます。
牡牛座のもたらす豊かさを味わい、そしていったん手に入れ親しんだものですら、愛とともに手放すことができるようになります。
そうなると喪失すらゲームのようなものです。損失の落胆があってこそ、獲得の快楽があること、獲得と喪失は同じことの表裏にすぎないことが理解できるからです。ここまで成長した牡牛座は、失ったからって、傷ついたりなどしません。喜びとともに、失います。
物質的な牡牛座がもたらす「地上の天国」

例えば、独占欲が強くて「パートナーがいなきゃ生きていけない!」という恋愛依存症の女性がいたとしましょう。その人が牡牛座的質を高めていけたならば、五感の鋭さを通して内なる男性性の神性さに気づいてゆくことでしょう。そして「男がいなくても生きていける自分」に(失望することなく)気づくのです。
これは「男なんかいないほうが楽だ!男なんて!」とミサンドリーになってしまうのではありません。肉体を隅々まで味わっていく過程で内側にしっかりと男性的資質が実在していることに気づく、男性性の真の素晴らしさを知る——つまり男性(陽)という性質が素晴らしいものであり、肉体こそ女であっても自分の内側にも男の性質が根づいているのだということが内側から(五感を通して)納得がいくと、現実の男性を求める必要がなくなるのです。五感を突き詰めていくと、ある時ハッと気づくのです。「私にもタマタマがあるんじゃない!」
結果、「男はいてもいなくても、自分はどちらでも幸せになれる。縁があるならばそれは自分の鏡なのだろうから、一緒にいればよい」と思うようになります。
まったく性的でなくなった人
— OSHO bot (@osho_bot_jp) March 5, 2020
そのエネルギーだけが内側で動いている人は
自らの中に歓喜をもつようになる。
その歓喜はその人自身のものだ。
そのような人こそ
はじめて愛することのできるようになった人
その愛は絶えまなく降り注がれ
絶えることなくわかち合われ、与えられる・・
その心理状態に達するには、牡牛座的執着、我が闘争(Mein Kampf、My struggle)をくぐり抜けねばなりません。

そう、ヒトラーは牡牛座の典型例。(太陽・金星・火星が牡牛)
牡牛座の星を使いこなすには、とことん執着して欲望を味わいつくさねばならないのです。それは危険な賭けでもあります。 ヒトラーが破滅してしまったように……。
ですが、リスキーな橋を渡って突き抜けると、そこには物質的な豊かさと共存できる「地上の天国」が実現するのです。ヒマラヤで修行する隠者にならずとも、俗世で十分に精神的成長を (しかも欲をつきつめることによって) 遂げていくことができるということを証明できるのが牡牛座です。
だって、ブッダは言ったじゃないですか。禁欲や苦行で悟りに至ることはできないって。
そして鋭い方は、ここに正反対の質、高められた蠍座の性質を感じ取ることでしょう。そう、太陽牡牛座の地球星座は蠍座なのです。
一般的な牡牛座の性質は「あれもこれも全部欲しい!必要かどうかはわからないけどとりあえず持っておきたい!」で、反対の蠍座は「本当に自分に必要なものしか要らない!そもそも本当に自分に必要かどうか白黒ハッキリさせたい!」です。
牡牛座の性質を掘り下げていくことで、1オクターブ上の蠍座が目覚めていきます。
そうして表と裏を味わい尽くすと、不思議と執着自体が無に帰すのです。牡牛座も蠍座も、ベクトルは違えどものすごく執着しいなのに。
松村先生ふうにいうなら、反対サインをぶつけることで中和されるのです。
サビアン ~ 困難から救ってくれるもの

サビアンの出し方は この一年のテーマを知る に書いてますので、自分の星のサビアンシンボルを知りたい方はお読みください。
私の木星のサビアンシンボルは牡牛座22度「荒れて波立つ水の上を飛ぶ白い鳩」。
21度で書物から啓示を得ようとした人物は、こんどは、自然界からの鳩の到来によって、メッセージを受け取る。
これは、ある文化の規律にしたがって生きている人は、やがて危機のときに、文化の奥深いところに備わった高度な意識から、導きの印の鳩が飛んで、彼にいろいろなメッセージを伝えてくるようになる、そのことで救われるという意味がある。伝統や文化に忠実なものへの報酬。
具体的な宇宙のリズムが、書物にとどまらず、生きた形ではたらきかけてくること。これは牡牛座の流れなので、自分の身体に資質として埋め込まれた直感のようなはたらきが、危機のときにつねに明確な指示をあらわしてくるという意味をもっていて、もちろんこの度数の持ち主が、多くの人に対して導きの白い鳩として行動することも忘れてはならない。
愛蔵版 サビアン占星術
リディアの原文では”WHITE DOVE FLYING OVER TROUBLED WATERS”。
「over troubled water」って、サイモン・アンド・ガーファンクルじゃないですかー!
この曲(邦題:明日に架ける橋)大好きで、よくカラオケで歌うんですよね。
「大丈夫。人生に嵐が来ても、荒れ狂う川を渡るための橋はあるんだ。安心してね」
サビアンでも「危機のときに、文化の奥深いところに備わった高度な意識から、導きの印の鳩が飛んで、彼にいろいろなメッセージを伝えてくるようになる、そのことで救われる」。
危機の時にこそ「本当に自分は守られているのだ」と実感できる度数です。
精神は導きを通してもたらされ強化されるもの
スーフィーの教えの中では、白い鳩は聖霊のシンボルとされます。私たちのゆらぎない深みの中にも精霊とつながるような場所があります。これをガイドというのです。高次の感覚とつながれるようになったなら、導きにそって生きていくことができます。今おかれている状況や人間関係や思考を通してもっと深いレベルがあることに個人で気づいていくこともできます。
人の心の中には矛盾した二つの信念があるものです。ある人は危険や困窮、恐怖の搾取を見て、もうダメだと思います。ある人はどんな時にでも試練を人生の得難い経験に変容するような解決方法はあると信じ、楽しみます。現実的なレベルにおいて実際に、ポジティブな態度はより良い結果をもたらします。多くの人がこういった思考に導かれる必要があります。
本能的に、私たちはこの叡智ある法則を元から知っているはずなのです。それを自覚した上で行動し、悪い運を引き寄せるためにわざわざ悲観的になっていることに気づいたほうが良いのかもしれません。
要するに、こういうことです。リラックスしてくつろぐことは、非常にポジティブな人生戦略ですらあるのです。根無し草の精神
White dove over troubled waters – Sabian Mysteries(英文)
根無し草の精神は創造的で有能で楽観的です。ですが、固定観念やグチャグチャ毒思考でゴミだらけにされて汚されてしまうと、非常に不快な状態を作り出すこともできます。
精神は本質的に簡単に気を散らし、横道にそれてしまう性質があります。導きによって軸を作り、ブレないようにする必要があるのです。明確な理由があり、コミットした目的があり、意義深い思考プロセスがあれば、人生の試練から素晴らしい収穫を得られるようになるでしょう。
私たちは、精神として生まれました。それゆえに、神話の元型をなぞるような内なる人生チュートリアルを進んでいくことになります。ハートは神性の本質に沿うには、どのように生きていけばよいのかを知っています。
神性の美しい炎は、望むか望まないかに関係なくすべての人の中で燃えています。自動的に。それを見失わない限り、真理と神性の深い本質に導かれて結局はなんとかなるもんなのです。
牡牛座22度「荒れて波立つ水の上を飛ぶ白い鳩」
テーマ: 危機の中にある人に、それを乗り越えるためのスピリチュアルなインスピレーションが降りてくる
The Sabian Symbols – Taurus 16-30 (英文)
ここではまた、導きのシンボルが示されます。荒れ狂う水の上を飛んでいく鳩——それはノアの箱舟の神話を思い起こさせます。ノアは勇気をもって危機に立ち向かい、神の忠告に従いました。試練をこえて、ノアは鳩からメッセージを受け取りました。それは聖霊からのメッセージであり、新しい世界の訪れを告げたのです。
多大な情緒不安定からくる人生の危機や無意識の力の乱入やうっかり魔が差してしまったときに、このシンボルは現れます——正しい精神ゆえに危機に陥ってしまった場合ですら。
シンボルの第二段階は、ノアの物語から離れます。本や文化といったレベルの産物ではなく、宇宙のリズムという話になってくるからです。神は人生と具体的かつ重要なシグナルを通じて確固たる法則を明らかにしているのです。——すなわち、信じる者は救われる。
