思わぬシンクロで「易経ってスゴイ」
ある男性と、安倍三代(青木理・著)の感想を話していた時のこと。
安倍寛(安倍晋三首相の祖父)って
本当に素晴らしい人ね!
うんうん!
戦争は庶民を苦しめるだけ
だから反戦の姿勢を貫いた反骨の政治家だよ!
今の時代にこそ、安倍寛みたいな政治家が必要だ
もともと体が弱いのに
病身の身でも人々のために尽くす!
うーん、カッコイイわ~!
祖父はあんなに素晴らしい人なのに
孫ときたら……はぁ……
そうねぇ……
易経でも「何をやっても上手くいかないときは必ずある。だからそういう時は耐えて力を蓄えて好機を待ちなさい」というし
今はそういうときなのかもねぇ……
…………
???
どうしたの?
実は、俺
今日仕事やめてきた
エーーーッ!?
もうあの組織には我慢ならない
実は地元の青年会の若い連中と
新しい組織を立ち上げる予定なんだ
そっ、そうなのっ……
うん
何やっても上手くいかない
確かに今俺はそういう時期だ
だから、その易経の話を聞いて
ピンときたよ
耐えて力を蓄えなきゃな
はぁ~!
なんてシンクロなのかしら!
意識してなかったからビックリ!
易経の話を聞いて
なんか腹がすわったよ!
厳しい道だろうけどすぐに結果が出なくても
あきらめずにやってみるぞ!って
不思議と力がわいてきた!
それはよかったわぁ~
若さとは、不安と同義でもあるが、 不安になったら、身をかがめればいい。
人間万事塞翁が馬/亢龍の時は必ずくる/陰を生み出す~陰を生じさせる| 【亞】の玉手箱2
尺取り虫が、体を伸ばした後、 グッと縮めて次に体を伸ばして前進する。
のばすための縮み。
伸縮は、この二つの言葉が重なって成立している。
この尺取り虫の話は、わたしの創作ではない。
『易経』に、ちゃんと書かれている。
「尺蠖(せきかく)の屈するは、もって信(の)びんことを求むるなり」
尺蠖とは尺取り虫の意である。
尺取り虫が身を屈めるのは、身を屈めて力を蓄え、次に伸びるためである。
「なんか易経っていいこと書いてあるみたいだけど、そもそも何?」
と思われたかもしれません。易経とは古代中国の四書五経の一つで、占いの仕方を書いてある本です。ほら、易者っていうでしょう。
「なーんだ、占いか」と侮るなかれ。
易経には「万物が巡っていくサイクル」が記されています。つまり、「こういう時にはこういうことが起こりがちですよ、でもって、その後にはこういうことが起こるものですよ」という法則が記されているのです。
だから、易経は経営者に好んで読まれるのです。
易経は、聖人が物事を明らかにするために、時の変化を微細な粉末にすり砕くほどに深く研究して極め、「幾」兆しを察する能力を養うための書物である。
「易経」一日一言
物事の深きを極め、洞察力を養うことで、人々が向かうところ、社会が望んでいることは何かを知る。そして自らが志すべきは何かを知り得るのである。
「幾」を知ることは、物事の機微、兆しを見ただけで、声なき声を聞き、見えないものを読み取ることである。それゆえ社会に役立つ務めをなすことができるのである。
苦しい時に、どうしたらいいか。それを教えてくれる易経
占いとして易経を使うなら、「これは大凶の卦!不幸になる!」みたいな卦が出てきます。
だけど、宇宙の万物のサイクルを表している法則とみると、いわゆる大凶の卦(つまり苦しみの時)にも学び深いものがあると気づくことができます。
苦しみの時は、自分から逃げられません。だから、勇気をもって自分から飛び込むくらいの覚悟が必要です。別なことばで言えば、「身を捨てて浮かぶ瀬もあれ」です。
坎為水の苦しみは、尋常な辛さではありません。
超訳・易経 自分らしく生きるためのヒント P197
しかし、それをどのように乗り切っていくか、乗り越えていくかです。
易経研究家の竹村亞希子さんは、今は物事がなかなか上手く通らない「陰の時代」であるとおっしゃいます。
これからの時代は先が見えません。消費税の増税やTPPへの参加が議論されているなか、いくらそれに反対であっても選択を余儀なくされたのなら、私たち庶民は受け容れがたいことも受け容れ、良くも悪くも時代の流れにしたがっていくしかないのでしょう。まさに先の見えない不安だらけの時代です。
では、私たちはどのように生きていけばいいのでしょうか。
超訳・易経 自分らしく生きるためのヒント P91 陰の時代がやってくる
こうした陰の時代の生き方を教えているのが、坤為地の卦です。
坤為地の卦というのは、64種類ある卦の中で一番陰の気の強い卦です。陰オブ陰、陰の中の陰の卦です。
坤為地の卦を読んでみると、陰の時代は陰の力をさらに強めなさい。したがいなさい。受け容れなさい、耐えて度量を育てなさい、と教えていました。
(中略)
易経には「中する」ということばがあります。その時にぴったりの、という時中と意味は同じですが、陰の時は、したがい、受け容れるという陰の力を発揮することで、新たな陽の力を引き込み、ものごとを推進することができるのです。それが坤為地の時における中するということです。(中略)
陰が窮まれば陽に転じます。陰の時代から陽の時代への一番の近道は、積極的に陰の力を用いて、陽を引き出していくことなのです。
超訳・易経 自分らしく生きるためのヒント P 146~147
今の時代は肉体の性別にかかわらず「女性性を開くことが大切だ」といわれます。これも、坤為地の卦が教えていることと通じますね。
スピリチュアルな言い方をすると、流れを受け容れて「すべては順調である」と信じることで思わぬ道が開けることもあります。
無選択のみが正しい。選ばないことだ、ものごとをあるがままにあらしめなさい。それが戦争のときはそれをあらしめなさい。それが平和のときはそれをあらしめなさい。それが愛のときはそれをあらしめなさい。それが愛でないときはそれをあらしめなさい。あなたは超然として、見守り看る者のままでいる。
— OSHO bot (@osho_bot_jp) February 3, 2020
易経って本当に面白いですね~。
個人的にはね、易経も古典的な西洋占星術の歴史も、ミリヲタこそが楽しめると思っています。だって、古代の占いって兵法のことばっか言ってるんだもの。
どうやったら勝てるか、どういうときに指揮官は身を慎むべきか、もしくは思い切って攻め込むべきか。兵士の士気を上げるにはリーダーとしてどうふるまうべきか。そんなことばっかりいってますよ、東洋も西洋も。三国志やガリア戦記が好きな人は易経も面白いと思うな~。
でも、易経って実は結構とっつきにくくて難しいんですよ。
易経の原文は 周易 : 易經 – 中國哲學書電子化計劃 で読めますけど、もう「オウフ……」って感じです。日本語に書き下した文ですら推して知るべし。
そんな易経を現代風にわかりやすく解説してくださるのが、竹村亞希子さん。この記事で引用しているのも、すべて竹村さんの文章です。わかりやすいでしょう!
竹村亞希子さんの本では、上にも引用した超訳・易経 自分らしく生きるためのヒントが一番読みやすくて好きですね。ですが、残念ながら現在は絶版となっています……。Amazonでも高値です。図書館にあったら借りて読んでみてください。(ちなみに札幌市の図書館には蔵書があります)
そして、2/15に竹村先生の本超訳 易経 陽―乾為天が出ます!これは「リーダーの易経」の増補改訂版になるそうです。初心者にもわかりやすいように説明してくれますので、易経に興味のある方はおすすめです。