
西洋占星術のホロスコープでは、不思議と家族間で似た配置が見られたりします。
私の家族には、みんなライツ(太陽と月)と土星のアスペクトがあります。
「アスペクトってなんじゃらホイ」という方は ホロスコープを擬人化で説明しちゃうぞ☆アスペクト編 を読むと、色々とはかどるでやんす。
男性(父)には太陽と土星、女性(母、娘二人)には月と土星のアスペクト。
そう、私の育った家庭は、男は男性性が抑圧され、女は女性性が抑圧されている、なんともまあアレな空間だったのです……。
私の家族にみられるライツ(太陽と月)と土星のアスペクト
家族の絆がもたらす安心感は幻想にすぎない。
サターン 土星の心理占星学 P140
血の絆があるからといって、情動的サポートを受ける権利があると考えることは非常に危険である。両親には先立たれ、パートナーは去っていくかもしれず、子供も成長して去っていくだろうからだ。
私の生まれ育った家庭は、ちょっと変わったところがありました。
父が男らしくなくて母が女らしくなかったのです。
母はよく「お父さんってば女みたい!情けない!!」と怒鳴っていました。
父の男らしさの欠如に幻滅していたのです。そして、同時に「女みたい=情けない」ということは女という存在をネガティブにとらえているわけで……。結局それって、男も嫌いだけど女も嫌いなんですよね。
実際、母はよく「女なんか損ばっかり!女に生まれていいことなんか一つもないっ!!」とヒステリックにどなっていました。
つまり、母は、自分の中の女である自分、女性性を受け入れられてない人だったのです。
父は父で、母の剣幕に負けてしまい(いやあ、彼、身弱だからさ…)尻尾を巻いて逃げていました。たまに切れて母に手をあげると、母はすかさず「女を殴るなんてお前は最低男だ!!ウチの父さん(母方の祖父)はそんなことしなかった!やっぱりアンタはあのロクでもない暴力男(父方の祖父)の息子だわ!!!」と舌鋒鋭く反撃し、こう言われると父はもうスゴスゴ退散するしかなかったのです。
父は父で、やはり男性性を受け入れられていなかったのでしょう。つまり、自分に男性性を教えてくれた人=父親に対して、あまりポジティブなイメージが抱けずにいた。いや、当然ですよね。暴君の父親(私からすると祖父)のせいでいろいろと苦労してきたんだから。
そんな感じで、男性性を発揮できない父親と女性性を受容できない母親の間で、娘二人もなんかちょっとオカシイ感じで育ちました。肉体の性を素直に受け入れられないという困難は、家族全員に共通したテーマでありました。そう、男には太陽に土星が、女には月に土星が、もれなくくっついていたのですぅ……。ちーん。
ゆえに、大人になってから子ども時代をいやすということは、私にとっては「自分の女性性をとりもどす」ということも同時に意味していました。家庭環境の中から「女であることの素晴らしさ」を学ぶことが困難であったからです。
子ども時代の癒しについては タグ: インナーチャイルドを、女性性を受け入れていくプロセスについては タグ: 男性性と女性性をご覧ください。


母親から女性性のモデルを学べない苦しみ
「ソフト」なアスペクトも含め、月-土星のコンタクトが暗示しているのは、子供時代の経験が土星の方針にそって構築されるということ、そしてそれは、義務と適切な行動が極端に重視されるということを意味する。
月-土星のコンタクトは、経済的苦境によるつらい子供時代をともなうこともある。また、物質的にありあまるほど快適だったのに、情動的表現の温かさや自発性を欠いた子供時代の場合もある。母親はほとんど感情を表に出さない人物であるか、あるいは失望の元凶となることが多い。
(中略)
月-土星のコンタクトは両親のいずれをも表しうるが、思いやりにあふれた両親を表すことはまずない。
サターン 土星の心理占星学 P136
いやほんとこれ。私や妹にとって家庭というものが辛い環境であったと同時に、母にとっても自分の生まれ育った家庭はキツイものだったのです。母はよく祖母に殴られたことや食事を食べるなと怒鳴られたことを話していました。見事に虐待が連鎖しているのです。そして、不思議とアスペクトも連鎖しているのです……。
月-土星のコンタクトは、感情という経路による表現が困難であることを暗示している場合が多い。そのため、女性は自分の女性性から切り離され、自分を女性だと認識できなくなってしまう。
これは、子供時代における母親との関係が、拒絶、孤独、無能感という思いを育みやすいものだったことを示している場合もある。
月-土星のコンタクトがある女性は、自分自身の心の「空間」をつくり、自分の母親のイメージや役割とは全く無関係な自分自身の女性性を発見する必要がある。
サターン 土星の心理占星学 P141
女に生まれたにもかかわらず、母から健全な女性性の形を学べなかった私は、思春期になって往生する羽目になります。今まで抑圧してきた女性性が、恋に落ちた途端バーッとはじけるように表に出てくるからです。
私にとって恋愛とは格闘でありました。相手との格闘ではありません。自己との格闘です。
ただでさえ、女らしいところを見せると(自分の女性性を受け入れられていない女性である)母に攻撃されますから、家庭のなかで女性性を開くのは弾丸飛び交う戦場を走り抜けるようなものです。思春期になればいきなり「オンナ」になれるわけがありません。肉体はどんどん女になっていくというのに——
女らしい女はみんなベトコンだ!
女らしくない女はよく訓練されたベトコンだ!!
ホント家庭は地獄だぜ! フゥハハハーハァー
だから、私がまともに自分のうちにある女性性を受け入れられるようになったのは、親元を離れてからです。リズ・グリーンが言った通り「空間」が私には必要だったのです。
月-土星のコンタクトがある女性は、自分自身の心の「空間」をつくり、自分の母親のイメージや役割とは全く無関係な自分自身の女性性を発見する必要がある
独り立ちして生活することで、この「空間」を自分に用意してあげることが可能になりました。ああ、自立って、尊い!!自立ってサイコー!!
私ね、すっごい料理大好きなんだけど、昔は楽しいって思えなかったんです。
だって、お母さんは毎日毎日「またご飯作らなきゃならない!面倒くさい!献立考えたくない!」って怒ってたから。料理を楽しんじゃいけない空気だったから。
でもね、一人になってね、自分のためにご飯作るとね、超楽しいんですよ。
私の内なる女性性、つまり金星蟹座がピッカピカに輝きだして「わああ~~!お料理、楽しいい~~~!毎日家事ができる生活って、最高♥」って「本来の姿」を取り戻すんです。
「自分の母親のイメージや役割とは全く無関係な自分自身の女性性を発見する」んです!
そう、私、料理好きなの。家事好きなの。ファッション雑誌を読んでデパートに行って服を買って着飾るのが好きなお母さんとは違うの。コスメも美容も興味ないの。オウチで毎日、ちみちみと家事をすることこそが、私の(女性性の)幸せなのー。
だから、お母さんには私の幸せ、わっかんないよねー。仕方ないわぁ。

女性性を取り戻し、土星のギフトを受け取るチャンス
少し極端な例かもしれませんが、セックス依存症になりました。第88話では、自分の女性性が受け入れられないがゆえに、逆方向に突き抜けてしまってセックス依存症になる女性が出てきます。
「良妻になれなくて性奴隷になれないと人間のクズ」というのは、ちょっと認知の歪みが激しすぎますね……。でも、月-土星のコンタクト(アスペクト)がある女性にとっては、ここまではいかなくても他人事とは言えないのではないでしょうか。
自分が女性であることにプレッシャーを感じたり、性的に求められる事に嫌悪感を覚える女性はどれくらいいるのでしょうか。
— 津島隆太 (@Tsm_Ryu) January 31, 2020
よろしければアンケートをお願いします。
月-土星のコンタクト(アスペクト)がある女性は、安全な「空間」を作って自分の女性性を取り戻していくことがとっても大切です。その空間とは、一人でいられる部屋でもいいし、自助グループでもいいし、物理的空間ではないネットのコミュニティなどでもよいです。
空間を確保して、自分の女性性に息のできる場所を与えてあげてください。女なのに女性性が抑圧されてると、↑の漫画の女性ではありませんが本当に苦しくなってしまいます。
もちろん女であっても男性性も大切なんですが、肉体の性をできれば若いうちに受容できると楽なんです。
そうすれば、土星の試練が与えてくれるギフトに気が付くことができるでしょう。
月が土星とアスペクトを形成している女性は、男性の場合と同様に情動から解放される機会が与えられる。もちろん、女性の情動からの解放は男性のものとは異なるが、機会という点では基本的に同じである。
真に自立した個人である女性は少ない。
多くの人は自由なふうを装って過補償しているだけなのだ。自分自身の女性性や、精神的な女性性のシンボルとしての母親と、意識的な形で完全に調和を達成している女性はほとんどいないのである。月-土星のコンタクトがある女性には、この神秘を体験し、理解する可能性が与えられている。これは、心全体の発達という意味において、控えめで慎重であることよりもはるかに重要な、子のコンタクトからの贈り物なのである。
サターン 土星の心理占星学 P141
試練をギフトに変容したいあなたへ~土星についての記事

