土星1室~意志の力で人生を切り開ける人

ホロスコープ
占星術とユング心理学:ユング思想の起源としての占星術と魔術

リズ・グリーンの最新著作の日本語訳 占星術とユング心理学:ユング思想の起源としての占星術と魔術 には、ユングのホロスコープチャートが何種類か載っています。

ユングのバース(ネイタル)チャートを見ていて思ったんです。

Nozomi
Nozomi

わっ
ユングってば土星が1室!
私と同じじゃーん!!

怖れと自信のなさこそが大器を作る~土星1室の人

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カール・グスタフ・ユングのバースチャートで一番重要なエネルギーを占めていると判断されていた土星。
その土星は1室にあります。私自身も同じく土星が1室なのですが、「世の中で一番の敵は自分(自意識)」という超超面倒くさい配置です。カール、あなたも大変だったのね…(友達か)。

リズ・グリーンのサターン 土星の心理占星学では、1室にある土星についてこんな風に書かれています。

土星が牡羊座か第1ハウスにあると、「利他的」であるというが、そもそも利他的であるためには、まず譲るべき自己がなければならない。
土星が牡羊座か第1ハウスにあると、恐怖心と折り合いがつくまで、自己を真の意味で受容し、表現することなどできないのである。

サターン 土星の心理占星学 P105

ああー。ああー。
はじめから真の自己表現はできない。すごくわかるー!!
だって、自意識(1ハウス)に重り(土星)がドシーン!って乗ってるんだもーん。涙

ユングも、師であるフロイトと袂をわかった人です。ユングは聡明な人ですから、自分の内側から湧き出てくる思考が師に拒絶されるものであることを本能的にわかっていたのです。だから、なかなかなかなか表には出せなかった。

占星術とユング心理学:ユング思想の起源としての占星術と魔術 にも、「本当の自分のしたいこと」を表現することに対する抵抗する資料が示されています。書簡などで自分がそんなキチガイじゃないっすからー!的な誤魔化しすら書いていたりします。本当は、めちゃくちゃオカルト大好きっ子のくせに。

世界史と西洋占星術

ニコラス・キャンピオンの世界史と西洋占星術でも、自分オカルトなんか好きじゃないっす!占星術なんか信じてないっす!えっ?ホロスコープ作ってるべやって?いやなんもこれ占星術じゃないですからー!!的な「何を言ってるんだお前は」的詭弁で何とか逃れようとする占星術師(と占星術に惹かれる人)の姿が描かれています。オカルト=異端=火あぶりコースだからね、しかたないね……。

ユングもまた「恐怖心と折り合いがつくまで、自己を真の意味で受容し、表現することなどできな」かったのです。でも、自分の中の怖れ(一番の敵)向き合い、腹をくくったならば、1室土星は現実的にアクションできる強い意志力を得ることができます。

牡羊座か第1ハウスにある土星は、表面的なパーソナリティと豊かな内的人格との接点が欠落していることを示している。そのため、牡羊座か第1ハウスの土星が強調するのは、無力に対する恐怖である。

この恐怖があるからこそ、その人は自分のアイデンティティだと信じるものについて、より深く探求するようになる。アイデンティティを象徴する第1ハウスにある土星は、より深い知識、より深い統合、そして意思をより生産的に活用する探究などと密接に関わっているのだ。

サターン 土星の心理占星学 P107

自分自身に対する不信感こそが、「自分とはいったい何者なのだろう、それを考えずにはいられない」という心理状態を作る。ゆえに、ユングは偉大な心理学者として大成することができました。

普通の人はそんなん考えないんっす。「えーなんでそこまで考えんの?めんどくさー!」ってとこまで突き詰める。それは、怖いから。突き詰めないと、自分という存在を受容できないから。納得がいかないから。

「恐れはいけない!」「不安はいけない、手放すべき」的な考え方があります。それも一理あります。
でも、ユングのように土星1室の人間にとっては「自信のなさ」「怖れ」というのは「真理に到達するための1プロセス」であって、「本当の自分」にたどりつくための通り道なのです。

サターン・リターンが教えてくれた「本来の自由な自分」

土星を第1ハウスに持つと、自分が望むものは決して手に入らない、人生は永遠に自分を裏切り続けると感じてしまうことが多い。
それは自分が望むものを求めようとしていないからだ。
求めていたとしても、自分はそれに値しないという思いを抱いているのである。

サターン 土星の心理占星学 P105~106

この文を読んだ時に喉が「ヒュッ」ってなりました。土星1室の私には、あまりにも図星すぎて。

特に、サターン・リターン(29~30歳頃)前の私は、まじで↑の思考でした。「私なんて絶対に幸せになれない」って思っていました。「自分も結婚して子供を産んで母のような人生を送らねば生きていけないのだ」と、人生に深く絶望していました。(まった、典型的な陰転しとる丙ちゃんやね~!)

こういったタイプの人は、意志を持つこと、意思を活用することを恐れている。
そして、自分自身の意思を恐れるあまり、自分が「意地」や「わがまま」と考えているものを他者に投影してしまう。

サターン 土星の心理占星学 P106

そう、意志なんて持てなかった。親の言うことを聞かない「わがままな子」なんて生きている価値がないと思っていた。

親も確かに毒親なところがあったかもしれませんが、でも、それだけじゃないんですよ。私もちゃんと「意志」をもって「私はこうしたい」を貫かずに従順だった(親の敷いたレールを歩いていた)からいけなかったんです。土星の力を本来の形で生かせていなかったから。

そんな風に自分を偽っていきてきたから、サターン・リターンで自分の本質を突きつけられた時は、木っ端みじんに砕け散りました。私にとってサターン・リターンはまさに「革命」だったのです。

ちなみに、この仕事を始めたのもサターン・リターンの時期を過ぎてからです。
サターン・リターンは、自分を出すことができなかった。「恐怖心と折り合いがつくまで、自己を真の意味で受容し、表現することなどできない」まさしくこの状態だったのです。

ここでいう恐怖心というのは、「自分は望む人生なんて送れないんじゃないか」という怖れです。それをサターン・リターンで今までの生ぬるい環境(品行方正に「こうあるべき」というレールに乗っていた順調な人生)をブッ壊すことで
「あ、あれ?なんだ?人生って、割とどうにかなる?」
って自由への手ごたえをつかむことができたんです。

「お母さんは『結婚して子供産まないと女は幸せになれない!結婚して子どもを産んで幸せになりなさい!!』って言ってたけど、そんなの嘘じゃね?」って気づけた。いや、気づくというかずうーっと心の底で思っていたことを、ようやく肯定できた。

それは確かに、かなりの荒療治でした。
まあ土星だからなー!

土星を第1ハウスに持つ人は——そのことを選択しさえすれば——コントロールされた強い意志を持つことができるので、自分自身の「シャドウ」の部分と折り合いをつけることができる。
その人はフラストレーションや欲望をコントロールし、自分で自分のパーソナリティを強みとして鍛える方法を身につけたことに気づくだろう。

土星は牡羊座で「失墜」し、火星は山羊座で「高揚」するが、エネルギー的には同じ強さを持っている。
目的の定まった、コントロールされた強い意志は、土星がもたらすものの中でも特に前向きの性質なのである。

サターン 土星の心理占星学 P106

確かに、そうです。私は意志の力を発揮できているときは非常に困難に見える目標に対してもコツコツコツコツと地道に積み上げて努力し、そしてついには達成することができます。
計画を立てて毎日同じことを繰り返すことも、まったく苦ではありません。実際、この仕事だってもう15年続けております。

例えば、「夏休みの宿題を毎日3ページずつやる」と決めたら、本当に毎日3ページずつこなします。同人誌もそうです。逆算して1日●ページ仕上げる!〆切を破る醜態をさらしたことなど、一度もありません!(ビシッ)

【画像】 専門学校JK(2) 専門学校JK(1)

だから、↑の専門学校JKの先生の言葉は、本当に、身にしみます……。

うん、合同誌なんて作っちゃいけないよね……〆切破って足引っ張ってくるのは、たいてい相手のほうなんだもん……。何で計画通りにキチンとやらないのかな~?うーん。
って思っちゃうから、やはり個人誌が最高ですね。一人って自由で楽しいー♥

「計画通りにコツコツ積み重ねる」
これは土星がホロスコープチャートのどこに位置していようと、土星のエネルギーを使えばできることです。土星の意思の力は本当に素晴らしいですヨ~♪

「だらしなくて周りに迷惑かけちゃう」ってタイプの方は、ぜひ自分の土星の力を目覚めさせてみてください!ちゃんとコツコツ積み重ねられるようになります!
時間も期限も守れる!だってあなたにも土星があるのだもの!!(ビシッ!)

自分の弱さに直面すると、たいていの人は無力感を覚えてしまう。
だが、ある程度の心の統合を達成している人なら、人生に対処する準備が整っているものだ。なぜなら、そういう人は人生の目的を悟っているからだ。自力で人生を切り開くためのエネルギーの存在については、さらにはっきりと認識していることだろう。

サターン 土星の心理占星学 P107

獅子座の土星は「本当の自分を見つける」ことで輝く

私は土星が1室(牡羊座を象徴するハウス)獅子座にあります。つまり、1室で獅子座というのは大変火のエレメントみあふれている配置です。
ですが、土星とは「土」の字の通り、火とは対照になります。つまり、火の性質がそのまま素直に生かしにくい。

超現実的な土星は、スピリチュアルな火のエレメントと対立してしまうんですね。筋肉ムキムキの男性が濃い化粧をしてフリルのついたオーガンジーのドレスを着ているような違和感があるんです。いや、個人的にはそういうのも非常に美味しく頂けますけど(←)

うーん、もっと適切な例えを探すなら、カタブツの大学教授(土星)がハロウィンパーティで錬金術師(火のエレメント)のコスプレをしている感じかな。いや、それむしろカッコよくね?(だめじゃん)

土星の影響は牡羊座で失墜フォールし、獅子座で損なわれるデトリメント。そもそも火のエレメントとは折り合いが悪いのである。

(中略)

火のエレメントにある土星がもたらす絶望感と虚無感は、権力を拡大させてきた人生に対する罰、つまり悪いカルマであるとも考えられる。だが、この解釈は、人生の目的がないことに悩む人にとっては、あまり役に立つものではない。

むしろ、努力を重ね、直観力を育てることによって、自分の本質を見極め、グループ内における自分の役割、そして一生のうちに果たすべき自分の役割を理解するための試練と捉えるべきではないだろうか。

そして、もはや意味のない価値観を打破し、迷信に基づく価値観を一掃すれば、錬金術が黄金を生み出すのに似た気質を発達させることができるのである。

サターン 土星の心理占星学 P98~99

確かに、火のエレメントである「直観力」を発揮し、獅子座の「自己主張」をすることは、私にとって大いなる土星的な課題、まさに試練でした。

スピリチュアルなことを話すとか、本当に無理だったんです。恥ずかしかった。
直感の鋭い火のエレメントに火星・土星・海王星を持つ私は確かに「ピン」ときたらそうなることが多く「ああ、これこうなるだろうな~」と感じることはありました。「うーん、それ上手くいかないだろうなー」と思ってみていたら、実際にうまくいかなくて「やっぱりねー」と思っていたりして。

それならそう言ってやれよ、って話なんですが、言わないんです。「だって、どうせだれも私の話なんか聞かないでしょ」って。なんなんだ、そのこじらせ方は。
きかなくても言えばいいのに、無視されたって結果そうなるんだから「ホラ、私の言った通りじゃない」ってドヤればいいのに、言わないんっすよ。

土星を「負のカルマ」としてみるなら、火の力を使ってきたことによるカルマともとれます。一番わかりやすいのは、霊的な能力を使ったがゆえに迫害を受けた過去世です。
確かに、私自身としてはそこを乗り越える必要がありました。スピリチュアルな力なんて使ったら、良くないことが起こる!って怖れがものすごかったのです。

太陽の司る星座(注:獅子座)に入る土星は不器用である。
だから、この位置に土星を持つ人は厳しい試練を受けることになるだろう。普段の装いのままではなく、自分の内的な中心を見つけて自己同一化を果たす必要があるからだ。(中略)

ひとたび自分のアイデンティティの秘密を発見してしまえば、二度と失われることはない。しかも、獅子座の最も魅力的な性質である自然な高潔さと輝きを常に表現することになる。その人はついに自分自身を認めたのだから、もはや他人に認められるか否かに一喜一憂することはないのだ。

サターン 土星の心理占星学 P 112 注は記事作成者による

昨今SNSで「いいね」やフォロワー数を競うような承認欲求が問題視されています。
承認欲求がなぜそこまで強くなってしまうかと言うと、結局はその人の内側に問題があります。現実(外側)で実際に認められているかどうかが問題の根ではないのです。だって、フォロワーが何万もいる芸能人が精神病んでるなんてふっつーですからね。「ねほりんぱほりん」に出てたインフルエンサーもめっちゃマウントしまくりで正直ちょっと病んでたでしょ~。

エラー - NHK

何万人もの人から注目されたって、承認欲求は満たされないんっすよ。「もっと、もっと!」ってなるだけ。海水みたいに飲めば飲むほど喉が渇く地獄。

だから、獅子座に星を持つ人は内面への探求がメッチャ大事になるんですよね。自分でまず自分を認めないと、獅子座のいいところが出てこない。悪いとこばっかでてきちゃって、パワハラ昭和のオヤジみたいなキャラクターになってしまいかねない……。土星だと特に。

獅子座にある土星は、自分を見えなくするため、自分を人々の賞賛の中に探さなければならないのである。
(中略)
星座、アスペクト、ハウスのどの組み合わせであっても、土星と太陽が一緒になると、影響力はさらに増大するからだ。この配置は、すべて自己セルフの発見と関連しており、ベールがはぎとられるために痛みを伴う。われわれの人生は多くのもの——自分の感情、信仰、預金残高、子供、才能、恋人など——から成っていることを幼いうちから教えこまれているが、自己というものに関しては教えを受けていない。
(中略)
だが、自分の進むべき道は自分の内側にある自己に向かっているという事実を理解すれば、どのような好機が自分に提供されているのかが見えてくることだろう。(中略)こうなれば、自分を完成させるために、もはやほかに必要なものはない。なぜなら、自己とは完全なものだからだ。

このモチーフは、多くの神話やおとぎ話に描かれている。自己こそが、竜が見張っている財宝、美しいお姫様の指輪に隠されている宝石、つまり容易には手に入ることのできない宝物なのである。

サターン 土星の心理占星学 P 113~116

表面取り繕って華やかにやりたい気持ちもわかるけど、「自分のアイデンティティの秘密を発見」しないと、いつまでも満たされないんっすよ。自分を満たしてくれるものは外側にあるんじゃなくて内側にあるんですよ。聖杯伝説かよ。

でも、それがわかると、本当に獅子座の土星はキラキラするんですよね。気高いリーダーの誕生です。

試練をギフトに変容したいあなたへ~土星についての記事

リズ・グリーン「サターン 土星の心理占星学」
40年以上前(!)に出版され、今もなお読み継がれている西洋占星術の名書。この本は、ごく基本的な知識だけあれば読めます。土星のもたらす試練とそこを超えた時のギフトを知りたい人向けです。何らかの苦しみがあって、乗り越えたい人に読んでもらいたい本。
サターン・リターンの子 ~ 試練の親子関係
29~30歳くらいに生まれた親と子の関係はなかなか難しいものになる。なぜなら、親にとって子供は常に「サターン・リターン」を思い起こさせる存在になるから。私も父にとってサターン・リターンの子です。リズ・グリーンの名著を引用しながら考察します。
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