前に出て頑張らないほうが、いいこともある

オタク ヒーリング

今井ムジイさんのマンガ「将軍の血」 。
徳川家光の男色家っぷりにスポットを当てている歴史マンガです。

将軍の血 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

徳川家光といえば武家諸法度や参勤交代などの制度をととのえ、幕藩体制を盤石にしたしゅっごぉ~い将軍様として有名です。江戸時代が280年も続いたのは家光の基礎固めがあったからこそと言えます。

でも、そのしゅごい将軍様・家光は「親に愛されない子」でした。

親に愛されない子がスゴイ将軍になるまで

家光(幼名:竹千代)の愛されなさっぷりは有名で、「将軍の血」でも描かれています。

【画像】将軍の血 1巻 将軍の血 1

愛されない長男と、可愛がられる次男。現代でもありそうなシチュエーションです。

心を取りもどしていく道のりでご紹介した「えりちゃんちはふつう」でも、三人兄弟で兄と姉は手をかけて育てられるのに、妹は放っておかれました。
良いことでは当然ありませんが、このように「よくある話」です。

家光が親から愛されなかった原因は色々言われていますが、国松(次男)の方がイケメン利発で、竹千代(長男)のほうがブサメン病弱でどもっててドンくさかったから、ともいわれています。

親が生まれた子を平等に愛するというのは、あるべき姿です。が、 現実としては難しい面があるのも事実です。
その子が生まれた時の夫婦関係が良好だったか、経済的に安定していたか、環境要因は良好だったか(例えば安心して暮らせる住環境だったか)などなど、親と子個人の相性以外にも色んな要因が絡んできます。

どうしても「かわいい子」と「かわいくない子」ができがち。
ペットを多頭飼いしている人はわかるでしょう。みんなかわいい子だけれども、やはり「一番愛着があるのは○○」というのが、どうしてもあるはず。

そして、「かわいがった子が大成するか」というのは、また別問題。
愛情をかけて育てた子こそが、長じて一族のトラブルメーカーになったりするのが、また人生の妙。

愛されて育った子どもの傲慢

父や母に愛されなかった子、竹千代(長男)。
ですが、彼は一族の家長であり将軍である祖父・家康には可愛がられます。

【画像】将軍の血 1巻 将軍の血 1

有名なエピソードですが、この家康の鶴の一声で「跡取りは竹千代」と周知されます。
不遇をかこっていた竹千代は、当然ですが、父母大嫌い&おじいちゃん大好きっ子♥になります。権力トップに愛されて救われる姿はまさに江戸の島耕作。後には伊達政宗からも尽くされる見事なジジイ殺しです。

今でも家業がある家やしきたりを受け継がねばならないような古い家は長男とそれ以外の子どもをハッキリ差別して育てたりします。それは、余計な争い、諍いを生まないための知恵です。

長男相続というのは、家を継ぐのに才覚がいらない(ぶっちゃけ誰でも継げる)場合に有用なシステムです。競争の激しい世界(商家や戦乱の武家)では才覚がないと潰れてしまいますから、有能な若手を娘婿にとる方が合理的。

金や権力があるところには、放っておいたら争いが生まれる。だから封建制のような序列をきっちりつけておくことが秩序の安定につながるのです。時代遅れに見えるでしょうけれども。名家とか金持ちの家ってのは、息苦しいものなのよ。

【画像】将軍の血 2巻 将軍の血 1

跡取りとして認められた竹千代に対して「冷や飯食い」国松は納得がいきません。

だって自分の方がイケメンで頭が良くて体も丈夫なのに、なんでブサイクで病弱でうだつの上がらない兄に家督を譲らなきゃならんのですか。いくら徳川の世になったからって、まだ戦国の世の匂いは生々しく残ってますよ!だいたい二代目将軍(徳川秀忠)だって兄を差し置いて弟がなってるじゃないっすか! 下剋上上等!!

愛されて育った国松は、まっすぐで正直です。
だって、自分の気持ちをストレートに表しても許される環境で育ったのですから。

お嬢さまお坊ちゃま育ちの人って、そうでしょう?
安倍昭恵さんも周りが凍り付くような空気読まないことニッコリ笑顔で平然と言ったりするでしょう? お嬢さま、お坊ちゃまってのはそういうモンよ。

愛されて育ったお坊ちゃま、国松は兄が後継者(将軍)確定しても、相変わらずイノセントに「愛されて当然、大切にされて当然」という態度。

「その方は、いつも兄を越して先に物を申すが、はなはだ宜しからぬことである。さように出過ぎては、行く行くは兄に憎まれるであろう」と何回となく訓戒をしていたが、母の愛を一身に受け、一度は将軍になる夢を抱いた忠長に効果はなかった。

【トンデモ将軍列伝5】父母の寵愛を受けた弟を自刃に追い込んだ将軍・徳川家光

そうして、兄を軽んじる行動が目に余った国松は江戸から甲斐へと(実質)流されます。

将軍の血2巻
【画像】将軍の血 2巻 将軍の血 1

そんで一族の鼻つまみ者、困ったちゃんになるのです。

お坊ちゃん~自分が頑張らないほうが上手くいく人

よく「三つ子の魂百まで」といいます。なのに、幼少期はビビリでどもりでパッとしなかった家光が、なぜ徳川体制を盤石にした名将軍と後世に名を残したのでしょう?

だって、家光は幼少の頃に「優しい所くらいしか見どころがない」くらいの評価を受けていたんですよ?(徳川実紀 – 大猷院殿御実紀「いと小心におはして、温和のみ見給えしが」)

家光のおっかちゃんは織田信長の姪で、ねーちゃんは豊臣秀吉のヨメ。戦乱の世をバリバリ生き抜いてきた女からすると「優しいだけの男なんざ役立たずのクズ」と思っちゃいますわなあ。

戦中派の母親が「戦争を知らない子どもたち」に戸惑うようなもんでしょうか。どこか信長の面影を感じさせる次男坊(国松)のほうを好ましく思ってしまったのも、むべなるかな。

わたしは、家光は長じてもやっぱり優しいというかソフトな気質の、これまた長男に典型の「ノンビリお坊ちゃん」だったのではないかと考えます。男色家としても女装好きなおネコ様だった噂もありますし…。ニャンニャ~ン😻

だけど、家光の功績はすごいものです。
なんでそんな素晴らしい体制を組織立てて作り上げられたかというと、家光が「自分でやらない(人に任せる)ことができる経営者タイプ」だったからではないでしょうか。

三代目ともなると、超有能な家臣が揃ってます。
ベンチャーとは違って、人材を選べます。実際、家光は選びまくりました(改易 – Wikipedia)。自分の力でやるより、頭いい人たちに任せたほうが良いのです。

そこを中途半端にプライド高い人間は「俺がやる!」って前に出て行っちゃいます。
多分、国松(忠長)もそういうタイプだったんじゃないかなと。利発だったようですし。

だけど、2代目3代目経営者って大抵坊ちゃん育ちだから、あんま陣頭指揮とらないほうが良かったりするんですよね。どっかズレてんだよ、やること。人柄は穏やかだったりするんだけど。

わたし、小泉進次郎氏、個人的にはもうオーラが黒すぎて目が死に過ぎててすごく苦手です。率直に言って、見てて気持ち悪い。あれをイケメンって、正気か?この数年間で人相悪くなりすぎじゃろ。顔崩れてきてるぞ??

これほど無能な人間を担ぎ上げて「なんかすごいマトモそうなこと」を言わせる。頭悪いから簡単なことしか言えないし、余計大衆ウケする。

これって例としては良くはないのですが「無能ボンクラ2代目・3代目」の優れたマネジメントケースですよね……。

わたしの知り合いで、二~三代目で上手く会社を回してる人って「ポワポワタイプ」です。土建屋とか荒っぽい業種ですら、(表向きは)柔和でニコニコしてる。「みんなに任せちゃえ~俺みんなのこと信じてるし☆」みたいな感じなんです。

逆に上手くいかないのは「自分が跡取りなんだからしっかりしないとタイプ」ですね。大塚家具タイプ。
坊ちゃん・嬢ちゃん育ちなんだから、そんなに背負えないんだよ。初代みたいにオラオラできないんだよ。どっか優しい(≒詰めが甘い)んだよ。背負いたいなら松岡修造みたいに家出して一回下積みからドブさらいしないと。

なのに、創業者タイプの男性性を実現して自分もコワモテにならねばならない!とか勘違いしちゃうともう悲劇。従業員も混乱するし、事業も傾く。でもって元々メンタル弱めだから酒に溺れてますます会社は傾く💦

やっぱ、お育ちのよろしいお坊ちゃん・お嬢ちゃんタイプは戦乱の世を鮮やかに生きた信長のようなタイプに憧れちゃ危険ですよ。実務は有能な部下にやらせちゃう家光タイプが成功の道ですね。

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