
クレイジー・ライク・アメリカ: 心の病はいかに輸出されたかは、タイトルの通り、アメリカから日本へ「うつ病」が輸入される様子を書いたドキュメンタリーです。
かのアメリカ帝国様は、音楽や映画と同じであるかのように、病まで輸出しやがったのです。日本という風土に、本来は合わない「うつ病」を。
よそはよそ、うちはうち。アメリカと日本は文化が違う!
つい先日、キム・カーダシアンが下着にKIMONOというブランド名をつけて商標登録しようとしたことで炎上しました。
当然ですね。着物はブラジャーでもパンツでもないです!!!

ほんと、アメリカ人の図々しさには呆れかえることがあります。もちろん、すべてのアメリカ人がそうなわけではないですよ。だけどね、「日本人の女の子って、本当に簡単にSEXできるから俺大好き!」とか面と向かっていってくるアメリカ人って一体何なの? そんな男と簡単に寝る日本人女性にもガッカリだよ…。
そして肝心の着物を売ってる人間も「ハーフの子を産みたいあなたに」とか言っちゃってて、もう本当にガッカリだよ……。伝統を守る気概がまったく感じられない。

70年以上経っても、気分は進駐軍のパンパンなんですね。
トランプのケツ舐めてるアベシンゾー様と、実にお似合いでございます。 日本は国民のレベルにふさわしい国家元首をいただいておりますことね。ハハッ、ハハハハハ……涙で前が見えないや。
キム・カーダシアンにもビックリですが、薬に関しても、アメリカ(グローバル)企業はビックリするくらい傲慢です。
製薬会社側との会話のなかで、アップルバウムは、彼らが一様に進化の方向はあらかじめ決まっていて、各文化がその諸々の発達段階にいるかのような発言をするのを耳にした。異なる文化は既定のレールに沿って進む道の途上にあるのだ、と。
アメリカの医薬品市場は、商品の認知度や(専門家および非専門家による)処方率の高さや由価格競争において進歩的であり、日本は十五年遅れている、とみな等しく口にした。中国は日本よりもさらに五年遅れているのだという。
利益の上がるアメリカ市場は、他のすべての市場を計る物差しになっていた。アメリカの文化は最も「進化」しており、我々の仕事は「この進化を加速させる」こと、つまり、他国にも自分たちと同じような道を歩ませることであると、ある役員はアップルバウムに語った。
クレイジー・ライク・アメリカ: 心の病はいかに輸出されたか P274 ※太字は記事作成者による強調
へえ、アメリカ様って神かな。神様なのかな。
このクサレas*ho** shut f*** up(以下ものすごく汚い罵倒)。
日本には、悲しみをじっと耐えて受け入れる文化があるんだよ。それはうつ病(精神疾患)じゃない!
悲しみや落ち込みや挫折は、生産性を低くする無駄なものではないのです。むしろ、人格を深く成長させてくれるかけがえのない経験なのです。
大体アメリカのメジャーな文化はポジティブ一辺倒でいちいち薄っぺらいんだっつの!!! 歴史の重みがないせいなの!? 価値観が軽薄すぎる!!! あーディズニー大っ嫌ーい!!!
良いことが一つもない人生は、生きる価値のない無駄な命か?

わたしが大好きな「壬生義士伝」。最近では宝塚で舞台化もされています。
下巻では、主人公の息子・嘉一郎が、死地・箱館に赴くことに。
そこで、妹や学友である千秋から「行くな」と止められます。当たり前です。負け戦だということはもうわかっているのだから。それでも嘉一郎を止められないことを、付き合いの長い千秋は察しています。嘉一郎は、父(主人公・貫一郎)の刀を腰にさしているのですから――
千秋は、嘉一郎に水杯を交わすことを提案します。
水杯というのは「今生の別れ」を意味します。もう嘉一郎が生きて帰れないことを、千秋も覚悟しているのです。
嘉一郎から水を差しだされ、千秋は思わず口にします。
「おめの杯など受けられね
みんながみんな 命欲しさに降参したのに
なして おめばかりが死ぬ?
十六の今日まで 何一ついいことなかったろが!
そんなおめが なして死なねばなんねんだ…」
苦労ばかりで何一ついいことのなかった人生。
しかも、いくさに出て若くして死ぬ運命。
「おめが、なして死なねばなんねんだ…」 千秋の言葉は全くその通りです。
だけど、結局千秋は嘉一郎を行かせてやります。水杯も、受けます。
この心情を、グラクソ・スミスクラインをはじめとする巨大製薬会社のエリートさんたちは理解できないでしょう。多分、肩をすくめて”Oh, LOSER?”と苦笑いでもするのでしょうね。無駄死にする負け犬だと。
「死ぬのがわかっている場所に行くなんて、全くナンセンスだ!彼は希死念慮があるに違いない!死にたいと思うなんて、DSMに照らし合わせても確実にうつ病だ!!
さあ、サインバルタとジプレキサを飲みなさい!!! ポジティブになって死にたくなくなるから!!!」
あーーーー。
アメリカ人になんて日本人の心境をわかってたまるかー!!! You SU**!!!
アメリカ人(製薬会社)のいう「うつ病(depression)」は軽すぎるんだよ!日本人の感情はもっと深いんだ!!! 「もののあはれ」「わびさび」こそを、価値あるものとして味わう民族なんだ!!!
侘(わび、侘びとも)とは、「貧粗・不足のなかに心の充足をみいだそうとする意識」を言い、動詞「わぶ」の名詞形である。
わび・さび – Wikipedia
「わぶ」には、「気落ちする」「迷惑がる」「心細く思う」「おちぶれた生活を送る」「閑寂を楽しむ」「困って嘆願する」「あやまる」「・・・しあぐむ」といった意味がある。
(中略)
俳諧での寂(さび)とは、特に、古いもの、老人などに共通する特徴のことで、寺田寅彦によれば、古いものの内側からにじみ出てくるような、外装などに関係しない美しさのことだという。
アメリカは「うつは心の風邪ですぅ~☆落ち込んだら薬のんでポジティブ!」って文化でやっていっていいからさ、日本を巻き込むのやめとくれ。
うつ病だけじゃない。発達障害だって結局、薬漬け人間製造のために定義したんだろ。天才の卵をそやって潰すんだろ。南方熊楠みたいな、簡単に支配できない真理を見通す人間が出てきたら困るもんな?

規格外の天才には、「発達障害」って社会不適合者のラベル貼りましょう!
薬を飲ませて脳を鈍らせて大人しくさせなきゃイカン!
アメリカだけでやってください、そういうの。いらん。
日本文化を解するアメリカ人
一応補足しておきますが、ここで「アメリカ人最低アメリカ人に日本文化なんかわかるか」というのはグローバルエリートや傲慢な製薬会社に向けたものです。個人としては、日本文化を深く理解するアメリカ人もおられます。もちろん、伝統文化だけではなくアニメやマンガを愛好するアメリカ人もいます。
ここでは、グローバルな暴力の象徴を「アメリカのメジャー文化」として語っています。アメリカ文化でも謙虚で素晴らしく、繊細なカルチャーもあります。
わたしが嫌悪感を抱いているのはアメリカ国家(グローバルエリート)による(精神科薬を押しつけることによる)文化の蹂躙行為であって、善良な心を持つ個人のアメリカ人に対してではありません。
マーケティングで増やされた「うつ病患者」
さて、日本人に「ちょっと気分が落ち込んだらそれはうつ病。精神科に通って薬を飲むべきだ!」という新しい価値観をうえつけるために、製薬会社は2000年あたりから大規模なマーケティング戦略に出ます。
そのキャッチフレーズが「うつは心の風邪」です。

啓蒙してますね~。
日本のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)治験導入の口火を切ったのが、明治製薬(現・Meiji Seika ファルマ)。向精神薬はリフレックスを売ってる会社ですね。
当時の社長は北里一郎氏。
北里一郎氏は有名な細菌学者の北里柴三郎氏の孫で、薬学の博士号は北里大で取っています。その北里大の医学部教授である、村崎光邦氏が「うつ”は、心のカゼである―ひきはじめに読んで効く!」という本を書く、と。
いやぁ、わっかりやすいですねェ~! 越後屋、そちもワルよのぉ~~。

「心の風邪」という表現は、同時に三つのメッセージを背負っていたことから、医薬品のマーケティング担当者の心に響いた。第一に、うつ病はかつて考えられていたような深刻な疾患ではなく、社会的に恥ずべきことではないということ。風邪の患者を見下す人がいるはずはない。第二に、うつ病の投薬治療は、咳止めシロップや抗ヒスタミン剤の服用と同じくらい手軽で心配無用であるということ。そして最後に、この言いまわしは、うつ病がどこでも起こりうつありふれた病気であるという印象を効果的に伝えた。誰でも時々は風邪にかかるのだ。
特定の処方薬について宣伝することはできなかったものの、各企業は公共広告の名のもとにスポット放送を流して、うつ病が疑われる人に専門家の助けを求めるよう促した。こうした広告のなかで、SSRIメーカーは、二〇世紀中ずっと日本人精神科医から理解されてきた内因性うつ病と、depressionとしてのうつ病を切り離そうとした。GSK(グラクソ・スミスクライン)社が出資したテレビCMでは、魅力的な若い女性[出演は女優の木村多江]が、こう呼びかけた。
クレイジー・ライク・アメリカ: 心の病はいかに輸出されたか P267~268
「いつからですか? いつから我慢してるんですか?」
そのグラクソ・スミスクラインが金出して作ったってCMがコレ。
ホッコリ癒し系装って人を病気に落としめてヤク漬けにする。ウシジマ君より数段えげつないですね。木村多江には失望しました。仕事選んでください。
こんなCMみたら、疲れてる人はみんな「自分は鬱なのかも」って思っちゃいますよね…。
このCMの含意は、北中にとって明らかだったという。
「うつ病が意図的に、あいまいで明確に定義されていない広範な人たちや不快症状に当てはまる可能性のあるものとして、描かれていました。うつ病と気分の落ち込みの違いを見分けるのは、『症状』が続く[一カ月という]時間の長さだけのようでした」
(中略)
患者擁護団体のように見せかけて、実際は背後に製薬会社がいるといったケースも多かった。UTU-NETというサイトは、一見、うつ病患者の擁護団体によるもののようで、実はGSK社が資金援助をしていたが、サイト訪問者にはその関連性がまったくわからないようになっていた。サイト上では、うつ病は一般的な疾患であり、抗うつ剤は脳内の化学物質のバランスを整えるためのものだといった内容が、キャンペーンの狙いそのままに強調されていた。
クレイジー・ライク・アメリカ: 心の病はいかに輸出されたか P268~269
わたしね、「うつ病チェック」的なものをやって「なんだコレおかしいな」って思ったんですよ。だって、あんなん簡単にうつ判定になりますわ。ちょっと疲れてたり落ち込んだ時にうつ病チェックやったら、もう高確率で「あなたは精神科に行くべきです!」診断が下りますわ。
だって、「誰にでもあること」をさも「うつ病の症状」のように取り上げていたから。
だけどこれも、「企業サイトにアクセスして、クイズ形式で自分がうつ病かどうか確認でき、うつ病ですとなれば、精神科に行って薬をもらうわけです」(P269)って仕組みの一環なら当たり前ですね。ああ、アホくさい!○○病チェックとかマジ信用ならないですっ!!!
一方で、マーケティング用語として使うとき、「心の風邪」という言いまわしには一つ問題があった。このたとえでは、緊急性が感じられないのだ。風邪で医者に行く人はほとんどいない。さらにまずいことに、風邪は自然に治るものなので、薬による治療は任意である。
これに対抗すべく、製薬会社は自殺率の上昇が耳目を集めていた状況を利用した。医療人類学者の波平恵美子は、SSRIメーカーがうつ病と自殺の関連性を証明するための研究に資金を提供していた、と報告している。
得られた研究結果はパンフレットにまとめられ、マスコミ各社に送られた。このとき、関連性を示せなかった研究は意図的に見過ごされた可能性がある。うつ・気分障害協会(MDA)もまた、『ジャパンタイムズ』の紙上で、「自殺者の九〇%が何らかの精神病に苦しみ、七〇%がうつ病に起因していると考えられる」、と主張した。[二〇〇五年七月一〇日]。
クレイジー・ライク・アメリカ: 心の病はいかに輸出されたか P271
この発言は、治療をしなければ「心の風邪」によって死に至るかもしれない、と暗に伝えているようにみえる。
なるほどね。
だから少し「死にたい」って言っただけでも「それは自殺願望だ!希死念慮だ!! うつ病なので薬を飲むべきだ!!」に繋がるわけですね。いや、強引すぎるわ。

じゃあここ10年で自殺者が漸減してる日本では、もううつ病の薬なんて飲まなくていいよね?
自殺が増えてるのがうつのせいだってなら、自殺が減ったのはうつの人が減ったからだよね?
え?うつ病でカモれなくなったら次は発達障害でカモるって?またまた御冗談を~アッハッハッハ~!
DSM-IVのアレン・フランセス編纂委員長も、DSM-IV発表以降、米国で注意欠陥障害が3倍に増加したことについて、「注意欠陥障害は過小評価されていると小児科医、小児精神科医、保護者、教師たちに思い込ませた製薬会社の力と、それまでは正常と考えられていた多くの子どもが注意欠陥障害と診断されたことによるものです」と指摘。「米国では、一般的な個性であって病気と見なすべきではない子どもたちが、やたらに過剰診断され、過剰な薬物治療を受けているのです」と述べています。
医者や教育者、心理学者の果たすべき役割は子どもたちを薬漬けにすることではなく製薬市場から自由にすることであり、もう一度「教育とは何か」「心理学とは何か」ということに立ち返る必要がありそうです。
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