よく40歳を「人生の折り返し地点」と言ったりします。
平均寿命を80歳と想定しての発言です。
しかしながら、それは直線的な(機械的に計測した)時間での話であって、実際の体感時間は違います。
現実には、歳をとればとるほど「月日は百代の過客にして」、時間は飛ぶように早く過ぎていきます。10年ひと昔ならぬ「10年前なんて昨日のよう」です。
ジャネーの法則で人生を積分してみる
子どもにとっての1カ月の長さは、老人にとっては1年相当の長さに感じられます。
子どもの頃は季節が巡るのが遅くて、「早く夏休みになんないかなぁ」とか思っていたのに、老人になるとあっという間に夏が来て気がついたら冬になっています。何の気なしにカレンダーを見たら一年が終わっていたりします。
この加齢に伴う体感時間のスピードアップを法則化したのがポール・ジャネです。

算出の仕方は数学的にアレコレ(積分だよ~)なので、計算式などを詳しく知りたい人は調べてください。
【参考】 ジャネーの法則 – Wikipedia
すなわち、時間の体感という視点で見ると、私たちの人生は20歳の時点で7割がもう終わっているんです!!「人生折り返し」といわれる40歳なんて、もう85%が終わってるんです!!
よく「若いうちにやっておけ」って言いますよね。
それは、若いうちは1年間でできることがたくさんあるからなんです。エネルギー的に細かく細かく時間を使うことができる。年を取ったら、ざっとしか使えない。あっという間に時間は無くなっていく。
だから、「人生は80年」なんて思って「まだまだ時間はある!」とドンと構えていたら、いつの間にか年を食っててやりたいことができないままに死んでしまうのですよー!!
信長は正しかった。人生五十年!そのくらいの気持ちで生きていた方が、悔いなく人生を終えることができるでしょう。
幼い頃のトラウマが深刻な問題になる理由
さてはて、このブログではインナーチャイルドケア(幼少期のトラウマの癒し)の大切さをたびたび書いています。

多くの人が、子ども時代の心の傷を軽く考えています。
「子どもの頃のことだァ?そんなのもう何年も前のことだし、覚えてないよ!」と。
しかしながら、ジャネーの法則をもう一度見てみてください。

子ども時代の体感時間って、実に人生の半分以上を占めているのですよ!!
子ども時代に体験したことが、薄いはずがない。むしろ濃縮濃厚なんです。
記憶に残っていなかったとしても、魂にはしっかり刻まれているのです。
そして、0才~10歳でも均等に時間を感じているわけではありません。生まれたときが一番時間を長く感じているのです。1歳になるまでが、一番長い。

10歳までの間で見ると、1歳半ですでに半分以上の時間を体験していることになります。それだけ、体験を濃厚に感じていくのです。
そんな時に、トラウマになるような出来事があれば深く心に刻み込まれるのは当然です。大切なのは、記憶に残っているかどうかではないのです。
ちなみに、わたしはかなりハードな状況で生まれたので、1歳くらいまでがガッツリ深刻に傷ついていて、本当に大変でした。父が倒れて社会復帰できるかどうかも危ぶまれるような状態で母は里帰りも出来ずに一人で出産し、産休3カ月で職場復帰してわたしは祖父母に預けられるという混乱した状態でした。
一番深刻な傷は、大抵覚えてすらいません。そして、すぐには意識に上がってきません。
わたしの場合、はじめてインナーチャイルドに接触したとき出会ったのは、3歳の頃の自分。妹が生まれて忙しい母に構ってもらえない寂しさを癒しました。インナーチャイルドの傷は、癒しやすい所から見えてくるのです。
よく育児で「3歳までは大事!!」と口を酸っぱくして言われる理由も、このジャネーの法則を使えばおわかりになられることと存じます。3歳までにどれだけたっぷりの愛情をもらったかどうかで、その子の人生は180度変わるといっても大げさではありません。3歳までのトラウマって、ちょっとしたことでもすごく深く残っちゃうんです!!
「どうせ小さな頃のことなんか覚えてないから~」なんて、軽く見ないでくださいね?
覚えていないような小さな頃のほうが、時間と体験の密度は濃いのですから。