家族がいるから安心?結婚すれば孤独死はしないの「ウソ」

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【画像】介護 |写真AC

明石の老人ホームで、91歳の男性が孤独死したあと死後2週間発見されない事件がありました。

老人ホームで男性孤独死 10日超気付かず 兵庫・明石: 日本経済新聞
兵庫県明石市の介護付き有料老人ホーム「パーマリィ・イン明石」の個室で暮らしていた男性(91)が5月22日に死亡しているのが見つかり、死後十数日経過していたことが31日、ホームへの取材で分かった。

高級老人ホームでも孤独死するという現実

死亡男性が見つかった時には「高度腐敗」の状態、要するにグチャグチャに腐っちゃてたので死因は今のところ不明だそうです。

この事件は
「老人ホームに入ってても孤独死するのか!!」
と社会に衝撃を与えました。

「結婚すれば孤独死しない!」「子供を作れば孤独死しない!」「金があれば孤独死対策できる」という幻想すら撃ち抜いたのです。
だって、亡くなった男性は結婚して子どもがいて、超豪華な高級老人ホーム(有料介護付き老人ホーム)に入居してたんですから。

華族どころか、金すらもう通用しないとは…

「結婚すれば安心!」
「子供を作れば老後も安心!」
「老人ホームに入れば安心!」
というのは、間違いなんですネ~。

【画像】傘寿まり子(1) 傘寿まり子 1巻
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この世に生を受けたということは、必ず死ぬということです。
生きている人間全員が、幻想の「安心」などにすがらず、「自分は死ぬのだ」という現実を見つめる必要があります。

この「老人ホームでの孤独死」は、自分へ死を問う良い機会となりましょう。

結構、本人は幸せなんじゃね?

さて、「老人ホームで孤独死」という衝撃を与えたこの一件ですが、遺族の方は施設の対応に不満が残るようです。

亡くなった90代の男性は遺体の状況から、通夜や葬儀では棺(ひつぎ)のふたにテープが張られ、遺族は顔を見られなかった。棺に花を入れることもできず、遺族は「きちんとお別れもできなかった」と悔しさをにじませる。

 男性は2000年、妻と一緒に入居。妻が04年に亡くなった後も同じ部屋で1人で暮らしていた。「子どもたちに迷惑をかけたくない。誰にも気付かれずに死ぬのも嫌」などと語っていたという。

神戸新聞NEXT|総合|遺族、施設の対応に悔しさ 明石の老人ホーム孤独死

確かに「誰にも気づかれずに死ぬのも嫌」というご本人の希望は叶えられませんでした。しかし、「最後まで誰にも看護・介護を受けずに死ぬ」という大往生を遂げたという意味で、この方は非常に満足度の高い生き方を最後まで貫かれたと言えないでしょうか。

男性は日常的に「できることは自分でする」などと話していたが、家族はスタッフに「本人は嫌がると思うが、様子を見てほしい」と伝えたという。

神戸新聞NEXT|総合|老人ホームで90代男性が孤独死 明石の施設2週間気付かず

憶測にすぎませんが、この男性は非常に自立心の強いタイプの方とお見受けします。自分の面倒は自分で見ることを誇りに思い、生活なさっていたのでしょう。レストランも併設される豪華老人ホームなのに、自炊なさっていたのです。「家事は女の仕事だ!料理などやらん!」とふんぞり返るような「昭和のオヤジ」とは一線を画しているように見えます。

15年前に一緒に老人ホームに入居した妻に先立たれて、一人で過ごす。
これ、男女逆だと「ワーッ!ダンナがいなくて自由♪楽しいわねーっ☆」って話になります。しかし、男性の場合は妻に先立たれるとガックリ弱くなっちゃう人が多いんですよね。入水自殺した西部邁さんも、奥さんに先立たれてからもうガクーっと来ちゃったようですし。
【参考】西部邁さん入水自殺真相 – zakzak

その男性にとって、妻に先立たれてからの15年間は、「死を待つには長すぎる時間」だったのではないでしょうか。

家族の方はスタッフの見回りを頼むときに「本人は嫌がると思う」と言っています。見回りを嫌がるような人だということです。「いやいや、大丈夫、大丈夫だから」と、一人にしておいてほしがるタイプだということですね。

「まだ死にたくない!生きていたい!!」と思ってるなら、常駐する医療スタッフに「具合が悪いんです」と訴えていたはずです。そういう場合はスタッフも「では、しばらく定期的に、●曜日の○時に健康管理室に来てくれますか?」と安否確認の機会を作っていたでしょう。

だけど、男性が訴えたのは家族に対してだけで、スタッフには話していませんでした。
「体調不良をできれば隠したかったけど、顔色が悪くて気づいた家族にはうっかりポロッと漏らしちゃった」という心境だったのでは。「できるだけ最後まで一人で自分の命を全うしたい」と。

その気持ちを鑑みるに、防犯カメラには9日に買い物に出かけて(一人で出歩けるくらい元気)10日には亡くなっていたということは、まさにピンピンコロリを地で行く大往生。
ものすごく「上出来な人生」に見えます。管だらけになって胃に穴をあけられてまで生かされるよりは、延命治療をせず潔く死にたい。そんな尊厳死を望むような人には、理想の死に方とも言えます。

わたしは、個人的にこの男性の死に方がうらやましいです。
わたしも人生最後の一日まで、自分で作ったご飯が食べたいな。いいなぁ。
あと、一人で死ねたのもうらやましいです。わたしも誰からも看取られず一人で旅立ちたい。

部屋に誰もいなくなってから死ぬ人が多いのに、気づいたことがあるだろうか? 愛する者に「さあ、向こうへ行きなさい。何か食べていらっしゃい」とか「行って少し眠ってきなさい。わたしはだいじょうぶだから。明日の朝、また会おう」と言う者さえいる。そして、親衛隊が去ると、魂は守られていた身体から離れる。

もし、「わたしはもう死にたい」と言ったら、集まった家族や友達は、「まさか、本気じゃないでしょう」とか「そんな言い方をしないでください」「がんばって」「わたしを置いていかないで」などと言うだろう。

医療専門家はみんな、ひとが安らかに、尊厳を持って死ねるようにするのではなく、ひとを生かしておくように訓練されている。
医師や看護婦にとって、死は失敗なのだ。友人や親せきにとって、死は災いだ。ただ、魂にとってだけ死は救い、解放だ。
死にゆく者への最大の贈り物は、安らかに死なせてやることだ。 「がんばれ」とか、苦しみつづけろだの、本人にとっての人生最大の転機に、まわりのことを心配しろだのと要求しないほうがいい。

神との対話―宇宙をみつける自分をみつける P109~111

元介護士が見る「老人ホームでの孤独死」

日本で老いて死ぬということ―2025年、老人「医療・介護」崩壊で何が起こるか

わたくし一応、介護福祉士の資格を持っております。昔、実務経験つんでニチイ学館 (ユーキャンより安かった) の通信講座とって働きながら勉強して、国家試験受けて取得いたしました。

その有資格者で介護職経験のあるわたしがこの事件のことを知って、真っ先に思ったのが
「スタッフ、不足してるんじゃね?」
ということでした。

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既婚金持ちすら孤独死する世界でどう生きるか

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