
LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。
「新潮45」2018年8月号より
ふむふむ。子供を作らない人間は生産性が無い。
生産性がないと税金は使えない。つまり、生産性がない人間は価値が無い、と。
ならば、なぜそもそも、生産性が無いのが悪いことなのでしょうか。
やっかいなモンスター「生産性」
近世まで、支配者層にとって「生産性が高すぎること」はよくないことでした。
なぜなら、必要以上に生産力があると、その力を持っている人間が資産を蓄えられます。そうなると、自分たちの立場が危うくなる。
民に対しては「生かさず殺さず」が基本。
食うや食わずやのラインで生かしておくのが一番支配しやすいわけです。(ん?なら昨今の子どもの貧困ってば好都合なのかしらん???)
江戸時代の参勤交代などが典型例です。
大名たちに無駄な出費をさせることによって、豊かにさせ過ぎない。自分たちを凌ぐまでの力を持たせない。どっかのガチャ廃課金ソシャゲみたいですね☆
近距離には親戚をおいて(親藩)、中距離には忠義に厚い臣下を置いて(譜代)、遠距離の地方には血縁や信用の薄い人間を置く(外様)。それによって、自動的に血縁の薄い人間を冷遇できて肥え太らせないシステム、それが参勤交代。頭いいですネ~☆
しかし、産業革命後、この「生産性」というのはどうしようもなく強烈に拡大するモンスターとなります。
なぜなら、テクノロジーによってドンドカドンドカ物が作れるようになってしまったからです。
そう、ここで「みんなで余ったものをシェアすればハッピー☆」にすれば、民は潤った。テクノロジーが多くの人を豊かにするユートピアとなる、はずだった。
だけど、そうはいかんざき☆彡(唐突な風評被害)
そうそう、物を作られて貧乏人に豊かになられると、自分たちの立場が危うくなっちゃう!
生産性は、悪だ!!
だけど、そうもいってられない事情がありました。
なぜなら、資本主義というのは「作って作って作って作って作り倒す」拡大再生産、「成長しなければ死ぬ」というシステムだったからです。Grow or Die★★★

イエエエェ~~ス!スクラップ アンド ビルド―!!!
というわけで暗黒の破壊神が誕生し、ダークシュナイダーがヨーコさんを振り回す歴史が生まれるわけですけど、それはまた別の世界線でしたね。
動画 1:55~
地球少女アルジュナ 第11話 ゴミからできた薬
産業革命の時代にいろんな化学物質が大量生産されるようになったのは知ってるでしょう?
それで、たくさんのコールタールや産業廃棄物が出て処分に困り果てていたときに科学者たちがそれを再利用して薬に変える方法を見つけたの
生産!生産!生産!!!とにかく生産!!!
生産しまくったら余ってゴミが出る!?気にすんな!!
ゴミが出たって地球に毒をばらまいたって生産生産生産!!!生産じゃぁ~!ヒャッハァ~!
大量に作って、大量に捨てろ!!
それが資本主義の生き残る道!!!
生産性が無いなんて、クズオブクズだ!!!!
生産性が無いって、本当に悪いことですね!!
生産性の無い奴に使うリソースなんてないですね!!!
子供を作らない生産性の無い人間なんてクズでカスですね!!!!
「生産性の無いヤツは早く死ね」

障害者は生産性が無いから死んだほうがいい。
2016年7月26日未明、植松聖被告は津久井やまゆり園に侵入して、障害者19人を殺害、多数に重症を負わせました。
そんな死刑囚候補、植松被告は宮崎勉死刑囚についてこんなコメントを残しております。
【8月2日付、植松被告の獄中からの手紙】
「ヒトラーとは考えが違う」植松聖被告が獄中ノートに綴った本心
同封してもらいました「ドキュメント死刑囚」を拝読させていただきました。宮﨑勤に関して執行までに12年かかっているわけですが、1食300円として食費だけで12年間で432万円の血税が奪われております。
死刑囚は金がかかるから早く殺せ。
死刑囚は生産性が無いからです。
生産性が無いのは悪だからです。
うぅ~ん、実にコスパ最強☆彡
効率的思考ですねっ!!!杉田水脈さんと気が合いそう♪♪♪
知的障害のある息子を持つあるテレビ記者は、植松被告に問いかけます。
神戸記者は胸に抱いてきた疑問をぶつけました
神戸「あなたは役に立つ人間と役に立たない人間との間に線を引いて人間を分けて考えているようですよね。
もしかするとあなたは『自分は役に立たない人間だ』と思っていたのではないですか」植松「大して存在価値が無い人間だと思っています」
相模原連続殺傷、被告との対話 なぜ障害者ばかりを? TBS NEWS
神戸「もしかしてあなたは事件を起こしたことで『役に立つ人間』の側になったと考えているのではないですか」
植松「少しは『役に立つ人間』になったと思います」
そう、「生産性」を極めると、人ってここに行き着くんですよね。
植松被告が私たちに教えてくれる学びとしては、このことに尽きるでしょう。
資本主義的には生産性はものすごく大切です。
なぜなら、資本主義は生産性の向上(経済成長)なくしては、継続不可能なシステムだからです。
だから、とにかく生産性生産性生産性。
生産性がなくて社会に役に立たない人間はゴミ。
奥田さんは植松容疑者が「自分は役に立たない人間ではない」と証明するために事件を起こしたのではないかと考えています。
「意味のない命を殺すことこそ社会のためになる」という主張を果たすことで植松被告自身が「役に立つよ」「生きてる意味あるよ」と承認欲求というか
生産性の証明というか時代の圧力の中で植松被告自身もあの選択をしたのではないか
「役に立たない人間は排除しろ」「生産性低い人間は意味がない」と
彼の言葉じゃなく時代の言葉として語られてきたことその論理が通用するなら障害者だけじゃない
相模原連続殺傷、被告との対話 なぜ障害者ばかりを? TBS NEWS
当然高齢者に向くし 今問題の引きこもりも
この事件は今ここで本当にみんなが考えないと とんでもないことになる
あなたは役に立つ人間ですか?
以上、「生産性を極めた人間」植松聖被告の姿をご紹介しました。
さて、あなたは生産性のある人間ですか?
社会の役に立っている人間ですか?
あなたは、自分が生産性の高い人間であるべきだと考えますか?
自分の存在を肯定するために、生産性は必要ですか?
人間の最大の妄想は自分が為すことができると思い込んでいることだ。人は皆何かできると思い込み、またしたいと思う。だから、誰もが最初にする質問は、私は何をすべきか、となる。しかし実際は誰一人何もしないし、またできもしない。これをまず理解しなさい。すべてはただ起こるのだ。人間に生じること、彼によってなされたこと、彼から出てくるもの――これらはすべて起こるのだ。(P44)
「人は機械であることをやめることができるのですか」
(中略)機械であることをやめることはできる。しかしそれにはまず機械を知る必要がある。機械、本当の機械は、自分を知らないし知ることもできない。機械が自分を知れば、それはもう機械ではない。少なくとも、以前のような機械ではなく、すでに自分の行動に責任をもちはじめている。(P41~42)
奇蹟を求めて―グルジェフの神秘宇宙論