女が男性性を、男が女性性を取りもどすとき

ホロスコープ
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ここ数年のわたしは、「苦手」な火星期を過ごしてきました。
どういう風に苦手で、どういう風に過ごしてきた(課題がやってきたのか)は、以下の記事に詳しく書いてあります。

わたしの火星は獅子座2室で、わかりやすくワンマンな女王様です。(火星の星座ってどういう意味?と思われた方は、ホロスコープを作ってみてください→ ホロスコープを無料で作成!初心者でも簡単♪運勢も診断できる。

自分の火星のイメージ画
今見ると勘解由小路無花果みがすごい。

2室火星って、「やる気さえ出せば自分の才能でガツガツ稼げる」というありがたい配置です。実際、私はお金に困ってません。

ですが、わたしにとってこの火星というのは他人(主に近しい男性)に投影して預けちゃいたいくらい、苦手なエネルギーでした。

私もいくつかのブログ記事で、縁のあった男性に関する描写をしていますが、鋭い星読みの方はその男性の中に「しし座要素」を感じとられることでしょう。そう、わたしもパートナーに火星を預けてしまっていたのです!自分で使いこなしにくい苦手要素だったから!

「私、○○座だけど○○座っぽくないんだよね」の理由

それを自分で使いこなせ!となっても「ヒエエ~!無理~~」と怖気づいて、ちょっと火星的攻撃性が出るとブルブルしていたものです。
しかし、火星のエネルギーを使う(わたしの場合は獅子座的ワンマンオラオラ「うるさい!四の五の言わずに黙ってアタシについてきな!!」的ふるまい)と、人生は見事に上手い方向に転がっていくのも、目の当たりにしました。

わたしは、この十年近い日々で、自分の男性性を開花させていくミッションをこなしていたのです。
いや、わたしだけではなく、火星期(36~45歳 )を過ごす女性は、多かれ少なかれ「大人しく受け身であっては上手くいかない」「周りの意見に合わせて流されているだけでは自分の思う通りにはならない」という状況を体験するのでしょう。
もっと噛み砕いていうなら「もはや自分はニコニコしてれば丸く収まる若い娘ではなく、オバハンとしての図太さを獲得して強かに生きていかねばならんのだ」という課題でもあります。

この課題は、実に大切なものです。
なぜなら、内なる男性性と女性性のバランスをとるために、女性は男性性を獲得せねばならないからです。

女として生きていると「そんなことしちゃダメだ」とか「女の子なんだから足を開いて座るな」とか、本来持ち合わせている男性性は抑圧されがちです。競争が好きでガッツある女は男社会で煙たがられ、「怖えぇw」と後ろ指をさされます。英語でも男性に対して使う”aggressive”は褒め言葉なのに、女性に使うと「でしゃばり女」という意味合いを帯びます。

しかしながら、「女らしく」だけで生きていては、限界が来ます。それが女性にとっての火星期(36~45歳 ) です。
ここで「自分の中の男」を取りもどすことができると、女性は両性具有のワイズウーマンへと成長していくことができます。

「原始社会では(中略)病気、死で文化構造が揺らぐと老女を頼りにしました。そうした重要な局面で人は自分たちに動物的な面があることを思い出し、自分の限界を考えるからです」。トゥー・スピリット同様、両性具有のワイズウーマンはシャーマンになりました。

世界を創る女神の物語 ─神話、伝説、アーキタイプに学ぶヒロインの旅
CHAPTER31 全てを知る女:ワイズウーマン(老賢女) P415

なぜこの中年のタイミングに男性性を取りもどす必要があるのか。もっと早くてもいいんじゃないか。そう思われた方もいるかもしれません。

確かに、人にとってはもっと早い段階で男性性を発揮する場合もあるでしょう。
ですが、第二次性徴が起きて、肉体が成人の形になって落ち着くまでは「肉体の性」に慣れておくことも大切です。なぜなら、自分の肉体の性をないがしろにしたり抑圧したりすると、肉体(生殖器等)が壊れがちになるからです。

自分の肉体の性を受け入れることも、大切なミッションです。それが一段落した中年だからこそ、逆の性をとりもどすチャレンジがより安定して行えるのです。

逆に、若い頃に既に男性性を発揮しまくってオラオラで働きまくって男のようにふるまってきた女性は、中年期で女性性のミッションがドカンと降ってくることが多いようです。どちらにしろ、バランスを取るために「自分がやってこなかった(苦手)分野」を開拓する必要が出てきます。

男も、女性性をとりもどすことで豊かになれる

今までは女性の話ばかりしてきましたが、男性もそうです。男性も、人生のある地点で立ち止まり、「男らしさ一辺倒」の生き方を一旦やめて、女性性を取り戻していく必要があります。

男性も女性同様に柔軟性を得ます。退職後、家庭での役割が重くなければ、色々と自分探しをする余裕が生まれます。「老人になると、戦士として戦ってきた時に抑えてきた『女性的な』面を回復できます。逆に、女性は(中略)抑えてきた男性的な面が取りもどせます」。老年期の人々は隠れていた能力を見つけ、社会に生かすことができます。


世界を創る女神の物語 ─神話、伝説、アーキタイプに学ぶヒロインの旅
CHAPTER31 全てを知る女:ワイズウーマン(老賢女) P416

ここでは退職後とありますが、 西洋占星術の惑星の年齢域で考えるならば、木星期(46~55歳 )が一番良いチャンスでしょう。

土星期(56~70歳 )や天王星期(71~84歳)に女性性を花開かせるって、性質的に結構難しいと思うんですよね……。天王星にまで行くと、そもそも現世寄りじゃないから、男性と女性に分離しにくいし。

そう考えると、定年後の男性が妻のお荷物になったり家族の嫌われ者になりがちなのも、むべなるかな。仕事ばかりしてきて女性性の開いていない老年男性ほど、わかりやすく老害な存在もいません。女性性、大事!

老人ホーム経営している友人の話によると「元社長の名刺を持つ老人はだいたいつまらない人で老人ホームでは人気がない」と言うのです。

それはそうでしょう。老人ホームではもう昇進する必要もなければ金儲けをする必要もないので、大企業の元トップであろうか元外交官であろうが、話し難くてユーモアのない人には誰も用はありません。

仕事バリバリやってないで、ある程度「窓際」だった人のほうが、定年後暖かい人間関係を築いていける傾向。それは、もしかしたら木星期にちゃんと「ママみ(鷹揚さ、包容力)」を育ててきた成果なのかもしれませんネ。

とにかく、男でも女でも、中年以降に自分の肉体ではないほうの性を目覚めさせてバランスしていくことが大切だということです。
陰陽を揃え、両性具有になっていくことで、魂は全体性を取り戻していくことができます。

世界を創る女神の物語 ─神話、伝説、アーキタイプに学ぶヒロインの旅
ヴァレリー・エステル・フランケル
フィルムアート社 (2016-10-21)
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