わたしは散々クッソ「或るアホウの一生」というマンガを推していますが、実は、このマンガの中に明確な推しキャラはいません。
わたしがこのマンガを推しているのは、キャラに沼るからではなく、ひたすらストーリーと人物描写がすばらしいからなんです。わたしにとってアホウはキャラ萌えマンガではありません。人間漫画です。
そもそも、このマンガは将棋の漫画なんです。
大大大好きな体育会系脳筋がおらんのです。推しようがないです。
深刻なる筋肉不足!!!!ギブミー筋肉!!!!!!
天海祐希ねえさまが世界の絶対的真理をといておられる……
さあ、あなたも筋肉教に入信するのです……
筋肉はあなたを救う……(真顔)
ですが、ちょびっとだけ体育会系的棋士も出てきます。
向井さんです。
【画像】或るアホウの一生(1)
ひょほー!!タックル強そうな男っ!イイネー素敵っ!!
主人公の高以良は、そんな向井さんから一勝をもぎ取ります。
そうすると、向井さんは、泣くんです!!!!
【画像】或るアホウの一生(1)
うわーーーーーヤベエエーーーーやっべええええーーーー
どストライクだよこの人!!!
私、この人好きすぎる!!!
「え、何?男が泣くとかドン引きじゃん」とかいってる君はわかってない!!こういう体育会系マッチョ男こそが、中身的にはよわよわのバンビちゃんなんですよ!
肉体として見た女性は、エーテル体ではおっさんです。人を平気で殴ったり蹴ったり、人にガン飛ばしたりしています。反対にがちむちの男性は、エーテル体ではかぼそい女の子です。大切にしてあげないとすごく傷つきますよ。
強く見える男こそが、一番弱い。弱く見える女こそが、一番強い。
これこそが(二元性の)世の真理です。
強い男が泣くとグッとくる心理
26:01~ なんで勝新が女に人気なくて雷蔵が人気あるのかよくわかった!見た目だけの問題じゃない 勝新は父性
これね~わたしとしては「なんで自分の好きなキャラが不人気キャラなのか」ってのがわかりましたよ。だって、わたしが好きなのは雷蔵よか勝新だもん。
こういうことをいうと、「強い男が好きなんだな!」と思われるかもしれません。
ですが、勝新を見て「強い男だ!男の中の男だ!」だなんていう人は、人を見る目がなさすぎます。人間理解が浅すぎる。勝新なんて、どう見たってよわよわの繊細ちゃんじゃろ。
こういう男は、表面の「男らしさ」に反して、内面は非常に柔らかくて弱いところがあるものです。男相手には虚勢を張って見せないかもしれないけど、近くにいる女にはそれが見えます。
勝新だって女の前じゃメソメソ泣くんです。
ホテルにチェックインし、部屋に入ったとたん、利夫さん(注:勝新太郎の本名)が急に声をあげて泣き出したのには、何事かとびっくりしました。男の人がこんなに激しい泣き方をするのを見たのは初めての経験です。
(中略)
その嘆き悲しむ姿に心を打たれ、私はごく自然に自分から利夫さんに抱きつきました。はじめての経験です。激しい抱擁――これが本当の愛だとわかりました。そして、長い間、この人を苦しめていたことに気づかなかった自分が、とても傲慢な女だったと実感しました。芸妓峰子の花いくさ―ほんまの恋はいっぺんどす P207~208
注は記事作成者による
泣いている姿を見て「うわドン引き」じゃなくて「私この人好き!本当の愛!」なんですよ。
だけど見た目からしてあからさまに繊細そうな文学青年やアーティスト(バンドマン)が泣いてても「あ、泣いてる」で終わるんですよね。ティンとは来ない。コワモテの硬派な男が泣いているからこそいいのですよ!!筋肉!!!(結局そこ)
でね、上に引用したのは勝新太郎の愛人であった岩崎峰子さんの本の一節なんですけれども、勝さんは結局妻の中村玉緒さんとは別れないんです。岩崎峰子さんは、それはそれは美しくて才覚もある素敵な女性なのですよ。映画SAYURIの主人公のモデルであったとも言われています。
けれども、パートナーには玉緒さんのほうがいいのです。
その気持ちが私にはよくわかります。女として峰子さんが劣っているというわけでは決してありません。
だけど、生活を共にする、長い間一緒にいるには玉緒さんのほうがバランスが取れるのです。
玉緒さんはおにぶです。「あてにはわからしまへん、ドワッハッハ~」です。
勝さんのような神経質で天才肌の人間に、同じく峰子さんのような切れ味鋭い芸の道を行く才能ある相手は、一緒にいすぎると辛いのです。お互いがお互いを刺激し合うことで、感覚が鋭敏になりすぎる。
もちろん、時々会って過ごす分にはそれは「自分を成長させてくれる良い刺激」です。恋愛としても、さぞや熱く燃え上がることでしょう。
だけど、四六時中アンテナびんびん立ってたらメンタルやられちゃいます。最悪、太宰や有島みたいに心中しちゃいかねん。
寄りそわないからこそ、救われる
演奏家のある友人は、一生懸命一生懸命やっても今一つで煮詰まってグルグルしてる時に、パートナーから無神経な横やりを入れられるそうです。
「そんなに一生懸命がんばってどうすんの」と。
そこで、彼女は「あっ、ホントだ!今日はもうやめとく!」って切り替えができるんだそうです。彼女の音楽を理解して寄りそうのではなく、無理解で無神経に言い放つ一言が、彼女を救うわけです。
わたしが「絶対体育会系命!文化系にNO!体育会系にYES!!」とうるさく言うのも、ここです。
文学青年やアーティストやバンドマンみたいな繊細で感性の発達した相手と長時間一緒にいたら、感覚が増幅されて鋭敏になりすぎて辛いです。(短時間なら刺激的で楽しい)
それよりも「何そんなどうでもいいこと(どうでもいいことではない)考えてんだよ。クソして寝ろ」って言ってくれる人がいいわけです。そしたら「あっ!クソして寝る!」って思ってブリブリうんこして寝て朝にはスッキリ爽快なんです。メンタル病まないんです。
ここで「そうなのか、なるほど」って気持ちに寄りそってくれる人だと一緒に病んじゃう。
私が求めてる言葉は「なるほど、じゃあスピリチュアルなヴァイブスとして5次元空間では――」じゃなくって「うるせー知るか。クソして寝ろ!(脳筋並感)」なんですよ。わたしの感覚の鋭敏さを緩和してくれる無神経な粗暴さが非常にありがたい。(ただしこれは自己肯定感がベースにあること前提なので、自信のない子は承認・受容されないことでつぶれてしまいますから真似しないでください)
よく「夫婦は似てくる」と言いますが、それは相手の性質をお互いに取り込んで個人としてバランスされてきた結果とも言えます。(そして、もっというと、そうなってくると既に相手すら必要なくなってくるんだよね~。内なる両性具有…)
わたしは冥王星てんびん座世代(大体1971~1984年)なので、深く探求していくと結局バランス厨になります。これが蠍座世代(1984年~1995年)になってくると「バランス?知るか!突き詰めりゃいいんだよ!好きこそ大事!!」になってくるわけですけど、わたしは一番深いエネルギーを突き詰めると「やっぱりバランスって大事だよ」に行き着くんですよね。
【参考】冥王星でわかる世代ごとのキャラ 1990年生まれは蠍座世代、何でも掘り下げるキャラ!
だから雷蔵より勝新。
自分と性質が馴染みやすいのは、雷蔵のほうなんですよ。だけどバランス考えたら勝新なんだよ。
勝新は見た目強いけど中身は弱い。
わたしは見た目弱いけど中身強い。
私、見た目はフニャフニャしてて女性性全開だから。
この動画を聴いていただければ、本当にわかりやすいと思います。声は女っぽい(弱そうな)のに話している内容があまりにもエグすぎる。っょぃ。女は怖い。見た目で判断したらイカン。
ちなみに、見た目も中身も弱い人は見た目も中身も強い人と一緒にいるとバランスします。だけど、どっちも弱いってことは本当はないんだけどね。弱い人は強いから。
「私メンタル弱くて」って人「どの口がいうとるねんワレ」って人結構いるんですよ。エネルギー的にはメチャ強いのに、それを認めようとしないんだな。自分の強さを受け入れようとしないんだよ。意味が分からんよ。弱者でいたいのか。
食べすぎたら胃が痛んだ。どうも私の胃袋は弱いと申す人がいた。
食べ過ぎて胃袋が痛むなら、これは当然、正常な胃袋だったと言えよう。
弱いということに結びつける理由はない。使い方が下手だったといえるだけである。
世の中には、自分の体の使い方が下手なのに気づかないで、自分の体が弱いと思い込み、自ら弱くしている人が存外多い。風声明語2 野口晴哉
ともかく、わたしは「自分のバランスをとってくれるような相手」を求めます。それが安楽なのです。
心が分かち合えることより、エネルギーがバランスする方が大事。バランス厨。
相手にコミュニケーションではなくバランスを求めているのです。
