toggle
2018-06-27

距離があるからこそ、愛は美しく花開く

あなたの内の男と女 -愛と自由を手に入れる魔法-

「どうしてまたこのパターン?にはまるワケでご紹介したサガプリヤ・デロングの「あなたの内の男と女」。
サガプリヤはアメリカ生まれでイタリア在住です。

この本は英語版もあるのですが、Amazon.com(アメリカ)でのレビュー数はAmazon.co.jp(日本)のレビュー数の1/4(2018年6月現在)なんです。

これ、ちょっと面白いなと。
この本がアメリカより日本で反響があるということです。
その理由が日本とサガプリヤの住むイタリアの共通項にあるのではないかと思いました。

すぐに彼女のこと、母親と子どもたちが見えてきます。しかし子どもたちは母親のところに奇妙なやり方でやってきます。まるで彼女に子供たちがなくてはならないかのようです。磁石のように子どもたちを引き寄せて、自分の周囲にくっつけるようです。
(中略)
私からすると、そのいずれもが、母親が子供たちに依存的で、彼らが母親の人生で男性パートナーの役割を演じていること(イタリアでよく見られる問題)の表れです。

次に右足に行くと、男性像もすぐ見えます。彼は「しぼりかす」のように、母親と子供たちに全ての空間を奪い取られてしまい、自分の居場所がほとんどありません。二つの壁に挟まれて両腕と両足を縮めていなくてはなりません! 腹立ちのあまりぶつぶつ言っていますが、いっこうに反抗心を示すことなくただ惨めそうにしています。

この(イタリアでよく見られる問題)
これってば、日本でよく見られる問題でもあるでしょう!
母子癒着で子育てに依存しきる母親。父親は妻子から疎外されて居場所がない。家に帰りたくないサラリーマン夫あるあるです。

「夫婦関係が上手くいかないから子どもをパートナーに仕立てあげる」
この問題点は多くの家族問題の書籍でも指摘されるところです。そうされてしまうと、子どもは健全なパートナーシップを学べずに育つしかありません。

以下は「夫婦の関係を見て子は育つ―親として、これだけは知っておきたいこと」カスタマーレビューの一つです。

思い切りウチの両親のことが書いてありました(‘;ω;`)
モラハラという程でもなくアルコール依存でもないのですが、「自分の人生を生きていない分、他人の人生にスルスル入り込みます」「支配者という心地よい座を捨てようとしない」…。
で夫婦仲は「夫婦の関係さえ維持されていれば、親子の関係はどうにでもなっていくのです。夫婦が人と人として会話し、情緒を通わせているかどうか。男女が愛し合うことができることを、子どもに示しているかどうか」の真逆だし(‘;ω;`)
という風に、かすり傷程度かも知れないが本人は結構ツラい私のような程度の例から、深刻なDVや虐待の事例まで、いろいろなレベルの話が載っております。
私の場合は親との関係をズバリと言い当てられた箇所が何箇所かあり、同じような悩みを持った方が世の中にいるのも分かってだいぶ救いになりました。

なのに、日本ではまだ気軽に言うのです。
「ダンナがダメなら息子を恋人にすればいい♪」と。

シマジ  俺は祝いの言葉よりももっと実践的な処世術を教えよう。オジンくさい亭主の代わりに、相談者が結婚後に本物の愛を注げる恋人を手に入れる方法だ。これさえ知っていたら、相談者の人生は愉しく満ち足りたものになる。

ミツハシ おお、やっと「乗り移り」らしくなってきました。いいですね、結婚後に恋人を手にする方法ですか。
シマジ  そうだ。
ミツハシ で、その方法とは?
シマジ  男の子を生むことだ。
ミツハシ はあ?
シマジ  息子だよ。生まれてくる息子を最高の男に育て上げるんだ。自分の美意識や価値観といったフィルターを通して自分好みの惚れ惚れするような男に育てる。
母親にとって息子は最大の恋人だ。

こういう母親に育てられた子供(息子だけではなく娘も)が、大きくなってから男女関係でトラブルを抱え、はては子供を作ったならば愛の無い関係の連鎖を繰り返していきます。
不毛です。

二村ヒトシ氏はルポ 中年童貞でこのように述べています。

マザコンであることが、「すべての負の連鎖」の根本原因なんじゃないかな。母親に支配され続けて癒着を切ることができずに育って苦しかった人間は、女性なら何かに依存するようになるだろうし、男性なら”女”に復讐しようとする。ところが中年童貞は現実の女の子を支配することで復讐できないから、風俗嬢をストーキングしたり、AV女優をディス(侮辱すること)ったり、ありえない大金をAKBにつぎ込んだり、いきなりノコギリで切り付けたりする……。

表裏の罪悪感と被害者意識を持っている僕も、マザコンだった自覚がある。ヤリチンと中年童貞は、同じことをやっているんです。マザコンの中年童貞は他人とコミュニケーションするスキルを母親に奪われて、普通に働くことができず、厳しいことを言われると逆上してキレる。40歳、50歳になった男が、60、70歳の母親と2人で暮らして、帰宅するとご飯が出て、機嫌が悪いと文句をつける。甘えながら同時に憎んでいる。モテるヤリチン男は、依存してくる女を虐待するようなセックスをして、彼女を憎みながらモテているという関係に依存している。ブラック企業経営者も、底辺層を支配して虐待しながら、システム上は彼らに依存している。みんなマザコンなんですよ。

息子をマザコンに仕立て上げると、愛のない関係が呪いのように続いていく。実はこれはパートナーシップだけの問題ではありません。母親が息子に介護される場合も問題となって浮上してきます。

絶対的安全基地だったはずの母親が老化によって崩れていく。
それを受け入れられないマザコン息子が介護をすると「なんでできないんだ!」と攻撃的になってしまうのです。

川内:これは大学の授業で習った話ですが、心理学的に、男性にとっては「母」というものが、ある意味自分の一部であり、かつ、いつでも帰れる安全な基地としていつまでも感じられている。たとえ、母親が高齢になっても自分にとってそういう存在である、とまで言われている。

老化や認知症などによって、その安全な基地が崩れていってしまう、安心して寄りかかれる場所がなくなっていく。これに直面することが、男性の心理にものすごい負荷をかけるそうなんですね。気持ちがかき乱されるので、実の母親に対して客観的に、とか、冷静に、とか思っても、非常に難しいところがある。

Y:そうか……何で自分自身がこんなにイラつくんだろう、こんなきつい言葉をぶつけてしまうんだろう、と思っていたのですが、自分の安全圏と思っていたものが崩れていくのを見て、「そうじゃないだろう、きちんとしてくれないと(俺が)困るんだよ」というような、悲鳴を上げているみたいなものなんですかね。

安全な基地の崩壊に、息子は冷静でいられなくなる

川内:まったくその通りです。男性が母親を介護する場合、それを知っておくことが重要です。でないと、罪悪感に自分が押しつぶされてしまいます。

Y:個人差はあると思いますが、女性が母親を介護する場合はどうなんでしょうか。

川内:母親に対して同姓の娘は客観視できる可能性が高いです。永遠に安心な基地、ではなく「お母さんも一人の女」だと。

Y:なるほど。でも男性が「母さんも一人の女だ」と捉えるというのは……悪い例ですが、例えばお母さんが男性と不倫して家を出ていく、とかでもあれば、ふっと呪縛が解けたりしそうですよね。

川内:実はそうなんです。でも、ことほどさように母を「一人の女性」として捉えるって、すごく男にとっては難しい。母親の側、例えば松浦さんのお母様も、「母」という鎧を着て、松浦さんという息子さんにかかわっているわけです。

母親を「個」として見られないんです。「一人の女」として認識できない。
なぜならベッタリベタベタ「息子が恋人♪」「いつまで経っても親にとって子どもは子どもなのよ!」で育てているからです。親が適切な時期になっても子離れできていない。

そうすると、母やパートナーの老化――ひいては死――が息子や夫にとって多大なるメンタルの危機として襲い掛かってくる。

あるご婦人は、乳ガンの手術をした後、夫からこういわれたそうです。
「お前はたるんどるからガンになんかなるんだ!体を鍛えろ!鍛えればガンは克服できるんだッ!」

お、おう……。

これだけ見ると、妻をいたわらないヒドイ夫です。実は、この男性は怒りに隠して「怖れに震え上がっている弱い自分」を誤魔化しているのです。
妻が衰えて死んでいくことが受け入れられない。母も失って、妻も失って、自分の「安全基地」と思っていたものが実は全然安全でも頑強でもなかったという当たり前の現実を直視できない。

だから妻を強化しようとすることで「克服」しようとするのです。自然の理に逆らおうとするのです。人は普通に病んで死ぬものなのに。

妻を叱咤するのは、メンタルの危機からの逃避なのです。妻の体調なんて、思いやってる余裕がないのです。精神的にはお母ちゃんにオッパイをもらわなきゃ死んじゃう赤子なのです。オッパイに死なれたら自分が困る。ただただそれだけ。個としての精神的自立なんてほど遠い。

ブラックメール発信者は、(中略)自分の嫌がらせが相手をどれほど遠ざけているかには思いがおよばない。目下のところ、彼らにとって大切なのは、自分自身の喪失不安から今すぐ逃げ出すことなのだ。それがどんな結果を生むかなど、考えてはいない。(P173)

お仕置きは子どもの性格をかたちづくると信じて疑わない親と同じで、ブラックメール発信者も懲罰をすることで相手の役に立っている、と自分を納得させているのかもしれない。自分が心から大切に思う人を傷つけることに罪悪感や悔恨の情を抱くのではなく、誇りすら感じている。こうすることで自分は相手をちゃんとした人間にしようとしている、というのが彼らの理屈なのだ。(P175)

もう死にたくても、延命治療なんかしたくなくても動画の向井氏のケースのように「母さんは生きていてくれなきゃ困る!死なないで!」と生きのびさせられます。しかもこの向井氏、ムッチャ笑顔。「エゴかもしれないんですけどっ!(^▽^)」こんな話題で口元歪めて超絶笑顔って、マジ怖すぎ……。母親の死を語るのがそんな楽しいか?

このように、マザコン男を育ててしまうと息子のエゴ(母親への執着)によって、死ぬより苦しい辛い時間を引き延ばされます。生き恥をかかされます。
今の医療には、それが可能ですから。

個人として精神的自立をなしていないことは、親子両方の立場にとってこんなにも有害なのです。

精神的に自立できない原因は母親の子への依存、その背後には「妻と心を通わせられない夫」の問題があります。夫と上手くいかないから、子どもべったりになるわけです。そしてべったりされた子は精神的に自立できない。大人になっても愛のある関係を築けない。ぐるぐるエンドレス連鎖。

そうならないためにはどうしたらよいか。
女性の精神的自立の第一歩は、「一人でいること」にくつろぐことです。実は家族といたって恋人といたって、究極的にはいつも一人。「ふたりはひとつ」にはなれない。その事実に失望するのではなく、それをただ眺め受け入れること。

【画像】原子の構造
サガプリヤはあなたの内の男と女で原子モデルに例えて、女性性の空虚の完璧さを説明しています。虚しさをありのままに受け入れること、虚しさの中にこそくつろぐ美しさを説いています。不安定な一人である虚しさに。どんなことをしても相手は完全には手に入らない虚しさに。

愛の過程には、必ず「手放し」があるのです。距離の無い関係は、息が詰まるのです。
原子核でだって、陽子と電子はべったりとくっつきません。電子は常に距離をもって、陽子の周りに軌道を描きます。地球と月だって、太陽と地球だって、常に距離を置きながら共にあります。距離を近づけすぎたら、衝突してお互いを破壊してしまうでしょう!

距離があるからこそ、愛は美しく花開くのです。
相手を、ありのままの姿で尊重できるのです。
男を男のままで愛し、女を女のままで愛せるのです。

エレナは今度は男性の側から同じ質問に答えます。
(中略)
子どもは欲しかったかと尋ねると、「いいえ」と言います。

こうしたことを女性に言ったことがあるかと尋ねると、長い間があってようやく答えます。
「いいえ、言いませんでした」
どうしてですか?

彼は目に涙を浮かべながら答えます。
彼女が欲しがるものすべてを与えたかったからだ。例えそのために自分の欲しいものが得られなくても。

こうして彼が自分を犠牲にしてきたこと、それを愛だと思っていたことがわかってきます。
私は、それは愛ではなかったと言います。それは女性が自分のエゴに同化するのを助長しただけで、その意味では子供を持つことは彼女にとってはいいことではなかったし、だから彼も自分の立場に固執せざるを得なかったのだと。

「あなたの内の男と女 - 愛と自由を手に入れる魔法」を紀伊国屋書店で見る 「あなたの内の男と女 - 愛と自由を手に入れる魔法」をhontoで見る 「あなたの内の男と女 - 愛と自由を手に入れる魔法」を楽天ブックスで見る

リンデンバウムの一番人気!スピリチュアルカウンセリング
関連記事