TIGER & BUNNYから教わったこと

私がアニメや漫画にはまるときは、必ず深い意味があり、気づきがあり、メッセージがあります。
自分の内部の状態を見ていくのに、そのときにはまっているアニメや漫画、ゲームなどを分析するのは非常に意義深いことです。
わかりやすい例として、私の実際に感じたこと、気づきを述べてみます。

いけ好かねえ若造=自分

tigerandbunny

TIGER & BUNNY(以下タイバニ)で、バーナビー(バニー)を見てまず思ったことが
「うっわ、いけ好かない若造!」
ということです。

まるで虎徹さんのように、「ハッ、スカしやがって。嫌味な若造だなぁ」と感じたのです。

でも、話を進めていくと「ん?」「あれ?」「あ、あれ?」と心に引っかかりが出てきました。
バーナビーをめぐる、周囲の人の反応に覚えがあったのです。

「あれ、私、昔の職場でこんなこと上司に言われてた…!
 先輩からも今のセリフみたいなこと言われてた!
 こんな態度とられてた!

 ――ってことは、何、私ってこんな感じの若造だったってこと!?」

そう、いけ好かない若造だったのは自分だったのです…OTZ

思い出してみると、昔の職場での私のあだ名は魔王でした。
そう、新卒ペーペー最年少の若い女の子のあだ名が、魔王。

先輩方から
「魔王様!おはようございます!」とか
「今日飲みに行くよー魔王は行ける?」とか
「出た!魔王語録!!」とか言われていたわけです。20代の若い女の子が。

………………普通に考えてみると、やっぱりあんまりそういうことはないですよね。
職場の若い女の子を「魔王」と呼ぶ習慣は、あんまりないですよね。
しかも私の顔だけ見てあだ名を付けるなら、「魔王」より「能面」だと思うんですよ。
顔

とりあえず見た目だけで言えば、バラモスやゾーマよりは能面に似てると思うんですよ。
maou_noumen

でも私は魔王だった。
「魔王語録」というのは、私の話すことが時々面白いらしくてそれが「魔王語録」として語られていたのです。

たとえば25歳の頃、職場の仲良し女子4人で沖縄旅行にいきました。
その時レンタカーを使って観光をしていたのですが、カーナビが示す道路が一本間違っていたらしくて迷ってしまったんです。そのとき私がふと口にした一言がこれ。
「だから、何事も100%信じるからダメなんっすよ。
 100%信じたら必ず裏切られる。男と一緒!

これが先輩たちのツボにはまったらしく、以後「魔王語録」の一つとして「男と一緒!」「男と一緒!」と飲み会のたびに言われることになりました。

……今書いてて思ったんですけれど、こんなこと言う25歳女子って、本当に嫌ですね…。
いや、巷の25歳女子はこんなこと言わないよね。
もっとカワイイよね。
こんなにいけ好かなくないよね!!!!

しかも私は上司に対して
「何でも丸く収めればいいとか思ってるからダメなんですよ!
 そうやって団塊の世代が角立てないように丸く収めてきたから、今の日本がこんなにダメになっちゃったんでしょう!?
 そのことを反省もせず、また丸く収めろですか!
 そうやって日本を腐らせてるんですよ! 課長はわかってるんですか!?今あなたが丸く収めることで、日本はまたひとつ腐っているんですよ!!」
とブチ切れるような部下でした。(もちろんシラフでです)

いけ好かないわぁ~~~~~~~。
いけ好かないね!
バニーちゃんどころじゃなく、いけ好かないね。

こんなクソ生意気な若者だった私を、面倒見てかわいがって育ててくださった先輩諸氏には本当に感謝の言葉しかございません。大きな器で海のように広い心で受け止めてくださって、ありがとうございます!

そういえば、教育係の先輩に
「魔王って、何言っても許されちゃうから本当に得な性分だよね~」
と言われたことがあって、当時は
「え? 別にそんなに、何も言ってないけど……」
と思っていました。思っていました!

そういえば前述の沖縄旅行でも、ホテルの部屋に戻ったとき
「さーぁ、夜はこれからですよぉー★もうドンドン飲んじゃいましょうッ!」
と言ってテラスにガンガンビール持ち込んで、1時間後には
私もう眠いんで寝ます
ってゆってサッサと寝てた。

あーーーーすいません!!!ジャンピング土下座どころの話じゃございませんね。

ワイン飲み過ぎてタクシーでゲロ吐いて介抱してもらったこともあったよ!最低!!
本当に色々とすいませんでした!!!
バーナビーの振る舞いを見ることで、若いときの自分を客観的に観察している気分になりました…。

あっ、バニーちゃんもワインは飲みますが、タクシーでゲロは吐きません!
まだタイバニ観てない方は、安心してバニーちゃんのイケメンっぷりをご堪能くださいませ。

折紙先輩と付き合いたい

tigerandbunny

TIGER & BUNNYで一番の萌えキャラは誰かといったら、私は折紙サイクロンことイワン・カレリン君を推します。

こういうキャラを好ましく思えるようになったのは、私的にかなりの成長だと思っています。
なぜなら、昔はこういうキャラに「あぁもう男らしくない!シャキッとしなさいよ!!!」とイライラ来ていたからです。
でも、遙かなる時空の中で3で梶原景時に出会ってから、こういったキャラを受け入れられるようになってきました。

そのときの私の内面で何が起きていたかというと「女性性を受容していくプロセス」です。
自分の女性面を受け入れられていないから、男性の「女らしさ」にムカついていたのです。

景時さんを見ても、はじめは「男が洗濯なんざ楽しんでッ!シャキッとしやがれ!戦え!!」とムカムカしていました。
でも、同棲や結婚をするなら、洗濯が好きな男の人なんてもう大歓迎!です。リアルじゃありがたくて涙が出そうなくらい素晴らしい。
家事の一つもせず、「俺は稼いでるんだ」なんてふんぞり返ってる男なんて、実際に一緒にいたら疲れちゃいます。

私が自分の中の女らしさ、女性性を少しずつ受け入れていくと、景時さんが「イラつく情けない男」から「優しくて安心できる人」に変わってきたのです。
「私のほうが男らしくて強いんだから、そこは守ってあげればいいじゃん」くらいに(笑)
本当に、このあたりのバランスって、萌えキャラに反映されます…。面白いです。

私はものっすごい気が強いです。我が強いです。
確かに、譲れるところ、柔軟なところもあります。なぜなら、私にとって世の中の50%は「どうでもいいこと」だからです。そういうところは別にどっちでもいいんです。相手の好きにしてくれていい。
45%は「できればこうしたい。けれど、それは譲ったり譲らなかったり時と場合によって妥協していい」というかんじ。

しかし、残りの5%は絶対!!!!譲れないことなんです。
もう命かけても譲れない。理屈じゃなくて譲れない。絶対に貫く。
しかも、それは一見「わけのわからないこと」だったりします。

例えば、旅行に行くとして
「○日出発だと安いし空いていて、基本料金でホテルもグレードアップしてくれるって」
「○日はダメ。絶対イヤ」
「え、でも、これだけ好条件なのに――」
「絶対イヤ。○日出発にするくらいなら行かない。絶対に、イヤ!!」
こんなことがあったりします。
(そして○日出発だと事故があったりするわけです)

そこを理論や理屈で「でも安いから○日にするぞ!俺の言うことを聞け!」と押してくるような俺様タイプじゃ、私は絶対上手くいかないんです。
「よくわかんないけど、電波アンテナになんか引っかかってるっぽいから仕方ないな」と譲ってくれる人じゃないと上手くいかない。
そういう時は私、全身全霊をかけて戦いますからね。

女性性の発達している男性じゃないと、私は上手くいかないんです。
だから「折紙先輩癒される~一緒にいたい~」と思えるのは、私にとっては非常に正しい。

やっぱり男は尻にしかれてくれなきゃね。
パオリン×イワンがいいなと思うのも同じ理由からです。
順序間違ってませんよ。ホァンちゃんが上です。

鏑木虎徹の父性によるカタルシス

tigerandbunny

これはメールマガジンにもチラッと書いたのですが、このTIGER & BUNNYは女性層の支持も厚いアニメです。
ヒーローものの割と硬派なアニメが、女性に人気が出たというのは製作サイドとしても意外だったようです。
【参考】ASCII.jp:サンライズ尾崎雅之氏インタビュー TIGER & BUNNYはこうして生まれた|まつもとあつしの「メディア維新を行く」
逆に魔法少女モノの「まどかマギカ」が男性に人気が出たことも、対照的で面白いですね。

TIGER & BUNNYは、スポンサーにBANDAIやフィギュアブランドが入っていることからも、明らかにフィギュアを売らなくてはならないアニメです。
キャラクターデザインの桂正和氏もはじめからそのことを視野に入れて、フィギュア化したときに映えるクリアパーツを多用したと「桂正和×TIGER&BUNNY 原画&ラフ画集成」で触れています。

フィギュアを売るには、男性ファンを取り込まねばなりません。
だって、女性は人体フィギュアならまだしも、基本的にヒーロースーツのフィギュアはあまり買おうとしないから。コア層は買うだろうけど、それは一部です。ライトな女性ファンは買ってくれない。
アメコミ的なヒーローのフィギュアを売りたいなら、「このフォルムがカッケー」と言ってくれる男性ファンを獲得せねばならないのです。

(アニメビジネスにあまり詳しくない方のために解説しますと、基本的にアニメはそれ単体ではペイしません。大抵はブルーレイやDVD、もしくは関連グッズを売ることによって利益を回収するビジネスモデルになっています。TIGER & BUNNYは、プロサッカーのユニフォームのようにヒーロースーツにロゴを入れることでスポンサー料を取っていますが、これはアニメとしては珍しいビジネスモデルです)

そういう商業的な視点から見ても、あんまり女性ウケを狙って作れるアニメではない。
なのに女性にウケた。
どうして女性がこのアニメに惹かれたのか?

そのキーはバーナビーではないと思います。
バーナビーみたいな美形で優秀でクールなキャラがいれば、確かに女性ファンはある程度釣れます。そして他にある程度美形のキャラを置いておけば、腐女子が引っかかるわけです。

でも、それなら他のアニメでもいい。美形キャラが出てくるアニメなんて他にもあります。

バーナビーのキャラ造形は、実はそこまで特殊ではない。
美形でクールで完璧に見えて、でも実は暗い過去があるだなんて、フィクションでは割といる役柄です。(もちろん、現実にはまずいないけど)

ここまで幅広い女性ファンがついたのは、やはり主人公・鏑木虎徹が「バツイチ子持ちのオッサン」だったからではないでしょうか。
ピクシブでタイバニのイラストを見ていると、BLモノだけじゃなくて親子モノも目立つんです。
「何で皆、こんなに楓ちゃん(虎徹の娘)が大好きなんだろう」って思うくらい、BLイラストを見ているはずなのに、いつのまにか楓ちゃんが出てくるんです。

そこでタイバニ本編に目を向けてみると、そこには「父娘関係のカタルシス(癒し)」がこの鏑木親子にはあるのではないかと思いました。

いつも仕事ばかりで放っておかれて、約束してもぜんぜん守ってくれない。
お父さんなんか大嫌い。私のことなんてどうでもいいんでしょ。
大嫌い大嫌い大嫌い!
(…………さみしいよ。本当は大好きなの。だから一緒にいたいの。もう放っておかないで)

楓ちゃんの心理状態は、大体上のような感じでしょう。
その「大嫌い(でも本当は大好き)なお父さん」が、いざというときに自分を助けてくれて守ってくれる。
第17話「Blood is thicker than water(血は水よりも濃い)」にカタルシスを感じた女性はかなり多かったのではないかと思います。

じゃなきゃピクシブにあそこまで楓ちゃんがあふれるはずがない。普通だったら美形の男キャラばっかりだよ。
楓ちゃんに感情移入した女性が多かったのでしょう。
なぜなら「父親は仕事ばかりしていて小さな頃はあまり接した記憶がない」という女性は、驚くほど多いですから。

虎徹さんは相当ダメな父親だと個人的には思います。
友恵さんも「良き妻」ではあったかもしれないけれど、ダメな母親だった思います。
友恵さんの態度は、楓ちゃんよりも虎徹さんを優先していたから。

母親一人で、しかももう先が長くない人間が、小さな子供の精神的なフォローなんてできません。だって何を言ったところで、どうせいなくなっちゃうんだよ。
そういうときこそ、子供は父親との絆が必要なのに、友恵さんは虎徹さんを仕事に行かせたんです。

子供の視点から見ると、とても残酷な母親です。
確かに、虎徹さんと友恵さんは同じ夢を追う同志でした。
でも、その夢に幼い子供を巻き込んで犠牲にするなら、それは親のエゴでしょう。

だから、楓ちゃんを見ていると辛くなります。

しかも、あんな父親を見て男性モデルを学んでしまったら、大人になってからダメ男に引っかかる確率が高いよ!我慢することに慣れている「いい子」は、大人になったらダメ男の理不尽な言い分すら我慢して受け入れてしまうんだから。
加えて、母親を早くに亡くしている寂しさ悲しさも抱えていたら、不幸体質まっしぐらだよー…。

あーもう、村正さんと安寿さん、どうかフォローしてあげて!

そして、そう思っている時点で、楓ちゃんを見ているのが辛い時点で、自分は父親に対してのトラウマが残っているんだなとも思います。
鏡ですからね、こういうのは。
癒していって、楓ちゃんを見てニコニコできるようなれるといいな。


英語版Tiger & Bunnyも面白いですよー!ブルーレイだとリージョン関係なしなのでタイバニ見るついでに英語の勉強をしたい方にはオススメです。
ただし、虎徹さんやアントニオの日常会話はカジュアルな口語の英語です。バニーちゃんですら主語抜きのくだけた英語を使っていたりします……。
マーベリックさんとかロイズさんが入ってくるようなビジネス会話のほうが、自分が使う表現としてはいいと思います。スカイハイの口調も割と上品です。貴公子だから?

2013年03月19日 | Posted in オタク ヒーリング | タグ: , , , Comments Closed 

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