「親に感謝する人」が苦しむメカニズム

「私の親って、素敵な人なんです!」
「親には育ててもらってすごく感謝してます!」
「親を見習って素敵な家庭を作りたいです!」
なんて、笑顔でおっしゃるお客様がいらっしゃいます。

そういう方を見るたび、胸が痛くなります。

「ああ、まるで昔の私みたい……」と。

親の悪口を言わない被虐待児

親の悪口を言わない被虐待児
被虐待児は、親の悪口を言いません。むしろ笑顔で親をほめます。これは施設などに入所している子どもにもよく見られる現象です。
「悪く言ったら捨てられちゃう!」「いい子にしてなきゃ愛されない!」という強迫観念があるから、親の悪口なんてとんでもないのです。

親との信頼関係がきちんとできている子は、普通に親の悪口だって言うし、ケンカだってします。親子に限らず健全な人間関係とは、そういうものです。

基本的に“誰からみてもいい子”は、かなりヤバイ育てられ方をしている子。
ニコニコして「私の親って素敵なの!」なんていう人は、本当に危ないです。
客観的に考えたら、親だって人間なんだから、いいところもあれば悪いところもあるもの。それを「うちの親って尊敬できるところばかりなんです!」とキラキラして語るのは、どこか歪んで育てられた証拠に他なりません。

これは「誰か、本当に子供いる人いないですかね。4才の女の子です。やっぱ、子供がいると犠牲になる事多くて、正直邪魔としか思っていません。可愛いと思えなくて。子供の存在、本当に病みます。」というシングルマザーのブログからの抜粋です。

母が「ママにちゃんとゴハン作ってもらってる?」
て、子供に聞くから
何答えるか気になってたら
「ママのゴハンおいしいよ」
って、、、ほぼカップ麺、嫌味かっ


引用元記事:ただいまbyなち

このように、悲惨な目にあっている子どもほど、親の悪口は言いません。

実際、被虐待児だった私も親の悪口を言わない子でした。

友人が親のことを悪く言うと、「そういうことを言うのは良くない!育ててもらってありがたいって感謝しなよ!」と怒るようないい子っぷり。
就職面接では笑顔で
「私の尊敬する人は父と母ですっ!」
と答える始末。

……今思うと「どこまで自分に嘘ついたら気が済むの」と呆れます。

親子間にみられるストックホルム症候群

親子間にみられるストックホルム症候群
厄介なのが、本人も「親は素晴らしい存在なのだ」と心から真実と思い込んでいること。
人間は、自分にとって都合のいいことを正しいと思い込もうとする傾向があります。

例えば、ひどい暴力を振るわれたとしても、
「お前を愛してるから殴るんだ!俺だって本当は殴りたくはない!
でもお前を思うからこそこうやって痛くても殴ってるんだぞ!俺だって辛いんだ!」
と言われると、「愛されてる自分」を肯定したいがために暴力を肯定します。
「あの人は本当は優しい人で、私を愛してるから殴るの!」なんて、冷静に聞いていたら「いや、あんたアホですかい」としか思えないトンデモ理論が成り立っちゃうわけですね。

精神医学用語でいうところの、「ストックホルム症候群」です。(Wikipedia:ストックホルム症候群
必ずしも虐待死亡事件のような目に見える犯罪にはならなくとも、不適切な育児をする親とその被害者である子どもにも、この現象は見られるわけです。

親からひどい仕打ちを受けている子どもに、いくら親が間違っているか説いても、大抵聞いてもらえません。
それどころか「ママの悪口言わないで!」と嫌われてしまいます。
見事に、自分を虐げる相手にとって都合良くふるまうよう、洗脳されてしまっているのです…。

ねえ、幸せになろうよ。

ねえ、幸せになろうよ。
もちろん、親を一生賛美して生きることもできます。私たちには自由意志がありますから。
でも、大人になってから恋愛や夫婦関係や人間関係で、「上手くやってるつもりなのに上手くいかない」場合はおすすめできません。

もし、親の育て方が悪いものだとちゃんと自覚できていれば、対処できます。
でもかつての私のように「私の親は尊敬できる人です!」なんて不適切な歪み方をしていると、どうしようもありません。
だって、いくら他人が「いや、そこまで言えちゃうのおかしくない?」といったところで「人の親の悪口言わないで!ひどい人ね!」って悪者扱いされておしまいですから……。自分では真実だと信じきっているだけに、タチが悪いのです。

だから、もしあなたが「親に100%感謝することばかりで、親の嫌いなところなんて一つもありません!」と思っていて、かつ人間関係や男女関係で問題を抱えているとしたら。ちょっと疑ってみてください。
「親の子育ては間違っていたのかもしれない」と。

その場合、まず「親は素晴らしい」から抜け出さなくてはなりません。
ちゃんと親の悪口を言えるようになってください。
いい子は「大人にとって都合のいい存在」なのであって、「ありのままの自分」ではないのです。

「ありのままの自分」を受け入れることなく、魂が満足なんてできるはずありません。
「親を手放しにほめる自分」を卒業して、「ありのままの自分」を受け入れてください。
びっくりするほど、世界があなたに優しくなります。

お金も、人も、モノも要りません。あなたが変わるだけでいいのです。
必要なのは、あなた自身の変容だけなのです。

ね、幸せになろうよ。

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