がんばるお前はウザイんだよ。

新装版 高校男子─BOYS─ (マーガレットコミックス)

桃栗みかん(河下水希)先生というと、BLが「やおい」と呼ばれていたころからの古参BLファンにとっては忘れがたい作家さんです。
絵がとにかくキレイで、眺めているだけでうっとりしたものでした。

そんな桃栗先生が今YOUで連載しているのが、群青にサイレン

これがまた、「うわっ、すごいところ突いてくるな!」という作品なんですよ。
「いやぁ~思春期ねぇ」のオバチャンくさい一言じゃ済ませられない話なんですよ!!

主人公の修二はひっこみじあんな少年・空に出会います。
冴えない少年だった空ですが、修二が半ばむりやり野球をはじめさせるとメキメキと頭角を現し、キラキラ少年に変貌していきます。

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「でも俺には野球がある!」
   ↓
野球でもエースの座、取られました\(^o^)/

こういうオチで、主人公はキラキラ幼馴染がトラウマになります。で、高校生になっての再会シーンがまたすごい。
久々に会った空は自分より背が低かった。
それだけで、超、超、超優越感に浸る、この主人公・修二の、表情が!!

「く、くだらねー!!」って話なんですが、納得の一面もないですか。
第1話は立ち読みできるので◆連載作品紹介◆月刊YOUのページをご覧ください。

劣等感って当人にとってはすごく深刻なんですが、他人から見ると「えー?そこまで?」ってことだったりします。
この物語の場合、そもそも主人公は元々ソコソコ勉強も運動もできたわけで、他人事として見るなら「そこまで落ち込まなくても頑張って挽回すればいいじゃないか」くらいの印象でしょう。

でも、当人にとってはメチャクチャ黒歴史なんです。

こういうことは、かなり誰にでもあります。人から見ると「大したことない」ことなのに、当人にとっては非常に深刻という。
そして、面白いのは、そういう深刻な(他人から見ると大したことのない)劣等感を多くの人が抱えているというのに、他人に対してはそう思わないこと。「他の人は自分みたいな下らない劣等感なんて抱えていないだろう」と思うのです。なぜか。

どうしてそうなってしまうのかという理由の一つに、「簡単に人は劣等感を表には出さない」というものがあります。
みんな平気な顔をつくろうのです。「悩みなんてないですよ」と平静ぶるのです。自分だって普段すました顔をしているくせに、他人のそういう態度に関しては仮面を被っているだなんて疑わないのです。「自分と違って自信があるのだ」と考えるのです。

どうして?
どうして相手もあなたと同じだと思わないの?
相手もあなたと同じ愚かで下らない人間なのに。

そして、「自分も頑張らなくては」と努力しては、優れた能力を伸ばして他人の劣等感をあおっているのです。あまりにも無垢な形で、人を傷つけているのです。

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人より秀でるということは、誰かを貶めるということです。
「上手くいく」ということは無意識のうちに、人を蹴落としているかもしれない。
あなたに悪気はなくても、あなたが素晴らしい形で存在しているだけで劣等感を背負わされる人間が存在している可能性があるのです。

「いや、自分なんて大したことないです。もっとすごい人はいます」
こうやって謙虚にふるまうことで、余計に人を傷つけているのです。
無垢な空が修二の心を悪気なく踏みにじったように。

今やってるドラマ偽装の夫婦で天海祐希が演じる主人公ヒロも「やれば何でもできる」優秀な人です。そして、やればやるほど周囲に劣等感を与え、孤立していく結果となっていきました。
これも、有能な人の周りには「あるある」なパターンです。

努力すればいいと思っている人がいます。
秀でれば好かれると思っている人がいます。
素敵な自分になれば愛されると思っている人がいます。

そうやって頑張れば頑張るほど、あなたは疎まれるだけなのに。
だって、人より秀でて劣等感を植え付ける存在となっているのだから。
「こんなに努力しているのにどうして認めてくれないの?」と思ってるのでしょうね。その努力がウザイということに気づきもしないで。

さ~ぁここまでお読みになったあなたは
「ならどうしたらいいのよ!!」
と叫びたくなっているかもしれません。

この記事のキモはこれです。
「人より努力して頑張ると疎まれる可能性がある。ゆえに、努力して何かを極めたいならば、人に愛されたり認められるためにやっても報われない可能性がある。人から疎まれても構わないからやりたいことに対して、心血を注ぐべきである。ならば後悔はない」

あなたの中にある劣等感くらい、人もコンプレックスがあるのです。
そして、あなたの思わぬところが人の劣等感を刺激している可能性は十分あります。
頑張っても評価されない場合は、その真摯な努力こそが疎まれる原因になっているかもしれません。

他者から認められるために努力しても、収穫はあんまりないかもしれないですよ。だって、そういうあなた、ウザイもの。
努力自体が悪いわけではありません。「ウザくて結構!自分はこれをやりたいんだよ!」ってことで努力しましょう。なら、人から疎まれたって満足いく結果に近づけます。

2015年11月02日 | Posted in オタク ヒーリング, 人生:スピリチュアルブログ | タグ: , Comments Closed 

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