「やりがいのある仕事」という罠

business_man

仕事にやりがいを求めるなで私はこう書きました。

仕事にやりがいを求めるな
なんか、「ブラック企業の経営者の言葉」みたいなタイトルですね。

すいません。
私は間違いを書いていました。
訂正します。

この世に「やりがいのある仕事」がどこかにある「適職」がどこかにある、という夢を見せる人ほど、ブラックです。あなたに「仕事にやりがいを見出しなさい!」という人は、ヤバイ人だと認識してください。
私は世の中のブラック企業の経営者ほど「仕事にやりがいを!」と叫ぶ事実に気づいていなかったのです。

ここで典型的な例として、ワタミ株式会社様のスローガンをご紹介します。

「地球上で一番たくさんの“ありがとう”を集めるグループになろう」

これを見て「ステキ!私も笑顔と感謝で生きていきたい!」と思わないでください。
「うわっ、やべー。絶対ブラックじゃん」と見抜ける賢さを持ってください。

やりがいとワクワクの果てに

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私が「仕事にやりがいを求めるとヤバイ」と思い出したのは、HAPPY★のむこう側にっ(*^_^*)に書いたシンママのAちゃんを見てからです。
Aちゃんは、すごく素直な頑張り屋さん。笑顔がキラキラ、いつも前向きでポジティブです。「自分を成長させてくれる仕事と子育てに感謝っ!(ゝω・)v」が口癖。

そんな「意識高い系」の彼女がたどり着いたのは「ネットワークビジネス」という名を語ったマルチ商法。
仲間を増やして健康食品を売るだけのカンタンなお仕事です♪
めちゃめちゃブラックやん!!!

…………なんかおかしくね。
前向きに笑顔と感謝で「ありがとう」の気持ちを表現してったらネズミ講にたどり着いて金だましとられるようになってんの?
今のご時勢、「やりがいのある仕事」って実はすんごいマズイんじゃね?

私のこの疑問に答えをくれたのが、老人喰い:高齢者を狙う詐欺の正体の中の一部でした。
これは「振り込め詐欺」をはじめ、お金持ちの高齢者からいかに賢く金を搾り取るかに明け暮れている詐欺組織の実態を書いた本です。

この本を読んでて思ったのが
「私も現在10代だったら、詐欺組織に行ってたかも」。

詐欺、楽しすぎ。
というと、ものすごく語弊があるかもしれません。が、今の社会情勢をこれから何十年も生きなきゃならない若者だったなら、この詐欺組織の魅力にハマってしまう子は一定数いるはず。昔ディスコで夜通し踊ることが楽しかった10代がいたのと全く同じレベルで。

詐欺がどうこうじゃないんです。
犯罪が楽しいんじゃなくって、「組織」が楽しい。
要するに『居場所』があるんです。しかも、そこにいると希望があって楽しい。

誰も受け入れてくれなかったツマンナイ自分に仲間ができて、心の穴や孤独を埋めてくれる。しかも1か月で同年代の年収が稼げちゃう。
「やりがいのある職場です!」詐欺組織は見事そういう風に作られている。

バシャール風に言うなら「ワクワクして楽しい」んですよ。なんてこったい!

振り込め詐欺の現場要員の若者と、シニア向けのビジネス雑誌を読んだことがある。彼らは被害者心理や現代の高齢者の動向を知るために、こうした雑誌を読むこともあるという。老眼でも読める大きな活字で書かれた記事は、高齢者にオススメの「高額有料老人ホームの選び方」特集だった。
「入居費用で5000万払える老人なら、入居の初期手数料名目の詐欺で一発500くらいとれるんじゃないですかね? こういうの考えてると、俺メチャ楽しくなってくるんですよね」
彼は友達や彼女を何よりも大事にする情深い青年だったが、彼の中で「金を持った高齢者」という一群の人々は、もはや同じ世界に住む人間とすら思えないようになっていた。

老人喰い:高齢者を狙う詐欺の正体 (ちくま新書) あとがきより

PRESIDENT (プレジデント) 2015年 3/16 号
確かに、プレジデントなんて、今の若者が読んだら意味不明すぎると思います。
例えば2015年3.16号に「年収2000万vs500万 1000人調査」とあるんですが、「年収500万」は年収2000万に対する比較対象、すなわち低収入層としての位置づけです。
この時点で若者はピンと来ないでしょう。今の若年層にとって、年収500万って、超絶エリートお金持ちですから。

でも、団塊の世代にとっては年収500万のサラリーマンって「中の下」なんですよね。感覚的にはそうなんです。
もう、今の若者からしてみると別世界の住人なんです。

そんな「よくわかんないけど金持ってる人間」を悪者に仕立てて、「年寄りから金巻き上げる俺カッコイイ」ってのが詐欺のプレーヤー。悪者(老人)から奪った金を貧しい人々(周りの若者)に分け与える。もう、義賊なんですよ! 気分はルフィなんだよ!

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詐欺は極端な例かもしれません。でも、「やりがい」とか「ワクワク」とか求めすぎると、「気が付いたらヤバイところに足突っ込んじゃってる」。こうなりかねません。
何事も欲張って刺激を求めすぎると結局ヤバイことになる。仕事にも言えることです。

あんまりキラキラしたところに突っ込まないでください。
常に気分が上がって「こんな自分でも輝ける!」とか思えるようなところは、大抵ろくでもない裏があると思ったほうがいいですよ。

仕事なんて金のためにやっていいじゃない。
崇高な理想などない、単なる「メシの種」でいいじゃない。
仕事にやりがいを求めすぎるのは危険です。

老人喰い:高齢者を狙う詐欺の正体 (ちくま新書)
鈴木 大介
筑摩書房
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2015年03月07日 | Posted in ビジネス:スピリチュアルブログ | タグ: , , , Comments Closed 

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