世界の終わりに思うこと

スピリチュアルブログ

Tree(通常盤)

今、10代の子に人気の「SEKAI NO OWARI」。略してセカオワ。
大人からしてみると「なんでこんなものがいいの?」と思う方も多いでしょう。

だけど私は、セカオワを聴きこめば聴きこむほど、「そりゃ今の流れを一番敏感に感じている人ははまるよなあ」とうなってしまうのです。
そう、今の若者たちは、本当に正確に流れを読んでいる、言い換えるならちゃんと大きな流れとシンクロしているのだな、と。

セカオワの曲は、幻想的でキャッチーなメロディと心をくるむような優しい歌詞が特徴です。
とてもポジティブで、爽やかで、正論に満ちている。
一番表に出てきているところはどこまでもキレイなんです。

「セカオワのどこがいいの?」という人は、多分そこに、どこか違和感を覚えているのでしょう。「何これ、ちょっと気持ち悪い」と。
なぜなら、セカオワの曲自体、表に見えているところはすべて美しい装飾に満ちているのに、ベースに流れているのはどこまでも暗い絶望だからです。

そもそもメンバーを見てみてください。
オーラが見える見えない以前に、暗いでしょう。
「わ、この人たち、確実に病んでる」って雰囲気に満ち満ちているでしょう。

例えば↑の動画「RPG」 歌詞こわいものなんてない ぼくらはもう一人じゃない
って歌うときのオーラの病みっぷり!!
これこそレイプ目かって話ですよ。

画面自体もほの暗い。
曲調や歌詞の明るさと明らかに不釣合いのグレイッシュトーン。

まるでマザーグースの世界のよう。
無垢で明るい笑顔の横にふと目をやると、足元には死体が転がってそうな。
「ローンドンばっしおーっちたー♪おっちたー♪」と無邪気にくちずさむその歌詞が示唆するところは、橋の下に埋まる人柱であったり。

でも、セカオワは表面にその闇をわかりやすく出しては来ない。
彼らは常に夢を語り、仲間の素晴らしさを語るんです。


動画 0:21
いまだに自分がやったどんな演出よりも深瀬慧が歌っている声に感動する
動画 0:55
どこまでもこう 4人で頑張っていこう、と

彼らは美辞麗句を語るのです。
明らかに病んだ目つきをしながら。
セカオワにアンチがわくのもわかります。彼らの闇に恐怖を感じるのでしょう。

この↑「幻の命」(歌詞)はメンバーのフカセとサオリの堕胎した子を歌ったものだと噂されています。

カメラ目線で歌うフカセを見てるのは、正直キツイです。
闇の深さが伝わってきます。
だけど、画面は白。子どもが死んだ病院も白。真っ白で幻想的。

こんな病んでいる世界に、今の中高生は惹き込まれているのです。
大人はそういう子を「気持ち悪い」と一蹴するのではなく、なぜそうなのかを少しは考えてください。

私が気になるのが、今の若い子には「いい子が多い」ことです。なんかポジティブなんです。笑顔なんです。
でも、その笑顔って不自然なんです。本当に楽しくて笑ってる顔じゃない。
それこそ、セカオワのMVみたいな笑顔なんです。

「頑張れば報われる!」「あきらめない人が夢をつかむ!」とか本気で信じている人に、セカオワは気持ち悪い。
そういう人たちにとって必要なのは夢を見られる希望だけ。明るい未来の展望だけ。
すなわち「明るい笑顔」と「ポジティブな言葉」だけ。

努力が実る恵まれた時代を生きてきた人たちに、まともに言い合ったって無駄。自分の気持ちを素直に表現したって、そんなの叩かれるだけ。
じゃあ自分も「絆」「仲間」をキレイに語って、褒められたほうが得策じゃん。
どうせ誰もわかってくれないんだし

ちょっと前までは、病んじゃう子はもっとわかりやすく病んでいました。
ヴィジュアル系の歌詞は「死」とか「闇」とか「血」とかであふれていました。


同じ「オワリ(the end)」でも↑こんなかんじで、わかりやすく暗かった。

でも今は、笑顔が明るい子ほど、ヤバイです。

ある少女は、ものすごく明るい笑顔で「こんにちはっ!」と気持ちの良い挨拶ができる子です。彼女は父親がヨソに女作って、母親は育児放棄でネグレクトしている家庭で育っていました。三人姉妹の長女で、家事はずーっと彼女がやってきたそうです。
彼女は、いつもニコニコしています。常に、はりついた笑顔です。

何を言ってもポジティブに励ましてくれる少女は、母親が自殺未遂を繰り返していました。母親を死なせないために、「生きてれば、いいことあるよ!ほら、今日だって青空気持ちいいじゃん!」と異様に何でもポジティブにとるようになりました。
本人の瞳は、どこまでも暗いのに。言葉だけ、ポジティブ。言葉だけ、大人の求める「素敵な子供」。

笑顔がいい子ほど、闇が深いのです。
そういう「闇を表に出せない子」「いつも笑顔でいなきゃ家族が壊れてしまう子」が、セカオワにはまっている気がします。
それを気持ち悪いという大人は、「子供の心の闇を見て見ぬふりしている自分」になんて、一つも気が付かないのでしょうね。

沈みゆくタイタニック号で最後まで音楽を奏でていた演奏家たち。
セカオワを見ていると、彼らみたいだと思います。
もう沈むことはわかってるんだから、どうせなら最後まで楽しくやろうぜ、と。

薄っぺらい笑顔とポジティブな言葉。
額面通りに受け取ってはならないです。
奥に横たわっているのは、深い闇なのです。

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