わけもわからず惹かれる意味

物語で伏線がキッチリ回収されていると、スッキリした心持ちで見終わることができます。
ハリウッドのエンターテインメントに特化されたような映画(007など)はそのようなものを多く見かけます。「大団円エンドでめでたしめでたし」というやつです。

でも、人は必ずしもそういった「きれいにまとまったもの」ばかりを求めているわけでもないのでは、とも感じます。
まとまっているものもほしいけれど、支離滅裂なのに惹かれるという場合もあると思うのです。

例えば、私は今、ボカロのカゲロウプロジェクトにはまっています。
【参考】自分を守る嘘、壊す嘘
【参考】才能よりも努力よりも、大切なこと

カゲプロは、約22曲でひとつの物語をえがくという構成です。
結構な割合で心地いいとはいえない楽曲が入ります。

例えば、代表曲ともいえる「カゲロウデイズ」。

一言でいうと、「トラックに轢かれて死ぬ歌(話)」です。

キャッチーなメロディでかわいらしい恋を歌う「夕景イエスタデイ」

この女の子は、この日没で殺されます。結局想いは伝わらないまま…

暖かい旋律で家族の軌跡を描いた「アヤノの幸福理論」

このアヤノは歌の中でもほのめかされていますが、自殺します。

ここまで見て「何でそんなもんにはまってるんだ!!」と思われるかもしれません。

それどころか、私は評判が最悪だったアニメ版の「メカクシティアクターズ」を毎話、号泣し見ていた始末。
小説版(カゲロウデイズ -in a daze-)も話の構成としてはハッキリ言って雑で、ストーリーテリングがうまいわけじゃありません。なのにガンガン心に来るんです。

「何がいいの?」といわれても、合理的に説明できません。
論理的に納得できそうな材料は見当たらないのです。

キャラ単位にまで細かくして「今の自分にどんなところが響いたのか」を分析することは可能です。
しかしながら、それでは片手落ちなんです。
「何でかわからないけど全体的にグワッと来た」んです。カゲプロ自体は前々から知っていたのに、いきなり最近。

自分の感情にヒットしたのは、そんなに整合性のあるものではなく、もっと断片的で言語化しにくいものといえます。

美しく整っているわけではないのに、心に響く。
私にとって、浅田次郎の壬生義士伝 もそういう話です。

壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)

一言でいうと「冴えないオッサンが銭のために人殺しをして最後は切腹して死ぬ話」。
しかも、冷静にツッコもうと思うなら割とツッコミどころ満載。
なのに、雰囲気だけでガッツリもっていかれちゃう。

あざといくらいに演出された泣かせどころ(いや、浅田次郎だからさ…)で、「うわああああ!」って号泣しちゃう何かがあったんです。
人によっては超陳腐に見えるそれが、超感動だったんです。
合理的には、説明できない何かが。

戦争映画を観ずにはいられない!!

私は一時期戦争映画ばかり異様に観たり、ウォーシミュレーションゲームばっかりやっていました。狂ったように。

当時はなぜそんなことをしたがるのかがさっぱりわかりませんでした。
どうしても観たくて仕方がない。でも周りの人間は私の見た目で「ローマの休日とか好きそう系ほわほわ女子」なんて判断してて、ごっつい戦争映画観たいだなんて言い出せない雰囲気で、しょうがないから女一人で映画館行ってブラックホークダウンとか観ておんおん泣いてたわけですよ。意味不明のまま。

ちなみに私が今までの人生の中で一番泣いた映画は↓の「シルミド」です。

申し訳ないが、私は「ローマの休日泣ける☆-(ゝω・)vキャピッ」とか言えるような女にはなれない。無理だ。許せ。逃げる奴は皆ベトコンだ!フゥハハハー

その後、私はアメリカの過去世を思い出したんです。
前の人生(前世)アメリカの貧乏な農家に生まれて、貧乏な家の三男坊のテンプレってかんじで軍隊に入って、ヴェトナム戦争でヤク漬けにされても女子供を殺すのに耐えられなくて逃走してジャングルの中で撃たれて死んでたんです。
結構、救いどころのない人生でした。まじで逃げるやつは皆ベトコンなんだよ。

そこで、戦争映画を観まくっていた意味が
「戦争で負ったトラウマを癒そうとして、あんなことしてたのか!」
と腑に落ちました。
(トラウマはイメージによる再体験で癒される場合があります。魂が傷に気づかせるために、できるだけ似たような場面やイメージに引き合わせようとする場合もあります)

わけもわからず惹かれちゃうもの、理由は説明できないのに引き寄せられるものというのが、人生にはあると思うんです。
「なぜ自分がそれを好むのか」という説明が、難しいような。

その場合、無理に説明しようとしなくてもいいと思うのです。
もし、その意味が必要なら、わかるときが来るので。
私が戦争映画を観まくっていた意味が、ある日唐突に過去世を思い出すことで理解できたように。

問題なのは、他人に説明できないからって惹かれる心を抑えること、人の目を気にして心にうそをつくことです。

人から「そんなものが好きなの?」と引かれると、どうしても自分の嗜好を隠してしまいがちになります。
いや、隠してもいいのです。むしろ隠したほうがいい場合だって、ある。
でも、自分自身に隠してはいけない。自分に対してだけは、普通ぶってはならない。

惹かれるものはいかに支離滅裂に見えようと、必ず深いところから魂にとって必要なものを伝えています。
惹かれるものがあるなら、素直に惹かれてください。
自分の心に嘘をつかないでください。

嘘をつき続けると、結局魂の声と切り離されてしまって、心にぽっかり穴が開いたようなむなしさを覚えねばならなくなります。
そしてその状態で生きるとメッチャ辛いです。
だから、自分にだけは、嘘をついてはならないのです。

2014年09月15日 | Posted in オタク ヒーリング | タグ: , , , Comments Closed 

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