自助グループ、やってみた。

私はこの1年、インナーチャイルドワークをしている人を対象とした自助(セルフヘルプ)グループ「ぼだいじゅの会」を主宰していました。
「インナーチャイルド」と銘打ったのは、リンデンバウムのサイトではこの用語を使うことが多かったからです。アダルトチルドレンでも同義です。要するに、親との幼少期の関係によってもたらされた傷を癒すための自助グループです。

「そもそも自助グループって?」とか「自助グループに入るとなんかいいことあるの?」とか疑問な方は、アダルト・チルドレンと家族―心のなかの子どもを癒すや、愛しすぎる女たちなどのセルフヘルプの本を読んでみてください。

ここでは、自助グループをやってみての私の個人的な感想を述べてみます。
これから自助グループに参加してみたいと思っている方や、結成してみようと思っている方、参加中の方などの参考にしていただけたら幸いです。

自助グループ活動、1年の経緯

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はじめにお断りしておきますが、「ぼだいじゅの会」の運営方法が絶対的に正しいわけではなく「こうすべきである」ということを述べるつもりはございません。
あくまでも私一個人の感想です。他メンバーなら、また別の感想もあるでしょう。
自助グループはあくまでも「その場のメンバーに合った形」で運営されることが望ましいです。

「ぼだいじゅの会」は2013年1月よりスタートいたしました。
はじめは週1回のペースで会合を開きました。場所はリンデンバウムサロンです。

はじめのうちは、「話しても話しても足りない!」と、設定日の火曜日に「何を話そうかあれも話したいこれも話したい」というかんじでした。
とにかく、自分の中からあふれてあふれてとまらない。
ぼだいじゅの会の最中や後で気づいたことがきっかけで感情があふれ、手紙のワークをよくやっていました。(手紙のワークのやり方はリピータールームの「インナーチャイルドケア」コーナーの「手紙を書く癒しのワーク」かアダルト・チルドレン 癒しのワークブック―本当の自分を取りもどす16の方法などを参考にしてください)
火曜日が来るたび自分の感情をありのまま吐き出して、お腹の底からものっすごくスーッキリする!という体験を繰り返しました。

しかし3ヶ月もすると、それもずいぶんと落ち着いてきました。
他の参加者の方もそのようで、会合への参加率がどんどん落ちていきました。
なので、思い切って回数を減らしていくことを提案しました。

4月より月2回、7月より月1度の開催になりました。
7月の時点では「もうそんなに話すことは無いから、テーマを決めるとか(それまでは完全フリートークだった)ワークをやってみるとかしたい」という意見も出ていました。
フリートークではそれほど話したいことが出てこないということで、7月からは瞑想もとりいれ、半ばプチ瞑想会みたいになっていました(笑)

10月の時点で「12月までで卒業ということでどうか」という提案をしました。
その時点で「私はもういいなと思っていたから、この時点で卒業します」という方もいらっしゃいました。逆に「終わってしまうと不安もある」という方もいらっしゃいました。
会合にて話し合い、12月終了ということで最終的に合意しました。

Al-Anon アラノン家族グループのような、伝統があってずっと継続している会とは違い、「ぼだいじゅの会」は1年のみの活動となりました。

母がしんどいの著者・田房永子さんは、自助グループに一度だけ出てみたそうですが、一度で満足したそうでそのまま行かなくなったそうです。
人によって、「どれだけ継続したほうがいいか」というのは分かれるところだと思います。

こういった会は継続してこそ意味があるという場合もあるでしょう。
しかし、個人規模でやるならば期間を限定するのも手だと思います。

個人規模だと、誰かオブザーバー的な視点で見てくれる人がいないと、どうしても馴れ合いになってしまったり依存関係に陥ってしまいかねないという罠があります。
男女混合の自助グループだと、恋愛関係に陥りやすく(いかんせん非常にプライベートなことを分かち合いますから)それが問題になってしまうこともあるようです。回復するはずが、逆に恋愛依存にはまってしまうという。(「ぼだいじゅの会」は女性のみのグループでしたので、そのような問題はありませんでしたが)

私個人で自助グループをやっていて、非常に癒されたし、意義も感じました。
でも、それは自分の癒しあってこそでした。
エゴイスティックで恐縮なのですが、私はこのグループを「自分が癒されるため」にはじめたのです。人のためだけに無償でできるほど、私はデキた人間ではありません。

自分の癒しが進んで、仲間の回復も目に見えてわかる。
そうなったときに、継続するモチベーションを保つのは、率直に言ってそんなに簡単なことではありませんでした。
もうなんか、満足してしまったのです。「ああ、よかったよかった!」と。

継続的に「いつでも行きたいと思ったら、存在しててくれる」というセルフヘルプのグループは、やはりなんらかの団体や行政によってバックアップされている必要があると感じます。
札幌だと札幌市男女共同参画センター::公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会(札幌エルプラザ)でやってることが多いです。
もちろんAl-Anon アラノン心理カウンセリングのIFF(アイエフエフ):自助グループ検索などの有名どころもあります。

参加者は、必然。

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「ぼだいじゅの会」というのは、私の人生の流れにそってやってきたことでした。
はじめ、自分が自助グループをやるだなんて考えてもいませんでした。
でも、そういう流れがやってきて、募集すると人が来て、会ははじまりました。

当然ですが、会合は常に同じメンバーで行われるものではありません。
来れる人が来れる時に来ます。
なので、色々な組み合わせで会合が行われるのを見てきました。

その中で驚いたのが
「今日、だから、このメンバーだったんだ」
と舌を巻くようなシンクロがガンガン起こったこと。

普通ありえないようなニッチな情報を共有できるメンバーが、その場にジャストタイミングでいるのです。
「実は、私、○○で~」
と思い切って告白したら、その場にいる人全員が「私も!!」となることも珍しくありませんでした。

その状態は非常に特殊だったので、そんなにそんなにあることじゃないのに。
だからこそ、誰にも言えないで胸に秘めていたのに。
なのに、そこに集まったメンバーは、全員が経験者だったりしたのです!!

いやー、もう、鳥肌モノでしたね。
「私たち、今ここに必然で集まってる」と思わざるを得ないような場面に、何度も遭遇しました。

あと、7月からは瞑想を取り入れることが多かったのですが、グングン瞑想が上達していく、癒しが深まっていくのが目の当たりにできたのも興味深い体験でした。
ちゃんと自分の内側の深い感情とつながれている人は、瞑想をしても癒しが格段に進むものですね。インナーチャイルドケアの意義の一つを感じました。

「ぼだいじゅの会」に限って言えば、参加者の年齢層や生活状況が似通っていたのも、良かったです。
それがより共感を深めることになりました。

「ぼだいじゅの会」では話をしない人はいませんでした。
別に話すことは強制ではなかったにもかかわらず全ての人が発言していたのも、「ここにいる人は私と同じ(自分は受け入れてもらえる)」という感覚を共有できたからだと思います。

そして、人生は続いていく

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インナーチャイルドケアのみならず、スピリチュアルなヒーリングに傾倒するとありがちなのが
「私は完璧に癒されて(浄化されて)幸せになれるのだ」
という幻想を抱いてしまうことです。

しかし、完璧に浄化されたというならば、そもそも死にます。
完璧に癒されるというのは、生きている限りはありえないことです。

私たちは課題を持っており、テーマがあるからこそ、今ここに命があるのです。
やることがあるから、まだ生きているのです。
完璧に癒されていない、不完全だからこそ、人間なのです。

誤解を恐れず言うならば、私たちはみんな完璧じゃないからこそ、人間として生きている価値があるのです。

「ぼだいじゅの会」を通して、私は非常に大きな癒しを得ました。
人を信じる力、愛を受け取る力を発達させることができました。

そして、それを得たならば、またワンステップ上の課題が来るのです。
言い換えると「今まで失敗してきたことのリベンジ」でもあります。

過去できなかったからって、今の自分もまた失敗するとは限らない。
でも、過去失敗してきていることだから、すごく怖い。
だけど、もう、私は昔の私じゃない。だから、もう一度挑戦する。

そんな課題が、今、私の目の前にはあります。
生きている限り、そういった癒しや成長は続いていくのです。

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