「何で私をわかってくれないの!?」と言う前に

cry
「こんなに一緒にいるのに、どうして私のことちっともわかってくれないの!?」
こんな風に怒りたくなるときがありませんか。

でも、そんな風に怒ったところで、相手は「???」と戸惑ってしまうのではないですか。
もしくは、「何をわけのわからないことを」とか「頭を冷やせ」とか、適当な理屈を並べて真面目には取り合ってくれないのではないですか。

冷静に考えてみてください。
あなたは、いつも相手に「どんな自分」を見せているのですか?

社会で生活していくうえでは、確かに「いい人ぶる自分」でいる必要がある時分もあるかもしれません。
しかしながら、家族や恋人にまで「いい人ぶる自分」を持ち込んでいませんか?
いい人ぶっていなかったとしても、「偽りの自分」もしくは「自分の見せたいと思う一部分」だけを見せていませんか?

それじゃ、相手があなたを理解できないのは当たり前です。

そもそも、あなた自身が「自分とはどういう人間か」をわかっているのですか?
「私がこれが好きであれは嫌いで、こういう場所が好きでああいう場所が嫌いで、こうされたら嫌でこう扱ってほしい」

スピリチュアル好きの中には、ポジティブなことにばかり気をとられてバランスを失う人がいます。
わかりやすく言うと「嫌い」という感覚を締め出してしまうのです。
「私は、みんな好きなんです!」といってニコニコしたがるのです。

んなわけありますか。
好きがあったら嫌いがあるのです。
光があれば、必ず影ができるように。

そして、(家族や恋人などと)親密な関係を築いて近しい距離で付き合っていくには、「何が好きか」よりも「何が嫌いか」をはっきりさせる必要があるのです。
一緒に生活するなら、尚更大切です。
「これは絶対イヤ。普通の人は別に気にしないんだろうけど、私は嫌!」というところを主張できないと、生活は見る見る間にストレスであふれてしまいます。

あなたは自己主張できる自分になっていますか?
周りの空気や顔色を読んで、自分を抑えてばかりいるのではないですか?
自分さえ我慢すれば丸く収まると思って、黙ってやり過ごしているのではないですか?

それじゃ、誰もあなたを理解してくれなくて当然です。
「あなたという人が、どんな人間なのか」が全く見えないからです。

lantern

別に、世の中全員からわかってもらう必要などありません。
社会的な仮面をかぶっていていい場面だってあるでしょう。
でも、本当に心を分かち合いたい人の前で、仮面をかぶっていては、あなたは寂しい人生から逃れられませんよ。

いくら結婚しても、家族がいても、恋人がいても、友達がいても、寂しいまま。
「どうせ私のことなんて誰もわかってくれない」とむなしいまま。

自分を主張したら、必ず誰かから批判されるでしょう。
だって、奴隷体質でなんでも「はい」「わかりました」「全部が好きです」って言ってた人間が、自分を主張しだすなんて「支配者」から見たらウザいもの。
だけど、そこで負けるならあなたは一生寂しいままです。

自分がどんな人間かわかってますか?
そこがわからないと、あなたは人からわかってもらうこともできません。
まずは、「本当の自分」を知ってください。

もちろん、本当の自分はきれいなところばかりじゃないですよ。
汚くて意地悪で情けなくてエゴまみれでどうしようもない自分も、絶対います。(誰にだってね)
そういう「ネガティブな自分」を受け入れることなしに、あなたは仮面を外す(=ありのままの自分になる)ことはできません。

いい人ぶるのはいい加減やめたらどうですか?
「偽善者ぶってたって、人生むなしい」って、もう十分学んだでしょう?
自分のドロドロしたところを直視しましょう。認めましょう。

そうしてはじめて、あなたは汚いところを含んだ「本当の自分」を人に見せられるようになるのです。

イザベルは、男たちが自分の本当の姿を無視したとき、自分がどれほど傷ついていたかに気づくことができました。

ただ、いまやそれだけでなく、別のことにも気がついたのです。
つまり、自分が男たちに全く別のイザベルを演じて見せることで、どれほど男たちが自分を誤解する手伝いをしていたかに。

ジョンにとってイザベルは、青春時代の素直で明るい彼女でした。離婚した夫バーナードや、今の恋人ペーターにとっても、イザベルは役に立つモノのような存在で、男たちの迷惑になるようなことは何ひとつ求めないはずだと思われていました。

(中略)

ジョンと再会した日の夜にはじめて起こった激しい腸の痙攣は、イザベルを次の問いに直面させました。

はいったい誰なのかしら。
どうして私はこれまで、親密な関係になっても、ありのままの自分としてふるまえなかったのかしら。

相手が私をわかってくれないと、苦しい。
でも、私が自分って人間をわからないようにして、相手から本当の私を隠しているとしたら、どうして相手が私を理解できるっていうの。

なぜ、私はそんなことをするのかしら。

これらの疑問は、療法の中で見つけることができました。

(中略)

「父は私のことを人格、心を持った人間としてはまるで認めていなかったのです。

 こんなことを言うのは今でもつらいのですが、それは必要でした。
 父は自分を愛してくれていたという自己欺瞞から抜け出すためには不可欠でした。

 この痛みを意識して感じたのは、ジョンから、私のことをいつでもニコニコしてる明るい子だと思っていたと聞かされたときが初めてです。

 (中略)

 私はもう自分を隠さなくて良いのです。
 すでに起こってしまっていることから自分を守る必要はありませんから。

 起こってしまったことを絶対に認めまいとしていた間中、私はいつでも、もともと全然私を愛してなどいない相手ばかり探していました。

 今の私はもう、いつでもニコニコした都合のいい女ぶるのをやめています。
 本当の自分を芝居の中に求めるのはやめました。

 やっと私は、自分がありのままでいてよくて、ありのままに生きること始めたのです。
 それ以来腸の痙攣は起きなくなりました」

以上 アリス・ミラー「闇からの目覚め」より抜粋

関連記事