「我慢して我慢して怒りが爆発してしまう」のはなぜ?

人生:スピリチュアルブログ

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「私が我慢すればいいんです。それで上手くいくからです」
「わがままは良くないです。周りのことを第一に考えて気を遣います」
「私の思ったことよりも、人の言うことのほうが正しいんです。違和感があっても抑えます」

こうやって、一生懸命我慢する人がいます。
確かに、それで現実は上手く回るのかもしれません。
あなたが我慢さえすれば、丸く収まるのかもしれません。

でも、あなたはたまりにたまった感情をどこかで爆発させてしまいませんか?
一度「怒り」のスイッチが入ったら、暴走状態といえるくらいに怒り狂って周りに当り散らしてしまうことはありませんか?

それは、実はあなたの親の育て方がまずかったせいです。
ええ、親のせいです。
種をまいたのは親です。

でも、大人になってからの行動の責任は、あなた自身が取らねばなりません。
親に大人になった自分を変えてもらうことはできません。
あなたを変えられるのは、あなただけです。

まずそんな性質を身につけてしまったメカニズムを理解して、「正しいときに正しく怒りを表現できる」スキルを身につけて生きましょう。

なぜ怒れなくなるのか

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まず、理解してほしいことがあります。
「怒る」ということは大切なことです。
「怒り」を感じることができなかったら、人生は危険に満ちます。人からだまされやすくなります。

【参考記事】「好きなこと」が見つからないなら、怒れ

スピリチュアルな法則では、必要のないものは存在しません。
怒りだって必要な感情だから存在しているのです。
そして、あなたの怒りも必要なのです。まずは自分の怒りを大切なものと認識してください。

そんな大切なものを、なぜあなたは抑えるようになってしまったのでしょう?

怒る人間は心が狭いから?
怒ると人から嫌われるから?
怒ると人間関係が上手くいかなくなるから?

待ってください。
それじゃあなたの周りの、怒りたいだけ怒って好き勝手している人間はどうなるんですか。
不公平じゃないですか。上の理屈は成り立たないことを知ってください。

それでも怒りを抑える以上、「あなたが怒るといやな顔をする人間がいる」ということでしょう。
あなたは「いやな顔をされると、自分の感情を引っ込めてしまう」という癖があるのです。
相手にとって都合の悪いことを少しでもすると、もう自分は受け止めてもらえないという恐怖にすくんでしまうのです。

この類の恐怖は、非常に強烈です。「もう生きていけない」と言っても大げさじゃないくらい。
どうしてそんな風に思うのか。
それは、文字通り「生きていけなかった」からです。

子供のころ、親(または保護者)に、ありのままの感情を表出したときに
「そんなワガママ言うならゴハン抜き!」
「お前はなんて強情な子だ!もう出てけ!」
などと怒鳴られたり、言葉は無くとも冷たい視線で一瞥されたり無視されたりすると、子供は生命の危機を感じます。

大人の感覚では「何言ってるんだ大げさな」と思うでしょう。
でも、子供の生命を握っているのは親(保護者)です。その大人が「お前なんてもういらない」「お前に食わせる飯は無い」と言ったら、それが本気で無くてすら子供にとっては死の脅威なのです。

大人はよく「そんなこと本気にするな」とか「単なる冗談じゃない」と言います。
でも、子供にはそんなこと理解できないのです。
大好きなお父さんお母さんが、嘘つき人間だなんて思いたい子供はいないのですよ。

そして、子供は自分の感情(特に怒り)を抑える「いい子」になっていきます。

呆れ返るのが大人の反応。
「うちの子は本当にいい子なんです、親の気持ちもわかってくれるんですよ」って誇らしげに口にする人を見るたび、私はゾッとします。
「いい子」と言うのは、すなわち「自分の感情を素直に表出できないような過酷な方法で育てられた子」なんです。

そして、そういういい子は自分の感覚から切り離されて、「正しいか間違っているか」はわかっても「自分が何をしたいか」「自分がどう思うか」「自分がどう感じているのか」はわからないのよね。
だから人生惑うの。
何のために生きてるかが、つかめないの。

だから、怒れないの。

「怒りの爆弾」から解放されよう

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なのに、たまりにたまってしまうと、まるでダムが決壊するようにドカーンといきなり爆発してしまいます。
でも、これはまだ健全な反応なんですよ。
たまりにたまって、それでも我慢する人は体か心の病気になりますからね。

亭主関白な夫を持つ妻は、若くして乳癌や子宮ガンになる人が多いです。
もちろん統計を取ったわけではなく私の肌感覚ですから、話半分に聞いてくださいね。
私は「我慢する妻」は健康を害するものだなと感じています。「我慢の毒素」が体を巡って、妻を死に至らしめるのです。

おー怖い!
「男らしく引っ張ってってくれる人(=亭主関白オヤジ)」なんかと結婚するもんじゃないですね!
男はやはり、女の尻に大人しく敷かれてくれてナンボですわよ~。草食系こそ正義。

話がそれましたね。
このようにたまりたまった怒りが爆発して何が問題かと言うと、このような方法で怒ってしまうとかなりの高確率で「人間関係が壊れる」ということです。

冷静に自分が不快だと思った理由を話せば、すんなりわかってくれるようなことでも、いきなり頭ごなしにドカーン!と怒って「何で私のことわかってくれないのよーッ!!」と怒鳴り散らしちゃったら……。
そりゃ上手くいくものも上手くいきません。

「黙って我慢する」か「爆発する」の両極端はやめましょう。
怒るべきときに必要な分だけ、小出しに怒れるようになりましょう。
「怒りの爆弾」を抱えながら生きるなんて、いつ人間関係が崩れちゃうかわからないし、何より自分が辛いですよ。

そのためには、まず自分の怒りを肯定すること。
自分が不快に思ったときに「今私は不快に思っている」とキャッチできるようになること。
「いやいやそんなこと思っちゃいけない。皆楽しそうにしてるんだから、私だけが我慢して笑えば丸く収まるんだから、グッとこらえてニコニコしてよう」をやめること!!

そして、もちろん「いやだ」「なんか気持ち悪い」「それは違うんじゃない」と思ったときに、ブチ切れる必要はありません。
ヒステリックに怒鳴って主張する必要はありません。
冷静に「いやだ」とだけ言ってください。一言だけでいいのです。
【参考記事】「No」が言えるのは、幸せの第一歩

そして、相手がどんな反応を返そうと、それは相手の自由であることも知ってください。
相手がもしあなたを受け入れない反応を返してすら、それはあなたの責任ではありません。
相手の感情は相手が責任を持つべきものであり、あなたは自分の感情に責任を持てばそれでOKなのです。

「必要なときに、必要な分だけ怒れる」というのは、非常に大切な能力です。
怒りを溜め込んで大量の怒りを理不尽にぶつけるのは、一種の暴力です。
適切な分だけ怒りをぶつけるようにしましょう。ためすぎも、ぶつけすぎも、ダメです。

「我慢(忍耐)は美徳」という考えもわからなくはありません。
確かに明治・大正の女性にとっては大切なことでした。
でも、あなたは平成に生きているのです。平成に生きているのに明治女になるのはやめてください。「今を選んで生まれてきた意味」を台無しにしないでください。

平成に生きるあなたには、自分の怒りをきちんと感じてあげて、それを適切に表現することこそがテーマです。

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